生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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※この話には様々な作品の台詞やネタが多めに含まれています。では今回もよろしくです。


総武の巻③

未来side

 

これは県大会が始まる前のある日の出来事よ。

 

綾香「あっ、未来先輩」

 

杏子「こ、こんにちは……」

 

部室に向かう途中で綾香と杏子に会った。

 

未来「こんにちは。2人もこれから部室に向かうところかしら?」

 

綾香「はい!未来先輩は鈴音先輩と一緒じゃないんですか?」

 

未来「鈴音は掃除当番で遅れるらしいわ」

 

綾香「じゃあ美咲先輩は?」

 

未来「クラスが違うからわからないけれど、先に部室に行っているのではないかしら。あの子、部活をいつも楽しみにしているみたいだから」

 

本当、美咲は楽しそうよね。なんだか羨ましいわ。

 

綾香「なら早く行かないとですね!」

 

未来「そうね」

 

私達が話しながら部室へと向かうと杏子が立ち止まった。

 

杏子「あれ……?部室の前にいるのって伊吹先生じゃありませんか……?」

 

綾香「本当だ。何してるんだろ……?」

 

2人が見ている方向を見てみると伊吹先生が唸りながら部室の前でうろうろしていた。……何をしているのかしら?

 

未来「伊吹先生、何をしているのでしょうか?」

 

伊吹「あっ、未来……。それに綾香と杏子も……。ちょうどよかった」

 

……何故かしら?非常に嫌な予感がするのだけれど。

 

伊吹「実はちょっとやらかしちゃってさぁ……」

 

綾香「な、何をしたんですか……?」

 

伊吹「それは……中に入ればわかると思う……」

 

未来「……それはわかりましたが、美咲が部室の中にいるのでは?」

 

伊吹「……その美咲がね?」

 

杏子「美咲先輩に何かあったんですか……?」

 

伊吹「うん……まぁ……ね」

 

歯切れを悪くしながら伊吹先生は言う。一体部室で何が起こっているのかしら?

 

伊吹「部室に入ればわかるけど……。必ず戸惑うと思うよ」

 

……本当に何が起こってるの?美咲に何があったの?

 

伊吹「まぁとにかくドアを開けるね」

 

部室のドアを伊吹先生が開けるとそこには……。

 

美咲「Zzz…Zzz…」

 

部室のソファで美咲が寝ていたわ。……何故か小学生くらいの大きさになって。

 

未来「伊吹先生、これはどういうことですか……?」

 

伊吹「せ、説明するから!その怖いオーラを出すのはやめて!」

 

私達は何故美咲がこうなったのかを伊吹先生に問い詰めた。

 

それにしても県大会前に面倒なことになったわね……。

 

 

未来sideout

 

 

 

掃除当番で遅くなっちゃったぜ!

 

一応未来には先に部活を始めるように言っておいたからもう打ち始めているはず……。

 

鈴音「遅れてごめ……」

 

私の言葉はそこで詰まった。ドアを開けたその先には小さくなったと思われる美咲が綾香と杏子を振り回していて、そのすぐそばにグロッキーになってる未来がそこにいたからだ。

 

鈴音「……私、お腹痛くなったからお手洗いに……」

 

ここは戦略的撤退しかありえない。元いた世界ではヤケモンマスター見習いの私からしたら当然の選択ですなww

 

未来「待ちなさい……!」ガシッ

 

しかし未来に阻まれた。

 

鈴音「HA☆NA☆SE!こんな面倒くさい状況に私を巻き込まないで!!」

 

未来「あなた部長でしょう?なら部員のピンチに対して助けに入るべきだと思うのだけれど」

 

鈴音「いやいや、私お腹痛いから!なんなら胃もキリキリするから!!」

 

杏子「すごい……。あの先輩達があそこまで取り乱すなんて……!」

 

綾香「いやいや、このカオスな雰囲気に対して平常心保ってられる方がどうかしてるからね」

 

とりあえず未来からこの状況について説明してもらった。聞いた話だと……。

 

 

① 伊吹先生の友人が若返りの薬を作る。

 

② その薬がコーラのペットボトルに入っている。

 

③ そのペットボトルが若返りの薬だと証明するためにその友人の教え子(その友人は教師らしい)で赤いツノ帽子をかぶった少年に飲ませた結果その少年が幼稚園くらいまで若返る。

 

④ それを見た伊吹先生はこれは危ないものだとその友人に注意して処分するために先生が持って返る。

 

⑤ 伊吹先生が部室で一休みしてから職員室へ仕事に戻るがうっかりそのペットボトルを部室に置いてきてしまう(何故部室に置いたのか……)。

 

⑥ 一足先に部室に着いた美咲がものすごく喉がかわいていたのか部室にあった薬を躊躇いなく飲んでしまう。

 

⑦ 伊吹先生が部室に薬を置いてきてしまったことに気付き慌てて部室に戻るが時既にお寿司で幼稚園~小学1年生くらいまで縮んでしまった。

 

⑧ 作った人曰く薬の効果は90分らしいので美咲が元に戻るまで未来達が面倒を見ていた。

 

 

……ということらしい。

 

鈴音「それで……後どれくらいで美咲は戻るの?」

 

未来「……75分よ」

 

これはいよいよ面倒くさいことになってきたなぁ……。

 

美咲(小)「あっ、あたらしいお姉ちゃんだ!いっしょにあそぼ!!」

 

……まぁとりあえず美咲に付き合いますかね。

 

鈴音「いいよ。何して遊ぶ?」

 

美咲(小)「おままごと!!」

 

鈴音「……美咲ちゃんは年は幾つ?」

 

美咲(小)「ななさい!」

 

鈴音「ならもうおままごとやることはないんじゃない?」

 

美咲(小)「ふふん、みさきがするのはリアルおままごとだよ!ふつーのおままごととはちがうんだ!」

 

……なんだろう。ものすごく地雷臭半端ないんだけど。

 

 

それから美咲が元に戻るまでリアルおままごととやらに付き合わされた。未来達もこれに付き合っていたそうだ。

 

 

 

……とっても疲れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。美咲(小)のおままごとでは稼ぎの少ない女芸人役。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。美咲(小)のおままごとでは美咲(小)の家政婦役。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。美咲(小)のおままごとではペットの鶴の役。何故ペットで鶴を飼っているのかは不明。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。美咲(小)のおままごとでは美咲(小)の執事役。何故か女執事。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回の騒動の被害者。喉のかわきが抑えられたらこのような被害に遭わなかったのに……。リアルおままごとは小学生3年生まで家族としていた。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。友人が作った薬によって生徒を巻き込み反省している。実は薬を使おうとしていた。



今さらですが、本編に繋がっているのは総武の巻と佐野の巻、過去の巻(総武)にまだあげてませんが、大人の巻です。では次回もお楽しみに!

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