生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


第21話 団体戦に向けて。まずはオーダー発表から

ゴールデンウィークが終わり、月曜日。5月病の気分が抜けない最中、授業後に部室に向かうと背後から声が聞こえた。

 

杏子「鈴音先輩!おはようございます!!」ダキッ

 

鈴音「杏子……おはよう」

 

杏子が突然抱き着いてきた。いつの間にこの子はこんなに変わったのだろうか……。それにしても。

 

鈴音「髪切ったんだ。それに眼鏡やめてコンタクトにしたんだね」

 

杏子のあの長髪をセミロングくらいまでになっていた。

 

杏子「はい!変わった私を先輩にも見ていただきたくて!!」

 

綾香「鈴音先輩、よく気が付きましたね。私も最初誰だかわからなかったですよ……」

 

すぐ後ろから綾香も来る。

 

鈴音「そうかな?私はすぐにわかったよ」

 

例え姿を変えることができても気配までは変えられないと思うしね。だから私はすぐに杏子だとわかったのかもしれない。

 

杏子「流石先輩です!!」

 

目を輝かせながら杏子は言う。そろそろ離れてくれると嬉しいな。部室で待ってる未来に何を言われるかわかったものじゃない。

 

鈴音「今日は団体戦のオーダーを発表するよ。伊吹先生とも話し合って決めたから心して聞いてね」

 

杏子「はいっ!!」

 

綾香「オーダー発表ですか……緊張しますね」

 

鈴音「うちは5人しかいないから誰かが外れるなんてことはないから大丈夫だよ。綾香は去年どこについてたの?」

 

綾香が去年まで通っていた中学についてある程度は調べたけど念のために本人にも確認する。

 

綾香「去年は先鋒でした」

 

鈴音「エースだったの?」

 

綾香「一応そう呼ばれるポジションにはいましたけど、ちゃんと役割を果たせたかどうかわからなかったんですよね。チームは全国に行けませんでしたから私があのときもっと稼いでいれば……とか考えてしまうんですよ。まぁ個人戦にその悔しさとかを全部ぶつけましたけど」

 

それで全中2位だったのか……大したものだね。

 

綾香「でも先輩達にとっては最後のチャンスになるんですよね?」

 

鈴音「最後ではあるけど最初のチャンスでもある。私達なりに精一杯頑張るだけだよ」

 

綾香「そう……ですね」

 

鈴音「さ、部室に着いたよ。今日も張り切って部活をしよう」

 

綾香&杏子『はいっ!!』

 

 

~そして~

 

鈴音「今日はオーダー発表をするからいつもより早めに終わるよ」

 

美咲「いよいよだね。ワクワクするよ!」

 

綾香「私はドキドキします……」

 

杏子「私も……」

 

未来「どこのポジションに入っても精一杯やるだけよ」

 

私と同じこと言ってるな未来は……。

 

鈴音「じゃあ発表するよ」

 

私が言うとみんなはゴクリと息を呑む。

 

鈴音「まずは先鋒」

 

オーダーを考えるに至ってこの先鋒が1番悩んだ。なにせエースと呼ばれて尚且つ宮永照、辻垣内智葉といった去年の個人戦で暴れた人達と戦うポジションだ。そこに誰をぶつけるか……私の答えは。

 

鈴音「妹尾杏子!」

 

杏子「わ、私ですか!?」

 

鈴音「経験が少ないからきついとは思うけど、私は杏子ならいけると確信してる。だから斬り込み隊長は任せたよ」

 

杏子「は、はい!!」

 

鈴音「次は次鋒」

 

先鋒に杏子を置いた時点でこの次鋒はすぐに決まった。もしも先鋒である杏子が失敗したときに安定してフォローができる……そんな人は1人しかいないと私は思ってる。

 

鈴音「響未来!」

 

未来「まぁ面子を考えると妥当ね」

 

鈴音「頼んだよ未来」

 

未来「任せて」

 

鈴音「中堅」

 

この中堅は一件次鋒や副将と同じような役割を担ってる感じはするけど、姫松みたいに中堅がエースポジションだったりするところもきっと出てくる。そんなところと当たったときのことを考えてこの結果に至った。

 

鈴音「佐野美咲!」

 

美咲「中堅か~」

 

鈴音「色々考えたけどうちの中で最も稼げる美咲をよく生かせると思ったところが中堅だった。まぁ先鋒に杏子を置いたときにはもう決まってたけどね。それに姫松なんかはそこにエースを添えてくるからそうなったときに1番戦えるのは美咲だと私は判断した。お願いね」

 

美咲「もちろん!頑張るよ!!

 

鈴音「副将」

 

副将は清澄にいる原村さんがいるポジションだ。そこに当てるのは最初から決まっている。

 

鈴音「綾瀬綾香!」

 

綾香「はい!」

 

鈴音「綾香の去年の話とかを聞いて参考にさせてもらった結果、副将に置くことにした。私の調べによると清澄にいる原村さんもこの副将に入るらしい」

 

綾香「原村さんが……?」

 

鈴音「うん、だからリベンジも兼ねて頑張ってね。そして……私の背中を預けたよ」

 

綾香「はい!任せてください!!」

 

鈴音「それで大将は私、大宮鈴音が務めさせてもらう」

 

本当は1年のどちらかに任せようと思ったけど、様々な考えが渦巻いた結果、こうなったのである。

 

鈴音「みんな、県大会まであと1ヶ月もない。目指すは全国制覇だよ。頑張ろう!」

 

『おーーーっ!!!!』

 

オーダー発表が終わり、県大会に向けて私達はさらなるやる気に満ちていた。

 

 




今回はここまでです。

次回は……どうするかな?

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