レイナーレを助け、家に帰ったその日。
俺は黒歌達に詰め寄られていた。
「何で堕天使を助けたのにゃ。理由を説明するにゃ」
「蓮様は見境が無さすぎます」
「何でも助ける精神はいいと思いますが流石に…」
「蓮、たらし?」
「そうですよオーフィスちゃん。蓮さんはたらしなんです」
上から黒歌、グレイフィア、ロスヴァイセ、オーフィス、エウリュアレだ。
みんな口々に言いたいことを言っている。
と言うかオーフィス、そんな言葉どこで覚えた。
エウリュアレも教えるんじゃない。
「まぁ、まず助けた理由からだ。色々あるが大きかったのは三つだ」
そうして俺は話始める。
するとみんなは一気に口を閉じる。
「まずこいつは明確な殺人を犯していない。こいつは兵藤を殺したし教会のシスターも殺した。がグレモリーが兵藤を転生させたし、慈悲深いグレモリーの事だ。今頃シスターも悪魔に転生しているだろ。ついでに俺はレイナーレの拘束を解いた時にそのシスターが持っていた神器も置いておいたし、多分大丈夫だ」
今頃びっくりしているだろうな。
その頃の一誠達は
「あれ?この緑色の光って…」
「これは、この娘が持っていた神器?」
「え!?何でここに浮いているんですか!?」
「恐らく、あの黄の戦士が置いていってくれたのかもね。じゃあ、この神器をアーシアに返して、転生させるわよ」
(有難うございます。黄の戦士様)
一誠は内心黄の戦士に感謝していた。
なんか変な感じがするがまあいい。続けよう。
「二つ目はこいつの忠誠心と殺さずの精神だ。こいつは必要以上に人を殺さないし、殺そうともしていなかった。殺していたのは半分以上、こいつの部下が勝手に殺っていたことだ。それにさっきも言った通り、こいつは二人しか殺していない。しかもその二人は悪魔になって、ノーカンだ。そしてこいつは上司に気に入られたい、役に立ちたいと思っての今回の騒動だ。実行力と上司への忠誠心は半端じゃない。」
隣でレイナーレが顔を赤くしているが気にせずに話続ける。
「そしてまぁこれが半分以上だが、最後はこの問題の全部をグレモリーの手柄にしたくなかった。一部失態で終わらせればあいつも、静かになって鍛練でもするかなと思ったからだ。ついでに全部持っていったら調子に乗りそうだったからと、この命を奪っていない様な優秀な人材を消されてしまってはもったいないと思ったからだな。以上、説明終わり」
そう言い終わったらみんなはポカーンとしており各々こんな言葉を呟いていた。
「まさか半分が自己満足だったなんて…」
「レイナーレ、あんた苦労するにゃよ」
「はい、今苦労しそうなのが分かりました」
「そんな深い意味はないと思っていましたがこれほどとは…」
「ある意味流石です、蓮さん」
「オーフィスちゃんこの事を自己中と言うんですよ」
「ん。蓮、自己中?」
おい、お前ら言いたい放題過ぎるぞ。あとエウリュアレ、お前はオーフィスに変なこと教えるなよ。
それにオーフィス、真似しなくていいから。
「まぁ、これで分かったろ。何でレイナーレを救ったのかが。さて、俺は疲れたから寝る」
そう言うと黒歌は俺を止めてくる。
「ちょっと待つにゃ。レイナーレの歓迎会はどうするのにゃ」
「明日で良いだろ」
「ダメにゃ今日中にするのにゃ!じゃないと寝込み襲いに行くにゃよ!物理的に!」
「うわ、それは嫌だ。分かった。今からレイナーレの歓迎会をするぞ。グレイフィア、料理頼む」
「かしこまりました」
そう言ってグレイフィアは厨房に向かった。
「さて、レイナーレ。改めて聞くぞ。こんな騒がしい所だが、ここに残るか?」
俺がそう言うとレイナーレはすぐに頷いた。
「はい、ここに残ります。なんだか改めて毎日楽しそうですし」
「分かった。ここはもうお前の家だ、レイナーレ。自分らしく暮らしてもいいぞ」
「はい、よろしくお願いします!」
レイナーレは笑顔でそう言う。
その笑顔は明るかった。
書いた理由:そう言えば何でレイナーレを救ったのか明確に書いてなかったな。
感想にも指摘されたし、じゃあ、分かりやすいように書くか。
こんな感じで書きました。
納得いかなかったらすみません。
次回からフェニックス編ですが話がめちゃくちゃ短いです。