アーチャー・インフェルノさんのカルデアゲーム日記   作:レザス

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真名バレ、絆セリフバレもあります。

ちょっとキャラ崩壊気味

pixivにも投稿しています。


アーチャー・インフェルノさんのカルデアゲーム日記

○月×日

 

本日、私アーチャー・インフェルノこと巴はカルデアにサーヴァントとして召喚されました。

 

何やら、巴を召喚したマスターが巴の顔を見て複雑そうな顔をしていましたが、何かしてしまったのでしょうか?

 

ですが、真名を告げ、挨拶を済ませると、にっこりと微笑んで巴を受け入れてくれました。

 

先ほどの顔は巴の気のせいでしょう。

 

義仲さまに捧げた身ではありますが、サーヴァントとして新たな主君に真摯に仕えたい所存です。

 

 

○月□日

 

さっそく、マスターがカルデアの中を案内してくださいました。

 

マシュさんというデミ・サーヴァントの方も一緒です。

 

サーヴァントとして今の時代の知識は得ていますが、実際に触れてみると話は違います。

 

カルデアに存在する、設備や機能は巴には理解が追いつかないものばかりです。

 

しかし、お二人は巴が疑問に思ったものを懇切丁寧に教えてくださいました。

 

マスターもマシュさんも誠実な方なようです。

 

カルデア自体も修練場に食堂、菜園など充実した施設があるようですね。不安もありましたが、このマスターなら大丈夫でしょう。

 

ところでこの「れくりえーしょんるーむ」とはどんな施設なのでしょうか?

 

後で、マスターに聞いてみましょう。

 

 

○月▽日

 

本日、カルデアに召喚されて、初めての戦がありました。

 

何でも、聖都に小さな歪みが見つかったとか。

 

現地にマスターが赴くと、行き場を失った粛清騎士と呼ばれるものどもが狼藉を働いていました。

 

マスターはこれを止めるため、巴たちサーヴァントを現地に召喚しました。

 

粛清騎士は巴の時代の日ノ本にはいなかった、異国の侍。

 

巴としては初めてとなる相手でしたが、そこには巴としても意地があります。

 

新たな主君の元で恥ずかしくない戦いにならないように臨みました。

 

結果は大勝。こちらの損害はほとんどありませんでした。

 

戦いを通して、他のサーヴァントの方やマスターとも交流を深めることができました。よきことです。

 

 

○月△日

 

今日は、以前から気になっていた「れくりえーしょんるーむ」という施設についてマスターに尋ねてみました。

 

どうやら「れくりえーしょんるーむ」は遊戯を楽しむための施設のようです。

 

戦うための存在であるサーヴァントですが、カルデアではサーヴァントたちもここで遊戯を楽しむとのこと。

 

早速、巴も行ってみる事にしました。

 

......どうやら「れくりえーしょんるーむ」は「てれびげーむ」と呼ばれる現代の遊具が中心のようです。

 

残念ながら巴には遊び方が分かりませんでした。

 

マスターに尋ねてもよいのですが、少々気恥ずかしいのでやめておきましょう......

 

 

○月+日

 

再び、「れくりえーしょんるーむ」を訪れると、日ノ本出身のサーヴァントたちがカルタ取りをしていました。

 

巴の時代のものとは少々異なりますが、これなら巴もできそうですね。

 

他のサーヴァントの方々も巴のことを快く受け入れ、混ぜてくれました。

 

沖田さんに土方さん、佐々木さんにゴールデンさんの4名です。

 

巴が真名を告げるとゴールデンさんは何やら驚いておられましたが、どうしたのでしょうか。

 

それと......土方さんが巴を見るなり「あんた、別嬪だな」と突然、巴を口説きおとそうとしてきました。

 

巴には義仲様がいることを告げると「そりゃ、残念だ」とすぐに引き下がりましたが、その......色々とどうなのでしょう。

 

カルタ取り自体は大変楽しいもので、少々我を忘れて熱中してしまいました。お恥ずかしいかぎりです......

