淀んで染まるシリーズ   作:RASN_Pixiv1本になります

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2017年の1/17と6/6に書いたもので、後者はアフターみたくを後に追加した感じです。
この回はツキミちゃんです、食べ物は恐ろしいですよー。


ツキミ編

ここは茶熊学園。

 

そんな学園のお昼時に茶熊学園食堂 紅鮭亭では席に着いてランチや定食を食べてたり、パンの販売コーナーでは焼きそばパンの争奪戦やコッペパンを要求していたり、ザックがパンの耳を袋で貰っていたりしていた。

 

そしてそんな中に生徒会の副会長の一人である赤髪のRASNが購買部コーナーへと足を運んでいた。

 

「…!」

 

「あっ!RASNさんいらっしゃいませー!」

 

RASNがその後向かったのはツキミのお団子屋であり店頭ではポンが店番をしていたのであった。

 

「…!」

 

「はい!ご予約のお団子ですね!少々お待ちくださいー!」

 

ポンはRASNが渡した重箱を受け取りそう言うと奥へと姿を消し、その代わりにツキミが姿を現したのであった。

 

「あ~、RASN君おいでませ~。」

 

「…!」

 

「儲かってるかって?儲かってるよ~生徒会は順調かな~?」

 

「…。」

 

「ん~、相変わらず会長さんが抜け出したりして大変なんだ~大変だね~?」

 

「…!」

 

出てきたツキミはRASNと楽しく談笑していた、そして奥からポンが重箱と共に姿を現したのであった。

 

「ご予約のお団子詰め合わせお待たせしましたー!」

 

「お~?ポンちゃんどんどん詰め込むの早くなったね~?」

 

「はいっ!毎週注文されてると慣れてきますからね!」

 

「そっかー、それじゃいつも通りにお代は後からね~。」

 

「…!」

 

ツキミはポンから重箱を受け取ってからRASNへと渡した。

 

「あっ、そーだ…これまた新しい試作なんだー放課後待ってるからね~。」

 

そしてツキミは渡した後小さなお団子が入ったタッパーとウサギの模様が入ったノートを上に乗せて小声でRASNに囁いたのであった。

 

「…!」

 

RASNは重箱とタッパーを受け取るとツキミに礼をしてその場を去ったのであった。

 

「またおいでね~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後になりRASNは購買部へと向かった、そこにはせっせと一人でお団子を作るツキミの姿があった。

 

「…!」

 

「いらっしゃーい~そこで少し待っててね~?」

 

RASNが来たことに気付くとこねていた団子をボウルに入れラップしてからエプロンを外し、やって来たのであった。

 

「…!」

 

「ありがとね~、んー…やっぱあれはいい感じなんだね~?」

 

そしてツキミはRASNに渡したノートを開いていた。

 

「…!」

 

「RASN君は星たぬきお団子が気に入ってくれんだ~?他の皆も可愛いって書いてくれてるねー?」

 

「…!」

 

「他も良いって?RASN君はお上手だね~、それじゃ少しお構いしてあげるね~?」

 

「…!」

 

そう言うとツキミはRASNにお茶とお団子を振る舞った、お団子は色とりどりの星たぬきを形取ったものであった。

 

「…?」

 

「私もー?いいよ~丁度休憩を挟みたかったからね~。」

 

そうしてツキミはRASNと辺りが暗くなるまで談笑にお団子とお茶を楽しんだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 購買部コーナー-

 

そして幾日が過ぎてRASNは再び重箱を持ってツキミのお団子屋へと足を運んでいた。

 

「…!」

 

「RASNさんいらっしゃいませー!何時ものですか?!」

 

「…!」

 

RASNは頷くと重箱をポンへと手渡した。

 

「では少々お待ちを!先週から追加した星たぬきお団子も詰めておきま…えっ?」

 

ポンが元気よくそう言いながら奥に入ろうとしたがその手にあった重箱は姿を消していた。

 

「あ~RASN君いらっしゃ~い、いつものだよね~?」

 

そしてその重箱は何処からともなく現れたツキミの腕の中にあったのだった。

 

「えっとツキミさん注文は承ってるので私が詰めますけど…」

 

「駄目だよーポンちゃんは他の人の注文を受けてねー?それじゃ少し待っててね~?」

 

ポンとRASNにそう言うとツキミは奥へと姿を消し、残された二人は唖然としてその場に残された。

 

「…?」

 

「…そうですよね、今RASNさん以外に注文してくれる人なんかいませんのに…」

 

「…。」

 

そうして暫く待っていると奥からツキミが戻ってきたのであった。

 

「お待ちどう様、それじゃご注文のお団子詰め合わせだよ~。」

 

「?」

 

RASNはツキミから渡していた重箱を受け取っていたがその上には見慣れぬ重箱が重なっていた。

 

「…?」

 

「ん~?試作品じゃないよ~、いつも来てくれてるRASN君の為のお得意様サービスだよ~。」

 

