捻くれ者の最弱最強譚   作:浦谷一人

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投稿遅くなりすみませんでした……

これからの投稿のことは後書きに書いています。
とりあえず、
捻くれ者の最弱最強譚#22
どうぞ!


捻くれ者の最弱最強譚#22

 

 家を出てから約1時間。今の時刻は昼の3時になっている。

 なぜ家を出てから1時間もかかったのか……それは歩きとバスで移動していたからだ。

 凛を助けに行った昨日のように、俺一人ではなく、水戸、御子柴、高原先輩、凛と俺の5人いる。しかしそれでも、元素をふんだんに使い移動してしまっては、人数が増えても意味がなくなってしまう。本末転倒と言うやつになってしまう。

 だから、ここまでに、元素を使わず温存して来たため約1時間かかったというわけだ。

 

「もうすぐだ……いいか、みんな。ここから先に行くともう引き返せない。いいな?」

「もちろんだぜ!」

「引き返すつもりはないわ!」

「兄さん。私も覚悟はできているので大丈夫です!」

「私も……うん。大丈夫」

 この角を曲がると、目の前には昨日乗り込んだ廃工場。つまり闇市場の本部が見える。

 この角を曲がるともう後戻りはできない。この先にあるのは、闇だ。人質を助け闇市場も潰せるかもしれない。でも逆に何も出来ず、こちらが潰されるかもしれない。それに、最悪殺される可能性すらあるのだ。

 だから、俺はみんなの方へ振り向き、真剣な顔で確認をした。

 みんなは俺の考えを汲み取ってくれたのだろう、全員今まで以上に真剣な顔付きになり、大丈夫だ、としっかり頷いてくれる。

 なんとも頼もしい。

 

「よし……じゃ、ここからの流れをもう一度確認するぞ?」

 家を出てから、歩いて移動している時に闇市場に乗り込む時の流れ、乗り込んでからの手順を話し合っていた。

 その内容は……

 

「まずは高原先輩は凛に雷鏡(らいきょう)を付与してください。凛は、先輩の雷鏡で姿を消し廃工場の入口の所にいる見張りを無力化。そして、そいつらが持っている地下に入るためのIDカードを手に入れる。まずは、これが第一段階。これは俺の所為かも知れないが、昨日乗り込んだのが理由で見張りが増えている可能性がある。凛は、それに気をつけること。」

「分かった。でもこの技は自分で使う分には元素がある限り持続するけど、他人に使う時は制限時間がある。だから、早めにお願いね、凛ちゃん。」

「分かりました。」

 多分……いや、九分九厘、昨日の俺の行動によって、見張りが二人から増やされている。それに、俺が昨日何も気付かれずに廃工場の中に入れたのは、凛が地下で暴れてくれたお陰で、見張りの奴らがそこにいなかったからだ。だが、今日は違う。五人いるが中に入るまでにバレてしまうと人質を助けることが困難になってしまう。

 今日乗り込むとしても、そこが難点だった。だが、高原先輩の雷鏡、姿を消す技によりこの作戦を思いつた。これについては、ただただ運が良かった。

 しかし、姿を消したとしても、技を出す時に火、水、土、雷の元素は嫌でも見えてしまうため、水の水戸。火の御子柴。雷の俺と高原先輩ではバレないように相手を無力化することは出来ない。

 でも風の元素なら話は違う。風の元素の利点。それは、攻撃が見えにくいこと。それに真空なども作り出せるため、無力化にはいちばん最適化しているのだ。そして、その風の元素使いが俺たちのグループには一人いた。それが凛。だから凛にこの役割をお願いした。

 

「よし…、次は……」

「ちょ、ちょっと待って」

 俺が見張りを無力化してから、次の流れを確認しようとした時、急に水戸からそれを止められる。

「なんだよ?」

「歩いてる時にも思ったんだけど、界人くん、昨日逃げる時に地下から地上に向けて大穴を開けて逃げたんでしょ?それならその大穴を使えばわざわざ、見張りを全員無力化しなくても、みんな高原先輩に雷鏡をしてもらって、その大穴から入ればいいと思うんだけど……」

