ハイスクールD×555   作:白尾芯

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プール開きと白龍皇

時は飛んで日曜日。俺は学校のプールに来ていた。

もうプール掃除をし終わって今は女子が着替えてくるのを待っているのである

俺達男子はもうすでに水着に着替えていた。

 

「おい、乾!何でお前もいるんだよ!」

 

「まぁまぁ、イッセー君。落ち着いて」

 

兵藤がこんな事を言ってくる。木場はそれを落ち着かせようとする。

 

「居て悪いか。俺は小猫に泳ぎを教えるために来ているだけだが。それと監視役」

 

「ッ!と、とにかく変なことするなよ!」

 

お前にだけは言われたくない。

俺がここにいる理由は二つ。

小猫に頼まれたことと、黒歌がいきたいと言う願いを叶えるためだ。

あいつに久しぶりにお願いされたからな、行かせない訳にはいかないだろ。

その為に認識阻害のアイテムを持たせようとしたら要らないと言ったので持たせずに来てしまった。

無理やりにでも持たせておくべきだったか?

………何か色々と心配である。

 

そんなことを考えながら待っていると、女性人が出てきた。しかし、兵藤はどうにかならんのか。鼻の下が伸びて、顔がキモい事になってやがる。

本当にさっきの言葉がブーメランである。

 

「イッセー、どうかしら。私の水着は」

 

「イッセーさん。ど、どうですか?」

 

「はい!最高です!アーシアも似合っているぞ!」

 

グレモリーとアルジェントがイッセーにそう言うと兵藤はキモい顔のままそんな事を言った。だらしねぇ……。

すると姫島が俺の肩をつついて聞いてくる。

 

「私の水着はどうでしょうか?」

 

ふーむ、普通の白のビキニだが姫島の黒髪とピッタリと合っており清楚な感じが出ていた。

 

「ああ、似合ってるんじゃねーか?」

 

「うふふ、有難うございます」

 

「…蓮先輩」

 

ん?次は小猫か。身長が小さいこともあって白スクがよく似合っている。

 

「うん、似合っているぞ」

 

「…ありがとうございます」

 

「…ところで黒歌は?お前らと一緒に着替えに行った筈だが」

 

「…もうそろそろ来ると思います」

 

「蓮~」

 

「お、来た……か……」

 

「…何やっていたんで……すか……」

 

黒歌に呼ばれたため俺と小猫は振り向いた。が止まった。と言うか固まった。

黒歌が着てきた水着は来ていると言えないような水着で、前がVの字になっているような水着、いわゆるスリングショットだったのだ。

 

少し固まった俺達だが、その後元に戻り、そこからは早かった。

まず、イッセーが見る前に小猫が目潰ししてぶっ飛ばす。そして気絶させる。俺が黒歌のとこに駆け寄り拳骨をかます。そして上着を着せる。この一連の動作は約5秒程である。

 

「グハァッ!」

 

「イッセー!?」「イッセーさん!?」

 

グレモリーとアルジェントはイッセーに駆け寄る。

木場はいつの間にか泳いでいた。

 

「痛いにゃー!何するのにゃー!」

 

「てめぇ、なんて格好してやがる!俺が買ってやった水着は!?」

 

「持ってきてるわよ?」

 

まるで当然のように言う黒歌。

 

「じゃあそれ着てこいよ。それと何だよその水着は。俺が買ってやる時は一着しか無かった気がするんだが?」

 

「えーっと、それはその…」

 

「まさか…」

 

「はい、ネット通販で買いました…」

 

俺はまた拳骨をかます。

 

「痛いにゃ!何でにゃ!」

 

「取り合えず着替えてこい。お仕置き(はなし)はまた後だ」

 

「…はい」

 

黒歌は更衣室に入っていく。

ちょうど兵藤は目が覚めたようだ。

 

「いててて。ハッ!何で俺は殴られなくちゃいけなかったんだよ!」

 

「…イッセー先輩には見せられたくなかったので」

 

「え!?何!?黒歌さんそんなエロい水着着てきたの!?見たかったー!!」

 

「…イッセー先輩、最低です」

 

「ああ、そうだな。最低だな」

 

俺と小猫でそんな感想を言う。

そして黒歌がまともな黒ビキニを着て戻ってくる。

黒髪に黒ビキニという同色だがそのおかげで白い肌が映えてよく似合っている。

 

「うう、ひどい目に合ったにゃ…」

 

「…自業自得です。姉様」

 

「そうだよ。その格好でいいんだよ。似合っているぞ」

 

「あ、ありがとうにゃ。蓮」

 

「お、おおお!今更だけど小猫ちゃんのロリボディによく似合うスクール水着!しかも白スク!黒歌さんの黒ビキニは髪の色と合っていてスゲーいい!眼福です!!」

 