「そんなのあったんですか…?」

 

「あるんだよー?それじゃRASN君その重箱はまた明日にでも返しに来てね~?」

 

「…!」

 

RASNはツキミとポンに礼をすると二個の重箱を持って購買部を去り、ツキミはRASNが視界から見えなくなるまで手を振っていたのであった。

 

「…明日ちゃんとまた来てくれるかな~?」

 

ツキミがそう呟きながら奥へと入っていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 タラコ組-

 

翌日の朝RASNはツキミから貰っていた重箱をツキミの席へと持っていっていた。

 

「…!」

 

「おはよ~RASN君~。」

 

「…。」

 

「あ…昨日のあれだね~?でもね~…今は少し駄目なんだ~だからお昼休みに購買部で返しに来てくれるかな~?」

 

「…、…!」

 

「ありがとね~、あっ先生来ちゃったね~?早く席に戻った方がいいと思うよ~?」

 

「…!」

 

ツキミにそう言われRASNは重箱をしまって自分の席へと戻っていった、そして授業は進んでお昼休みにとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 購買部コーナー-

 

RASNは言われた通りに重箱を持ってツキミの団子屋に来ていた、店頭にはポンはおらずにツキミが待っていたのであった。

 

「…?」

 

「やっと来たね~?中のお団子は美味しかったかな~?」

 

「…!」

 

「え?みんなも?…どういうことかな?あれはRASN君の為のサービスなんだよー?」

 

「…?!」

 

ツキミはRASNの返答を聞くと少し頬を膨らませてそう言い、RASNはそれに少し驚いていた。

 

「あっ…ごめんね~?…それより少し待ってくれるかな~渡したいのがあるんだ~。」

 

「…!」

 

RASNは快諾すると少し待った、そうするとツキミはRASNの所に月やウサギ模様のバンダナに包んだ物を持ってやって来ていた。

 

「お待たせ~、これを貰ってくれるかな~?」

 

「…?」

 

「何かって?特製手作りお弁当だよ~?特々々別サービスだよ~。」

 

「…?」

 

「大丈夫かって~?大丈夫だよ~お団子まみれじゃなくてRASN君の好物がいっぱいだから安心だよ~?」

 

「…!?」

 

「え~?何で知ってるかって…?知っているからだよ~、ささっ早く食べてみて~。」

 

そうはぐらかされたRASNはツキミに背中を押され近くの席にへと座らされていた。

 

「はい、お箸だよ~たーんと召し上がって~?」

 

「…。」

 

バンダナの中の弁当箱は確かにRASNの好物で散りばめられていたがあまり箸は進んでいなかった。

 

「どうしたのかな~?お口に合わないのかな~…」

 

「…!」

 

心配するツキミにRASNは横に首を振っていた。

 

「だったら食べれるよね~?…あっ、そっか~こうしたいんだね~?はいっ、あ~ん。」

 

「…?!……。」

 

ツキミはRASNの箸を取ると近くにあった出汁巻き卵を摘まんで満面の笑みでRASNの口元へと近付けており、RASNは困惑しつつもそれを口の中へと滑り込ませていた。

 

「どうかな~?美味しいでしょ~?」

 

「…………!」

 

「えへへ…それじゃもっと食べさせてあげるね~」

 

「…。」

 

そうして昼休みの間RASNはツキミの弁当を食べさせられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてツキミは翌日もそのまた翌日もRASNを購買部へと呼んで弁当を食べさせていた、だが日を追う毎に朝食や夕食まで作ってきたのであった。

 

そしてそんな事もありながら数週間が過ぎたある日のお昼、アラマキ島の外にて。

 

「いやー…すみませんねーRASNさん、他校交流会で生徒会会長代行で来てもらえて。」

 

「…!」

 

RASNと共にいたのは茶熊学園の校長のカムイであり熊である。そしてその二人の後ろにはゼロキスが歩いていたのであった。

 

「…でも何で会員でも庶務でもないボクも付いてきてるんですか?!」

 

「あー…それは…流れですね?」

 

「流れってなんですか?!そもそも午前の最後の授業中に急に連れ出されてビックリしましたって!」

 

「まぁまぁ…何はともあれ成功でしたし、次の飛空挺まで時間もありますから…あそこでもどうですか?」

 

カムイは叫ぶゼロキスをたしなめると近くにあるラーメン屋に指というより爪を指したのであった。

 

「…!」

 

「…そういやお昼とかまだ食べてなかったですね…急に連れてかれましたからね…」

 

「そんなに根を持たないで下さいってー…一人一杯なら奢りますからー?」

 

「…仕方ないですねー…」

 

「そうですか!んじゃ入りましょ!」

 

「…!」

 

そうして三人はラーメン屋の暖簾を潜りカウンター席に着いたのであった。

 

「それじゃお好きなのを一つだけ!頼んでくださいね、私は焼き鮭ラーメンお願いしまーす!」

 

