生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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懲りずにパロネタ……というわけで今回もよろしくです。


怪談の巻②

未来side

 

とある平日。私と美咲と綾香で3麻を打っている。鈴音は掃除で遅れるらしいし、杏子はお手洗いに行ってるわ。

 

本来なら杏子が帰ってくるのを待つのだけれど美咲と綾香が待ちきれないと言っていたので先に打っているわけよ。

 

未来「」タンッ

 

美咲「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

この静かな空気も嫌いではないけれど折角だから何か話しましょうか。

 

未来「……今日の朝に顔を洗っていたのだけれど」

 

美咲「どうしたの?」

 

未来「ただの雑談よ」

 

綾香「あれ?なんだかデジャブなんですけど……」

 

未来「続けるわね。朝に顔を洗っていたら眉毛に白い塵がついていたの。私はそれを勢いよく抜いたわ。するとそれは3㎝まで伸びた白い眉毛だったのよ」

 

私が話終えると綾香が震えていた。寒いのかしら?

 

綾香「きゅ、急に怖い話をしないでくださいよ!!」

 

怖いかしら?この話……。

 

美咲「いや、別に怖くはないんじゃ……」

 

綾香「美咲先輩、前回最高に恐ろしい話をしたからって天狗になってますね……?次は私が勝ちますよ!」

 

そういえばこの間鈴音が綾香の家に遊びに行っていて帰ってきたら顔を青ざめていたわね。美咲が何か話したのかしら?

 

というかいつのまにか怪談の流れになっているわね……。

 

未来「ならその当事者である鈴音とお手洗いに行っている杏子も交えて5人で話しましょうか」

 

綾香「まずは私からいきますよ!……私も洗顔していたときの話なんですけど結構勢いよく洗っていたんです。するとサクッ……と爪が皮膚を刺した感じの音が頭の中でしました……」

 

それって大丈夫なのかしら?皮膚が弱い人は余り勢いよく洗うと肌を傷めるって聞いたことがあるわよ?

 

綾香「すると頬からポタリポタリと赤黒い血が流れました。しかし2、3秒経つとピタッと血が止まったんですよ……。それから血も痛みもなくてその後何も起こることはありませんでした……」

 

皮膚が弱いとたまにあることらしいわね。私や鈴音はそんな心配はないけれど。

 

美咲「でも大事にならなくてよかったね!」

 

綾香「はい、あのときは焦りましたよ……」

 

まぁ下手すると病院に行かなくてはならないからそうならなくてよかったわ。

 

美咲「次は私だね!えっと……」

 

先程綾香が言っていたけれど美咲は即興で怖い話を考えるのが得意らしいわね。今度杏子との親睦を深めるのも兼ねて怪談も悪くないわね。夏も近いし。

 

美咲「あっ、そういえば怖い話じゃないんだけど鈴音ちゃんのことで思い出したことがあるんだ!」

 

鈴音の……?なにかしら?

 

美咲「この間外をブラブラしてたんだけど、その時鈴音ちゃんを偶然見かけたから声をかけようと思って鈴音ちゃんに近付いてみると男の人と一緒だったんだよ!」

 

綾香「えっ!?」

 

未来「…………」

 

鈴音が?男と?私を差し置いて?

 

美咲「その相手が金髪で高身長のイケメンだったんだ!とっても親しげな感じだったよ!腕も組んでたし。それで気になってあとをついていったんだ。すると……」

 

綾香「どうなったんですか……?」

 

どうなったのかしら?場合によっては起訴することになるわよ……!

 

美咲「……やっぱり言えない!鈴音ちゃんにとっても知られたくないことだと思うし彼氏とのことを詮索されたくないと思うからね!」

 

ということは鈴音はその男としっぽりとやることをヤっているというのかしら?これは有罪ね!

 

綾香「気になる!気になりますよ!!」

 

未来「とにかく鈴音を問い詰めましょう。もうすぐ来ると思うから待ち伏せするわよ」

 

綾香「はい!」

 

私は綾香と一緒に事の真相を鈴音に問い詰めることにしたわ。

 

 

未来sideout

 

 

 

さて、掃除も終わったし早く部室に向かおっと。もうすぐ県予選だから張り切っていかないとね!

 

部室に着くと何故か杏子が佇んでいた。

 

杏子「鈴音先輩……」

 

鈴音「杏子、部室に入らないの?」

 

杏子「嘘ですよね?嘘なんですよね?鈴音先輩に男なんて……ありえませんよね?鈴音先輩には私がいるじゃないですか」

 

えっ?なにこれ?なんか杏子の目のハイライトがないんだけど。何があったの?

 

等と思っていたら部室のドアが開く。

 

綾香「杏子!?」

 

未来「どうやら私達の話を聞いていたようね……。ちょうどいいわ。3人で鈴音を問い詰めましょう……?」

 

綾香「はい!」

 

本当にどうなってるの!?未来の目のハイライトも無くなってるし、綾香は目を輝かせながら此方を見てるし!

 

鈴音「何がなんだかよくわからないけど……ここは戦略的撤退!!」ダッ

 

何故か危機感を感じた私は走った。それはもうメロスのように走った。

 

未来「待ちなさい……!」ダッ

 

杏子「どういうことか説明してください!」ダッ

 

綾香「私も気になるので是非話してほしいです!」ダッ

 

ちょっ!?なんで3人共追ってくるの!?とにかく命の危機を感じるから逃げなきゃ!

 

美咲「今更作り話って言いづらい空気になってる……。というか未来ちゃんなら真っ先に気付きそうだと思ったんだけどな……」

 

私が追いかけられているなか美咲がそう呟いていたのだが誰もそれを知ることはなかった。

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回はただの被害者。身に覚えのない疑惑で死にかけた。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。鈴音に彼氏疑惑で周りが見えなくなる。後にそれが作り話だと気付くのに3日かかった。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回は怖い話ではなくささやかなガールズトーク(作り話)のつもりで話したことが2人の部員がヤンデレになりかけることを彼女は気付いていない。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。美咲の作り話に興味津々で鈴音に真相を聞こうとする。だって女の子だから。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。鈴音に彼氏ができたんじゃないかと思いその男を殺して鈴音を監禁しようとまで考えてしまうが鈴音の幸せを第1に考えているので思いとどまった。


はい、またもや『男子高校生の日常』から持ってきました。ある程度オリジナルを入れてるつもりなんですがね……。

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