ブチッ。隣からそんな音が聞こえたような気がした。隣を見てみると小猫から何か殺気が出ていた。

そのまま小猫は兵藤の方に歩いていき、

 

「…イッセー先輩…」

 

「ん?どうしたの小猫ちゃんんんん!?」

 

「…一回死んできてください」

 

小猫はそう言って兵藤を殴り飛ばした。

まあ、自業自得だよな。

そんな感じでプール開きは最初から騒がしかった。

 

 

 

 

 

 

 

「足を動かせ。んで、顔を水面に付けて息が苦しくなったら顔をあげて呼吸。んで、また顔を水面に付ける。これの繰り返しだ」

 

俺は小猫に泳ぎを教えていた。

やはり猫なのか水が怖いらしい。しかし、黒歌は平気で泳いでいる。何だこの違い。

そう思って教えていると背中がプールの壁についた。

急に止まったせいか、泳いでいた小猫とぶつかった。

 

「…すみません、先輩。付き合わせてしまって…」

 

「いいよ。俺が好きでやってることだ。それに小猫は俺に頼んで来たんだ。付き合ってやらんとな」

 

「…やっぱり先輩は優しいです」

 

「うん、もう何回目だ。その言葉。俺は優しくねーよ。実際はあいつのお願いを聞いてやっただけだし」

 

そう言って黒歌を見てみるとのんびりと泳いでいた。

顔も笑顔だし、よほど楽しいのだろう。

 

「…ですね。楽しそうで良かったです」

 

「だな。さてもう一回……ごめん小猫一旦中断。上がってろ」

 

「…どういう…ってそう言う事ですか。分かりました」

 

さて、小猫が上がったところで俺はプールの底に潜り、鼻の下が伸びている兵藤を殴り水面に上がらせる。そのままプールから殴り飛ばし外に出す。

 

「いってぇぇぇぇ!何するんだこの野郎!」

 

「テメーこそプール底で何していた」

 

「お、俺は潜水の練習だ!」

 

「そのわりには鼻の下が伸びてたがな」

 

「えっ!ウソッ!」

 

そう言うと兵藤は鼻の下を押さえる。

 

「やっぱり水底から泳いでいる女子達の胸とか見ていたんだな」

 

「うっ!」

 

分かりやすすぎる。さては隠す気がないな。

そこで俺は小猫を呼ぶ。

 

「小猫。ちょっと強く殴ってやれ」

 

「…はい、分かりました」

 

そう言って小猫は手に仙術を使って気を纏わせ構える。

最近は黒歌に仙術を教えてもらい、メキメキ強くなってるからな。前とは比べ物にならないだろうな。

 

「ちょ、ちょっと小猫ちゃん!俺はやってないよ!乾のことを信じるの!?その拳構えるのやめて!」

 

「…変態先輩よりも蓮先輩の方が信じられます。ではもう一回死んできてください」

 

そのまま小猫は兵藤を殴り飛ばした。

良かったな兵藤。今日だけで何回も空飛べて。

 

「小猫、まだ練習するか?」

 

「…はい、お願いします」

 

そう言って兵藤を放置して俺達は練習を再開した。

しかし、途中で姫島が日焼け止めを塗ってくれと言って水着を脱ごうとしたため、俺が拳骨をかましたことを追記しておく。姫島は渋々黒歌に塗ってもらっていた。

 

 

 

 

 

 

ある程度練習したため俺は更衣室に向かうが途中で最近転校してきて悪魔になったゼノヴィアに会った。

水着は青の生地に緑が入った髪と同じようなビキニだった。よく見つけてきたな。

 

「やあ、赤の戦士様」

 

「俺は乾 蓮だ。と言っても苗字も名前も呼ばせる気はないが」

 

「分かった。覚えておこう」

 

「で、お前は何してるんだ」

 

「ああ、始めての水着で着るのに手間取っていたんだ。どうだ私の水着は」

 

そう聞いてきたので普通に返事を返す。

 

「似合っているんじゃねーの」

 

「ありがとう。では少し子作りでもしようか」

 

「お前は何を言っているんだ」

 

まったく脈絡が無さすぎて意味がわからんぞ。

 

「ああ、すまない。ちょっと説明が足りなかったな」

 

「ちょっとどころかまったく足りないのだが」

 

「実は悪魔になった事で自分が何をしていいのか分からなくなってな。そこで部長に聞いてみたところ、悪魔は自由な生き物だから自由に考えればいいと言ってな、考えた末、強い子供を作りたいと言う考えが出てきたのだ。そこでお前やイッセーと交われば強い子供ができると思ってな」

 

そう言うことか。つまり全部グレモリー(あいつ)が悪いんだな。

俺はため息を吐きつつこう言った。

 

