生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


臨海の巻①

部室に入るとハオとネリーが何やら立ち尽くしていた。

 

鈴音「2人ともどうしたの?」

 

ハオ「スズネでしたか……。何やら怪しい箱が複数あってどうしようかと思っていたところです」

 

ネリー「開けてみようよ!」パカッ

 

ハオ「勝手に開けるのは不味いのでは?」

 

ネリーが怪しい箱(ハオ曰く)を開けると入っていたのは素麺だった。お中元かな?

 

ネリー「……お線香?」

 

ハオ「素麺では?」

 

白い線香とか新しいな……。

 

智葉「見・た・な……?」

 

ハオ「ひっ……」

 

智葉が私達の後ろに立つなりいきなり呟いた。怖っ!

 

鈴音「智葉、これは智葉の?」

 

智葉「ああ、お中元をもらったのだが……1人では片付けられなくてな。お裾分けだ」

 

ネリー「もらってもいいの?」

 

智葉「いいぞ」

 

ふむ、そういうことならありがたくいただこう。智葉さんあざーす!!

 

鈴音「それじゃあありがたくいただくよ」

 

智葉「そうしてくれ」

 

ネリー「じゃあ早速換金を……!」

 

智葉「おい」

 

ネリーは相変わらずだね……。というかお中元って換金できるの?

 

ダヴァン「サトハ~これ重いデス……!」

 

未来「大丈夫?代わろうかしら?」

 

段ボールを持ってプルプルしているダヴァンと逆に涼しい顔をしながらダヴァンの心配をしている未来がいた。……いないと思っていたら智葉の手伝いをしていたのか。

 

ダヴァン「というかなんでミライはそんなに軽々と持ってイルンデスカ……?」

 

未来「鍛えているからよ」

 

ダヴァンの疑問に未来はしれっと返答する。まぁそういうしかないもんなぁ……。『異世界から留学しました』とか言って誰が信じるのか……。

 

智葉「何が入ってたっけ……。飲料か?」

 

鈴音「覚えてないの?」

 

智葉「数が多くてな……。全部は把握できないんだ」

 

まぁ未来が運んでいるのも含めて10はあるけどまだまだありそうだもんね……。

 

明華「手伝いましょうか?」ヒョコッ

 

ダヴァン「もう……すぐ……ソコ……」

 

明華「よいしょ……」

 

智葉「……余り支えになってないな」

 

まぁあれじゃあかえって邪魔かもね……。

 

 

 

 

~そして~

 

明華「これは……洗剤ですね」

 

ダヴァンが持っていた段ボールには洗剤が入っていた。

 

智葉「その洗剤は今家で使っていていい匂いがするから持ってきた。私のオススメだ」

 

ほう……智葉オススメの洗剤か……。いただこう!

 

明華「へぇ、じゃあおひとついただきますね」

 

ハオ「私もいただきます」

 

鈴音「私ももらうよ。ありがとう」

 

ネリー「みんな同じ匂いになるね?」

 

ダヴァン「変な一体感!!」

 

未来「言い方ってものがあるでしょ……」

 

ネリーの言い方だと生々しくなっちゃうよね……。

 

未来「こっちのはお茶に清涼飲料ね」

 

未来が持ってきたのは飲み物か……定番?の物も入っているんだね。こっちはまんべんなくもらっておこう……。

 

 

~そして~

 

ハオ「残りは大体食べ物ですね」

 

ダヴァン「コレハ……!!」

 

鈴音「ご当地カップ麺だね」

 

ダヴァン「ひとつ食べてもいいでスカ!?」

 

未来「私も食べていいかしら?」

 

智葉「構わないぞ」

 

ハオ「お湯を汲んできます」

 

未来とダヴァンがカップ麺を食べたいと言ってハオがポットを取りにいった。

 

智葉「しかし未来がカップ麺を食べるとは……」

 

明華「なんか想像できませんね」

 

鈴音「未来はカップ麺大好きだからね」

 

イメージの問題でプロフィールには載せないけど……。

 

ダヴァン「…………」クルクル

 

ダヴァン(毎度のことなガラ作り方を探すのが一苦労でスネ……)

 

ネリー「回すと美味しくなるの?」

 

ダヴァン「そうではナク」

 

