Dr.ゲムデウス   作:(´鋼`)

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もうそろそろラストスパートに入るんですよねぇ……。何が言いたいかって?伏線貼るんですよ←

では少し飛ばした所からどうぞ。


IF NEW GENERATION FINAL ninth

 『圧倒的』、その一言が現状に当てはまっていた。6名のライダーはバイクを走らせて敵を薙ぎ倒し、永夢と戦兎はエニグマに居るバイカイザーに挑み4名のライダーは他の被害を防ぐ為に戦っていた。

 

 エニグマと世界の連結部分は切り離され、融合も止まる……かと思いきやエニグマは生きていた。あの装置その物を破壊しなければ融合は続いていくということだ。その事からライダーたちは未だに戦い続けている。

 

 とあるビルの屋上に辿り着いた万丈と高山が、世界の惨劇を目撃した。そして同時に……仮面ライダーの意思を知った。

 

『この手が届く限り、その手を伸ばし続ける』という火野映司の信念。

 

友達(ダチ)を、守る』という単純だが真っ直ぐな如月弦太朗の意思。

 

『自分を産み、育ててくれた地球への感謝』という葛葉紘汰の大きな恩義。

 

『命には無限の可能性があると信じる』という天空寺タケルの死して尚生きた者の思い。

 

『命を守る為に戦っていく』という宝生永夢の医者であると同時に、平和を守る戦士の決意。

 

『愛と平和の為に、この力を使う』という桐生戦兎の願い。

 

 仮面ライダーの行動原理は、たったそれだけ。たったそれだけだとしても、彼らを動かす原動力となるには充分すぎる。だからこそ分からなかった者も居る。

 

 何の為に身を費やすのか──人類を守る為に

 

 誰からも賞賛されないのにも関わらず──例えそうだとしても人を助けない理由にならない

 

 

「皆バカばっかだ!」

 

「えぇ……同感です」

 

 

 万丈と高山はそう思った。万丈は決意が決まっていなかったからそう言えて、高山は自分とゲムデウスが生きたいという理由からそう言えた。

 

 

「でも……」

 

「それでも……」

 

 

 

「「凄くカッコいい 」」

 

「なぁ……明、俺決めたわ」

 

「そうですか……では聞かせてください。万丈さん」

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()!ただ、それだけだ!」

 

 

 高山とゲムデウスはその様子を見て感慨深く思っていた。あの時、自分の思いを話してくれた万丈の成長というのを心で感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだゲムデウス、エニグマにウィルス流したよね?」

 

「ほっ?」

 

『流したが……それがどうした?』

 

 

 急に口調が変わった高山に素っ頓狂(すっとんきょ)な声を挙げる万丈。ゲムデウスも答えるが、何か嫌な予感しかしないと直感が告げていた。

 

 

「ゲムデウスウィルスは情報の共有もされる……じゃあさ

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()と、どうなると思う?」

 

『ッ!……まさか、お前!』

 

「ゲムデウス」

 

 

 高山は優しい口調となって、ゲムデウスを論した。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()なら、安いものだよ。それに、僕だってゲムデウスに守られてばかりじゃ嫌だ」

 

『ッ…………』

 

「さぁゲムデウス、やってくれ。世界の為に!」

 

 

 高山がそう叫んだ数秒後、体が破裂しそうな勢いが内部から発生した。高山は苦しんで膝を着き、体の至る所にザッピングの様な現象が多発する。

 

 ゲムデウスが行っているのは【バグスター能力の全活性化】、即ち内包されているバグスターの能力を同時に全て使用している状態にある。高山が苦しんでいるのはゲムデウスウィルスが多量の情報を流している為である。

 

 だがゲムデウスウィルスが多量の情報を流すということは、あらゆる場所に付着・潜入させたゲムデウスウィルスが活性化するということ。

 

 情報が伝わってくる。エニグマに潜入させたゲムデウスウィルスがエニグマのコンピュータを侵蝕し、フルボトル内のウィルスが強制的に解き放たれたということも分かった。

 

 ここでたった1つ、【奇跡】とも言える現象が起きた。否、本来は膨大な情報の不要な物をを放出させようとする単なる()()のことであった。しかしその出来事は傍から見れば奇跡としか言い様が無かった。

 

 高山の体から1つのガシャットが出現した。ゲムデウスウィルスを抑える唯一のワクチン【ドクターマイティXX】のガシャットである。そしてウィルスから放出されている余剰分の情報が、ドクターマイティに集まっていく。

 

 白く光る()()()()()()()()()()()が、立ち上がった高山の手元に落ちてくる。手に持った状態でも、そのガシャットは未だに白く光り続けている。

 

 高山はそのガシャットを手にしながら万丈の方に顔を向ける。驚いた顔をしていながらも、万丈は頷き高山も応じる。

 

 万丈はビルドドライバーを、高山はゲーマドライバーを装着する。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Wake up!】【CROSS-Z DRAGON!】

【Are you ready!?】

 

【デュアルガッシャット!】

【The illness cause!Who's the next patient?】

 

 

「「変身ッ!」」

 

 

【ガッチャーン!マザルアーップ!】

【患者治すドクター!人に感染バグスター!人とウィルスフュージョン!バ〜イラストリートメ〜ント!】

 

【Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!】

 

 

 万丈は龍の姿を模した姿に。高山は『仮面ライダークロノス』を素体した白と黒の姿へと変貌していた。

 

 

「行きましょう!万丈さん!」

 

「あぁ行くぞ明!……でもな、違うんだよ」

 

