今教室の中には生徒だけでなくその親御さんも来ている。そう、今日は授業参観だ。
学校全体での授業参観なので当然小猫も授業参観。
対して俺の親は先日、行きたいけど仕事の都合で帰ってこれないと言っていた。
だから俺はいつも通りに過ごそうかなと…、
そう思っていた時期が俺にもありました。
今現在俺のクラスでは生徒どころか先生、他の親までも惹き付けている人達がいた。
……エウリュアレとグレイフィアとオーフィスだ。
最初俺は寝ていたのだがさっきまで親御さんやその親御さんを見て他の生徒が会話して騒がしかった教室がいきなり静かになったのでおかしいなと思って回りを見てみると、どうやら余程綺麗な人が現れたらしく皆後ろを見て固まっていた。
気になって後ろを振り向いてみると、固まった。
いや、見惚れたとかじゃなくて、その惹き付けた人達を見て唖然とした。
それが上記に記した三人だったのである。よく見てみると腕や首にちゃんと認識阻害のアイテムを着けているのでホッとしたが、何故居るのかが分からなかった。
「誰の親だろあの綺麗な人達?」
「あんなに綺麗なんて…あの人達と一緒に暮らしてるなんて羨ましいぞ」
そんな事を言っている奴等、すまん俺と一緒に暮らしている。
そう思っているとあちらも気付いたのか手を振ってきた。俺は一緒に暮らしていることを悟られないために手を振らずにしておいた。そうした後、前を向いたがそこで服を引っ張られる。
「蓮、何で無視する?」
…そうだった。オーフィスがいるんだった。
結果、注目を浴びてしまう。
「お、おい。その子お前の家の…?」
「てことは、あの綺麗なお姉さま二人と同居、いや同棲してるのか…?」
「………あいつらは家にいる親戚だ。つまり居候」
「それってもう…同棲と変わらねーじゃん!!」
その言葉を皮切りに教室が一気に騒がしくなる。
「おーまーえーはー!こんな綺麗な人達と一緒に住んでるのかよ!」
「イケメン絶対許さねぇ!」
「そこの幼女だけでもください!お願いします!」
「あんなに綺麗な人達と同棲してるなんて…勝てるわけが……」
「それに小猫ちゃんも住み始めたって言うしもう無理かも…」
「負けた………………」
うるせぇよ。しょうがないだろうが、実際にあいつら住むところ無いんだし。それとオーフィスはやらねーし最後負けたとか何だよ。何に負けたんだよ。
それとオーフィス。お前はいつも道理に膝に座るな。回りの目が痛いから。
「ちくしょー!そんなかわいい美幼女を膝に乗せるなんて羨ましいぞ!」
そんな事を言っている兵藤を俺は無視してオーフィスと会話する。
「…オーフィス、膝から降りてくれ」
「…なぜ?」
「これから勉強しないといけないから」
「ん、分かった。我、降りてグレイフィアの所に行く」
と言ってオーフィスは膝から降りて、とてとてとグレイフィアの方に向かっていった。
そしてあの三人に見られながら授業が始まった。
追記、英語の時間に紙粘土って何だよ。
授業参観が終わり、俺は三人に学園を案内していた。
え?授業はどうしたかって?兵藤がグレモリーの裸の模型(?)を作ってオークションになったってことだけ伝えておく。
「で、お前らは何でいるんだ」
案内しながら俺は三人に聞く。
「お母様が帰られないと言うことで私達が代わりに来たのです。それで家にお二人だけでは心配でしたし、行きたいと言っていたので二人を連れてきました。因みにロスヴァイセは小学校にいっています。レイナーレは買い出しついでにショッピングに行っています」
なるほど。二人に留守番を任せていると何が起きるかわからない。それ以前にこの二人、料理できないから腹が減ったら暴れる可能性がある。だったら連れてきた方がいいという考えか。まったく合理的である。
そこで心配になってくるのが一つ。家の事である。
「今家はちゃんと認識阻害かけてあるか?」
「はい、しっかりと」
「それなら良かった」
「この私が掛け忘れるわけないでしょ」
「ん、我も頑張った」
そんな会話案内していると途中で小猫と黒歌に出会った。
黒歌は楽しかったようだが小猫がげんなりと疲れているようだった。話を聞いてみると、目立ちすぎて色々と言われたとのこと。俺と同じ理由だった。後でスイーツ買ってやろう…。
そうして歩いているとなにやら中庭が騒がしい。気になったので全員で行ってみることにした。
行ってみたら魔法少女がいました。見たことのない顔だったから誰かの親族だろうとは思うが、はっきり言う。
馬鹿だと。
そう思って見ていると匙が止めに入った。よく行ったと言ってやりたい。そのまま生徒会とオカルト研究部の面々が話し始めたので俺も入ってみることにした。
「おい、何でこんなところでこんな大人数で固まってやがる」
そう言うと全員が俺の方を見る。ある意味怖いな。
そして赤髪の男性―――若さからしてグレモリーの兄だと思う―――が話しかけてくる。そのとなりにはグレイフィアに似た女性が立っていた。恐らくグレイフィアの姉、クローディアだろう。
「君は……」