「はっきり言う。俺じゃなく、兵藤に頼め」

 

「何故だ?」

 

「俺はファイズに変身出来るっていっても人間だ。はっきり言って悪魔と交わっても何年かかるか分からん。ついでにそれでオルフェノクの記号がその子に出てくるとも限らないしな。だから俺よりも同じ悪魔の兵藤に頼んでくれ。そっちのが確実だし、あいつノリノリでヤってくれると思うぞ」

 

そう言うとゼノヴィアは少し考え、頷く。

 

「確かにそうだな。すまなかったな。じゃあイッセーに頼んでくるとするよ」

 

「じゃあな」

 

俺はそう言って更衣室に向かった。着替えて外で待っていると小猫と木場、黒歌が出てきた。

ゼノヴィアと兵藤は怒ったグレモリーとアルジェントに叱られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後俺達は帰ろうと門を見ると銀髪のイケメンが立っていた。雰囲気からして白龍皇だろう。

 

「やあ、いい学校だな」

 

「えっと…どちら様で?」

 

どうやら兵藤は気付いていないらしい。

 

「ああ、そうだろ。なあ白龍皇?」

 

「な、白龍皇!?」

 

そう答えるとイッセーは驚く。

白龍皇は笑って答える。

 

「ああ、俺は白龍皇、名前はヴァーリだ」

 

「俺は乾 蓮。名前は呼ばせないからな。ついでにファイズだ」

 

「ほう!君がか!今から戦わないか?」

 

「生憎、今日はベルトを持ってきてないし、疲れてんだ。また今度にしてくれ」

 

「それは残念だ。と言っても俺も視察しに来ただけだ。元よりやる気はないよ」

 

「お前、何しに来たんだよ!」

 

そう話していると兵藤がそう聞いた。

ヴァーリは兵藤の方を向きこう言った。

 

「さっき言っただろう。今回は視察だけだと。赤龍帝、君はこの世で何番目に強いと思う?」

 

「は?なに言って…」

 

「君はよくても大体四桁台だろう。魔王でも二桁台ではなく三桁だ。でも一位は決まっている。不動の一位が…」

 

「何だよ。自分が一位と言いたいのかよ」

 

「フッ、そんな傲慢じゃないさ。それと剣を納めてくれ。」

 

ヴァーリの後ろには聖魔剣を出している木場とデュランダルを出しているゼノヴィアがいた。まあ知ってたけど。兵藤は驚いているようだ。

しかしその剣は両方とも震えていた。

 

「今私たちは戦ってもいいんだぞ白龍皇」

 

「イッセー君には手を出させないよ」

 

「やめとけ。剣が震えてんだろ。お前らじゃ勝てねーよ」

 

「そうだ。だが実力の差が分かるのは強い証拠だ。誇っていい。ここには俺に勝てるのはいないさ。…いや、赤の戦士と黒髪の猫魈以外と言った方がいいか」

 

そう言ってこっちを見る白龍皇。俺は戦う気は無いんだがな。

 

「万全の状態だったら戦いたかったよ赤の戦士、ファイズ。それと、赤龍帝をしっかりと育てていてくれよ。魔王の妹さん」

 

後ろを見るとグレモリーが手を構えていた。恐らく少しでも変な行動をしたら消滅の魔力を撃つつもりだろう。つってもお前じゃ勝てないだろうが。

 

「赤と白の龍に関わった者はろくな人生を送らないと聞く。さて、貴女はどうなるのかな。それと乾蓮」

 

「何だ。それと名前を呼ぶなと言っただろ」

 

「いい殺気だ。本当に今すぐ戦えないのが残念だ。また今度戦おう。赤龍帝はもっと強くなってくれ。俺のライバル何だからな。ではこれで」

 

そう言ってヴァーリは帰って行った。

さて、俺も帰るか。

 

「黒歌、小猫。帰るぞ」

 

「…はい」「分かったにゃ」

 

「じゃあなお前ら」

 

そう言って俺達は別れた。

 

 

 

 

「…そう言えばもうそろそろ授業参観ですね」

 

歩いて帰っていると小猫がそういった。

そうか、もうか。今年はどうなるかね?

 

「私白音の授業風景を見たいにゃ!」

 

「…だそうです」

 

「まあ、いいんじゃね?気配を消すペンダントしてればばれること無いし」

 

「やったにゃ!」

 

まあ、今年もめんどくさいことにはならないことを祈ろう。

そう思いながら俺は帰宅するのだった。

ちなみに帰宅した後、俺とグレイフィアで今日黒歌がやらかしたことと勝手に金を使った事で叱ったため、黒歌はぐったりとなっていた。

まあ、自業自得だな。


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