 確かに……俺も最初はそれを考えた。だが、それは出来ないだろう。あの男がそれを許すはずもないだろうし、そんな大穴をいつまでも開けているわけがない。

「それは多分無理だな…」

「何で?」

「水戸ちゃん。闇市場の連中の中には土の元素使いは沢山いる。八神くんが大穴を昨日開けてたとしても、そんなの土の元素使いが何人かいればすぐに塞げるわ。だから、もう塞がってるはずよ。だからそれは無理なの。」

「…あぁ…確かにそうね…」

 俺が水戸の問いに対し、なぜ無理なのか、という理由を言おうとしたが、それを先輩が丁寧に伝えてくれる。

 水戸もその先輩の説明で理解したのか、納得のいった顔をしている。

 

「じゃ、続けるぞ?見張りを無力化しIDカードを手に入れ、地下に入る。そこからは、水戸と高原先輩。凛と御子柴。の二人一組に別れる。水戸と先輩ペアは、中に入り次第セキュリティルームに向かい、出入口のIDの確保と人質が囚われている檻の鍵やIDを入手。凛と御子柴は水戸と先輩が動きやすいように暴れ、闇市場の連中の注意を引きつける。そして、水戸と先輩は鍵やIDを入手した後、凛と御子柴に合流し、一緒に人質の解放に向かう。これが第二段階。」

「おっけーだぜ。ただ今思ったんだが、なんでペアが、水戸と高原先輩、俺と凛ちゃんなんだ?」

「元素の相性の問題ですよ、御子柴さん。」

「そういう事だ。水と雷。風と火。それぞれ相性がいい。だからそういう組み合わせにした。」

「なるほどね…」

 もちろん他にも理由はあるが……相性がいいと言うのがこのペアにした一番の理由だ。

 水は雷を通しやすくし、速度と威力をあげ、風は火の勢いを強め威力をあげることが出来る。ただ、これも二人の気持ちや攻撃の威力の大きさなどが寸分違わず交わることが出来れば……の話だ。それでも、相性が悪いよりかはいいだろう。

 

「水戸、先輩、凛、御子柴。この四人で人質を解放することが出来たら、とりあえず人質を地下から出し、廃工場から離れさせる。それが出来たら、四人はもう一度地下に戻り、残党を潰す。そして、俺はその間、闇市場のボスと闘い倒す。……これが最終段階だ。まぁこの流れのように上手くはいかないこともあるかもしれない。いや、うまくいかないと思った方がいいだろう。だが、俺からはそれでもみんなには、頼む、とお願いすることしか出来ない。」

 

 俺が流れを最後まで言い終え、一人一人真剣な顔で見渡していく。

 ここに来るまでに決めたこの流れ、それが上手くいけば間違いなく、人質も助ける事ができ、そして、この中央5番地区の闇市場を叩き潰せることが出来るだろう。それは断言出来る。

 だか、それはその流れが何一つ(たが)わず、遂行できたらの話だ。俺が言ったように、そんな事はほぼ不可能だ。どんな事でも想定外というのは起こる。それが今からやる闇市場を潰し人質全員を助け出すという、大きいことなら尚更だ。

 だからこそ、覚悟を決めないといけない。その為に最後の最後に俺は一人一人の顔を見ながら真剣に伝えた。

 

「界人。俺は、いや、俺たちは言ったろ?大丈夫だって。覚悟を決めてるって。だから、界人は心配せずボスを倒すことに専念すればいい。俺らはお前を信じてるとは言わない。でも界人なら途中で投げ出さない。俺たちを護ってくれる。その事は知っているし、分かっている。だから、大丈夫だ。」

「そうよ、界人くん。私達は分かってるから、大丈夫。」

「はい!兄さん。私はずっと前から覚悟は決めています。どんな時でも兄さんの隣を歩くと決めています。兄さんのことを分かってます。だから、大丈夫です。」

「八神くんは、お父さんを誠也を、そして私を助けてくれるって、護ってくれるって、真剣に言ってくれた。そして今は八神くんが途中で投げ出さないことを、分かってる……だから、私も大丈夫だよ。」

