Dr.ゲムデウス   作:(´鋼`)

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IF編最終回。本編の方に漸く移れる←
あっ、そうだ(唐突)。アナザートリロジーが届くまで期間が空くので、オリジナル書こう(急展開)。

では、どうぞ。


IF NEW GENERATION FINAL epilogue

 先に降り立っていたエグゼイド、ゴースト、鎧武、フォーゼ、オーズにビルド、クローズ、ゲムデウスが歩いて近付いていく。全員がお疲れという状態にある中だが、この事件が終わった事で元の世界に帰らなければならない。

 

 “別れの挨拶’’それだけをする為に集まった。計7名の仮面ライダーが集合していく。

 

 

「皆さん、お疲れ様でした」

 

「全くだ。2つの世界を救うなんて滅多に無いし」

 

「あー……早く帰って休みてぇ」

 

「それは同感ですね」

 

 

 ゲムデウス、ビルド、クローズ、ゴーストの順に口を開いていき、各々の愚痴や感想を述べていく。そんな中、ゲムデウスのゲーマドライバーからガシャットが徐々に光となって体に入っていく。

 

 ゲムデウスのこのガシャットは、本来は余剰分のデータ。全ての能力を活性化したゲムデウスウィルスが、足りないデータを補おうとデータから作られたガシャットから貰っているのだ。

 

 そしてガシャットが消えると同時にゲムデウスが光に包まれ変身が解除される。高山が何を考えていたのかは分からないが、ガシャットの無いゲーマドライバーを見て何か呟いていた。

 

 

『おい!』

 

「ふぉい!?」

 

「うぉぅ!ビックリしたぁ〜」

 

『漸く繋がったか!世話の妬ける!』

 

「ちょ、ゲムデウス!そういや何で出てこなかったんだよ!?」

 

 

 暫く出ていなかったゲムデウスが高山の脳内で叫んだ。それにより高山も飛び跳ねる位驚くが、隣に居たビルドが高山の声によって驚いた。

 

 

『知るか!何故かお前があのガシャットを使ってから、お前に

()()届いてなかったわ!ましてや侵蝕による操作すらできなかった!』

 

「へっ…………?マジ?」

 

『私が嘘を言うタマとでも!?』

 

「ちょ!ごめんってばゲムデウス!許しt痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」

 

 

 高山の右腕をゲムデウスが操作して高山の右頬を(つね)る。傍から見れば自分の腕で自分を痛め付けている変人にしか見られないが、幸い理解者が3名居るので問題は無い……と言いたい。オーズの方は何処か既視感を覚えている様子だが。

 

 漸く解放されると高山の脚が徐々に薄くなっているのが見えていた。

 

 

「「「「「「あっ」」」」」」

 

「ん?どうしました?」

 

「いや……お前……脚」

 

「脚?」

 

 

 下を向くと脚が徐々に薄くなっており、その状態を見た高山とゲムデウスは一時的に理解不能の状況に陥る。

 

 

「『何じゃこりゃあ!?』」

 

「あ、そうそう1つ言いたい事があった」

 

 

 ビルドが人指し指を立てて注目を集めると話し始める。

 

 

「恐らく高山さんが2つの世界にやって来た理由がエニグマの余波って考えたんだよ」

 

「余波?」

 

「そう。前もって平行世界を行き来していた葛城……まぁエニグマを作った科学者が通った時の余波だと思う」

 

「いやちょっと待って、何を言ってるのかサッパリ」

 

 

 高山が話を制止させるが、それを無視して話を続けていく。

 

 

「平行世界は時間の流れに差異が出る。つまり、その日にエニグマを使ったとしても必ずしも同時刻、同年月日に余波は現れないって事だ」

 

「あぁそういう事ですか」

 

「俺の説明……」

 

 

 かと思いきや鎧武に説明の機会を取られてしまった事で意気消沈しているビルド。現在高山の下半身が薄く、既に膝まで消えている。

 