「俺はまあ、裏の事情を知っている一般人と思ってくれてもいい。名前は乾 蓮だ。名前で呼ぶなよ。それよりここはコスプレ会場じゃねーぞ。何て格好してやがる」
「えー、だってこれが私の正装だもん☆」
うわうっぜぇ。語尾に星がついてやがるぞ。そう思っていると、会長が涙ぐんでよくいってくれましたとか言ってるってまさか……
「おい会長よ。こいつお前の親族か?てことは魔王か?」
「……はい、その通り、姉です……」
「……苦労、してるな。今度ジュース奢ってやるよ」
「ありがとうございます。分かってくれて…」
そう涙目になって言ってくる会長。そこまで悩んでたんだなこいつ。ついでに匙が睨んで来る。何だよいったい。
つーことは何か。そこのグレモリーの兄みたいな奴も魔王か。
「私の名はサーゼクス・ルシファー。魔王をやっている。君は裏の事情を知っているって行ったね。と言うことは…もし間違いでなければ君がリアスの言っていた赤の戦士かい?」
魔王がそう言ってくる。
その言葉にオカルト研究部と、家の家族以外は驚く。
「……そうだが?」
そう言うと会長の姉(魔王)がこっちを見てくる。
「……何か?」
「いや何も?ただ気になっただけ☆でも君、強いね。あ、私はセラフォルー・レヴィアタンって言うんだ☆気軽にレヴィアたんって呼んでもいいよ☆」
さすが魔王と言ったところか。変な格好をしていてもその感知能力は高い。伊達に魔王をやってないことがよく分かる。しかしその呼び方は断固として拒否させてもらう。
生徒会とグレモリーの親御さんは固まったまま動かない。
「で、何でそんなことを聞いた」
「いや、リーアたんから聞いてどんな子か気になったからね、聞いてみただけさ。ところで君は後日ここで行われる会談の話をご存じかな?」
「いや知らん。でもそう聞くってことは俺にも出ろってことか?」
「ああ。でも強制じゃない、これはお願いだ。出来ることなら出てほしい」
「…………ああ、分かった。出てやるよ。ここらでハッキリさせたいしな」
「それは良かった。ああ、それと――「ちょっと待ってくれ」?」
とそこで久々のオルフェノクの気配を感知する。
その事を悟られないように携帯を見て場所を探る。
ふむ、ここより1km離れた場所か。
「……すまんな。急用が入った。話は今度かこいつらに言ってくれ。またはメモな」
俺はそう言うと後ろの三人(グレイフィア、エウリュアレ、黒歌)を指差し、四人に他には聞こえないように小声で言う。
「オルフェノクが暴れてるからここを頼む。話が終わったら帰っていいからな」
そう言うと小猫に確認をとる。
「小猫、急用が入ったからこいつらと一緒に先家帰ってろ。今日は一緒に帰れるか分からないからな」
「…はい。分かりました。では家で」
「頑張ってね、蓮」
「いってらっしゃいませ。蓮様」
「蓮、行ってらっしゃい」
「蓮、無事に帰ってきてにゃ」
「ああ」
そう言って俺は現場に向かった。
《三人称視点》
蓮が走っていった後、魔王達は話をした。
「実は君達に伝えてほしい事があるんだ」
「……なんでしょうか」
「ベルトを持ってきてほしいんだ」
そう魔王が言うとグレイフィア達から殺気が漏れる。
「…何故?」
「実は彼が赤の戦士に変身するのなら
魔王が説明するとグレイフィア達の殺気が少し収まる。
それでもほんの少し漏れているが。
「…分かりました。伝えておきます。ではここらで帰らせてもらいます。行きますよ皆さま。…姉様もまた」
そう言ってグレイフィア達は帰って行った。最後はさすがに小さすぎて聞こえなかったようだが。
魔王はと言うと、
「ふう、彼女達大分強いね。恐らくあの殺気でも押さえているほうだろう」
魔王サーゼクスは冷や汗をかいていた。グレイフィア達の殺気に当てられたのだ。
「お兄さまよりも強いのですか?」
「まさか、姉よりも…?」
そう、リアスとソーナが言う。その事に信じられないようだ。
「ああ。さすが赤の戦士の身内と言ったところだね。正直勝てる気がしない」
その言葉に回りも絶句した。
しかし、少し息を吐いた後サーゼクスが話を切り換える。
「ところで、私達は泊まる場所がないんだ。という事で兵藤くん。泊めさせてはくれないかね?」
《三人称視点out》
《蓮side》
俺は今オルフェノクの反応があった場所に向かっていた。場所はスクラップ工場だ。そこでオルフェノクが暴れているらしい。まあ、感覚だが。
そこに着くとその工場の従業員が逃げていた。
そこから後を追うようにしてオクラ型のオルフェノクが出てきた。
ベルトを一応学校に持ってきておいて正解だった。
俺はそう思いながら【デルタギア】を腰に巻き、【デルタフォン】に音声コードを入力する。
「変身!」
『standing by』
その電子音声が鳴ったらベルトの横についている【デルタムーバー】に挿す。
『complete』
そうして俺は【デルタ】に変身した。
「ハァッ!」
そう掛け声をだし、オクラオルフェノクに殴りかかる。
周りを見るともう人はいない。無事に逃げたようだ。
良かった。これで遠慮なく殺れる。
「フッ!ハッ!ヤァッ!」
ガッ!ドシッ!ゲシッ!
