鈴音「海外旅行?」
部室で竜華がいきなりそう口にした。
竜華「そうそう、高校生やと安く行けるんやって」
怜「今海外はちょっと……」
未来「責めてもう少し落ち着いた時期に行くべきよね」
浩子「今はやることがいっぱいありますからね」
そう、浩子の言う通りもうすぐ夏の予選が近いのだ。未来が言うように責めて私達の卒業旅行とかで海外に行こうとかにするべきかも。私達3年生が高校生の料金で行けるかは疑問だけど……。
竜華「ほな宇宙旅行で我慢しとくわ」
セーラ「えらいグレード上がったな」
鈴音「どうやって行くつもり?」
竜華「簡単や!雀卓は宇宙やからな!ほな部活始めるで!!」
セーラ「意外と小規模やった……」
未来「それなら毎日が宇宙旅行よね……」
まぁ雀卓は四角い宇宙って言うくらいだからね……。
怜「別に旅行やなくても高校生は大人に比べて色々安いやろ」
浩子「映画とかですか?」
鈴音「あとはカラオケとかね」
竜華「そう考えると高校生って得やなぁ……」
未来「そのかわりお小遣いも大人の給料(しかも安月給)に比べると安いけれどね」
………………。
怜「……生きるんて辛いなぁ」
セーラ「若くして心理に到達したな」
本当、世の中って世知辛いよね……。
セーラ「高校生やから安くされてもオレは容赦せえへんで!」
鈴音「と言うと?」
セーラ「なんでも元取ったる!!」
怜「あんまり誉められたことやないなぁ」
セーラ「カラオケは1番で止めてたくさん歌ったる!」
鈴音「それ、逆に損してない?」
未来「普通に楽しみなさいよ……」
セーラ「映画は始まる前の広告からガン見や!!」
怜「えぇ客や……」
未来「それでいざ始まったとなったらうっかり寝てしまうパターンね」
怜「不憫や……」
まぁ必ずしもセーラがそうだと決まったわけじゃないしね……。
~そして~
セーラ「なんかみんなでしたいなぁ。なんか……おっ、それってグルメ本?なんか食べるん?」
泉「見ますか?」
セーラ「ふんふむ……この店とかええやん!ここ行こ」
泉「それ北海道の本ですよ」
セーラ「通っ」
未来「よく確認しないからよ……」
泉「大阪の本もありますよ。何か食べに行くんですか?」
鈴音「どうやらそんな流れのようだね」
セーラ「ええやん!一緒に行こうや!!」
泉「何を食べに行くんです?スイーツとかですか?」
竜華「ええなぁスイーツ!」
怜「せやな……スイーツ……あっ、ここのうどん屋とかは?」
竜華「カレー屋もあるで」
泉「あの……スイーツの話ですよね?」
鈴音「スイーツ……スイーツってなんだ……」
未来「振り向かないことよ」
浩子「なんですかそれ……?じゃあ各自で探して気になる店見つけたら言ってください」
『はーい』
どうやらこのメンバーで外食することになったようだ。
~そして~
怜「あっ、ここ気になる」
未来「でもここだと駅からは遠いわね」
怜「あー……流石にこの距離を歩くんはちょっと……」
セーラ「いざとなったらオレがおぶったるわ」
怜「ほな」
竜華「お言葉に」
浩子「甘えて」
未来「おぶらせて」
鈴音「もらおうかな」
セーラ「1人だけや……」
泉「何ですか?その統率力……」
いや、だってそういう流れだったし……。
~そして~
浩子「大通りの方に結構店がありますよ」
未来「ならその辺りにしましょう」
怜「あそこの横断歩道長すぎてよく途中で信号が赤になるから焦るわ」
竜華「わかるわ~」
鈴音「あるあるだよね」
怜「もうちょっと急ぎたいけど……どうすればいいんやろ?」
竜華「う~ん……」
鈴音「歩く速度を上げてみる……とか?」
怜「でもそんな簡単には上げられへんし……。いっそのことクラウチングスタートで行くか……」
竜華「そんなレベルなん……?」
陸上部だったら癖でやりそうかもね……。
セーラ「やっぱ歩くペース上げた方がええやろ」
怜「でもなぁ……」
竜華「あんまり急ぐと疲れる?」
怜「それもあるけど……あの黒いところ踏んでしまいそうで……」
未来「そういうのを気にするからよ。小学生じゃないんだから……」
確かに小学生の頃はよく男子がやってたなぁ……。横断歩道の白いところ以外はマグマでできてるんだとかよくあった。
~そして~
竜華「ソファ席あるとこがええんちゃう?」
セーラ「なんで?」
竜華「だって怜が……」
怜「?……流石に食事中は横にはならへんで」
鈴音「多分食後の話じゃない?ほら、休憩するでしょ?」
怜「それはあるなぁ……」
泉「あっ、このステーキ屋はソファ席がありますよ」
セーラ「ステーキ屋か」
怜「でも食べた後にすぐ横になったら牛になるしなぁ……」
鈴音「まぁそういうよね」
怜「共食いになるな……」フッ
未来「何くだらないことを言ってるのよ……」
別に上手くもなんともないしね……。
~そして~
セーラ「中々纏まらへんなぁ……」
泉「もうすぐ休憩時間終わりますよ」
鈴音「もうそんな時間か……部活しないとね」
セーラ「けどなんでこんなグルメ本なんか持っとったん?」
泉「昨日話し合って纏まらなかったからです」
鈴音「そういえば昨日もこんな会話してたっけ……」
セーラ「なんか怖いな……」
竜華「さっ、切り替えて部活や!」
浩子「待ってください」
休憩時間がもうすぐ終わるので部活再開の準備をしようとすると浩子がストップをかける。
浩子「これ、いつまで経っても決まらんパターンですよ」
未来「そうね、明日になってもこの話題になっても可笑しくないわ」
鈴音「……だとすると覚えている今のうちに決めておいた方がいいのかな?」
浩子「そうですね。というわけで部活後に居残り会議しますんで」
竜華「は~い」
などと話していると……。
後輩1「先輩達すごい熱心に……!」
後輩2「何の会議やろ……」
泉「いやいや……」
……なんか後輩達に誤解されたような。
今回はここまでです。
キャラ紹介
大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。千里山女子高校の3年生で麻雀部副部長。今回は北の大阪府民だけど関西弁は使わない。
響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。千里山女子高校の3年生で麻雀部部員。千里山では浩子と一緒に他校の研究や分析が主な仕事。
園城寺怜……最近原作で新しく出たスピンオフの主人公。千里山女子高校の3年生で麻雀部部員。病弱系女子で変にチャレンジしては床とご対面することもしばしば。
清水谷竜華……千里山女子高校の3年生で麻雀部部長。いつも怜のお世話をしている。将来老後まで怜と一緒に生活していそう。
江口セーラ……千里山女子高校の3年生で麻雀部部員。見た目男子だけど立派な乙女。スカートが苦手だと本人は言っているが、プライベートではフリフリの服とかを着ている。前に未来にそれを目撃されて頭が上がらない状態に……。
船久保浩子……千里山女子高校の2年生で麻雀部部員。研究と分析が大好きでよく未来と一緒に行動している。顧問である愛宕雅枝と親戚。
二条泉……千里山女子高校の1年生で麻雀部部員。自称高1最強系女子で今回の話題の原因を作った戦犯。この話題が解決するまで3時間はかかった。
次回はどこにするか……。