生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


有珠山の巻①

未来と一緒に部室へ向かっていると部室の前に爽と揺杏が部室の前に立っていた。

 

鈴音「何をしてるの?」

 

揺杏「通せんぼっす」

 

鈴音「なんで?」

 

爽「業者待ちなんだよ。備品を注文してるんだ」

 

未来「成程……業者の人達にここに届けてもらうために部室の前に立っていたのね」

 

それだけで通せんぼされる理由がいまいちわからないけど……。

 

鈴音「もうみんな来てるの?」

 

爽「あとは誓子だけだな」

 

未来「とりあえず部室に入りましょう」

 

鈴音「そうだね」

 

 

~そして~

 

鈴音「ところで何が届くの?」

 

爽「何だと思う?」

 

鈴音「知らないから聞いているんだけど……。未来は知ってる?」

 

未来「ホワイトボードだったと思うわよ。誓子から聞いているから間違いはないと思うけれど」

 

爽「なんで言っちゃうの?」

 

未来「逆になんで言ったら駄目なのかしら?」

 

何この質問の連続は……。

 

誓子「みんな揃ってるわね」

 

未来と爽のやりとりを見ていたら誓子が部室にきた。

 

誓子「爽か未来から聞いてると思うけど、もうすぐ新しいホワイトボードが届くの」

 

成香「今未来先輩から聞きました……」

 

由暉子「なんで爽先輩はもっと早く教えてくれないんですか?」

 

爽「あれ?なんか私攻められてるんだけど」

 

未来「ちゃんと伝達しないからよ」

 

報告、連絡、相談は基本だよね。今でも、これからも。

 

鈴音「じゃあこの古くなったホワイトボードとはもうすぐお別れだね」

 

揺杏「つまり最後に思いっきり落書きしろと!!」

 

誓子「言ってないわよ」

 

まぁ揺杏の気持ちはわからなくはないけど……。

 

 

~そして~

 

結局新しいホワイトボードが届くまで今あるホワイトボードに落書きすることになった。

 

揺杏「ユキ描いてみた!」

 

成香「可愛いですっ」

 

鈴音「へぇ、上手いもんだね」

 

由暉子「ありがとうございます」

 

爽「じゃあこのユキをパワーアップさせよう!」

 

パワーアップって……。一体何を描くつもりなの?

 

爽「歌って踊れるアイドルだ!」カキカキ

 

誓子「アイドルとしてパワーアップなのね」

 

爽が由暉子の左手側にマイクを、頭上にスポットライトを描いた。確かにアイドルっぽい。

 

由暉子「さらにパワーアップさせてみました」カキカキ

 

爽「片手でバーベルを!?」

 

由暉子が右手側にバーベルを描いた。筋肉系アイドルかな?なんか何処かで聞いたことがあるような……。

 

由暉子「パワーアップですよね?」

 

爽「パワーアップだな!でもアイドルは甘くないぞ!バーベルで鍛えたユキの前に……象に乗ったはやりんが!!」カキカキ

 

なんで象?というか……。

 

未来「この象はとても弱そうよね」

 

由暉子「鍛えた私なら勝てそうです」

 

爽「画力は気にするな……」

 

鈴音「象も揺杏に描いてもらった方が良かったんじゃないかな?」

 

爽「言うな!」

 

自覚はあったのか……。

 

 

~そして~

 

業者の人「失礼します。ホワイトボードはこちらですか?」

 

誓子「あ、はーい」

 

業者の人「古いホワイトボードは運び出しますね」

 

誓子「ありがとうございますー」

 

……落書きって消したっけ?と私は思い爽の方を見てみると……。

 

爽「あっ、落書き消してない!」

 

どうやら消してなかったようだ。まぁ別に見られて困るものじゃないから問題ないけど……。

 

爽「あの古いホワイトボードはどうするんだ?捨てるのか?」

 

未来「倉庫にしまうんじゃないかしら?」

 

爽「よし、急いで消しに……」

 

成香「新品のホワイトボードピカピカです!」

 

爽「なにっ!?早速試し書きしよう!!」

 

未来(今刹那で忘れたわね……)

 

爽「よし!!」

 

由暉子「何がいいんですか?」

 

新品になったホワイトボードにはデカデカと『獅子原参上!!』と書かれていた。他に何か書くことはなかったんだろうか?

 

誓子「じゃあ消すわね」

 

爽「10秒ももたなかったか……しょうがない、普通にホワイトボードとして仕事をしてもらおう!今まで書いていたものを書くぞ!!……何を書いてたっけ?」

 

未来「落書きでしょ」ハァ

 

未来溜め息を吐いた。まぁほとんど落書きしかしてなかったからね……。

 

誓子「当面は各自でメモとして使うといいわ」

 

鈴音「まぁそれが妥当だよね」

 

揺杏「やりぃ~。じゃあ早速……」

 

成程「何を書くんですか?」

 

揺杏「今日の宿題のメモを……!」

 

由暉子「部室に書いても意味がありませんよね」

 

揺杏「これを写真にとっておけばいいんだよ」

 

誓子「その宿題が出たときにすればよかったのに……」

 

確かに……。

 

揺杏「でもなんか物足りないな……」

 

由暉子「メモに足りるも足りないもないのでは?」

 

揺杏「ユキ、ちょっとボードの前に立ってみて?」

 

由暉子「こうですか?」

 

揺杏「これに……」カキカキ

 

由暉子「揺杏先輩はなんて書いているんですか?鈴音先輩」

 

鈴音「……明日は小テストだよーんって書いてあるね」

 

由暉子「だよーん?」

 

揺杏「や~ちょっとした悪戯心ってやつっすよ」

 

 

……今さらなんだけどホワイトボードよりも先に調子の悪い雀卓を修理した方がよかったんじゃ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。有珠山高校の3年生で麻雀部副部長。今回は南の北海道民。ホワイトボードは実は落書きのためにあるんじゃないかと不安に思っている。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。有珠山高校の3年生で麻雀部部員。誓子と一緒に部の突っ込み役をしている苦労人の内の1人。でもそんな日常も悪くないと思っている自分がいるのも確か。

獅子原爽……有珠山高校の3年生で麻雀部部員。ちょっと小学生っぽい言動をする呪術師。得意な呪術は神威。打倒瑞原はやりを目標に由暉子をアイドルにしようとしている。

桧森誓子……有珠山高校の3年生で麻雀部部長。未来と一緒に部の突っ込み役をしている苦労人でその負担は未来よりも大きい。未来と有珠山麻雀部のこれからについてよく相談している。

岩舘揺杏……有珠山高校の2年生で麻雀部部員。裁縫が得意で由暉子の衣装をよく造っている。打倒瑞原はやりを心情に爽と一緒に由暉子をアイドルにするために日々由暉子の衣装のデザインを画策中。たまに鈴音にも手伝ってもらっている。

本内成香……有珠山高校の2年生で麻雀部部員。小動物みたいで色々な人に可愛いがられて由暉子と2人で有珠山のマスコットと化している。

真屋由暉子……有珠山高校の1年生で麻雀部部員。ロリで巨乳で左利きで若干中二病で元眼鏡っ子という萌え要素を持っている。鈴音のことを尊敬していてよく一緒に遊びに行っている。

多分次は臨海……だと思う。

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