「ウチにそんなメニューはねーよ!?」

 

「アウチ!(´Д`)それじゃ海鮮ラーメンで!勿論鮭スープで!」

 

「んなスープねーぞ?!」

 

「ノォ?!」

 

「ははは…それじゃRASN、僕達はどうしよっかな?」

 

「…!」

 

RASNとゼロキスは各々トンコツラーメンを頼んだのであった。

 

「それじゃお先に頂きますよー?」

 

「えぇ、どうぞ!オプションに鮭蒲鉾はないんですか?!」

 

「だからねーってば!?」

 

「だってさ…それじゃいただきますか。」

 

「…!」

 

ゼロキスとRASNは割り箸を割ると目の前のラーメンを食べ始めた、だがRASNだけは何故か不思議そうな顔をしながら食べていた。

 

「ん?どうしたの?」

 

「…!」

 

「何でもない?そう…。」

 

そうしてカムイが海鮮ラーメンで手を打ち食べたのであった、そして食べきると三人はラーメン屋の暖簾から出てきたのであった。

 

「ふぅー…鮭はありませんでしたが中々美味しかったですねー。」

 

「えぇ、トンコツラーメンも学食にあるのとは違う味わいで中々美味しかったー…ん?RASN?」

 

「…?」

 

ゼロキスがRASNに問いかけるとRASNは腹に手を当てて首を傾げていた。

 

「大丈夫?具合は…悪そうじゃないかな?」

 

「…!」

 

「お二人ともー早くしないと飛空挺に乗り遅れますよー?」

 

「…ともかく学園に戻ったら保健室かな…校長呼んでるし早くいこうか?」

 

「…!」

 

そうして三人は飛空挺に乗り茶熊学園へと帰ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 校門-

 

「着きましたねー、まだお昼休みが20分ぐらいありますねー?」

 

黒塗りの車から出てきたのは何故かサングラスを掛けたカムイであり、後部座席からはゼロキスとRASNも出てきた。

 

「ウチの学校ってそんなに休み時間長いんですか…?」

 

「まぁ休み時間にしか活動がままならない部活とか出そうですからその配慮ですね!ハッハッハッ!」

 

「…そうですか…RASN早く行こうか?」

 

「…!」

 

そうして二人は車から離れて校舎へと向かったのであった。

 

「捕まえた~!」

 

「…!?」

 

「んなっ?!ってツッッツキミひゃあゎん?!」

 

だが校門をくぐるとRASNの背後に手を回された、そしてゼロキスは突如近くに現れたツキミに驚きパニクっていた。

 

「も~…急に連れていかれちゃったから昼休みずっーと探してたんだよ~このこの~」

 

ツキミは背後からいじいじとRASNのほっぺを軽くつねったりしていて、つねられているRASNは身動きが出来ないでいた。

 

「ま、いいや~それよりお腹減ってるでしょ~お昼にしよ~?」

 

「ええっととと!?ツキミさぁん?!じじっ実はもうお昼はラーメン食べてってて…!それに体調も…」

 

「そんなことはないよー?だってお腹が減ってる事なんて分かっているんだもんねー?さっ~てこっちにおいでませ~。」

 

ツキミは上手く口が動かないゼロキスをあしらうとRASNを連れて校舎へと駆けていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 購買部コーナー-

 

ツキミらがやってきたのは購買部コーナーであったが人がもういなくガラガラであった。

 

「さっ、席に座って座って~?それとも私のお膝がいいかな~?」

 

「…!」

 

ツキミは自分の膝をポンポンと叩いたがRASNは素早く首を振ってから席に着いたのであった。

 

「残念だな~?それじゃ今日はこれだよ~…はい、あーん~。」

 

ツキミはカクっと肩を落とすとお弁当箱を開くとおかずの一つを箸で摘まんでRASNの口元へと近付けた。

 

「…!」

 

「あれ~?…食べないのかな~?…お腹が減ってもうフラフラじゃないの~?」

 

「…。」

 

RASNは静かに頷いたのであった。

 

「…そうだよね~?だってもうRASN君は私のお料理しか食べられないんだよね~…」

 

「…?!」

 

「…RASN君には教えてあげようかな~?これはね特殊なお薬でね~作った人の一部を混ぜ合わせたのをお料理に入れると、食べた人は作った人以外のお料理を食べてもお腹が一杯にならないんだよ~?」

 

ツキミは懐から薬瓶を取り出すと机上でクルクルと回していたのであった、よく見ると瓶の中の液体は少し紅かった。

 

「…?!」

 

「…そうすれば私のお料理しか食べれないって事になるよね~?そうなれば私がいないといけないって事だよ~?」

 

「…!」

 

RASNはツキミの発言に驚き後退りをしていた、だがツキミは追いかけずに座ってRASNを淀みのある目で追っていた。

 

「…逃げてもRASN君は帰ってくるよね~?だって私のでしかお腹が一杯になれないんだよ~…でも必要なら私を食べたって…良いんだよ?」

 

