生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


第79話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑥

杏子side

 

 

~南1局 ドラ 2筒 親 片岡優希~

 

優希「」タンッ

 

杏子(南場にもなると流石の片岡さんも速度は落ちる。私の配牌もいい感じだし、このまま和了りを……!?)

 

これは……!

 

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

 

 

綾香「杏子がドラを引いた!?」

 

美咲「妙だね。松実さんは河にドラを出さない限り他家にドラが渡ることはなかったはずなのに……」

 

未来「5月の練習試合の時とは違うということでしょうね」

 

私はその練習試合にはいなかったけど、その練習試合とは違う力をこの決勝戦まで温存していたということになる。大したもんだね全く。そしてそれには『あの子』も絡んでいると見てもいいだろう。でも……。

 

鈴音「実力を温存しているのは杏子も同じことだけどね」

 

綾香「どういうことですか?」

 

鈴音「この大会の杏子の牌譜を見たらすぐにわかるよ」

 

美咲「えっと……。杏子ちゃんの牌符は……っと。成程、確かに杏子ちゃんはまだ全てを見せてないね」

 

綾香「あっ、リーチ棒をこの大会で1度も出してない!」

 

そう、杏子はリーチをすることが殆どない。最後にリーチ棒を出したのは入部して丁度1週間後くらいだから、約4ヶ月もの間リーチをしてないことになる。

 

というのも私が杏子にそうさせており、ギリギリまで隠しておくために普段からリーチをしないように心掛けさせていたのだ。

 

未来「そういえば私と2人で特訓した時も杏子はリーチをしていなかったわね。まぁ杏子の打ち筋はリーチをしなくてもいいものだから余り疑問には感じなかったけれど、全てはこの決勝戦のためだったのね」

 

鈴音「そのリーチを決勝戦ではタイミングを見計らって解禁するように杏子には伝えておいたよ。まぁ個人的には後半戦の南場がベストだけど、その辺りは杏子次第かな」

 

とはいえ現状はかなり劣勢だから、もしかしたら後半戦に入るまでに杏子はリーチをするかもしれないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子side

 

 

杏子(ドラである2筒が手に来た……。この先鋒戦で松実さんはドラを切っていない。にも関わらずドラが私の手元に来るってことは松実さんはドラのコントロールができるということ。この決勝戦までこの戦法を隠していたことになる……。私もまだこの大会でリーチ棒を見せていないからお互い様だけど……)

 

だとしたらこの局は松実さんの方を警戒しつつ、降り気味に打とう。

 

 

 

 

~そして~

 

玄「リーチ!」タンッ

 

 

阿知賀 109500-1000=108500

 

 

杏子(松実さんのリーチ……。この局の松実さんは人が変わったような感じがする。1シャンテンだけど、攻めにいけば振り込んでしまいそうだから様子見でいこう)

 

狙い撃ちは現状宮永さん以外にするつもりはないしね。

 

 

 

~そして~

 

玄「ツモ!リーチ、ツモ、ドラ3。2000、4000です!」

 

優希(ドラ3……?)

 

照(松実さんにしては打点が低い……。ドラを切った形跡もないし、妙だ……)

 

 

清澄 164300-4000=160300

 

阿知賀 108500+8000+1000=117500

 

総武 72600-2000=70600

 

白糸台 53600-2000=51600

 

 

 

杏子(2人の反応を見るにドラは私の所にしか来なかったみたい。それも最初のツモ牌以降はドラを引かなかった。この局は松実さんにドラをコントロールされていた……?)

 

だとするとやはり1番の難敵は松実さんってことになる。宮永さんの本気を引き出さないといけないというのに……。

 

とにかく早いところ対策をたてないと……!




今回はここまでです。

じかいよこく!

松実玄の思わぬ麻雀に翻弄される杏子。そして宮永照がついに動き出す……?

では次回もよろしくですよ~。

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