ハイスクールD×555   作:白尾芯

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最近は少し悩む時間が長くなりました。



列車内での出来事

部室での会話から三日後、俺たちは制服で駒王町の駅に来ていた。

え?なんで制服で駅かって?そんなこと俺が知るか。

 

「この駅の地下に冥界に行くルートがあるの」

 

「え?でもここって地下なんて無いですよね?」

 

珍しく兵藤がまともなことを言う。

 

「当然一般人には分からないようにしてあるわ。取り合えず行きましょう」

 

そう言ってグレモリー達が移動し始めたので俺達もそれについて行く。

付いて行くとエレベーターがあった。

 

「さ、先ずはイッセーとアーシア、それとゼノヴィアが乗ってちょうだい。朱乃、後のメンバーは任せるわ」

 

「分かりました」

 

そう言ってグレモリー達はエレベーターに乗っていった。

俺達無関係者()組はどうしたかと言うと、二班に別れて降りていった。

エレベーターが着いたので降りてみるとそこには結構大きい駅を模した空洞があり、そこには列車があった。

 

「さ、三番ホームに行くわよ」

 

グレモリーに着いて行くと、そこには紋章が書いてある列車があった。

 

「…あの紋章は部長の家の紋章です。つまりグレモリー家が所有している列車です」

 

近くにいた小猫が説明してくれる。

マジかよ。

 

「魔方陣で行かねーの?」

 

そういう俺に姫島が近付いて来る。

 

「此方が正式なルートでして、一度此方で入国しておかないと罰せられてしまいますわ。特にイッセー君とアーシアさん、ゼノヴィアさんは最近眷属になりましたから尚更です。さ、私達も乗りましょう」

 

なるほどな。理解した。俺はそう思った後、姫島に言われた通り列車に乗った。

 

 

 

 

 

「で、なんでこんな席になってるんだ?」

 

「嫌でしたか?」

 

グレイフィアがそういう。

席順は向かい合っている座席の個室形で俺が窓際、隣が姫島、目の前がグレイフィア、斜め前にロスヴァイセ、後ろの席に黒歌、小猫、ギャスパー、エウリュアレ、レイナーレ。んで、俺の膝の上にオーフィス。

……なんだこれ。

 

「嫌ではないんだが…。何時の間にこうなった?」

 

「最初からです。席はじゃんけんで決めました」

 

ああ、だから隣の姫島はメチャクチャ笑顔で後ろが睨んでるんだな。でもなー…、

 

「席なんかさほど重要じゃねえだろ。座れればいいんだし」

 

『(…)いや、そう思ってるのは蓮(様)(先輩)だけ(です)』

 

なんでさ。

 

「チキショォォォ!なんでお前はハーレム作ってんだよぉぉぉ!」

 

隣の席組に座っている兵藤が泣きながらそう言うが、まずはその変態性をどうにかしろ。そのあと紳士的な行動をとれ。それならたぶんいける…はずだ。

 

「そう言えば、冥界に着くまで何分かかるんだ?」

 

「おおよそ一時間です」

 

「ん、分かった。それまで俺は寝てr「そうはさせないにゃ」…寝させろ。昨日夜遅くまで開発とメンテナンスやってたんだ」

 

「だとしても寝るのはこれが終わってからにしてちょうだい」

 

そう言ってこの車両に入ってきたグレモリー。その後ろには少々年老いた男性が入ってきた。

 

「始めまして車掌のレオナルドと申します。早速ですが、新しく眷属になられた方の確認と照合を行わせていただきます」

 

そう言ってレオナルドと言う男性は兵藤達を確認したあと、此方を見る。

 

「あなた方は魔王様から直々に許可をもらっておりますので大丈夫でございます。しかし、私は長年この列車の車掌をやっておりますが人間を、それも英雄様を乗せることは一度もありませんでした。長生きはしてみるものです」

 

「俺は英雄じゃない。その事は俺の親父に言ってくれ。俺はたまたま変身できただけだ」

 

「それはそれは失礼いたしました。ですがだからと言って見下したりは致しません。あなた方は大切なお客様ですから」

 

おお、仕事にストイックで平等にものを見れるのは好感が持てる。あの二人にこの人の爪の垢を煎じて飲ませてやりてぇな。

 

そんなことを考えてるとは思っていないグレモリーが話し出す。

 

「あとはアザゼルだけど……寝ているわね」

 

「Zzz………」

 

チッ、俺が寝れねぇてのに爆睡してやがる。

 

「よくもまぁ、ついこの間まで敵対していた種族の列車で寝れるわね」

 