「…!!」

 

RASNは音が出るぐらいに首を横に振ったのであった。

 

「…冗談だよ~?でもね、そうして良いぐらいにRASN君の事は好きだよ~」

 

「…?!」

 

「どうしてって?そうだね~いつも楽しく談笑してくれてるし…RASN君に食べさせてあげていた試作品の感想を見るとね…ドキドキになっちゃうんだよね~」

 

「…!?」

 

「…でもそんな風に感じるようなったのは数週間前ぐらいで…カティア先生に会ってからかな~?」

 

「…?」

 

「そういえばどうするのかな~?食べないのかな~RASN君?」

 

ツキミは箸を持ちRASNにそう言ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ以降ツキミはRASNの側をあまり離れることなく朝昼晩とツキミの手料理を御馳走になっていた…。

 

 

-学生寮こぐま館 RASNの部屋-

 

「………。」

 

「RASNく~ん?朝だよ~?起きて起きて~?」

 

「……、…!」

 

RASNが目を覚ますと目の前ではツキミの顔がこちらを見下ろしていた、RASNは伸びをしながら起きるとツキミに挨拶したのであった。

 

「うん、おはよ~。朝御飯用意してあるから降りて来てね~?あっ、それとも着替え手伝おっか?」

 

「…!」

 

RASNはフルフルと首を横に振ったのであった。

 

「そっか~…それじゃ待って…あれれ~…?」

 

「…?!…!!」

 

ツキミは残念そうに部屋から出ようとした、だがその途中足がもつれ体勢を崩しとっさに飛び出したRASNによって受け止めたのであった。

 

「…!?」

 

「うーん…あっ、RASN君…?ごめんね~…心配かけちゃったかな~…?」

 

「…!…?」

 

「ん~…私は大丈夫だよ~……それより早く着替えおいでね~?」

 

ツキミは立ち上がると少し心許ない足つきで部屋から出て、RASNは心配そうにしつつも着替え始めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

-学生食堂こぐま館 紅鮭亭-

 

着替え終わりRASNは食堂へと入った、中にはプレートの上の料理を食べている人が何十人もいたのであった。

 

「………!」

 

「……くぅ………くぅ…。」

 

RASNはその中からツキミを探した、そして見つけた時には前のめりで寝息をたてていたのであった。

 

「…?」

 

「ん…あっ、RASNく~んおはよ~…今持ってくるから少し待っててね~?」

 

「………!」

 

RASNは寝ているツキミを軽く揺すって起こした、そしてツキミRASNを席に座らせると自身は席を立ったのであった。

 

そして程なくして料理を二つ持って戻ってきたのであった。

 

「おまちどうさま~。」

 

「…。…?」

 

「ん~?大丈夫だよ~、それよりほら…?早く食べよ?」

 

「………!」

 

RASNはツキミの体調について聞いたがツキミは平気そうにしていて食べる事を奨めた為ツキミの持ってきた料理を食べたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれからも変わらずに朝昼晩とRASNはツキミの手作り料理の世話になっていた…、そんな事が日常になりかけた頃…。

 

 

 

 

-学生寮こぐま館 RASNの部屋-

 

「………。」

 

「…!………?」

 

RASNは目を覚ますと毎朝見ていたツキミがいないであった。

 

「…?」

 

RASNは首を傾げつつも着替えて部屋を出た。

 

「………、…!」

 

そして少し悩んでからRASNは腹を鳴らしながらツキミの部屋にへと歩を進め始めた。

 

 

 

 

 

 

-学生寮こぐま館 ツキミの部屋-

 

「…。」

 

RASNはツキミの部屋に到達するとコンコンと扉をノックしていたのであった。

 

「…?…!」

 

何十回もノックしたところで扉のノブに手をかけて回し、部屋の中に入ったのであった。

 

「…?…!?」

 

そして中を見渡しRASNは机に制服姿のまま突っ伏してるツキミを見て直ぐ様駆け寄ったのであった。

 

「…!?……!!」

 

「んっ……あれ~?RASNくん~…おはよう~…?」

 

軽く揺すったりしてツキミが目を覚ますと目をこすってRASNを見上げたのであった。

 

「ごめんね~…起こしにいくはずが起こされちゃったね~?」

 

「…?」

 

「え~大丈夫だよ~…?…それよりお腹空いてるよね…今作ってあげるからね~?んっしょっと………あれ…?」

 

「…!?」

 

ツキミはそう言って立ち上がり部屋の備え付けキッチンへと向かおうとしたが二・三歩歩いてからフラりと倒れそうになりRASNは即座に飛び出してツキミを受け止めた。

 

「…?!」

 

「………あ~…ごめんね~…何だが眠くなっちゃって…でも心配しないでね~RASNくんの為にも頑張らないと~…」

 

「…!」

 

ツキミは起き上がるとキッチンにへと立ったがRASNも心配そうにそれに付き添った。

 

