最近更新頻度がどんどん落ちていっている点……こればっかりは色々と面倒で。大学受験も一応終わりを迎えたので、書けるには書けるんですけど、意欲が湧かない……。
そんでもって、アンケートは未だに4票。そして2つの作品に2票ずつ……あれですか?この私に2つとも書いて希望の花を咲かせたいのですか?
んなこともありつつ、どうぞ。
ユウキが失踪してから早2週間が経過していた。当時のランの保護にあたったのはMである。しかしランの精神状態が酷く不安定なため、デウスが付きっきりで診察していたりもした。時にはランがユウキを捜そうとフラフラとした足取りでホームから出ていくこともあったため、様々な心労がデウスには絶えない。にも関わらず、ランへの献身を努めていった。
既にユウキはフレンド欄から名前が消されており、捜索しようにも範囲が広すぎる上にデウスは捜索にあたれない。故にユウキを捜すメンバーをローテさせて、層をくまなく
そして現在の捜索メンバーは、ゼロとバダン、キリトの3名であった。他にもアルゴにも頼んで捜してもらっているものの、未だにユウキらしき人物を発見した情報は無かった。
話しを3人の方へと戻そう。現在3人が居るのは15層の迷宮区、隠れられる場所としてはうってつけ……ともいえなさそうな場所を念の為捜索していた。時折現れてくるモンスターに鬱陶しさを感じつつも、的確に弱点を突いて倒す。そして捜索を再開するというループに入っていた。
「…………なぁバダン、やっぱ迷宮区には居ねぇと思うんだけどよ?」
「隠し部屋とてあるだろう。そこに逃げ込んでいる可能性とてある」
「いや否定はしねぇけどさぁ……籠るには面倒な場所だろ。しかもだ」
「未だにそんな場所すら見つけられてないってことなんだよなぁ……」
キリトの溜め息。幾ら虱潰しとはいえ、解放された27層を含めるとかなりの範囲を捜さなければならないのが現実。故にメンバーには焦りと不安が3:7、そして気疲れも含まれている。こうも気が滅入りそうなことを、自分たちがしていることを考えると益々滅入ってしまう。
バダンやゼロはともかくとして、キリトの気疲れは尤もな意見だ。捜しても見つからない上に、希望的観測で足取りを追わねばならないのだ。リアル年齢15歳のキリトは、気疲れを隠そうとは思わないだろう。
「いぃや有るはずだ、必ず何処かしらに……」
「お前な…………ぁん?」
「?…………これは、金属音っぽいけど……」
「ユウキかもしれん、行くぞ」
「ってちょまっ!はえーよホセ!」
「使い所が違う気がする。あとホセって誰だよ?」
バダンが先行し、ゼロ、キリトという順に音のする方向へと走っていく。やがて音が近付いているのを聞き取ると、曲がり角を左に曲がって音の正体を見た。
だがその金属音、予想して武器と武器がぶつかり合う音はユウキのものではなかった。それどころか複数人であった。しかしゴブリンの群れに襲われていて、悪戦苦闘している様を見ると放ってはおけない。
「……フーっ。バダン、キリト、行くぞ」
「了解」「オッケー」
「3……2……1……GO!」
一気に加速する3人は、そのままゴブリンの群れに突っ込んで弱点を突き、大剣で薙ぎ倒していく。そしてゴブリンの群れを掃討するまで、そこまで時間はかからなかった。
「何がどうしてこうなった?」
キリトの一言、それは今現在視覚に捉えている光景を見てそう呟いたのだ。誰にも聞こえないように。
ゼロが持ち前の明るさから【月夜の黒猫団】メンバーとの距離を縮め、話して、飲み食いしてと……バダンはゼロが困った時のお助けマンとして活躍している。一瞬、どこの21世紀ロボットだとツッコミたくなったが、今ツッコんでも特に変わりなさそうなので言わないでいた。
この事の始まりは、先程迷宮区で月夜の黒猫団を助け終えた時のことだった。お礼をしたいと考えているリーダー『ケイタ』の誘いを勝手にゼロが承諾したということのみ。今は本来それどころではないのだが、「たまには羽伸ばすのも悪くねぇだろ」と耳打ちして直ぐにゼロに連行されていった。