「ははは、堕天使の総督は平和ですなぁ」

 

ほんとだよ。しかしまぁ、この車掌さん総督の前でも態度がほとんど変わらん。流石だ。

 

「ああ、それとみんなもうそろそろ冥界に入るわよ」

 

もうか。結構早かったな。つってもまだ目的地までは時間はあるな。寝よう。

 

「着いたら起こせ。んじゃおやすみ」

 

そうして俺は夢の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

《第三者視点》

 

蓮が寝た後の事。

 

「あ、蓮さんが寝ちゃっています」

 

いち早く気づいたロスヴァイセが言う。

その事に周りの女性陣+ギャスパーも蓮の様子を見る。蓮はスースーと寝息を立てながら寝ていた。

 

「寝顔だけ見るとかわいいんだけどにゃー。起きてるときの行動が怖いにゃ」

 

「それは姉様だけです」

 

「え、嘘!?」

 

「まぁでも最近はストレスが溜まってたっぽいし寝かせてあげましょう?ね、グレイフィア」

 

「そうですね。エウリュアレ様の言う通りです。着いたら起こしてあげましょう」

 

「蓮、すごい落ち着いて寝てる」

 

「起こさないようにしましょう?オーフィスちゃん」

 

「ん、レイナーレの言う通りにする」

 

「あらあら、微笑ましいですわね」

 

「ですぅ~。すごくいい寝顔ですよ~」

 

騒がしくならないように会話して女性陣+ギャスパーは起こさないようにしていたが、一人の空気を読まないバカが一人いた。

 

「チキショー!俺もあんな風に美女に見守られながら寝てー!」

 

そう、その場面を見ていた一誠だ。

隣にいる木場、アーシア、ゼノヴィアはその言葉を聞き呆れていたが、止めなければまずい予感がし、注意した。

 

「イッセー君。今彼が寝ているから静かにしていた方が」

 

「そうですよ。流石にイッセーさんでも他人の睡眠を妨げるのはいけないと思います」

 

「そうだぞ。それにやりたければ何時でもしてやるぞ」

 

「そうだとしてもあの光景は俺が夢見たハーレムの形だ!これを羨んで何が悪いんだ!」

 

しかし、一誠はその忠告を聞かず、大声で喋り出す。

 

「イッセー君もうちょっと声量下げて、叫ばないようにしよう?」

 

「これが叫ばずにいられ「ねぇ静かにしてくれない?おサルさん?」え?今誰が」

 

叫ぼうとした一誠を誰かが止めた。

 

「私よ。貴方、人の話を聞けないの?ましてや同じ部活には言っている人の話を。ああ、でも少し前に会って声も聞いたのに全く覚えてないレベルのお馬鹿だから人の話を聞けるわけがないか。だからモテないのよ。そもそもこんな列車のなかで叫ぶなんて迷惑行為に他ならないわ。非常識にもほどがあるわね。流石サル。と言うかこんな煩悩の塊のサルをなんで放し飼いにするのかしら?鎖に繋いで檻にぶちこんで置けば良いのに本当にナゾだわ。そんなに叫びたいのなら外に行って叫んできてくれない?そして、列車に走って追い付くの。ああ、そっちの方が訓練になっていいわね。じゃあ、今から飛び降りて走ってきなさい。それで許して上げる。行きたくないのなら最終忠告、静かにしなさい。この変態大馬鹿猿」

 

そう、エウリュアレだ。

エウリュアレは前々から一誠の事が気にくわなかったらしく、そのストレスが爆発し、もう意味が分からないくらい喋ったのだった。……中に思いっきり毒を吐きながら……。

 

「え、えっと、エウリュアレさん?」

 

「名前を呼ばないでくれる?鳥肌が立つから」

 

「は、はい!」

 

「第一貴方、目がいやらしいのよ。私を見ないでくれる?臭いもかがないで。呼吸もしないで。空気が汚れるから」

 

「俺に死ねと言ってるんですか!?」

 

「ええ、今頃気づいたの?ホント馬鹿ね。訂正、サルよりも馬鹿だわ」

 

「いいすぎじゃないですかねぇ!?」

 

兵藤がそうツッコミをするが、エウリュアレは問答無用といった感じで弓矢を取り出す。

 

「殺されたくなかったら静かにしてること。いい?あ、貴方達もよ」

 

「「「「わ、分かりました…」」」」

 

「よろしい」

 

そう言って、エウリュアレは席に戻った。

因にだが兵藤が叫ぼうとした時瞬時に防音の結界を張り、蓮を起こさないようにしていたのは余談である。




エウリュアレの台詞部分キツかったです。

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