そんな感じで相手を殴っていく。このデルタは最初に作られただけあって武器と言えるものはなく、武器と言えばデルタムーバーだけである。なので簡単に言ってしまうと、手と足のみの攻撃が多いのだ。
だから扱いは比較的楽と言ってもいいかもしれない。
理由は
気弱な人でも威力は無くても殴る事ぐらいは出来るだろう。でも殴ってしまえばどんなパンチ力でも増幅される。だから誰でも戦える。でも、欠点なのはこれを使って変身すると心が弱い人なら一発で暴走・凶暴化してしまうことだろう。まあ、オルフェノクの俺には関係無いが。
そんなこんなで戦っている内にオクラオルフェノクの動きが大分遅く、力の無いものになってきた。そろそろ決めるとしよう。
「終わりだ」
俺はデルタフォンとデルタムーバーを合体させ、ミッションメモリーを挿す。するとデルタムーバーは銃身が延びポインターモードになる。
そして相手をロックし、
「チェック」
と言った。すると
『exceed charge』
と言う音声が鳴り青い針のようなものが飛んで行き、オクラオルフェノクに刺さる。そして矢印のような三角錐の形になる。そして俺はそれに蹴りを入れる。
「ハァァァッ!」
俺はオルフェノクに向かってデルタの必殺技【ルシファーズハンマー】を叩き込む。
貫通すると相手はΔの文字が現れ灰になった。
俺は他に居ないか確認し居ないことが分かったので変身を解く。
するとそこに拍手するような音が聞こえた。
「さすが英雄様だぜ。いい動きだった」
音が聞こえた方から一人の男性が出てくる。
「誰だお前?」
「ん?ああ、そう言えば俺が一方的に知っているだけで言ってなかったな」
そう言って男は12枚の羽根を出した。
「俺は堕天使側【
笑いながらその堕天使、アザゼルがそう言う。
「俺は乾 蓮だ。名前で呼ぶなよ。それと俺は戦士でも英雄でもないからなそうやって呼ぶなよ。で、堕天使総督様が俺に何のようだ」
「いや何、丁度灰色の英雄が出たと思って来てみればお前が戦ってるからなそれを見させてもらっただけだ。それよりお前、赤の戦士知らねぇ?」
何だそんなことか。
「それなら目の前にいるぞ」
「…………………え?お前がそうなの?」
「そうだが?」
「まじでか!よっしゃ今日はついてるぜ!」
そう言ってアザゼルは飛び跳ねる。餓鬼か。
「で、改めて聞くなんのようだ」
そう言うと アザゼルは飛び跳ねるのをやめ真剣な顔つきで言った。
「お前が持っている赤の戦士のベルト。どこで手に入れた?」
「ノーコメント。そういうことは会談の時話す。どうせ会談って言ったら、三種族が集まるだろうからな」
俺がそう言うとアザゼルは少し驚いた様子で言う。
「何で会談の事知ってるんだ?」
「サーゼクスって言う魔王に聞いた。ついさっきな」
「チッ。あいつに先越されたか。まあいい、ちゃんとその時話してくれるんだろ。んじゃ会談の時を楽しみにしてるぜ。じゃあな」
そう言ってアザゼルは羽根を使って帰って行った。
「…俺も帰るか」
そう言ってバイクを呼んで家に帰った。
あ、会談の日いつか聞き忘れた。まあ、小猫に聞くか。
最近指が動かないです。ついでにテスト習慣でグロッキー状態です。
遅れて申し訳ありません。