「大丈夫だよ…RASNくんは座って待っててね~?すぐに出来るからね~…」

 

だがツキミはRASNを席にへと座らせるとフランパンを手に取って朝御飯を作り始めた。

 

「ん~…うん、オッケーだねあとは…あれ~?もうないみたいだね~?」

 

「…?」

 

そうして待っているとツキミは小瓶と出来た料理を手にしていていた、だが料理を一旦置いて小瓶を凝視したのであった。

 

「…もう切れてたんだね~?…あれ…作り置きも無いんだ…だったら作らないとね~…」

 

「…??」

 

するとツキミは棚から謎の液体が入った瓶と漏斗を取り出してまな板の前にへと立っていた。

そしてツキミの部屋には袖を捲る音と何かを外す音がかすかに響いた。

 

「んっ…んんっ…いたっ…」

 

「…?」

 

RASNは先程からのツキミの独り言も気になって立ち上がるとひっそりとツキミへと近寄り覗き込んだ。

 

「…!?」

 

そしてハッと目を見開くと瓶の口に填まってる漏斗の上で腕を差し出してるツキミの腕を引っ張ったのであった。

 

「…んんっ…って?!RASNくん!?ごはんはまだ…」

 

「…!!」

 

ツキミは驚いてRASNにへと話しかけていたがRASNはそれを耳に入れずに救急箱を探し出したのであった。

 

「ちょっと…RASNくん…?!…いたた……。」

 

「……。…。……!」

 

そしてRASNはツキミの腕に包帯を巻き古くなった絆創膏や包帯を一纏めにしていた。

 

「…駄目だよ…」

 

「…?」

 

「…駄目だよ…あれを作らないと…」

 

「…!?」

 

座り込んでいたツキミはほろりとしながらも巻かれた包帯をほどき始めたがRASNはそれを止めようとしていた。

 

「止めないで…!」

 

「…!!」

 

RASNはツキミの抵抗に対し腕に手が届かせないようにツキミに抱きつき包帯を巻いた腕を握ったのであった。

 

「あっ…RASNくん…?」

 

「…!」

 

そうして驚く最中空いた手でツキミの頭を撫でたのであった。

 

「………。」

 

「…、…?」

 

「うん…ごめんね…まただね…?」

 

「…?」

 

「あの瓶…?あれは前に教えたお薬の原液…あれに私のモノを入れたら完成するの…。」

 

「…?!」

 

「何でって……………怖いの…私のお料理食べなくなって…私から離れちゃうのが…怖いの…」

 

「…。」

 

そう言ってツキミはギュッとRASNの服を掴んで顎を肩にへと乗せたのであった。

 

「…RASNくんの体…お日様みたい…RASNく…ん…私…ね…………」

 

「……?…!?」

 

だが次の瞬間肩に乗っていた重みが軽くなるのを感じツキミを見ると気を失っていたのであった。

 

「…?!………。…!」

 

RASNは体を揺すったり背中を軽く叩いたりとして反応を見てみたが返事がなくツキミを抱えた、そしてまるで眠っているようなツキミの体を持った時とても軽く感じながらも走ったのであった。

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 保健室-

 

「…!」

 

「どうしたの?騒がしいわ…って、どうしたの!?」

 

「…!」

 

保健室にへと駆け込んだRASNは中にいたハーブにへと事情を説明した。

 

「…分かったわ。まずその薬というのが気になるわね…とりあえずRASN君はその娘をベッドに寝かして看てあげて、先生には言っておくから安心しなさい。」

 

「…!」

 

そう言われRASNはベッドにへとツキミを運び込んだ。

 

「それとその娘の部屋は何処かしら?原液とやらも一応調べておいた方がいいと思うから。」

 

「…!」

 

「そう、分かったわすぐに戻ってくるから待ってなさい…!」

 

「…!」

 

ハーブはそう言って保健室から足早に出た、そして残されたRASNは心配そうに目を閉じてるツキミを見たのであった。

 

「……。」

 

ふとRASNはベッドからはみ出て垂れ下がっていたツキミの腕に気付くと、手を掴みベッドの上にと置き軽く握りしめたのであった。

 

「…ん…RASN…く…ん?」

 

「……!」

 

暫くそのままにしていると優しく握り返しが手に広がりツキミは目を開けたのであった。

 

「…!?」

 

「大丈夫だよ~……うん…大…丈夫だ…よ~…?」

 

「…!!(フルフル!)」

 

「…やっぱり暖かくて優しいね…ぬくもりが手からも伝わるよ…。」

 

横になっていたツキミはむくりと上体を起こすと握られていた手にもう片方の手を乗せたのであった。

 

「…。」

 

「…でもやっぱり手だけじゃ…寂しいね…。」

 

「…?!」

 

するとツキミはその手と共にRASNを引き寄せたのであった。

 

「RASN君…多分ね…あたしは先がもう長くないかもしれないの、だから…だからせめて…」

 

