このプロローグは台本形式ではありませんので、御了承ください。
またこの話を読むにあたって私が書いた『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』を呼んでおかないとわからないことだらけだと思うので、読んでおくことを推奨します(露骨な作品アピール)。
では今回もよろしくです。
プロローグ① もう1度廻り会うために……。
あの人は行ってしまった……。あの人はまた戻ってくる、遊びに行くよと言ってくれたけど……。
会いたい……会いたいよ。
『会いたい?……に』
そう思っていると、頭に声が響いた。この声は確か……。あの人に修行をつけていた……全王様?
『厳密には僕は全王とは違うけどね~』
どういうことだろう……。そんなことはどうでもいいや。それよりも……!
「……本当?本当にあの人に会えるんですか!?」
『会えるよ~。君達の強い願いを聞いたからね~。でも……』
全王様……とは違うらしいからわたしは『天の声』と呼ぶことにして『天の声』さんがさっきまでの喋り方を止めて、真剣な声色になった。
『そのために今いる世界を捨てる覚悟はある……?』
「えっ……?」
『君達のいる世界とは違う世界に君達の会いたい人はいる。そこに行くってことは2度と戻ってこれないかもしれないよ?そうなった場合は君の築いてきた家庭や仲間を棄てることになる。それでも……会いたい?』
「っ!」
思わず言葉が詰まってしまった。あの人のことは大切だけど、だからといってわたしの愛した夫や、競いあった仲間達を棄ててしまってまで本当に良いのだろうか……?
わたしが悩んでいると今まで隣で黙っていた私の娘が口を開いた。
「……私は、それでも構いません。本当はお父さんやお世話になった人達を切り棄てたくない……。でも!あの人に会いたい!!それくらい私の中ではあの人の存在が大きくなっていますから!!だから……会いたいですっ!」
9歳とは思えないくらい大人びていた娘が泣き叫びながらあの人への想いを告げる。
……駄目だな。娘がここまでの覚悟を持って言ったのに、何時までもウジウジと。わたしだって……!
「わたしも会いたい!夫や仲間は棄てたくないけど、あの人だって大切だから!!」
『……うん、良い覚悟だね』
わたし達の覚悟を聞いていた『天の声』さんは言った。
『いいよ。君達が会いたがっていた人に会わせてあげる。もちろんさっき言ったリスクは負わせないよ。何せ彼女にとっても君達は大切なんだからね!』
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
会える……!あの人に会うことができるんだ!
『天の声』さんはまたのんびりとした感じの口調に戻った。
『さて、じゃあ早速……っとその前に君達が会いたがっている人が今どんな世界にいるかを軽く教えるね~』
「「はい!」」
『まず彼女がいる世界は君達が今いるような戦いの世界とは無縁だね~』
「そ、そうなんですか……?」
てっきり更なる強さを求めて戦いに明け暮れているのかと思ってた……。
『……まぁ競技という意味では戦いの世界と言ってもいいのかもしれないけどね~。それで……』
それからあの人が今いる世界について色々聞いた。内容を挙げ出すとキリがないので、1つだけ言うと……。
麻雀が盛んな世界ということ。
『じゃあ君達をその世界へと送り込むね~』
「「お願いします!」」
いよいよあの人と御対面!……なんてき仰々しい言い方になってしまったね!
そう考えていると『天の声』さんはバツが悪そうな顔をしていた。何かあったのかな?
『……ゴメン。どうやら君達をその世界に送ることに失敗しちゃったみたい~』
……えっ?どういうこと?
今回はここまでです。
プロローグの間……というより咲の世界sideになるまでは台本形式じゃありません。
今日は本編の方も挙げてますので、そっちも見てってくださぇ!