という訳で3回目、どうぞ
「……つまり玄関の扉を開いて潜ったら光に包まれて、何故かこっちの世界にやって来た。それで良いんだよな?」
「大方その解釈で合っています」
『寧ろこれ以外をどう説明すれば良いのだ?』
現在、高山たちは先程のカフェ『nascita』に集い先程戦闘となったバグスターについての説明と高山が平行世界に住まう住人ということを説明していた。信憑性を上げる為に態々ガシャット2つとゲーマドライバーを見せて異世界のライダーであることを証明させた。
そして何よりの証拠としてゲムデウスを見せた。人格変更によって口調や目付き、先程のバイク召喚や0と1の組み合わせからできた【宝盾 デウスランパート】と【宝剣 デウスラッシャー】を出現させると充分だったのかゲムデウスの行動を桐生戦兎が止めた。
そして今この時、桐生戦兎が高山の起こった状況を簡単に纏めている。
「なぁ戦兎」
「何?今かなり頭がゴチャゴチャしてるんだけど?」
「アパレルワールドって何だ?」
万丈の言葉でカフェ内に居た高山と戦兎以外が体勢を崩す。高山と戦兎は2人同時に頭をテーブルにぶつけ、嫌な音が鳴る。万丈は急な反応をした全員を見渡して疑問を浮かべていた。
戦兎は頭を上げると万丈に近寄って頭を叩く。
「いった!おま、何すんだよ!?」
「お前バカか?アパレルワールドじゃなくて
「そもそもそのぱりれ……ぱらる……あぁメンドクセェ!それ知らねぇんだよ!」
「か、簡単に言えば別の世界って意味です……」
何時もの調子を崩されつつも万丈に対し比較的簡単な言い方を伝える。何となしに分かったのか万丈は手をポンと叩き理解を示した。
「成程……って、それってコイツが別の世界から来たってことか!?」
「さっきからそう言ってるでしょーが」
「その……ゲーマドライバー?とガシャット?なんて見たこと無いし。ホントに別世界ってあるのねぇ」
先程まで出されていたゲーマドライバーとガシャットを確認しつつ高山とゲムデウスが違う世界から来たことに感心するジャーナリストの滝川紗羽。因みに見ているのはドクターマイティXXとガシャットギアデュアルβである。
「絶対パラレルワールドに来た理由って何かあるよな?何なんだ……?」
「その……パラレルワールドって簡単に行けるものなのか?」
「いえ……恐らく何らかの要因が無ければ別の世界に干渉するなんて有り得ないですし。ましてや何の因果で……?」
『話は良いが宿主』
「ん、何?」
既に高山とゲムデウスの関係は知っているので高山が話題から逸れた話をした場合、ゲムデウスと対話しているということを理解している。
ゲムデウスが高山に話をする。が、それはそれは面倒な内容であった。
『バグスター反応が近付いている』
「はぁ!?」
「なになになに!?」
高山が急に立ち上がったことでその場の全員が驚くが、そんなことを気にせず高山はガシャット2つとゲーマドライバーを持ち出して外へと出た。
そんな高山を追い掛けて行くように戦兎と万丈も外に出ていくのだが、ドアを開けると直ぐに高山が居た。何故居るのかは聞きたかったが、高山の見ている方を見ると数十体のバグスターが居た。
「バグスター!?」
「ッ!……ゲムデウス!変身お願い!」
『承知!』
高山はゲムデウスと人格を交換しゲムデウスはガシャットギアデュアルβのダイヤルを左に回して起動させる。
【Bang Bang Simulations!】
【I’m ready!for battleship!I'm ready!for battleship!】
「変身」
ゲムデウスがギアデュアルβのスイッチを押すと音楽と共にパネルがゲムデウスの体を通り、姿を変える。
【DUAL UP!】
【Enemy is coming!Shoot down there!Bang Bang Simulations!】
仮面ライダーゲムデウス『シミュレーションゲーマー』に変身したゲムデウスは両腕のクローと肩に取り付けられた砲台による砲撃で蹴散らす。
「ハァ!」
『□□□□────ッ!』【【【【【HIT!】】】】】
「す、スゲェ……」
ゲムデウスはバグスターの槍攻撃を避けて背中を密着させて身動きを取れないようにさせる。今居るバグスターが何処から来ているのかを知る為に、後ろ蹴りをしたあと膝関節の砲台で砲撃し消滅させると右の方に続いていた。
「桐生戦兎!万丈龍我!このバグスター共を追え!恐らくボトルを奪った奴の可能性が高い筈だ!」
「お、おぉ……分かった!」
「さぁさっさと行くよ子羊君」
「お前準備早っ!」
既に桐生戦兎は『仮面ライダービルド』に変身しておりバグスターを払い除けて進んでいった。それに続くかの様にして万丈も走りながら変身したあと、ビルドを追いかけるかの様にして進んでいく。
ゲムデウスはガシャットをホルダーから引き抜きダイヤルを再度回してホルダーに差し込むと砲身を全てバグスターに向けて、両腕を前に出す。
【KIME WAZA! DUAL GASHAT!】
【Bang Bang!Critical Fire!】
瞬間、ゲムデウスの出されていた両腕からエネルギーが蓄積されると放たれた。俗に言う
