恒子『間もなく中堅戦が始まります!選手のみなさんは会場に集まりください!!』
美咲「………………」
いつも騒がしい美咲がやけにおとなしい。そういえば次鋒戦の途中から静かだったけど……。
鈴音「美咲?」
美咲「………………」
聞こえてないのかな?それとも無視されてる?何それ悲しい……。
鈴音「おーい……」
美咲「あっ……ゴメンね鈴音ちゃん」
鈴音「いや、別にいいんだけど……どうしたの?」
美咲「うん……なんかね、もう少しなんだよ」
鈴音「……何が?」
美咲「もう少しで何かコツみたいなのを掴めそうなんだ。だからずっと考えてたんだよ。それを掴むことができたら今より強くなる……そんな気がして」
コツ……?何かわからないけど……。
鈴音「そっか……この中堅戦で掴めるといいね」
美咲「うん……!じゃあ行ってくるね!」
そう言って美咲は会場へと歩いていった。
鈴音「……今のを聞いて未来はどう思う?」
未来「美咲は恐らくだけれど覚醒するのではないかしら?」
鈴音「覚醒……?」
未来「今ある力が強化される……そのような感じね」
もしかしたら美咲の特徴である高火力がさらに進化したりして……だとしたら個人戦での1番の敵になるかもしれないね。
綾香「それって美咲先輩がもっと強くなるってことですよね?」
未来「まぁそうなるわね」
綾香「すごいなぁ……。これは私達も負けてられないよ杏子!!」
杏子「うん……!」
鈴音「元気になったみたいだね杏子」
杏子「はい……ご心配をおかけしてすみませんでした」
鈴音「気にしないで。人間元気と真面目が1番だから」
例えば美咲みたいな人間が将来大物になったりするのだろう。……というか美咲は現時点でものすごい大物になってるけど。色々な意味で……。杏子もそのあたりはわかってるようで小さく頷いてる。
鈴音「それがわかればいいんだよ。さあ試合を見るよ」
杏子「はい!」
うん、完全に調子が戻ったみたい。……それにしても大将まで回ってくるよね?
恒子『中堅戦スタートです!!』
とりあえず美咲が有珠山か東白楽を飛ばさないことを信じよう。
~少し前~
美咲side
全国大会が始まる前から私は何か掴めそうな……そんな感覚があった。
もしも『それ』を掴むことができるなら去年よりも確実に強くなってるであろう宮永さんを追い抜くことができるかもしれない……。そして未来ちゃんや鈴音ちゃんと肩を並べることができるかもしれない……!
1回戦で『それ』が手の届くところまで来た。『それ』を手にするためにも……鈴音ちゃんにバトンを回すためにもこの中堅戦は……。
明華「…………」
恒子『中堅戦スタートです!!』
この風神と呼ばれる彼女から有珠山と東白楽を守りながら頑張るよ!!
今回はここまでです。
次回、美咲は有珠山と東白楽を守りながら明華に攻撃を……?