 

 もしかしたら……なんて事を心のどこかで思ってしまっていた。だから、今日何度目か分からない真剣な顔でみんなに確かめ確認を取っていく。というとこをやっていたのだろう。

 

 俺は一人では何も出来ない。一人ではこの世に、この世の人々に押し潰されて跡形もなく無くなっていただろう。

 でも、どうやら俺のその心配はいらなかったらしい。

 四人は俺の気持ちとは裏腹に覚悟を決めた顔で、そして、笑顔で俺のことを見つめ返してくれる。本当に頼りになる友達に妹だ……

 俺は今一人じゃない。そう思える。そう思わしてくれる。本当にありがたい……

 

「そうか……いらない心配だったな……ありがとう。俺もみんなの事少しだけど分かってる。だから俺も大丈夫だ。」

 だから俺も笑顔で、でも真剣な顔でみんなをもう一度見渡し、お礼を言った。

 

「さぁ、いこうぜ、界人!」

「行こっ!界人くん!」

「行きましょう、兄さん!」

「行こう、八神くん!」

「あぁ……行こう!」

 最後にみんなで手を合わせ気合を入れる。

 さぁここからが勝負だ。俺の見つけた正義を、見つけた答えを貫く最初の闘いだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -------------バタッ、バタバタッ…バタッ……

「もう大丈夫ですよ、皆さん。」

 廃工場の出入口から少し離れたところで、凛以外の俺たちは草むらに隠れ様子を伺っていた。

 見張りは俺の予想通り、二人から四人に増えていた。

 しかし、その四人は声を出すこもなく、出すことすらできず、急に糸の切れた人形のように倒れ意識を失っていく。そして、四人全員が全員倒れたのと同時にその後から凛の姿が現れ、こちらにもう大丈夫だと合図を送ってくる。

 

「どうやら、第一段階は上手くいったようだな……」

 俺はそれを確認し、そして、一応周りを警戒しながら、その草むらから出て、凛の方へ向かう。

 倒れている四人を見てみると、顔をうっ血させ意識を失っている。

 どうやら凛は風を操り、真空状態を作ったようだ。それをこの四人の顔の周りに展開することにより、声を出せないようにしたまま無力化したようだ。どのように無力化するのか、と思っていたが、まさか真空状態に陥らせるとは……考えたな。我が妹ながらすごい躊躇のなさだ。

 俺はこいつらがどうなろうとどうでもいいが……この状態なら、今日一日は目覚めることはないだろう。

 

「凛ちゃん……これはちょっと……酷くねーか?」

「やりすぎよ……」

「別にいいんじゃない?死んでるわけじゃないんだし」

「高原さんの言う通りです。これは普通です。むしろもっと報いを受けてもいいと思います。」

 俺、高原先輩、凛とは違い、御子柴と水戸はそこ光景を目にして、少しバツの悪そうな顔をしていた。

 まぁそれが普通の反応なのだろう。でも、今から俺たちやることは、この繰り返しなのだ。手加減をしてはこちらが殺させる。だから、殺すつもりでいかないといけない。

 

「御子柴、水戸。嫌な言い方をするが、慣れろ。今から俺らがするのは、凛のやったようなことを繰り返しやっていくんだ。殺せとは言わない。でも殺すつもりでやらないと、こっちが殺される。そこも覚悟しとけよ…」

「あ、あぁ……分かった。……もう大丈夫だ」

「うん……界人くんがそう言うなら、そうなんだろうね。私ももう大丈夫。」

 この二人は本当に強いな。普通ならこんなすぐに受け入れることは出来ない。返事はできたとしても、本当に覚悟を決めたような、こんな顔はできないだろう。

 

 

 倒れている四人の中から地下に行くのに必要なIDカードをとり、昨日俺が地下に向かったところと同じところに向かう。

 そして、同じようにIDカードをかざすと、これまた昨日と同じように地面が開いていき、階段が現れる。

「よし、じゃあ地下に行くぞ。」

「おう!」

「ええ!」

「はい!」

「了解だよ!」

 そして、俺たちはこれから、本当の意味で命を懸け闘う場所へと、足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある程度階段を降りていくと、分かれ道が見えてくる。