ゲムデウスはウィルスの反応を追いながら戦兎と万丈が向かった場所に追い付こうと走り出した。
100m2.3秒の走力で走るゲムデウスレベル50はとあるダムの様な場所に辿り着いた。戦兎と万丈が2人掛かりで押しているが、ゲムデウスは直ぐに2人の元に駆け付ける。
しかしゲムデウスは、この場所にある青い手に注目していた。だが直ぐに考えを改める。
「桐生戦兎!万丈龍我!今来た!」
「遅ーぞ!コッチはとっくにボトル回収済みだぜ!」
戦兎が奪われた2つのボトルを見せる。敵の方を見ると左半身が青い歯車に覆われた機械の者が離れて膝を付いていた。戦兎が持つ弓状の武器を構えて緊張状態を作っているが、機械の者はゲムデウスを見るなりフラフラしながら立ち上がった。
「漸く来たか……
「私と宿主は元々異常者だ。……だが何故知っている?まさかとは思うが貴様の仕業ということか?」
「半分正解だが……半分外れている」
「…………どういう意味だ?」
機械の者はゲムデウスを指差しながら話した。何故ゲムデウスと高山が異常者と言われるのかを。
「お前は2つの世界の
「何……?」
「あーもうゴチャゴチャと!戦兎、行くぞ!」
「あ、おい待て万丈!」
万丈は先に機械の者に向かって行き攻撃を仕掛けようとするが、その機械の者は姿勢を低くして避けた後左肩から青い歯車のエネルギーを万丈にぶつけてダメージを与える。
「ゴハァ!」
「ッ!万丈!」
「お前達はそこのライダーを誘き寄せる餌だと考えなかったのか?」
機械の者は万丈を捕らえるとゲムデウスと戦兎の方を見て口を開いた。
「そろそろ……か。折角だ、コイツが
「何だと!?」
「エニグマ、起動!」
その機械の者が言うと、先程見た青い手が開き中心に穴が開く。その機械の者は万丈を手の穴に投げた。
「ウォオオオオ!?」
「ッ!不味い!」
ゲムデウスは万丈を救おうとしてジャンプした。だが万丈は先に穴に入り、ゲムデウスもその穴に入ってしまった。その2人が入ると穴は閉じてしまった。
それを見届けたあと、その機械の者は煙に紛れて消えていった。
「ぐおっ!」
何故か変身解除されて地面に打ち付けられたゲムデウスだが、直ぐに立ち上がり近くに落ちていたギアデュアルβのガシャットを拾いバッグに仕舞う。
しかし穴に吸い込まれたかと思いきや地面にいた、というのは可笑しい話である。だがそんな話でさえも可笑しいと全く感じない。何故ならばゲムデウスは感じていたからだ。
「バグスターウィルスが、ほぼ沈静化している?」
『ってことは……また別世界な訳!?』
「だがある方向にバグスターウィルスが密集しているのは確かだ。一先ずそこに向かうぞ」
『アイツの言ってた様に、俺は……すまんゲムデウス、交代してくれ』
「うむ」
ゲムデウスから高山へと人格を変更すると高山はゲムデウスウィルスによる身体能力でウィルス反応のある方まで走り出す。バグスターとの戦闘になっても良い様にゲーマドライバーを腰に着け、ドクターマイティXXのガシャットを持つ。
路地裏を潜り抜け、広い場所に抜けるとゲムデウスがバグスターウィルスのある方を示す。高山はその方向に顔を向けると広場で5人の白衣を着ている人物と仮面ライダーらしき者居たが、白衣の5人敵らしき反応に変身していない様子が伺えた。
「ッ!ゲムデウス、行くぞ!」
『再度承知!』
高山は走り出すと、ガシャットを起動させる。
【ドクターマイティXX!】
軽快な音楽と共にゲームエリアが展開され、高山の後ろのゲーム画面からカプセル錠剤が出現する。この現象に驚いている
「Mark X-2!変身ッ!」
走る高山はゲーマドライバーにガシャットを差し込みレバーを開いて2名の仮面ライダーへと変身する。
【ダブルガシャット!】
【ガッチャーン!レベルアーップ!】
【ドクターマイティ!2人でメイキーング!X!】
高山とゲムデウスはバグスターの所まで跳躍し、ゲムデウスは拳を入れて消滅させ高山は蹴りを入れて消滅させた。
爆発によって一時的に視界が遮られたが、爆煙が晴れると8名の目には白い
「なっ!?」
「あれは……白いエグゼイドと白いレーザーターボ!?」
「自分ここに居るよね、あれ何?」
「しかもガシャットを使って変身してやがる……」
無論反応はこうなる。しかしそれは高山とゲムデウスの目の前に居る右半身が赤い歯車で覆われた者も同じであった。
「なっ……!?何でドクターライダーが此処に居るんだよぉ!?変身できない筈だろぉ!?」
「一体何だ!?変身ができないって、どういう意味だ!?」
「ぐぬぬぬぅ……!だ、だが世界の終わりまで後24時間!精々指を咥えて地球が消滅するのを待つんだなぁ!」
「おい待て!」
その機械の者は煙に包まれたと思いきや姿を消した。消える前に言ったあの言葉が気になるが、高山とゲムデウスはゲーマドライバーのレバーを閉じてガシャットを引き抜き変身を解く。
【ガッシューン】
「あ、自分と神の声だ」
「というか、あの白いガシャットって……ドクターマイティじゃないですか?」
永夢の発言により永夢以外の全員が階段から降りる高山に注目するが、降りていた高山は万丈と離れたことと自分のことをまた説明しなければならないと考えながら近付いていた。