智葉「たくさん食べているのにわからないのか?」

 

ダヴァンが作り方を探していると智葉が口をはさむ。

 

ダヴァン「ひとつひとつ違うんデス」

 

鈴音「物によって作り方が変わるからね」

 

私も元の世界にいた頃未来にくどく、しつこく言われたものだ。3年くらい前のことなのに今でも鮮明に覚えているよ……。

 

 

~そして~

 

ダヴァン「これは……きなこ餅でスカ?」

 

智葉「武将の名前とかついてたりするやつだな」

 

鈴音「そんなのがあるんだ」

 

ダヴァン「どうやって食べるんでスカ?」

 

智葉「これはこうやって黒蜜をかけて……」

 

智葉が食べ方を説明しながらダヴァンと一緒にきなこ餅を食べると急にむせ始めた。

 

智葉「……こんな感じだ」

 

ハオ「むせるところまでが作法なんですか?」

 

未来「そんなわけないでしょ……」

 

智葉にも尊厳があるんだ。察せ……。

 

 

~そして~

 

鈴音「これは……珍味セット……?」

 

明華「何が入ってるんですか?」

 

智葉「イクラのビン詰め……」

 

明華「わあ……」

 

鈴音「そういえば好きなんだっけ?」

 

明華「はい、プチプチしたのが大好きです!」

 

じゃあこれは明華向けのお中元だね。

 

智葉「プチプチしてないのもあるが……」

 

明華「数の子……好きです」

 

鈴音「これは……カラスミだね」

 

明華「普通に好きですね」

 

智葉「キャラメル」

 

明華「好……この流れで出てくるって何味ですか?」

 

鈴音「何々……昆布味だって」

 

未来「しれっと爆弾を渡してきたわね……」

 

ハオ「……とりあえず食べてみますね」パクッ

 

おお……勇者だなぁ……。

 

明華「……どうですか?」

 

ハオ「意外といけますね。昆布キャラメル」

 

鈴音「う~ん……食べられないことはない……かな?」

 

智葉「こ、これは……!」

 

ハオ「サトハ……?」

 

智葉「美味しい……!」

 

どうやら智葉には美味しいらしい。

 

智葉「なんというか……深い……味わいが……!」

 

ハオ「そんなにですか……?」

 

明華「これ、もらっていきますね」

 

智葉「ああ……だがこの……キャラメル」

 

明華「欲しいんですか?どうぞどうぞ」

 

智葉が昆布キャラメルにはまってしまったようだ。

 

ダヴァン「こんなにいいものをもらってしまっテハ何かお返ししないといけまセン!」

 

智葉「気にするな。こっちも腐らせるより嬉しい」

 

未来「これで数日は困らないわ」

 

未来の方を見ると何やらホクホクした表情でご当地カップ麺をたくさん持っていた。ダヴァンと上手く分け合ったみたいでダヴァンも満足しているようだ。

 

 

後日ダヴァンが智葉にお礼としてカップ麺を段ボールで渡していた。……ドンマイ智葉。

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。臨海女子高校の3年生で麻雀部部員。今回は元の世界の近くにあるところにきた。臨海風にいうと異世界からの留学生。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生(臨海風にいうと留学)してきた。臨海女子高校の3年生で麻雀部部員。実はカップ麺……というかジャンクフードが大好きでダヴァンにカップ焼きそばを布教した人間。

辻垣内智葉……臨海女子高校の3年生で麻雀部部長。最近昆布キャラメルにはまっている。日本人なので留学していない。

メガンダヴァン……臨海女子高校の3年生で麻雀部部員。アメリカからの留学生で無類のカップ麺好きで最近未来によってカップ焼きそばにも目覚めた。休日には未来とよくラーメンの食べ歩きに行っている。

雀明華……臨海女子高校の2年生で麻雀部部員。フランスからの留学生でプチプチしたものが好き。趣味は日傘を集めること。

ハオホェイユー……臨海女子高校の1年生で麻雀部部員。香港からの留学生で最近個性がみんなに奪われがち。

ネリーヴィルサラーゼ……臨海女子高校の1年生で麻雀部部員。サカルトヴェロからの留学生でお金大好き。鈴音の紹介でアルバイトを始める。


次回もお楽しみに!

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