「じゃ、ここからは三手に別れる。水戸と先輩はセキュリティルームに行って、出入口のIDと人質が囚われている檻の鍵やIDの入手に。凛と御子柴はとりあえず注意を引けるように大暴れしてくれ。」

 ここからはそれぞれ分かれるため、もう一度顔を合わせるのは、闇市場を潰し、地上に戻ったときだ。

 ここからが本当に死が迫ってくる。俺たちはそれから逃げ切り、成し遂げないといけない。もちろんみんな不安はあるだろう。

 

 しかし……

「分かった!陽くん、凛ちゃんよろしくね。IDと鍵は私と先輩に任せて!だから、界人くんは何も心配せず、ボスを倒してきて!」

「この中の事はまだ覚えてるから大丈夫だよ!御子柴くん、凛ちゃん盛大に暴れてくれていいからね!八神くん……倒してきてね」

「よっしゃ!暴れるのは任せとけ!俺と凛ちゃんでほとんど倒してやるぜ!だから、ボスは任せたぜ界人!」

「水戸さん、高原さん。よろしくされなくても、私は大丈夫ですよ。私は兄さんの妹ですからね!御子柴さんの言う通り、暴れまくって私たちだけで倒しきってあげます。……いってらしゃい、兄さん」

 今みんなは笑っている。作り笑いなんかじゃない。本当の笑顔だ。その笑顔に救われる。

 

「……あぁ…何も心配してない。みんな、任せた。そして、任せろ!………………じゃあ、行くぞ!」

「「「「「おう!」」」」」

 俺の掛け声により、みんなそれぞれの道へと向かい、暗闇の中へと消えていく。だが、さっき俺が言った通り、何も心配なんかしていない。

 だから、俺も気合入れて走り出す。あの男がいるであろう、あの闘技場に向かって……

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、来ると思ってたよ。いや、分かっていたと言うべきだね。」

 あれからすぐに闘技場への入り口が見える。

 俺は躊躇することなく、そのまま全力で闘技場へと入り、少ししたところで足を止める。目の前に悪魔の仮面をつけた、あの男がいたからだ。

 周りはもう真っ暗で、昨日と同じように、俺と男のところにだけ光が当てられている。

 

「分かっていた?……とは。未来でも見えるのか?」

「ははは……君は面白いことを言う。未来なんて見えないよ。ただ聴いていただけさ。」

「聴いていた?」

 男は変なことを言い出す。もちろん俺が言った未来を見るなんてことは元素使いは出来ない。悪魔との取引により絶大な力を得ている、こいつでも無理だろう。

 でも男は、聴いていた、と言った。確かに耳に元素を集めると聴力は強化される。それでもせいぜい100mさきの声が微かに聞こえるようになるくらいだ。

 それなのに男は聴いていたと言った。もしかしてつけられてたのか?でも、こいつの嫌な視線を俺が100m以内にいて気づかないわけがない。

「昨日から俺をつけてたのか?」

「いやいや、そんなことはしないさ。僕もこれでもここのボスだ。そんな簡単にここを抜け出すことは出来ないし、他の奴らをつけさせると君は気づいていただろ?だから、仕掛けたんだよ。君の首に盗聴器をね。」

「なっ!?」

 俺は慌てて、自分の首を触っていく。すると、ちょうどうなじの辺りになにか黒く、そして、とても小さなものが貼り付けてあった。

 どうやらこれが盗聴器のようだ。今言われるまで、何も感じなかった。感触もなかった。とても小さいため、感触がなくてもおかしくはないのだろう。

 でも、いつ付けられた?うなじに付けられたという事はそれだけ近づかられたということ。それなら気づくはずだ。なのに……

 

「いつ?どうやって?って思ってるね。僕がただ何もせず君を逃がすと思ったかい?教えてあげるよ。君を殴り飛ばしただろう?その時につけたんだよ。君には僕のその動きが見えなかったようだがね。」