「………。」

 

そう言いながらツキミ涙ぐみながらも制服のボタンを一つ一つ外していた、そして引き寄せられ覆い被さるようになっているRASNはただそれを止めようともせずに見ているだけであった。

 

「…最後の…最後の思い出はせめて気持ちよく終わりたいの…。」

 

「……。」

 

「…RASNく…ん…す…きだ…ゴホッ!ゴホッ!」

 

「…!……?!」

 

だがツキミはその最中苦しそうに咳き込んだのであった。

 

「……、…!」

 

そしてRASNはそれを見る祈るように目を閉じた、するとRASNが発光しだしたのであった。

 

「ゴホッ…この光…RASN君の…」

 

RASNから出てくる光はツキミに浴びせられ、ツキミの顔色は心なしか良くなり目を閉じたのであった。

 

「……、…。」

 

そしてふぅと息をつくと脱ぎかけであったツキミの服と乱れたベッドを整えるとそのまま前のめりで眠りについたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ…んー?」

 

まずベッドの上にて先に起きたのはツキミであった、そして辺りをキョロキョロと不思議そうに見ていた。

 

「んんー?んんっー??あれ?ここって…あたしの部屋じゃないみたいだねー?」

 

「そうよ、ここは保健室よ。」

 

そんなツキミの疑問に答えたのは机にて茶をストローで啜りながら何かの書類を書いているハーブであった。

 

「あっ、先生おはようございます。」

 

「おはよう…って言えるほど早くはないわね?」

 

ハーブはコンコンと机にある置き時計をペンで叩いたのであった。

 

「…あのー…先生ー私どうしてここに?」

 

「……まぁ、それなら彼に聞くのが良いとは思うけどね。」

 

ハーブはそう言って立ち上がりツキミの寝ていたベッドの隣のカーテンを開けた、するとそこにはRASNが寝ていたのであった。

 

「あれー?RASN君?どうしたのかなー?」

 

「どうしたもこうしたも…貴女をここに運び込んでくれたのはRASN君だけど覚えてないの?」

 

「んー…?あれれ…?何だかぽっかりと記憶が無いようなー…?」

 

ツキミはゆっくりとカーテンを閉めてからハーブへと体を向けた。

 

「まぁ記憶に関してはともかく…貴女にはこれについて聞きたいことがあるのだけれど?」

 

ハーブはそう言ってツキミの部屋にあった謎の液体の瓶をツキミへと見せたのであった。

 

「あっ…!それって嫦娥の願いの薬…!?」

 

「願いの薬…?願い事でも叶うのかしら?どんなものか見せてくれる?」

 

「かしこまりー…えっーと…。」

 

瓶を渡されたツキミはきょろきょろと何かを探し近くにあったペン立ての鉛筆を一本取った。

 

「これをこーして…これで…ねむなむねむ…」

 

瓶の中の液体を鉛筆に垂らして塗り込み呟きながら目を閉じて祈ったのであった、すると鉛筆がむくむくとしだしてお団子にへと変わったのであった。

 

「…?!…お団子に…!?感触もそれだわ…!」

 

ハーブは信じられない顔をして変化したお団子を見たり触ったりしていた、そしてそれを口へと運ぼうとしたらツキミが止めたのであった。

 

「流石に鉛筆を食べるのは駄目ですよ~?」

 

「鉛筆って…これは…!?」

 

するとハーブの手にあったお団子は鉛筆にへと戻っていたのであった。

 

「一体これは…?」

 

「これが効能なんですよ、大体なんでも願いが叶っちゃうっていう…でも使えるのは嫦蛾の一族だけなんですよー?」

 

「そうなの、でもこの鉛筆は…。」

 

「このお薬はそれだけでも願いを叶えられるけどそれだけじゃ効果は薄いんだー…でもそれに嫦蛾の一族の一部が入ってる物を組み込めば効力は強くなるんだってねー?」

 

「…手っ取り早いのは血液かしら?」

 

「んー…そうかもしれませんねーでも使い方や作り方はは教えてもらったけど…使った事はないんだよね~?」

 

「…そうなの、…あら?」

 

ふとハーブが隣のベッドに視線をやるとRASNが目を擦りながらもカーテンを開き顔を出したのであった。

 

「あっ!おはよ~RASN君ー。」

 

「……!」

 

ツキミはにっこりと微笑みながらRASNへと挨拶をして、RASNは少し溜めてから挨拶を返したのであった。

 

「そういえばRASN君が運んでくれたんだよね~?どうもありがとうねー。」

 

「………。」

 

「それでね…RASN君が私をここに運んできてくれた理由とか教えてくれるかな~?」

 

「………………。……!」

 

RASNは口をつぐんで視線を逸らした、だが少し悩んでから向き合うと口を開いた。

 

「うんうん…そーなんだ~…階段で転げちゃったんだね~?」

 

「………!(コクコク)」

 