 今度こそビルドが意気込みながら話をする。

 

 

今度こそ……恐らくあのエニグマを消滅させたことで、お前をこの世界に繋ぎ止めておく何かが消えたんだ。お前は勝手に自分の世界に帰れるって訳」

 

「何か聞こえましたけど成程」

 

『……では、あの時の光はエニグマ余波で私たちの()を繋ぎ止めていたんだ?』

 

「……さぁ?今となっては、その考えは野暮だったりして」

 

 

 どんどんと薄れていく体。元の世界に帰る為に消えていくが、高山は最後に告げる。

 

 

「皆さん……ありがとうございました!」

 

「宝生さん!僕らの世界でも宜しくお願いします!」

 

「桐生さん!万丈さん!最初はお世話になりました!また、何処かで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「またな!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ………んぅ?」

 

 

 高山が目を覚ますと、一面広がる青い空に所々浮かんでいる雲。体を起こそうとするが体に疲弊感があり、起き上がるのが困難になっていた。仕方が無いので高山は寝そべった。背中に伝わる草の感覚が、少し(くすぐ)ったく感じる。

 

 

「…………ゲムデウス」

 

『……何だ?』

 

「……覚えてる、よな?」

 

『あぁ……きっちり保存されている』

 

「………………そっか」

 

 

 

 徐に高山がスマホを取り出して時間を確認すると、家を出てから約1時間しか経っていなかった。平行世界の時間軸は違っているという事を実感していた。

 

 そしてゲムデウスの言った保存。これは紛れも無くウィルスに今までのデータを保存しているという事だろう。これ以上は何も言わない高山とゲムデウスは、ただ冷たい空気を味わっていた。

 

 

「……疲れた」

 

『……だな。腹も減っている様だ』

 

「……腹減ったなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほれ、食うか?」

 

 

 突然視界に入ったコンビニのおにぎりと、突然耳に聞こえた()()()()()()()()()が高山の意識をそちらに向けさせた。

 

 そしてその方を見ると、他にもう1人居た。何故だか知らないが高山の瞳は少しだけ潤んでいた。

 

 

「……構いませんか?」

 

「ま、腹減ってるって聞こえたからな」

 

「まぁコイツの御人好しに付き合ってくれ。コイツこういう事には頑固だからよ」

 

「……では、頂きます」

 

 

 おにぎりの味は、何処と無くしょっぱく感じていた。

 

 その3人は少し談笑をした後、お互い進むべき道に進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暫くして高山はとある人物に電話を掛けていた。お世話になっている身として少し気が引ける所もあったが、高山にとっては重要なことなのだ。

 

 暫く流れた保留音で漸く出ると、聞きなれた声がスマホ越しに聞こえてくる。

 

 

『お電話変わりました、日向です』

 

「日向審議官、高山明です」

 

『君か。君から掛けてくるなんて珍しいじゃないか』

 

「態々時間を取らせてしまって、申し訳ありません」

 

『いや、構わない。それよりも要件の方を聞きたい』

 

「では、失礼して……今回の要件なんですが」

 

 

 高山は今後の事を考えて、自分にも強化戦力の要望を出した。確かに現在は充分に戦えているし、今の所はバグスターに対処できている。

 

 だが()()()()()()を考えるとそうもいかない。ドクターが出動できない時は、高山とゲムデウスが対処に当たらねばならない。だが渡されたガシャット2つでは対処できない場合もある。

 

 ドクターマイティXXではワクチンによってゲムデウスウィルスを抑えられ、バグスターに対しても最強のワクチンは効果的。だが基本能力が足りない。

 

 ガシャットギアデュアルβは基本能力は高くバグスターには充分な戦力であるが、使えば侵蝕が進んでいく諸刃の剣。そして今後を考え、このLv.50では対処できない相手が現れる可能性も無くは無い。

 

