捻くれ者の最弱最強譚   作:浦谷一人

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どうも初めまして!浦谷一人です。
小説投稿は初めてなので色々至らぬ所があると思いますが、長い目で見守ってくださいw
初回ということで、文は短いですが、回数を重ねる事に文字数も増やして行こうと思っています(^_^;
完全なオリジナル作品ですので、面白いと思ってもらえるように頑張ります!
気軽にコメントもしてください(^.^)
では、スタート!(*゚▽゚)ノ


捻くれ者の最弱最強譚#プロローグ

『お前の所為で……』

 俺を"信じる"と言った!

『貴方の所為で……』

 ずっと一緒に居てくれると"約束"した!

『お前がいなければ……』

 "正義"を貫くことが正しいことだと教えてくれた!

『貴方がいなければ……』

 "悪"は滅ぼさないといけないと教えてくれ

た!

『お前が死ねばよかったのに……』

 ずっと俺の"味方"だと言ってくれた!

『貴方が死ねばよかったのに……』

 この世界はとても"美しい"ものだと教えてくれた!

 

 

 

 

 そっか……俺が間違ってたのか。

 信じるなんて言葉が1番信じることが出来ない。

 約束なんて、結局破られる。

 正義=正しいということではない。

 悪だからと言って全てを滅ぼさないといけないという訳では無い。

 この世に味方なんていない。

 この世界は美しくなんか無い。この世界は残酷だ。

 

 

 

 

 

『お前が死ねばよかった!』

 やめてくれ……

『貴方が死ねばよかった!』

 もう……やめてくれ……

『死ね』

 嫌だ、嫌だ、嫌だ

『死ね』

 嫌だ嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ……

『『死んでしまえ』』

 もう……やめてくれ!

 

 

 

 

 

 ガバッ……!!!

「ハァ……ハァ…ハァ……夢か」

 カーテンの隙間から覗く空はまだ暗く、目覚める時間ではないことを認識させられる。

 今は4月、季節では春だ。夏のように暑くもなく、冬のように寒くもない季節。

 それにも関わらず、俺は服が体に張り付くほど汗をかいている。

 ならば、単純に暑かったのではないか?と思うところだが、そういう訳でもない。なぜなら、汗をかいているという事もあるだろうが、それとは別に身体の芯から寒いという感情が溢れ出てきている。

 何故そんなことになっているのか、理由は自分ではっきりわかっている。

「ハァ~……もう大丈夫だと思ってたんだけどな。そんなことなかったな」

 人とはよく分からないものだ。忘れよう、忘れようと思えば思うほど、鮮明に記憶に残る。頑張ろう、頑張ろうと思えば思うほど、体は硬直し思うように動かない。したいと思った時には、したい事は何も出来ず、したくないと思った時にほど、そのしたくない事が出来てしまう。

 まぁ、つまり、何が言いたいのかというと……

 

「二度寝がしたいのに、出来ねぇ~……」

 今日は高校の入学式。学校に8時には行くとして、家は7時半に出れば間に合う。つまり、朝ごはんや歯を磨いたりなど、準備のことを考えても7時前に起きれば十分に間に合うのだ。

 なのに、その予定よりも約3時間近くも早く目が覚めてしまったのだ。

 いつもなら怒られる二度寝も、こんな時ばかりは怒られはしないだろう。だが、さっきも言ったように、寝たくても何故か寝れないのだ。

「ハァ……マジでどうしよう。やることも特にないし、学校の行く準備も昨日の間に済ませてるし……久しぶりに走るか?筋トレとかもこの時間だと出来るな。」

 小学生、中学生の時は毎日のように朝早くに起きて走っていた。筋トレも毎日のようにしていた。

 なぜ?と聞かれればよく分からない。よく言う、"若気の至り"ってゆうやつだろう。

 小学生や中学生の時は正義というものを追いかけていた。正義というものになろうとした。

 今になってみれば、正義というものを知らずよくそんなことが出来るなと思う。

 

「てか、マジでどうしよう……アイツを起こすわけにはいかないし…部屋では何もやることないし…そうなると必然的に外で時間を潰さないといけない。走るか……」

 そう決めると、寝間着を脱ぎ走りやすい格好へと着替え、部屋をでる。

 そして、アイツを起こさないように忍び足で階段を降り、洗面所で顔を洗ってから外に出る。

 

 

「フゥ~……寒い。」

 そんなことを口ずさみながら、空を見上げる。4月ということもあり風が冷たく少し肌寒い。

 そんな風をその身に受けながら軽いストレッチをし、走る準備を整えていく。

 日が上がっていないため当たりは暗闇に包まれているが、街灯のおかげで視界は確保できている。

 人の気配は全く無く、静まり返っている。この世界に自分一人だけになった気分だ。

「それにしても、やっぱり一人だと落ち着くな。昔は落ち着かなかったんだけどな。」

 人とはどんな生き物なのか知った。それが大きいのだろう。

「このまま、70億人ほど消えてくれればいいのに。そうなるとこの世界は美しいものになるんだろうな……」

 自分でもこの考え方が捻くれているとわかっている。それでも、自分も含めて、人間の醜さを知ってしまった。人間がいつも使っている言葉の軽さを知ってしまったのだから仕方がない。

 こんな俺でも、もう1度、信じたいと心から思える人と会えるのだろうか。

 こんな俺でも、もう1度、ずっと一緒にいると約束することが出来るのだろうか。

 こんな俺でも、もう1度、この世界は美しいんだと思える日が来るのだろうか。

 

 そんなことは無理かもしれない。俺は人間を見切り、自分自身をも見切ったのだ。

 

 でも、いつか………………

「ハァ~……やめだ、やめ。これ以上考えても意味ないし、俺のこの性格が簡単に治るとは思えないしな。」

 

 パァァン!!!

「さてと、行きますか!」

 両頬を手で叩き、気合いを入れ、俺は暗闇へと走り出す。

 




登場人物

八神界人(やがみかいと) 本作の主人公
172cm 60kg いわゆる細マッチョ
整った顔立ちをしており、自分自身は認めていないが、結構なイケメン。でも、目付きが鋭い。髪は手入れをあまりしないため、いつも寝癖が付いている。長さは普通
性格に難アリ。過去の出来事がトラウマとなり、人を簡単に信じることが出来ない性格。自分から他人と仲良くなろうとしない。一人を好む。捻くれ者。鋭い目つきと相まって、人をあまり寄せ付けない。
でも、根は優しく良い奴。




登場人物についてや、能力については出てき次第軽く紹介します。

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