「奇遇ですね、僕も違いますよ」

 

 

 高山と万丈はビルの屋上を駆けて、飛び出していく。

 

 

「俺の名は……」「僕の名は……」

 

 

 

 

 

 

 

「仮面ライダークローズだああああ!」

「仮面ライダーゲムデウスだああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仮面ライダークローズはビルドの乗っていたマシンに乗ってエニグマへと向かう。仮面ライダーゲムデウスはバイクを呼び出そうと念じると、両腕に描かれたインジェクターからウィルスが出現しオレンジ色のスポーツバイクが出現した為それに乗ってエニグマへと向かっている。

 

 クローズとゲムデウスがエニグマ近くでジャンプをするとエグゼイドとビルドがバイカイザーと戦っている現場を目撃した。クローズはビルドに“忘れ物”と称して1つのアイテムを渡し、ゲムデウスはバイクを足場にしてエニグマへと足を着ける。

 

 

「!お前は、クロノス!?」

 

「ん?……あ、僕か。宝生さん、どうも〜」

 

「って、高山さん!?」

 

「えっ!?」

 

「何っ!?」

 

 

 姿が変わっている高山だと知り流石の永夢でも驚く。何せ姿が仮面ライダークロニクルの伝説の戦士『クロノス』に似た姿をしているからだ。変身状態の違う姿というのは誰しも驚いてしまう。

 

 ゲムデウスはバイカイザーに目線を向けて話していく。

 

 

「どーだったかな?俺たちの膨大な情報量」

 

「ッ!……あれはお前が仕組んだのか」

 

「仕組む……は違うな。だが潜入させていたウィルスを利用したのは間違いない」

 

「道理でエニグマの様子が可笑しいと思っていた。だが分かれば……話は早い!」

 

「不味い!」

 

 

【ラビットタンクスパークリング!】

【Are you ready!?】

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

【シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イェイ!イェーイ!】

 

 

 ビルドはクローズから渡されたアイテムで強化し、ラビットタンクスパークリングへと変身する。その後でバイカイザーへとキックを仕掛けるが……

 

 

「ッしゃあ!」

 

「何っ!?」「ウェッ!?」

 

 

 ゲムデウスが一飛びでバイカイザーに接近すると、強烈な蹴りを腹部に当てる。それにより後退したバイカイザーだが、直ぐ横でビルドが飛んでいた。

 

 ゲムデウスは難なくビルドの腕を掴むと勢いを回転で殺して着地させる。その後エグゼイドが2名に近づく。

 

 

「その姿……それにその力は……」

 

「さ、サンキュー……」

 

 

 高山が頷いて応えると、物音のした方に3名とも向く。バイカイザーがフラフラとした足取りで立ち上がっていたのである。

 

 

「……ハァ。……パワーが、上昇している……だと?」

 

「えぇ。このガシャット、今までより強力みたいですね。実際使うの初めてですけど」

 

 

 3名が並び立ち、バイカイザーに対し戦闘態勢を取っていく。バイカイザーは3名のライダーを見据えていた。

 

 

 

 

 

 

「御二方、行きますよ!」

 

「言われるまでも無いね!」

 

「元からそのつもりだ!」

 

 

 3名が同時に飛び、バイカイザーへと接近する。一気に距離を詰められたバイカイザーは防御姿勢を取るが、エグゼイドのハイパームテキの攻撃で防御を崩されるとビルドとゲムデウスがバイカイザーの背後から攻撃を仕掛ける。

 

 攻撃されたことで地面に伏したバイカイザーは言い放つ。

 

 

「何故だ……何故だ!?私は不老不死の力を手に入れた筈だぁ!」

 

 

 そのバイカイザーの問いにエグゼイドとビルドが順に答えていく。

 

 

「分かってないなぁ。裏技だよ、う・ら・わ・ざ」

 

「何っ!?」

 

「あの時、エニグマの出力を12時になる前に最大にさせた。早めに起動させることでお前が完全体になるのを防いだ」

 

「くっ……!小癪(こしゃく)な真似を……!」

 

「成程、敢えてエネルギー放出させて完璧にさせない様にしたと。1杯食わされました。……さて」

 

 

 満身創痍のバイカイザーを見据えている3名は、もう終わりにしようと仕掛けていく。ゲムデウス、ビルド、エグゼイドの順に攻撃をしていきバイカイザーを追い詰めていく。

 

 

「ぐっ……あがっ……」

 

「これでフィニッシュだ!」

 

「これで決める!」

 

「終らせましょう!今、この瞬間に!」

 

 

 3名は同時に高く飛び立った。

 

 

【キメワザ!】

 

【Ready go!】

 

【ウラワザ!】

 

 

 

 

 

 

【HyPER CRITICAL SPARKING!】

 

【スパークリング・フィニッシュ!】

 

【INFECTION MEDICINE CRITICAL ENERGY!】

 

 

「「「ハァアア……!タアアアアアアアアアアア!!」」」

 

 

 金色、赤と青の炭酸、そして白と黒。3名の足に纏われた力はバイカイザーへと迫っていく。動けないバイカイザーは必殺技であるキックを食らい、爆発していく。爆煙を突き抜けた3名は並び立った。

 

 そしてバイカイザーが倒されたことによってエニグマも機能を失くし消えていく。世界の傷は消え去り、何事も無かったかの様に戻っていく。配置されたロボットも消え去り、残ったのは仮面ライダーたちが戦ったという1つの過程から生みだされた『2つの世界を救った』という結果だけである。

 

 上空の世界は消えて元の場所へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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