 だからこそ檀黎斗神に()()()()()()()()()()()の許可を願い出た。最初は取り下げようとした日向であったが、高山はドクターライダーが出動できない時にレベル上昇したバグスターとの戦闘を予測したゲムデウスの言い分を述べると検討してみるとの返事を貰った。

 

 電話を切り深く息を付きつつも、高山は帰路へと着いていた。たまには歩くのも悪くないと感じ、辺りの景色を眺めていた。

 

 

「いてっ!」

 

「あふっ!?」

 

『何やってるんだお前は?』

 

 

 人とぶつかってしまったが。身長のこともあるのか、高山は胸でぶつかる。相手の方は見ると俯いており鼻に当たったのだと理解した。

 

 高山は相手のその様子を見て痛々しく思ったのか、心配していた。

 

 

「あの……大丈夫ですか?」

 

「へ、へーきだ……いって」

 

 

 顔を上げると青年の顔立ちの人物が鼻を抑えている。少し目を細めていて痛さを表現している様だ。

 

 その青年は腕時計を視界に入れると仰天した様子で慌てた。

 

 

あわわわ……ま、まずいぞこれ!と、とにかく急がねぇと……!

 

「あ、あの〜……」

 

「あぁ!ぶつかってすいませんでした!」

 

「い、いえいえ僕の方こそよそ見s」

 

「じゃあこれで!では!」

 

「iて………………えぇ……」

 

 

 そのまま駆けて行き、嵐の様に消え去った。残された高山は困惑の表情を浮かべたまま、その人物を見送っていた。

 

 

「……何を急いでたんだろ?」

 

『知らん。少なくとも、それ程の用事だという事は理解できる』

 

「それもそっか」

 

 

 漸く家に帰ると藍原の熱い抱擁が待ち構えていた。このパターンは何時ものお決まりというヤツで、高山もゲムデウスもこれは知っていた。

 

 だが今回は高山は藍原に体を預けた。少しだけ甘えた行動をした高山を確認した藍原は、恥ずかしそうにするが高山をその状態のままで連行していった。

 

 2人用ベッドに入る藍原と高山だったが、高山は疲れからか既に眠ってしまっていた。それを確認した藍原は高山の頭を撫でてベッドに寝かせた。

 

 この物語は本来ある筈の無い出来事が、何らかの要因で起こってしまった1つのある筈の物語(パラレルワールド)。高山からしてみれば、あの2つは数ある平行世界の内の2つであり、あの2つの世界からは数ある平行世界の内の1つである。

 

 それが何をもたらし、どの様な結果が巻き起こるのかは分からない。何かが変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれない。そして平行世界に対して人は何をするまでもない故に、平行世界がどうなろうと知った事ではない。

 

 ただそれでも、この世界には多くの仮面ライダーと共に自分に関係の無い平行世界を救った1人の人間と1つのウィルスが居た。彼らはこの経験で何を理解したのかは誰にも分からないが、彼らは再度理解をした。

 

 

 

 

 

 

 どの世界にも【仮面ライダー】は存在する。【仮面ライダー】が存在し、己の正義の中に()()という誓いが存在しているということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜IF NEW GENERATION FINAL fin〜




はい皆様お疲れ様でした〜!これにてIF編終了とさせて頂きます!でも皆さん、お気づきでしょうか?

実を言うと伏線は貼っています。それが後々の物語にどう影響するかはお楽しみに。

さて、今回のIF編で登場した主人公が変身したライダーの簡単な説明をば。


・音声
【The illness cause!Who's the next patient?】

【患者治すドクター!人に感染バグスター!人とウィルスフュージョン!バ〜イラストリートメ〜ント!】

※2つともガシャットギアデュアル(ゲーマドライバー使用時)と同じリズム


・容姿
『仮面ライダークロノス』の色違い。装甲の緑色は黒に、黒色が白くなっただけ。本編では違うかも。


とまぁこんな感じ。では皆様、本編の方も楽しんでみていって下さい。今までIF編を読んで下さり、ありがとうございました!(´∀`*)ノシ

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