「ありがとね~、今度お礼にお団子をご馳走するね?」

 

「…!」

 

「…ご馳走するのはいいのだけれど、そろそろ行った方が言いと思うわよ?……ちょっとRASN君はこっちに来なさい。」

 

「……?」

 

そう言われRASNはハーブの元に向かった、そして小さな声で囁いた。

 

「とりあえずあの薬の効果に関してはユーリエ先生達と協力して打ち消したから安心しなさい。」

 

「…!」

 

「…それとちゃんと朝食食べてる?一応点滴で入れてはおいたけどしっかりなさい?」

 

そう言ってハーブはRASNをツキミの所へと戻したのであった。

 

「それじゃ先生ありがとうございましたー。」

 

そうしてRASNとツキミはしっかりとハーブにお辞儀をしてから教室にへと歩を進め始めた。

 

そしてどうにかして二人は教室にたどり着き授業を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶熊学園 購買部コーナー-

 

「いらっしゃいませー!あっ!RASNさんこんにちはー!」

 

「…!」

 

昼休みとなりRASNは購買部のツキミのお団子屋にへと足を運んでいた、店頭にはあの時と同じくポンが元気よく店番をしていた。

 

「ツキミさーん!RASNさん来ましたよー!」

 

「はーい、それじゃ中に入れてね~。」

 

「分かりましたー!それじゃRASNさんこっちです!」

 

「…!」

 

奥の方にてツキミの声が響いてくるとポンはRASNを奥の方に案内した、奥の方はキッチン一式と机に椅子がありキッチンではツキミがお団子をこねていた。

 

「いらっしゃい~、そこにかけてねー?」

 

「…!」

 

RASNは少し回りを気にしにがらも席へと着いた、そして少し待ってツキミが手を拭きながらやって来た。

 

「お待ちどうさま~、それじゃご馳走するねー?」

 

そうしてツキミはRASNの対面側へと座るとその間に置いてあった皿に被せられていたウサギ柄のバンダナを取ったのであった、するとそこには星たぬき団子が山の様に積まれていたのであった。

 

「…!?」

 

「驚いた~?いっぱい作ったからたーんと食べてねー。あっ、お茶も用意してあるよ~。」

 

「…………。」

 

そう言ってツキミは星たぬき湯呑みにお茶を注いでおりRASNへと渡した、だがRASNは渡された湯呑みをまじまじと見ていた。

 

「どーしたのかな?食べてくれないのかな~?RASN君が好きそうなのを集めてみたんだけどなー?」

 

ツキミはそう言ってペラペラと見たことのあるウサギの模様のノートを捲っていた。

 

「……?」

 

「えっ?見せてほしいって?いいよー。」

 

RASNはそう言ってノートを受け取り開いた、ノートは以前よりも薄くあるページを開くとそこは所々が黒く塗り潰されており塗り潰されていないのはRASNが書いたとされる文字ぐらいであったのであった。

 

「…。」

 

息を呑んでページを捲るとそこは先程のように黒々としてはいなかったが文字がびっしりと並んでおり大体は自身がしていた行動をまとめた日記のようなものであった。

 

「……………。」

 

RASNは静かにノートの最後まで目を通して閉じるとツキミにへと返したのであった。

 

「どうだったー?何か不気味だよね~?」

 

「……。(コクン)」

 

「でもねー…読んでいたら何かきゅうきゅうするんだよね~あの人って誰なんだろうね~?」

 

「………………。」

 

「まぁ、分からないよね~…それより食べてくれないのー…?」

 

「……、…!!」

 

ツキミはそうしてうるつかせた視線を浴びせてRASNは少し躊躇ってはいたがお団子を口にへと運んだのであった。

 

そして暫くして皿の上のお団子は一つ残らずとなった。

 

「どう?美味しかったかな?」

 

「……!」

 

「そーなんだ~、ありがと~でもねー…。」

 

「……?!」

 

するとツキミは身を乗り出してRASNの口元に指を立ててクイっと横にへと広げたのであった。

 

「うんうん…笑っているのがいいね~、そしたらもっと美味しく食べれるよー?」

 

「…!?」

 

「ツキミさーん、そろそろお時間なので交代を…って何やってるんですか?!」

 

するとポンがやって来て二人を見ると驚いていた。

 

「おー、ポンちゃん丁度良いところに来たね~?今RASN君を笑わせようとしてるから手伝ってね~?」

 

「えぇ?!分かりましたー?!」

 

困惑しつつもとりあえずポンは机上にある皿と湯呑みを遠ざけてから口を曲げられているRASNの隣に近寄った。

 

「RASNさんすみません!えっーい!」

 

「私もやるよ~こちょこちょ~。」

 

「…!?!?」

 

ポンは脇腹をくすぐり始めてツキミもそれに参加したのであった。

 

そして両脇腹をくすぐられるRASNは吹き出すのを必死にこらえて目に涙を溜めていたが堪えきれず笑い転げたのであった。

 