そして何やかんやで3人が月夜の黒猫団のメンバーに奢られ、パーティームードとなっているのが今の状況。本来ならユウキを捜しに行かなきゃならないのだが、この状況で出ていって帰ってこないのは色々とぶち壊しそうで苦手だと内心思っているキリトであった。
しかしながら、パーティーをしているゼロや月夜の黒猫団が眩しく見える。元々訳あって人付き合いを自ら避けてきた
内心そんなことを思っているキリトは、仲良くなっているケイタとゼロを見つつ、食事を堪能している。と、ゼロとケイタを見ているとケイタが自分のメンバーの紅一点の『サチ』を呼んでいた。少し話していると、今度はゼロがキリトとバダンを呼んだ。2人はゼロに近付くと、そのゼロに肩を組まれて近寄る結果となった。
「バダンは大剣使ってパワーでゴリ押しタイプで、キリトは敵の攻撃を避けて弱点狙い。大体が自分だけの戦術を持っているけどよ、馴染んだ戦術を急に変えることなんて難しいんじゃねぇの?危険性だって上がるぜ?」
「それじゃあ前衛はどうすれば良いんだ?ウチのメンバー5人しか居ないし……」
「そこはあれだ。えーっと…………」
「先ずはお前達の動きを1通り見てからだ。キリト、お前さんも付き合え」
「……話が見えないんだけど?」
そして後日、11層の植物地帯でアドバイスを貰う月夜の黒猫団が居たらしい。
人が寝静まる丑三つ時に、たった1つの人影が荒野にある比較的大きな石、人間大の大きさの石にもたれかかっているのが分かる。顔はフードを被っていて見えず、分かるのはエリアボスのドロップ品である剣【ディープ・ヴァイオレット】の深紅の装飾が月明かりに照らされている。
そんなプレイヤーに1人、歩み寄るプレイヤーが居た。ポンチョの赤いフードを被っていて同じように顔の全体像が見えないものの、口元が少し歪んているのは分かった。
「……珍しいなぁ、こんな場所で思わぬプレイヤーに会えるなんてよぉ」
「…………誰?」
「その濃い紫の剣…………あぁ、そうだそうだ。思い出した、あの仮面ライダーとかいう奴等の集まりに居たんだったな。なぜここに居る?」
「……関係ない。ほっといて」
頑なに拒絶していくが、そのポンチョのプレイヤーは口元を歪めたまま話し始める。
「…………そうだ、予想。予想をしてみようじゃないか。俺が、お前が何でこんな所に居るのか当ててやる。当たったら何かお前からくれ、外れたら……また後日来よう」
「来るなって……言ってるのが聞こえないの?」
剣を握る手に力が込められる。いつでも迎撃態勢は整っている。いつモンスターに襲われても対処出来るようになった癖が、簡単に
「ふむ…………俺の予想だとなぁ……
お前、プレイヤーを殺したか?」
「っ…………」
「おおっと!?その表情、もしかして当たりか?こりゃあ傑作だ!」
「いい加減にして……!さもなきゃお前を……!」
「
「…………あっ……」
突如その手の力が緩められた。いや、強制的に意欲や力を削減させたというべきか。立つと少女ぐらいの背丈のプレイヤーは、その言葉を聞いて右手が震え始めた。そんな様子を確認すると、追い打ちをかけるように言葉を綴る。
「哀れだよなぁ。守りたかった存在から畏怖の念……恐ろしいもので見つめられた視線、それがお前に対する見方になっちまったってことにさぁ」
「……あっ…………あぁっ……!」
「プレイヤーを殺して、仲良しこよししてた奴から、そんな目で見られてたんだよなぁ?実に滑稽なことだ」
「ちがっ…………!あれは、ちがっ」
「違わねぇだろ?
何プレイヤーを殺して周りから離れたのに
何故また同じことを繰り返そうとしていた?
お前、さっき俺を殺そうとしたのってさぁ……
「違う……違う違う…………!ボクは……そんなこと…………!」
「何が違うっていうんだ?お前がプレイヤーを殺したのには変わらないし、幾ら逃げても付いてくるんだぜ。
お前が
自分の為に
他人を利用していたのはよぉ」
「黙れぇええええええ!」
突然、黒に近い紫色の
唐突に訪れた絶望。姉を守るためにした行為が、結果的に姉を傷付けてしまったことに対する“絶望”と、なぜその行為に及んでしまったのかという自己嫌悪によって“絶望”し続けるユウキ。
運命とは酷な事に、絶望に染まったユウキに力を与えてしまった。
〔ユニークスキル【
それは