 

 

○月○日

 

今日はマスターが槍の修練場に篭るということで、アーチャーである巴は戦闘への参加はないようです。

 

仕方ないので巴はカルタを持って「れくりえーしょんるーむ」へと歩を進めました。

 

また、日ノ本出身のサーヴァントの方々と遊べたらよいですね。

 

しかし、「れくりえーしょんるーむ」はがらんと静まりかえっていました。

 

以前、一緒にカルタ取りを楽しんだ沖田さんに土方さん、ゴールデンさんは槍の修練場に出ているようです。

 

他のカルデアの職員の方々もお仕事で忙しいようです。

 

どうしたものかと悩んでいると、「れくりえーしょんるーむ」の端からなにかピコピコと言う音が聞こえてきました。

 

音が聞こえるほうにそっと近づくと、何やら長髪の男性?が「てれびげーむ」をしているようです。

 

邪魔しては悪いと考え、すぐに立ち去ろうとしましたが、長髪の男性はこちらに気づき振り向いてきました。

 

男性はサーヴァントだったようです。

 

たしか以前、かの有名な諸葛孔明であるとマスターから紹介された覚えがあります。

 

紹介されたときの孔明殿は清潔感のある紳士的なかただったはずですが、

 

今、目の前にいる孔明殿は髪は乱れ、目には隈ができ背筋も折れていてとても同一人物には見えません。

 

何か、言葉をかけるべきか悩んでいると「やるか......?」と向こうから声をかけてきました。

 

「やる」とはおそらく彼が遊んでいる「てれびげーむ」をやるか?とのことなのでしょう。

 

このまま彼を無視して立ち去ることもできますが、元々ここには他のサーヴァントのかたと遊ぶためにきたのです。問題ないでしょう。

 

彼の眼も「遊び方は教えてやるから早く来い」と訴えかけています。

 

ここで断っては申し訳もたちません。巴は吸い込まれるように「てれびげーむ」と孔明殿のほうに足を進めました。

 

 

==

 

 

俺はカルデアのマスター、藤丸立香だ。

 

人理修復に亜種特異点の事件の解決、数々の困難を仲間達の協力で成し遂げていた俺であるが、最近気になることがある。

 

数週間前に召喚されたサーヴァント、アーチャー・インフェルノこと巴御前のことだ。

 

女武者として、新たな戦力の一端を担う彼女だが、最近様子がおかしい。

 

どことなく、うわの空なのである。

 

マイルームに呼んでも、やたらとそわそわしてるし、呼びかけても数瞬応じないことが多い。

 

流石に戦闘中はそんなことはないが、戦闘が終わりカルデア戻るとそそくさとどこかに消えていく。

 

最初はまだカルデアに慣れてないだけかと思ったが、どうもそんな雰囲気ではない

 

一体、どうしたのだろうか......

 

 

 

そんなことを考えた数日後、事件は起きた。

 

巴御前が行方をくらませたのである。

 

パスのつながりは感じられるので消えたわけではないのは分かる。

 

だが、突然のサーヴァントの失踪に、カルデアは大慌てになっていた。

 

「くそ、一体彼女の身になにが......!」

 

「先輩......」

 

声を荒げる自分にマシュが心配そうに寄り添ってくれる。

 

もしかしたら何か事件に巻き込まれたのかもしれない。

 

以前の特異点でもカルデアのサーヴァントが巻き込まれる事件があった。

 

彼女も同じように巻き込まれたのではないか?

 

そんな悪い考えばかりがめぐった。

 

そんなときだった......

 

「マスター聞こえるか?」

 

「孔明先生!?」

 

諸葛孔明―エルメロイⅡ世から突如通信が入った。

 

彼も他のサーヴァント同様、巴御前の捜索に出ているうちの1人だ。

 

まあ、彼は指揮を執るリーダー的役割ではあるが。

 

「どうしたんですか?」

 

「ああ、簡潔に言えば巴御前の居場所が分かった」

 

彼の報告に驚いて、眼を見開く。

 

「本当ですか!?無事なんですか!?」

 

つい声を荒げてしまう。

 

「ああ、彼女は無事だ。心配ない。......ある意味ではだが......」

 

「......?。それで彼女はどこに?」

 

ある意味では...?