「おっーようやく笑ったね~?良い笑顔だよ~。」

 

「でもこれ無理矢理笑わせたんじゃ…?」

 

「でも笑顔は良いことだよ~?」

 

「まぁそうかもしれませんけど…。」

 

「……。」

 

二人がそう談笑してる中でRASNは脇腹を抱えてよろよろと立ち上がった。

 

「RASNさん大丈夫ですか…?」

 

「…、……!」

 

「少しくすぐりすぎちゃったかな~?大丈夫?」

 

「……。」

 

二人の手助けで立ち上がり席に着いた、そして二人も席に着いたのであった。

 

「はーい、お茶だよ~。どうぞ~。」

 

「ありがとうございます!温かいですねー。」

 

「……。」

 

ポンはツキミが出してくれたお茶を啜っているがRASNはまた湯呑みをまじまじと見ていたのであった。

 

「どうしたの~?まだお腹痛いのかな?」

 

「…………。」

 

「むっー…答えないとまたくすぐっちゃうよ~?」

 

「…!?」

 

ツキミはにたにた笑いながらわきわきと指を動かして近寄ろうとした、そしてRASNはそれに一歩退いたがツキミは一向に近寄ろうとはしなかった。

 

「えへへ、冗談だよ~。ゆっくり飲んでねー?それじゃ店番行ってくるね~。」

 

ツキミそう言い残してその場を離れたのであった。

 

「…。」

 

「…。」

 

「……。」

 

「……。」

 

「………。」

 

「…あのRASNさん…。」

 

互いに暫く静かにお茶を飲んでいたがポンが口火を切ったのであった。

 

「…?」

 

「その…ツキミさんと喧嘩したんですか…?」

 

「…!?」

 

ポンの発言に含んだお茶を吹き出しそうになったがRASNはそれを堪えたのであった。

 

「…あわわ?!すみません!大丈夫ですか!?」

 

「…!……?」

 

「えっ?どうしてって…何か今日のRASNさんはツキミさんに少し余所余所しくて…何時もは一緒にお弁当を食べたりとかしてましたよね…?」

 

「…。」

 

「それに他にも色々とありますけど…どうしたんですか?付き合っているんじゃ…?」

 

「…?!……!」

 

「違うんですか?それに付き合っているんじゃないんですかー…。」

 

「…!」

 

「そうでしたか、でもなんかツキミさんもなんというか…前というか前々のツキミさん?に戻ったような…あれ…?」

 

「…?」

 

そうしているとお団子屋の方が騒がしくなってきなのであった。

 

「…どうしたんでしょうか…?もしかして客足が多くなって…?」

 

「…!?」

 

「流石にツキミさん一人では…切り上げて行かないと…!」

 

「…!!」

 

RASNはポンが立ち上がろうとするのを制すると自身が立ち上がったのであった。

 

「RASNさん…?」

 

「…!」

 

そしてにこりと笑うと店先の方にへと足を向けた、店先は長い行列がありツキミが注文を聞きつつお団子を詰めていたのであった。

 

「あっー、RASN君。ちょっとごめんね~少し忙しいからもうちょっと待っててね~。」

 

「…、……!」

 

「おっー?手を貸してくれるのー?ありがたいね~、それじゃ…注文を聞いてくれるかな~私が詰めるよー。」

 

「…!!」

 

「頑張ろーね~?」

 

そうしてRASNが押し寄せてつけくる注文を受け止めツキミに伝え、それを元にツキミが団子を詰めて渡していった。

 

 

 

 

 

暫くしてから休憩から上がってきたポンも接客へと回り行列はどんどんと消化して本日分売り切れまで持ち込んだのであった。

 

「売り切れちゃったね~?二人ともありがとねー。」

 

「…!」

 

「お疲れ様です!」

 

三人はまた店の奥にある机を囲んでお茶を啜っていたのであった。

 

「それにしてもRASN君良い手際だったねー?」

 

「そうですね!たまにでもよろしいですからお手伝いに来てほしいですね!」

 

「…!?」

 

「ん~…でもRASN君は生徒会で副会長さんだから忙しいと思うけどなー?おっとそろそろ準備しないとかな~?」

 

「そうですね!それじゃ準備しておきますね!」

 

そう言うと二人は立ち上がりエプロンを締め直してポンはキッチンの方に向かった。

 

「…?」

 

RASNはどうしたのかと自分も立ち上がりポンに尋ねようとしたが行き先をツキミに阻まれたのであった。

 

「おっとRASN君~、ここから先はお手伝いさんであっても立ち入り禁止で企業秘密なんだよねー。」

 

「…?」

 

「何って?明日の仕込みだよ~、残ってるお昼休みで明日の準備なんだー。」

 

「…!…!!」

 

「応援ありがとね~、それじゃそろそろお引き取りお願いできるかなー?」

 

「…!」

 

そうしてRASNはお団子屋を後にしたのであった。


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