生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


大人の巻①

伊吹side

 

やっほー。指宿伊吹だよ。今私は健夜さんこと小鍛治健夜プロと一緒に某所の駅前にいるよー。

 

ぶらりと彷徨いていたら偶然健夜さんと出会ったんだよね。

 

健夜「立ち話もなんだし何か食べに行こっか」

 

伊吹「だね~。そこのファミレスでいい?」

 

健夜「うん、いいよ」

 

 

~そして~

 

伊吹「今日はこーこさんとは一緒じゃないの?」

 

健夜「そうだね。恒子ちゃんは今日アナウンサーのお仕事があるから。そういう伊吹ちゃんは今日はオフ?」

 

伊吹「はい。なので適当にぶらぶらしてたら健夜さんに会った感じかな」

 

健夜「相変わらず伊吹ちゃんはフットワーク軽いよね。確か今総武高校で教師をやっているのにここ東京だし……」

 

伊吹「親が転勤族っていうのもあって私も色々な所に行くの好きなんだよね~。1番長くいたのも高校の3年間だし」

 

健夜「高校時代も総武高校だったっけ?」

 

伊吹「そうそう。……そこで教師してるのもその名残かも」

 

多分だけど……。

 

健夜「総武高校といえば……。麻雀部の方はどうなの?」

 

伊吹「順調だね~。有望な新入部員が2人入って5人になりましたし、今年は団体戦も狙うよ~」

 

健夜「今の3年生と合わせて総武高校麻雀部は伊吹ちゃんからどんな感じ?」

 

伊吹「私の見立てが正しければ最低でも決勝戦進出、最高で優勝かな」

 

健夜「……随分大きく出たね」

 

伊吹「彼女達ならそれができるよ。少なくとも私はそう確信してる」

 

健夜「シード校とか以外でも強い所もあるのに……」

 

伊吹「そうだね。私が見た感じでシード校以外で強そうな所は長野の龍門渕……は去年も出てたか。清澄や鶴賀とかは全国に来る可能性があるし、奈良だったら赤土さんが監督してる阿知賀とかは確実だろうね」

 

健夜「赤土さんってもしかして……」

 

伊吹「そ、10年前にあなたに一撃かましたあの赤土晴絵さん。こないだのGWでその阿知賀と練習試合したしね。……鈴音抜きだけど」

 

確か風邪を引いたって未来が言ってたね。鈴音からしたら災難だけど、こっちからしたら鈴音の実力を知られずにすんだと思ってるよ。

 

健夜「鈴音って前に伊吹ちゃんが言っていた大宮鈴音さん?」

 

伊吹「うん。……正直あれはヤバイよ。特に3年生になってからは負けなしだし、健夜さんでももしかしたら勝てないかもね」

 

未来もそうだけど、鈴音は実力の底が見えなさすぎる。去年宮永照と接戦した美咲が可愛く見えるレベルだよ。

 

健夜「……そんなにすごいなら1度彼女の全力を見てみたいね」

 

伊吹「とはいえ鈴音の本気を見れることなんてないからね。部内でも未来と美咲と私が入った卓で漸く少し本気出すって感じかな……」

 

健夜「だとしたらどうしたら大宮さんの本気を見られるんだろう……?」

 

伊吹「それについてはあてがないわけでもないけど……」

 

健夜「あるんだ……。聞いてもいい?」

 

伊吹「実は……」

 

 

 

 

~そして~

 

健夜「……そんなことができるの?」

 

伊吹「時間と人手があれば不可能じゃないよ。もちろん健夜さんの協力も必須だけど」

 

健夜「……いいよ。私個人としてもそれには興味あるから」

 

伊吹「決まりですね~。今年のインハイは忙しくなりそうだ」

 

健夜「なんだか楽しみになってきたね」

 

こりゃ完全に鈴音に興味もったね。去年から情報を与えてたけど、まさかここまでとはね~。

 

まぁ鈴音には頑張れと心の中で応援しておこう。

 

健夜「ところで伊吹ちゃんはプロになる気はないの?」

 

伊吹「ないかな~。今の私は麻雀で本気になれる気がしないから」

 

健夜「そっか……」

 

伊吹「たまに打つくらいがいいよ。本来なら麻雀部の顧問すらする予定はなかったし」

 

私からすれば未来も別の意味でヤバいからね。何も言ってないのに私を一目見ただけで麻雀経験者だと言われたからね。

 

いや、あれは『見る』じゃなくて『視る』と表現した方が正確かな。

 

なんにせよ鈴音と未来は敵に回したくないよね。

 

 

 

伊吹sideout

 

 

 

 

鈴音「くしゅんっ!」

 

未来「風邪かしら?」

 

鈴音「いやいや、治ったばかりなのにぶり返したら洒落にならないよ。ここから県大会まで時間ないのに……」

 

そもそもそのせいで私だけ奈良に行けなかったんだからね!

 

未来「だとしたら噂されてるのかしら。……案外その正体がトッププロの小鍛治健夜だったりしてね」クスッ

 

鈴音「なんでそんな具体的なの?……まぁそうだとしたら私の実力を認めてくれてるってことだけど、私まだ公式戦で麻雀打ってないからそれはないと思うよ」

 

まぁもしかしたら伊吹先生から伝わっているかもしれないけど……まさかね?




今回はここまでです。

キャラ紹介

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。身長が中学から伸びず、大学を出てもそのままの身長に「うわ、私の成長期終わるの早すぎ!」とぼやく。転勤族の両親に影響されて日本全国を廻るのが好きで、そのおかげで様々な人と縁がある。この作品で1番謎に秘めた人物かもしれない身長139センチの女。

小鍛治健夜……プロの麻雀選手。知る人ぞ知る健やかじゃない?アラフ……げふんげふんの人。相方がいないときは基本健やか。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。限界を知らない麻雀センスを秘めていると言われて(本人はそんなに強くないと思っている)おり、彼女の知らない内にトッププロに目をつけられている。だが今回はチョイ役。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。鈴音程ではないが彼女もまたトッププロに目をつけられていて、伊吹にもヤバい奴認定されている。だが今回はチョイ役。


では次回もよろしくなのです。

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