「確かに、見えなかったな……それに聴いていたという事は、みんなが今やってることもバレてたってことだな?」

「結構落ち着いているんだね。まぁそうだね。全部知っている。でもね、ここの連中……私の部下には何も言っていないよ。だから、僕以外、誰も知らないさ。」

 いよいよこの男が何を言っているのか、何をしたいのかが分からなくなってくる。もちろん、盗聴器を付けられた時の動きが見えなかったというのでも多少驚きはしたが、その後の男が言った言葉に比べればそれも驚いたうちに入らないだろう。

 それくらい今の俺は驚いていた。

 

「何も言っていない?誰も知らない?なんでだ!?お前は知っていた。なら他の連中にそれを教えれば俺達をいとも簡単に捕まえられたということだろ!!なのになんでだ!?何がしたいんだお前は!」

 捕まえて欲しかったわけじゃない。

 でも、ただ分からないのだ。この男は何がしたいのか。何も見えてこない。

 そして男はとんでもない事を言い出した。

「何をしたいか……か。簡単なことだよ。楽しみたいんだよ。闘いを、殺し合いを。この力を使って、楽しみたいんだよ。ただそれだけさ。闇市場なんて、他のやつが死のうが潰れようが、僕さえいればいつだって創り出せる。だから、今は君との殺し合いを楽しみたかったのさ。」

「なんだそれ……イカれてる…」

「さぁ、始めようじゃないか、殺し合いを!楽しいショーにしよう!お客様が観ているんだからね!」

 男がそう言うと、俺と男だけに当てられていた光が消え、一瞬真っ暗になったあと、闘技場全体に光がさし、明るくなる。

 一瞬眩しく、目を細め手をかざしていたが、目が慣れてきたため、明るくなった闘技場全体を見渡していく。

 

「な、なんだよ……これ……」

 そこには……この闘技場の観覧席には数え切れないほどの、仮面をつけた人が座ってこちらを見ていた。

「闇市場の連中なのか……こんなに……」

「いやいや、違うよ。ここにいる人達は闇市場の連中ではないよ。僕は言っただろ?お客様だと。僕と君の殺し合いのショーを観に来たどこにでもいる一般の人たちだよ。」

 今ここにいる、沢山の仮面をつけている奴らは全員一般人。つまり闇市場とは何も関係がない人。元素使いもいるだろうし、無能力者もいるのだろう。顔を見られないために仮面をつけているということなのだろう。

 人の殺し合いを観るために、楽しむために、わざわざ仮面をつけ、お金を払い観に来る……

「……クズどもが!」

 この世界は美しくなんかない。この世界は残酷だ。この世界は欺瞞であり、偽物だらけ。この世界に正義や悪なんてものはない。この世界自体が悪なのだから……それが普通なのだから、悪が普通のこの世界。そんな世界に、正義なんてものがあるはずが無い……

 こういうのを見ると、目の当たりにすると、そのことを思い知らされる。

 

「さぁ、ショーを始めようか!」

「…………」

「その表情…いい!凄くいいよ!」

 気分が悪い……意識が暗闇に飲み込まれそうだ……

 この感覚、ずっと昔に味わったことがあるような……そんな気がする。

 しかし、俺の意識は暗闇にの前ることなく、男のある言葉によって、無理やりに引き戻される。

 

「さぁ!やろう!殺し合いを!楽しいショーを!僕を楽しませてくれよ、八神守一(しゅういち)の息子よ!」

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




捻くれ者の最弱最強譚#22
いかがでしたでしょうか

前書きにも申しましたが、投稿遅くなりすみませんでした。
2、3日に1話とは前言っていましたが、それでも自分で、2日に1話は投稿しようと思っていたのに、昨日することができませんでした……
申し訳ございません……

これからもこのような事が少しあるかと思います。でも、何があっても3日に1話は必ず投稿します。
なので、これからも暖かい目で見守ってくださるとありがたいです。
これからもよろしくお願いします

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