それではどうぞ。
side漣
漣は問いかけの意味を理解していない感じで質問をした為政者に聞き直した。
「何者とはどういうことですか?」
為政者「とぼけても無駄ですよ。あなたは人間じゃないことは分かり切っています。さらにこの証言も得ています。入れ。」
為政者が言葉を発すると、部屋に入ってきたのは梨香だった。
梨香の様子はどこか落ち着きがないような様子である。それもそのはず、ここにはこの都市の神『月読』や為政者として有名な綿月豊姫、さらにはその妹である綿月依姫もいたからである。
為政者「さて聞くがお前はこの漣とルーミアが戦うために移動していたのをついていったんだな。」
梨香「はい。私は依姫様と一緒に漣とルーミアの戦いについていきました。しかし、2人のスピードが速く、ついたときにはルーミアと黄色いものが戦っていました。そして今回の戦争の首謀者オリフィアと戦っていた時、私たちは遠くで見ていたのではっきりと漣だとはわかっていません。ですが力の質を感じたとき、漣の力の質でした。その後、黄色いものはオリフィアに蹴落とされ森に落ちていきましたが、2分ほどでしょうか黄色いものが落ちた場所から長い銀髪で角の生えた女性が現れ、その女性が黒い空間を開きオリフィア引きずり込んで自身も入っていきました。オリフィアは5分ほど出てきてすぐにその女性も黒い空間から現れました。そしてその女性が尾が十本の兎に変化して尻尾で叩きつけようとしたとき、依姫様の張ってくれた結界で何とか持ちこたえましたが、兎が口を上に向けてそのうえで黒い球をためてものすごい大きさになったとき、膨張が止まって逆に収縮し始めたときに月読様がやってきて、依姫様の張られた結界を強化して何とか持ちこたえました。これが今回見たことです。」
為政者「なるほど。わかった。もうさがっていいぞ。」
梨香「はい。」
梨香は部屋から去っていった。
為政者「分かりましたでしょうか。あなたには今回の戦争の首謀者オリフィアと戦うこと。力の質は漣、あなたの質ということ。この二つよりこのものが言っていた黄色いものは漣、あなたということになります。」
(昨日依姫にもかんづかれて聞かれたからな。もう駄目なんだろうな・・・。)
漣はここまでつかれたらもう隠せないと思い、正体を明かすことにした。
「・・・そうですね。その黄色いのは俺です。」
月読はあきれたような顔をしていた。依姫と豊姫は驚いていたが昨日少しだけ話をしていたのでどこか納得したような表情をした。
「確かに俺はルーミアと戦うために場所を変えました。被害が出ないために。そしてルーミアと戦っているときに黄色い姿になりました。」
漣はフッと六道仙人モードになる。
為政者たちは霊力から感じたことのない力を感じて警戒してしまうが、依姫と月読は警戒はしていなかった。
見せるだけなので漣は六道仙人モードを解除して元の姿に戻る。
「そしてこの姿で勝ちました。しかし、オリフィアには勝てませんでした。その後はどうなったのかはわかりません。」
漣は大筒木カグヤの存在は隠すことにした。
為政者「黄色いのがあなたということは分かった。だが今回の質問の核であるあなたは何者だということはまだ答えを聞かされていないぞ。」
「そうですね。俺は人間ではありません。」
人間じゃないという言葉を聞いた瞬間月読以外は戦闘態勢をとる。
「そう警戒しないで下さい。確かに俺は人間じゃないです。しかし、妖怪でもありません。」
為政者「じゃあなんだというのだ!」
我慢の限界で怒鳴るように聞き出してきた。
「俺は『神』です。」
皆は騒然としていた。
月読がそこから引き継いだ。
月読「漣の言った通り漣は『神』よ。それも高位のね。」
為政者「どれくらいの高位なのでしょうか?」
為政者は震えながら聞く。
月読「そうね。私たち三貴神と同じくらいかしら。だって漣、私たちと血縁関係だもの。」
為政者「血縁関係ということは・・・。」
月読「漣は私の叔父。まあ年下なんだけどね。さてそろそろいいかしら。」
皆をざわついたまま今回の会議は解散ということになった。
解散ということになり、月読は会議室から出ていった。
どうでしたか。漣君ついに正体をばらしちゃいましたね。早いような気もするのですが。
だいぶ前に追加タグをした『獣の奏者』と『王獣』はまだ先なのでもうちょっとお待ちください。
それとUAが4000突破しました。スローペースで書いているのにこんなにみてくれるなんてありがたいです。これからもよろしくお願いします。