なのでちょっと短いです。
ーーヒロsideーー
僕は今、学校で算数の授業をしている。どっちかといえば理系なので国語よりも得意だ。
「よし、じゃあヒロこの問題を解いてくれ。」
と先生は僕を指名する。この問題はなかなかの発展問題でみんな険しい顔をして悩んでいる。…というか、
そのまま口でいえばいいのに何故わざわざ黒板に書かせるのだろうか。めんどくさがりながら僕は席を立ち黒板に向かう。そして、この問題の解答をかいた。
「よし、正解だ。」
どうやら正解だったらしい。普段は授業などまともに聞かず、外の景色を眺めているのだが何故か出来てしまう。確かお姉ちゃんにも天才?とか言われていた覚えがある。
「相変わらずスゲーなお前…。」
凜空が苦笑いでそう言う。
「どーも。」
「どうやったらそんなに頭が良くなるんだよー。」
「んー、復習したりしたら何とかなるんじゃないかな?それか誰かに教えてもらうとか。」
僕は取り敢えず先生が言いそうなアドバイスを言ってみる。人に教えてもらうのは結構勉強になると思う。僕はお姉ちゃんに教えてもらったことはあるにはあるのだが……あれは無理矢理だった。
ある日、いきなりお姉ちゃんが勉強を教えてあげると言い出した。特にわからない問題は無く断ったのだが、お姉ちゃんが それだとお姉ちゃんとしての活躍どころが… などよく分からないことを呟きながら僕に簡単な問題を無理矢理教えてもらっていた。教えてもらった後、とりあえずお姉ちゃんにありがとうと伝えるととても嬉しそうな顔をしていたのを覚えている。……ちょっと可愛いかった。
「よし、今日はここまでだ!そして次の時間は前にも言っていた″家族への感謝文″を書いてもらうからなー。」
思い出に浸ってると気がつけば授業が終わっていた。…家族への感謝文…か。とりあえずお姉ちゃんに書こうかな。お姉ちゃんには数え切れないほど感謝してる。未だにお風呂を1人で入らしてくれなかったり、父から許可をもらっているのだが、お姉ちゃんに空き部屋が余っているのに何故か部屋を分けさせてくれなかったり、ちょっと女の子と喋っているだけでめっちゃ睨んで誰と何をしていたのかとか問い詰められたりと多少変な部分はあるのだが、何だかんだいいお姉ちゃんだと思う。
「じゃあこれから家族への感謝文を書いてもらう。家族の中から1人、感謝したい人を選んで書いてくれ。」
と先生が語りながら紙を配布する。うん、お姉ちゃんに感謝文を書くことにしよう。
「なぁヒロ!誰に感謝文書くんだ?」
と泰介が尋ねてくる。
「ん?あー、お姉ちゃんだよ。」
「へぇー?お姉ちゃん好きなの?シスコン?」
「いや、お姉ちゃんよりは姉弟好きじゃないから。」
そう、これだけはハッキリと言える。
「お姉ちゃんブラコンなんだー。」
と凜空が答えてくる。
ええ、そりゃもう凄いですよ。
「よーし、じゃあ配られた人から名前書いて書き始めてくれ!」
と先生が言ったので僕はペンを手に持って感謝文を書き始めた。
ーーチノsideーー
夕食を終えたあと、ヒロが渡したい物があるので部屋で待っててと言われ、部屋で待機中です。
なにを渡されるんでしょうか…。私が素直に気になっていると、
「お待たせ、お姉ちゃん。」
と風呂から上がったヒロが部屋に戻ってきた。
「うん、ところで渡したいものって?」
と私が尋ねると何故かヒロは照れくさそうにしている。……ま、まさか!告白ですか!?ラブレターですか!?…い、いやいや弟なんですから…ええ、有り得ませんよ。
「あの、お姉ちゃん。渡したいものってそういう物じゃないからね。」
と私の考えていることを見透かしたようにジト目でヒロがこちらを見てくる。可愛い。
ラブレターじゃないと分かり、少しだけ残念だと思っている私に
「お姉ちゃん。はい、これ。」
とヒロがプリントを渡してきた。
「えっと、それはね。学校で家族への感謝文という物を書いていたんだ。家族の誰か1人に感謝文を書くんだ。それでお姉ちゃんに書くことにした。」
とヒロは照れくさそうに言ってくる。…え?私に、ですか?それだけでも、ちょっと泣きそうなのだがそこは堪えてその感謝文に目を通した。
『お姉ちゃんへ、お姉ちゃんに日頃の感謝の気持ちを書くことにしたのですが、正直なんて書けば良いのか分からなかったので取り敢えず今思っている気持ちを書こうと思います。いつも僕の世話をしてくれたり、困っている時はいつも初めに助けてくれるのはお姉ちゃんなので、とても頼りな姉だと思いました。時には僕にずっとくっついたり、お風呂を未だに一緒に入ったり、未だに一緒に寝たりと14歳にもなって、まだ弟離れしない変わった姉ですが、それでも僕はあなたがお姉ちゃんで嬉しかったです。これからもずっと僕の大好きなお姉ちゃんでいて下さい。 香風翔絽』
「「……」」
ギュッ
「お、お姉ちゃん!?」
もうヒロにはいたずらします。お風呂もずっと一緒に入るし、部屋だって分けてやりません。ヒロがなんて言おうが知りません。もう…知りま…せん。
私は気がつけばヒロを思い切り抱きしめていた。
「お、お姉ちゃん…ちょっと落ち着いてー…。」
ヒロが何か言っていますがそんなの知りません。今は離れたくありません。涙なんて弟に見せられません。
ありがとう、ヒロ。
読んでくれてありがとうございます!
今回はオリ話 姉への感謝という話でしたがどうでしたか?
ちょっと下手だったかも(´・ω・`)