生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

110 / 137
今回もよろしくです。


過去の巻①

未来side

 

5月上旬のある休日、私達麻雀部は奈良に練習試合に行くのだけれど……。

 

伊吹「鈴音が風邪を引いてしまって今回の練習試合には参加できなくなったよ」

 

鈴音が風邪を引いてしまったのよね……。

 

杏子「そんな……鈴音先輩……」

 

綾香「杏子!?大丈夫!?」

 

そしてそれを聞いて杏子がこの世の終わりみたいな顔をしているわね。………いつの間に鈴音は杏子にフラグを建てたのかしら?

 

美咲「鈴音ちゃん……大丈夫かな?」

 

未来「まぁそこまで酷くはないけれど大事をとって今回の練習試合は不参加ということにしたわ」

 

そのかわり鈴音には長野に行ってもらって清澄高校の選手データをとってもらうけれど。

 

伊吹「まぁそんなわけで全員揃ったからみんな電車に乗るよ~」

 

私達は電車に乗って奈良へと向かった。そして移動中に綾香が口を開いた。

 

綾香「そういえば鈴音先輩と未来先輩はいつも一緒にいるイメージですけど先輩達が仲良くなったきっかけってどんな感じですか?」

 

未来「藪から棒にどうしたのかしら?」

 

美咲「あっ、私も気になる!」

 

杏子「わ、私も気になります……!」

 

伊吹「ほほぅ……?私も気になるねぃ」

 

これはもしかして鈴音との出会いを話さなくてははいけない流れにあるのかしら……?3人はもちろん伊吹先生までもが気になるオーラを出しているみたい。

 

未来「……それで私と鈴音の出会いを話せばいいんですか?」

 

伊吹「そうだね~」

 

綾香「話してくれるんですか!?」

 

未来「……まぁ少し恥ずかしいけれど話したくないわけではないわ」

 

私はそう言うとみんなは話を聞く体勢に入った。

 

未来「そうね……初めて会ったのは小学5年生の時だったわ」

 

私達の世界でいうと5年前になるかしら。

 

~回想~

 

当事の私は周りに苛められていたわ。もう学校に行くのが嫌になるくらいにね。

 

未来(小)『なんで……なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの……?私が何をしたっていうの……?』グスッ

 

~現在~

 

綾香「……未来先輩今と全然違いますね」

 

伊吹「ギャップが半端ないね~」

 

あの頃の私は黒歴史そのものだわ。

 

未来「……続けるわよ」

 

~回想~

 

そんなときに通りかかったのが鈴音だったわ。

 

鈴音(小)『どうしたの?確か響未来さん……だったよね?』

 

未来(小)『あなた……誰?あなたも私を苛めるの?』

 

鈴音(小)『違う違う。私は隣のクラスの大宮鈴音、よろしくね』

 

未来(小)『……よろしく』

 

鈴音(小)『それにしても苛めか……』

 

未来(小)『私もうこんなの嫌だよ……助けてよ……!』

 

あの頃の私は泣き虫で弱虫で苛めによって心が折れていたわ。先生に言っても苛めなんかないの一点張りだったし……。こういった問題って教師は役に立たないことが多いのよね……。

 

鈴音(小)『私は助けないよ』

 

未来(小)『え……?なんでそんなことを言うの?助けてよ。私を助けてよ……!』

 

鈴音(小)『何度言っても私は助けない。響さんが1人で勝手に助かるだけだよ』

 

そのときは何を言っているかわからなかったわ。思えばあの頃から鈴音はアニメネタを使っていたわね。

 

未来(小)『それってどういう……』

 

鈴音(小)『まぁそのうちわかるよ』スタスタ

 

私は何が何だかわからないままでその日は家に帰ったわ。

 

 

~現在~

 

美咲「鈴音ちゃんは小学5年生の頃から鈴音ちゃんだったんだね……」

 

杏子「流石鈴音先輩です……!」

 

綾香「それでその苛めはどうなったんですか?」

 

未来「その翌日に事件が起こったわ」

 

 

~回想~

 

私が学校に着くと私を苛めていた人達が全員大泣きしてその横に鈴音が仁王立ちしていたわ。

 

鈴音(小)『これに懲りたら苛めなんてくだらないことはやめることだね』スタスタ

 

泣いている人達に何が合ったのかは知らないけれど私はお礼を言うために鈴音の後を追ったわ。

 

未来(小)『あの!助けてくれて……苛めから救ってくれてありがとう!!』

 

鈴音(小)『私は助けていないよ。響さんが勝手に助かった。それだけだよ』

 

そのときの鈴音は私にとってのヒーローだったわ。それがきっかけで私達は一緒に遊ぶようになったわ。

 

 

~現在~

 

綾香「ほえ~……なんていうか……鈴音先輩ってすごいですね」

 

杏子「流石鈴音先輩です!」

 

美咲「それで高校まで一緒だったの?」

 

未来「いえ、鈴音の方が親の都合で転校することになったのよ」

 

 

~回想~

 

未来(小)『鈴音ちゃん……行っちゃやだよ……。私を1人にしないでよ……!』

 

鈴音(小)『こればっかりはどうにもできそうにないかな。……ゴメンね』

 

未来(小)『鈴音ちゃんがいなかったら私……』

 

鈴音(小)『ふむ……』

 

鈴音は一瞬何かを考えて頭に着けていたリボンを外して私に渡してきたわ。

 

鈴音(小)『これは私と一緒に遊んだ思い出の品としてあげる。きっと未来に似合うよ』

 

未来(小)『ありがとう……ずっと大事にするね!!』

 

 

 

 

~現在~

 

未来「それで一時鈴音とは離れることになったのよ」

 

綾香「いつも着けているリボンは鈴音先輩からもらったんですね」

 

未来「ええ、今でも私の宝物よ」

 

杏子「鈴音先輩からのプレゼント…羨ましいです……」

 

何やら杏子が羨ましがっているけれどあげないわよ?

 

未来「それで中学で鈴音と再会して今に至る……というわけよ」

 

美咲「いい話だね!」

 

昔話をしていたらいつの間にか奈良駅に着いているわね。

 

伊吹「さあみんな、行こう。目指すは阿知賀女子学院だよ~」

 

『はいっ』

 

さて、鈴音の分まで阿知賀との練習試合を頑張ろうかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。過去の巻①と書いたけど②があるかは未定です。

キャラ紹介

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。小学5年生の頃に苛められていたことを黒歴史としている。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。家が漫画のようなお金持ちだけどお金持ち特有の嫌味ったらしさがないいい子。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。去年のインターミドルで準優勝しているが総武高校麻雀部の面子に比べると霞む。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。鈴音に恋する乙女。未来がいつも着けているリボンが鈴音からのプレゼントと知って自分も鈴音から何かを欲す。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。身長が小さいのがコンプレックス?でつい最近母校の中学の制服を着て中学に遊びに行って在校生のふりをする。伊吹が卒業生であることはその中学の校長先生以外誰も気が付かない。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。風邪を引いてしまったせいで主人公にも関わらず回想でしか出番がない。

次回もお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。