俺は帰った後、家にいたやつらを集合させた。
理由は聖剣所有者が来た理由を知りたかったからだ。
「黒歌、なぜ、聖剣所有者がここに来たか、なんか分かったか」
「それはもう調べはついているにゃ。今日、ご主人様があの二人と接触してくれたお陰でグレモリー側がなぜ動いているかも分かったにゃよ」
そう言うと黒歌は話始めた。
教会から分裂した聖剣エクスカリバーが盗まれたこと。
盗んだ奴は堕天使側の幹部、コカビエルこと。
コカビエルは何かを駒王町で起こすこと。
エクスカリバーを奪還しにあの二人が来たこと。
灰色の英雄、赤の戦士と関係を持つことも任務に入っていること。
グレモリーの騎士、木場裕斗が復讐に燃えていること。
聖剣計画のこと。
と、色々分かった。
「大体分かった。けどコカビエルが何しようとしているか知らないか?」
「さすがにそこまでは分からなかったわ。第一何処に居るかもわかんないし」
「ですが相手があのコカビエルならやると思う事は知っています」
と、グレイフィアが言う。
俺は少しでもそいつのことを知るために話を聞く。
「グレイフィア、コカビエルは何をすると思う?」
「あの方は昔からの戦闘、戦争狂です。戦争を起こすためならなんだってします。駒王には魔王の妹が二人も居ますので十中八九、戦争を起こしてやろうと考えているのでは?」
「じゃあ、教会から聖剣を奪った理由は?」
「聖剣を奪えば教会が動くと考えていたのでしょう。しかしあまり反応がなかったので失敗と言うところでしょうか。盗り方は教会の中に内通者がいたのでしょう。でなければコカビエル一人では難しいのではないでしょうか」
「ありがとう。分かりやすかった。さて、ロスヴァイセ!」
「はい!」
俺が名前を呼ぶとすぐ反応するロスヴァイセ。
「お前はコカビエルの居場所と目的を黒歌と一緒にできる範囲で良い、探ってくれ。北欧の魔術にあったはずだ」
「わかりました」
「次、レイナーレとグレイフィア」
「「はい」」
俺はレイナーレとグレイフィアを呼ぶ。
レイナーレはあのあとグレイフィアのメイドの弟子になり、家事など多くのことを出来るようになっていた。
「お前らは、俺と一緒に機械の整備と、家の事を頼む。あとレイナーレ。コレとコレお前にやる。緊急時に使いな」
そう言って俺はレイナーレにネックレスと指輪を渡す。
「これは……?」
「俺が無限の制作者で作ったお前用の人工神器だ。指輪の方は下位の【聖母の微笑み】、ネックレスの方は【
「いえ!これだけでも十分すぎます!有難うございます!」
レイナーレが嬉しい事を言ってくれた。
さて次は…正直に言うこと何も無いんだよなあ。
けど目が輝いているからちょっと入ってやるか。
「えーっと、オーフィスと、エウリュアレだが…お前らはやることなし」
「えー何でですか」
「何故?」
「お前らが出てくると色々とヤバイんだよ」
いやマジでヤバイ。
一人は元禍の団のボス。
一人はこの現世に降りてきた女神。
二人ともぐーたらしているだけのようで実際は体を動かして特訓――と言うよりも力を維持している状態だ。
しかも最近では二人で模擬戦することもあるらしく、魔力をためる器と言う感じのものが大きくなったらしい。
こんなのがコカビエル戦に出てみろ。瞬殺したあと各勢力で俺たちを取っ捕まえに来る恐れがある。
それでも負ける気がしないのは何故だろうか。
「とにかく、お前らは今回出るな。あるとすれば家の認識阻害の結界と防御の結界を維持し続けてくれ」
「はーい」
「ん、分かった」
「そう言えばティアはいいの?」
そう言って来るエウリュアレ。
ああ、うん。ティアもなー
「あれもだめだ。強すぎるし、何より俺たちが無断で契約したことがばれる」
「なるほど」
さて、コレで全員か。俺も取りかかろうかね。
「よし、コレで全員言ったな。じゃあ、すぐ取りかかるぞ。あ、俺はベルトの調整な」
そう言って各々で動き始めた。
あれから数日後。
二人の奮闘のお陰である程度の情報は集まった。
協力者の名前はバルパー・ガリレイとはぐれ神父のフリード・セルゼンこの二人だ。
そしてグレイフィアの読みは見事に的中。
案の定戦争を起こそうと動いていた。
居場所は点々としているのかつかめない。
ここまで分かれば話は早い。ぶっ殺してもOKのやつだとよくわかる。
俺はベルトの調整を終え、バイクなどもほぼ修理し終えたため、コカビエル探しをかねて、夜の散歩に出掛けていた。
「たまには良いよなこう言う感じでゆっくり歩くのも」
うん、いいな。空気が美味しく澄んでいる。
多分もうそろそろコカビエルも動き出すと思うし今リラックスして、戦うときにきっちりやれればいいだろ。
「うーん、さて、もうちょっと遠くに行こうかどうしようか。まぁ気ままに歩いても良いけどなぁ」
そう言って俺は歩く。
うん、今日は気ままに歩こう。
そう思い俺は進んでいった。
問題です。
内の学園の男子生徒二名が女子生徒二名に尻を叩かれていました。
どうします?
A,現実逃避をする。
「…待ってください」
「…なんだ小猫。俺は帰るんだ」
「…ダメです」
ちくしょう、小猫に捕まった。
こいつ異様に力あるから困る。
「何であいつら叩かれているんだ?」
小猫に聞いてみた。
「…無断で人探しをしていました。匙先輩も似たような感じです」
「うん、お前らが悪いな。今度から報告してからやれ。ついでに匙にも言っといてやれ」
「…分かりました」
小猫がそう言ったあと、こっちを向いて「じゃあ」と言った。
「…何でここに居るんですか?」
「散歩」
「…そうですか散歩でしたか。すみません」
「ああ、取り合えず帰っていいか?」
「…はい。すいませんでした」
え?帰っていいの?
「なあ、俺って帰っていいの?」
「…はい。今なら部長たちも尻を叩くのに真剣になっていますので問題ないかと」
ふーん、そういうなら良いか。
「じゃあ、帰らせてもらうわ。またな」
「…はい。また」
そう言って別れたのもつかの間、
この一、二時間後、俺達はすぐ会うことになった。
次回、コカビエル戦です。