 

よく分からないがとにかく無事なのはよかった。

 

「彼女はレクリエーションルームにいるよ。いけば分かる。」

 

「ありがとうございます!」

 

俺は先生の報告を聞くなり、レクリエーションルームへと足を向ける。

 

「マスター。先に謝っておくがすまなかった......」

 

何故、孔明先生が謝るのかは分からないが、とにかく彼女はレクリエーションルームにいるらしい。

 

俺はマシュを連れてレクリエーションルームへと向かった。

 

 

レクリエーションルームの中は真っ暗であった。

 

今はサーヴァントも職員も巴御前の捜索に出ており使用していないから当然だ。

 

俺は一歩一歩中へ進んでいく。

 

「ん?この音は......」

 

誰も居ないはずのレクリエーションルームから音が聞こえる。

 

俺は音の聞こえる方角に顔を向ける、音はレクリエーションルームの端のほうから聞こえてくるようだ。

 

「もしかしてこっちに彼女が?」

 

そう考え、そちらへと駆け出す。

 

そしてついに彼女がいるとおぼしき場所にたどり着いた。

 

 

 

――そこには意味不明な光景が広がっていた。

 

たしかにそこに巴御前はいた。

 

だが、自分の知る巴御前はまさに大和撫子という言葉がふさわしい凛とした女性である。

 

背筋は常に伸び、言葉遣いからは気品が溢れ、そして戦になれば鬼神の如き活躍を見せる。

 

正しく大和撫子である。

 

しかし、そこにいる女性はその言葉とは正反対の面持ちであった。

 

髪は乱れ、目には隈ができ背筋も折れていて、テレビ画面を食い入るように見つめている。

 

手はゲームのコントローラを強く握り、鬼気迫る表情をしていた。

 

「やりましたーーー!!!ついにクリアです!!!」

 

あまりの変貌ぶりに唖然としていると彼女が突然大声をあげた。

 

コントローラを投げ捨て、身体全体で喜びを表現している。

 

普段の彼女からは想像もできない姿だ。

 

「えーと......巴さん......?」

 

みかねたマシュがついに声をかける。

 

その言葉が聞こえたであろう彼女はピタリと静止する。

 

そして、恐る恐るといった雰囲気でこちらに振り返る。

 

「ま、マスター......?」

 

こちらを向いた彼女の顔は真っ赤になっていた。

 

恥ずかしさからか涙を滲ませ、プルプルと震えている。

 

「えと......ゲームクリアできてよかったですね......?」

 

ついそんな言葉が出る。

 

いや、今彼女にかけるべき言葉はそうじゃないだろ。

 

「いやあぁぁぁぁぁああ!!と、巴のこんな姿を見ないでくださいぃぃぃぃ!!!」

 

咆哮。

 

彼女は突然叫び、近くにあった毛布にくるまってしまった。

 

毛布越しでもプルプル震えているのが分かる。

 

「すまない......彼女はどうも熱中しすぎてしまうタイプらしい......」

 

俺の後ろから孔明先生が現れる。

 

とても申し訳なさそうな顔をしている。

 

「えー。これまでの状況から察するに、彼女が行方不明になったのはゲームに熱中しすぎてレクリエーションルームから出てこれなくなったということなのでしょうか?」

 

マシュが先生に疑問を投げかける。

 

「おおむね間違っていない。すまない、彼女にゲームを教えた私のミスだ。あの時は徹夜で判断力がにぶっていてな......ゲーム初体験者にC○v4はまずかった......」

 

○iv4なら仕方ない。そんなどうでもいいことを考えながら、あまりの脱力に現実逃避する藤丸立香であった。

 

「と、巴を見ないでくださいぃぃぃ!!」

 

そんな女武者の叫び声がカルデア中に響き渡った。

 




アーチャー・インフェルノさんの絆セリフが可愛くて勢いで書きました。

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