Dr.ゲムデウス   作:(´鋼`)

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どうも皆様、鬼の半妖です。

今回はDr.ゲムデウスの期間がアナザートリロジーが来るまで空きすぎるので、追々関わっていく人物の秘密を紹介していこうかと思います。先ずはバダンこと、唐澤成英からです。


閑話 バダンの秘密

 とある一軒家にて、1つの部屋にある男がキーボードをタイピングしている。その男『唐澤 成英(からさわ なるあき)』の視線には、広めのデスクに置かれた幾つものパソコン。映し出されている映像からは株価の傾向を見守っていた。

 

 

「(やはり中小企業にも視野を入れたのは正解だった。大企業も良いが、あちらは不正が存在した場合のリスクが酷い。何事も両立だな)」

 

 

 眼鏡をかけているが別段悪いという訳では無い。これはブルーライトカットタイプの眼鏡である。つまり1つの予防という訳だ。

 

 キーボードのタイピングだが、これはメールが来た為に返信しているだけである。その相手は知古という相手らしい。

 

 マウスを移動させて送信ボタンを押すと送信されたと連絡が入る。少し休憩を入れるのか、台所へと足を進めていくバダンであった。

 

 台所に到着すると飲料ゼリーのような袋を冷蔵庫から取り出し、蓋を開けて飲んでいく。序にテレビを着けて最近のメディアを確認、中身を全て飲みきると容器を捨てずにテーブルの上に置いた。

 

 

「ん…………?」

 

 

 ふと何かしらの気配を()()()()()感じ取り、警戒態勢を取るバダン。ズボンの後ろポケットにある()()のような銃を持ち、構えながら辺りを探っていく。

 

 その気配は2階から続いており、未だに警戒態勢の状態であるバダンはさらに警戒し気を張り詰めさせていた。

 

 そして2階に到着する。完全に物置となっている部屋から気配がしており、ゆっくりと足音を立てずにその部屋の扉の左側に位置する。

 

 ドアノブに手をかけ、ゆっくりと下げ一気に扉を開けると同時に自分も前に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「酷いじゃないですか、同胞よ」

 

 

 下に視線を向けると、黒くずんぐりとした人型で耳の尖った悪魔のような顔をした()がそこに居た。同胞と呼ばれたバダンは険悪な顔をしており、銃を向けたまま目の前の者に尋ねる。

 

 

「貴様に同胞と呼ばれる筋合いは、これっぽっちも無いな。メフィラス星人」

 

「貴方も私と同じなのですが……何故そこまで毛嫌いするのでして?」

 

「決まってるだろう」

 

 

 その銃のトリガーを引くと、バダンにメフィラス星人と呼ばれた者の右手のすぐ近くに小さな穴が空いた。しかも穴からは焼け焦げた跡と煙が漂っている。

 

 バダンはメフィラス星人に嫌悪の表情を向けつつ言い放った。

 

 

「貴様らの様な者が此処に来て良い訳が無い。此処には地球人と、地球の文明に魅入られた者や私の様に()()()()()()()を望む異星人が住んでいる。そこにお前達の様な()()()()()()()を生み出す輩が来て良い場では無いのでな」

 

「……すっかりと地球に毒された様ですね、『バダン』」

 

「ぬかせ若造」

 

 

 メフィラス星人は降参したかの様に両手を挙げると、メフィラス星人はその場から消え去った。そのメフィラス星人が居なくなった部屋から、バダンの脳内に声が響く。

 

 

〔今回は油断しました、やはりメフィラスの中でもトップ3に入る実力者は違う。しかしこれで終わったと思わない事だ。次こそ必ずお前を倒して()()()を潰す!〕

 

 

 その声が聞こえなくなると気配も消えており、銃をズボンの後ろポケットに仕舞い込んだ。今度はシャツのポケットからカプセルを取り出すと、穴の空いた箇所にスライムの様な物を流し込む。

 

 その物体が穴を塞ぐと急速に固まり、バダンがコンコンと叩くと木材の音がした。それを聞いたバダンは1階に降りながらスマホを取り出して連絡をしていた。

 

 テーブルにある椅子に座ると同時に数回のコール音に電話相手が出た。

 

 

『はいもしもし』

 

「バダンだ。(そら)さん、少し話がある」

 

『どーしたの急に?何時もの通り声は不機嫌そうだけどさぁ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……光の子を狙いに同族が来た」

 

『ッ……!おいおい、じゃあ……!』

 

「安心しろ。既に追い払ったし、奴等も簡単に私の防衛網を突破できやしない」

 

『なら………………いや、此方もか』

 

「ああ」

 

 

 電話相手もバダンもお互い雰囲気から危機感を醸し出していた。そう、その光の子を潰す計画が着実に完成されていようとしているのだ。

 

 此方も相手に気付かれない様に策を練らなければならない。場合によっては()()()()で殺し合いも視野に入れなければならない事を考えると、必然と不安が過ぎってしまう。

 

 

『困ったなぁ……今は戦いは好きじゃないのに』

 

「…………それが天下のテンペラー星人の言うセリフ(戯言)か?」

 

『いやいや強いの君たちメフィラス星人だからね?というより君が強いんじゃないか』

 

「互角だった癖に何を今更」

 

『あれは戦闘じゃなくて勝負だから』

 

 

 互いに昔の話に思い出を募らせながら和気あいあいとしているが、バダンと天は同時に咳き込み話題を元に戻す。

 

 

「では、頼む」

 

『了解。そっちも連絡やれるだけやってね』

 

「了解した」

 

 

 電話を終えるとスマホを机の上に置いてため息をつく。迫る危機への対処に一時的な不安を募らせるが、何も動いて無いのならば先ずは出来ることをするまでである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……という理由で、君にも力を貸してもらいたいんだ。頼む」

 

『オッケー任せといて。…………あぁ〜眼福なんじゃぁ〜』

 

「……いや、何やってんの?」

 

『おっ気になる?いやさアキバ行ってきてね、エロg』

 

 

 その言葉を言い終える前にバダンは通話終了のボタンを押した。今度は頭を抱えながらため息をついた。

 

 

「……メトロン星人、順応し過ぎじゃね?」

 

 

 今日も今日とて、異星人はこの地球の文明に順応していた。その例がオタク化であったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※この世界では宇宙警備隊は存在せず、代わりに地球人に友好的な異星人だけで結成された自治組織が存在している。友好的な異星人は多種多様だが数は少ない。そのため各地にバラけて異星人が配備されている。

尚、連絡手段は現代に合わせた物かテレパシーの使用である。

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