杏子side
~南2局 ドラ 4索 親 妹尾杏子~
杏子(親番。配牌は悪くないけど……)
照「…………」
杏子(……ここまでおとなしい宮永さんがそろそろ上がり始める可能性が高い。私のやるべきことは宮永さんの全力を引き出すこと……。去年美咲先輩が届かなかったあの時よりも更に上があるってミーティングで鈴音先輩と師匠が言っていた)
私は手を進めつつ、ミーティングを振り返る。
~回想~
鈴音『宮永照は連続和了と照魔鏡の他に少なくともあと1つは何か能力を隠しているよ』
杏子『あと1つですか……?』
鈴音『その能力は去年美咲と戦った時には使われなかった。その理由として推察できるのはその能力の使い所が難しい、若しくは能力が未完成だったかと思われるね』
綾香『まぁ完成してたら去年の美咲先輩の時に使ってそうですもんね』
杏子『それでその能力とは……?』
鈴音『私も詳しくはわからない。その片鱗が見える合図としてはなんというか……『ギギギ』っていう扉を開く音かな?そんな感じの感覚があると思うからね』
未来『恐らく宮永照は連続和了と並行してそれを使うと思うから十分に気を付けなさい』
杏子『はい……!』
~現在~
杏子(ヒントは『ギギギ』という扉を開く音みたいなもの……。それが聞こえた時こそ宮永さんの全力だと思っていいのかな?)
照「ツモ。300、500」
恒子『宮永照のツモ!ここから連続和了が始まってしまうのか!?』
健夜『これまでおとなしかったのが少し気になりますね。宮永選手を相手に他家がどう動いてくるかも楽しみです』
杏子(遂に宮永さんが和了した……。ここからはもっと慎重にいかなきゃ)
清澄 160300-300=160000
阿知賀 117500-300=117200
総武 70600-500=70100
白糸台 51600+1100=52700
~南3局 ドラ 7筒 親 宮永照~
杏子(宮永さんの親番。ここから刻まれると厄介だから早めに流してしまいたいけど……)
照「ツモ。700オール」
杏子(速い……!)
清澄 160000-700=159300
阿知賀 117200-700=116500
総武 70100-700=69400
白糸台 52700+2100=54800
~そして~
照「ツモ。1100オール」
清澄 159300-1100=158200
阿知賀 116500-1100=115400
総武 69400-1100=68300
白糸台 54800+3300=58100
照「ツモ。1500オール」
清澄 158200-1500=156700
阿知賀 115400-1500=113900
総武 68300-1500=66800
白糸台 58100+4500=62600
照「ツモ。1900オール」
清澄 156700-1900=154800
阿知賀 113900-1900=112000
白糸台 62600+5700=68300
総武 66800-1900=64900
杏子(これで最下位に転落。でも何か妙……。南2局の和了からこの南3局3本場までずっとツモ和了り。さっきの上がりは松実さんから直撃だと点数が増えないから特に違和感を持たなかったけど、それでも何か感じる。宮永さんから何かをしようとしているということを……)
もしかしてミーティングで言われたことがこの場で起ころうとしている……?
~南3局4本場 ドラ 4萬 親 宮永照~
杏子「」タンッ
照「ポン」カシャッ タンッ
杏子(今度は鳴きを挟んできた……?)
~そして~
玄「」タンッ
照「ポン」カシャッ タンッ
杏子(2萬に続けて7索もポン……。手牌は対々?)
~そして~
優希(これ、通るか……?)タンッ
照「…………」
優希(通った……)
杏子(今片岡さんが切った8筒が当たり牌だと思ったけど、そうじゃないのかな……?)タンッ
照「ツモ」
杏子(これで6連続ぞ……え?)
照「3000オール」
清澄 154800-3000=151800
阿知賀 112000-3000=109000
白糸台 68300+9000=77300
総武 64900-3000=61900
杏子(宮永さんの上がり牌は8筒。だとしたら今の見逃しは一体……)
どういうことだろう……?そう考えていたら……。
ギ…ギギ……!
!?……これが例の。だったらこれが宮永さんの本気になるのかな?
なんにせよこの連続和了を止めないと……!
杏子sideout
綾香「……今の見逃し、なんか不自然じゃないですか?」
美咲「そうだね。前の局なら点数の関係上松実さんの出和了りを無視しても宮永さんの連続和了による点数上昇がなくなるからともかく、片岡さんから出和了りしても点数は上昇してるから、問答無用でトップの片岡さんから直撃はほしいはず……。なのにあの見逃しはどういうことなんだろう?」
未来「過去の牌譜を見る限りだと宮永照の点数上昇パターンは至ってシンプルなものだったけれど……」
鈴音「これまでとは違うパターンを見せてきた。これはつまり彼女もこの打ち方を決勝戦まで温存していたということなんだろうね」
綾香「決勝戦は温存していた力を見せたり、速度やドラを調整してたりとそんなのばっかりですね……」
鈴音「まぁ今まで通りだと通用は難しいと判断したんだろうね」
あとは杏子がリーチ棒を見せてないだけだけど、どこまで温存できるかな?
今回はここまでです。
じかいよこく!
遂に宮永照が実力の片鱗を見せる。それに対して杏子はどう出るか……!
ではまた来年ですね~。