プロローグをちょっとだけ読んだほうが分かりやすいかもしれません。
これは龍神しか知らないお話・・・
遥か昔、そして漣がいた世界とは別の世界で一人の少年と少女のお話。
side少年
少年は忌み子だった。少年は物心ついたときから牢屋に閉じ込められ左手首に手錠がつけられていた。幸いなことに食料は看守の人間が持ってくるので空腹になることはなかった。
少年の親は自分を生んですぐに死んでしまったらしい。いや正確には少年を生んだと同時に死んでしまった。少年が無意識に生命力を奪ってしまったためである。しかし少年は死んだとだけ聞かされていたので何が原因かわかっていない。
大人たちは少年を化け物のような目で見ている。だがそれももう慣れた。
こんなことがいつまで続くのか。もういっそ死んでしまいたいと思っていた。しかし死ぬ術を少年は知らない。どうしようもなくただただ時間だけが流れていった。
そんな中一人の少女に出会った。少女の服はボロボロで手足に枷がついていた。
少女は少年を見つめていた。ただその目は大人たちが少年を目にするような化け物の目ではなく、ただ興味を持っているような目だった。
少女「あなたは誰?」
少女は問うてきた。しかし、少年は答えるすべを持たない。何故なら、舌も名前もないのだから。
少年は口を広げて少女に舌がないことを見せた。
少女「あなた舌がないの?」
少年はうなずく。
神奈「私は
そう言って神奈は牢と左手首についていた手錠の鎖を破壊した。
そして少年の手を引き、此処から出ていった。
看守1「おいどこだ!いないぞ!」
看守2「知らねえよ!俺が来た時にはもういなかったんだからよ!」
トップの人間「とりあえず探せ!生死は問わん。」
看守たち「「「はっ!」」」
神奈side
神奈は落ちこぼれだった。神でありながら何にもできない。やることはほかの神たちに奪われたいた。
神奈は孤独だった。やることがないことを言いことに神たちからは見下されていた。
そんな孤独感の中神奈は人間のいるところに降り立った。降り立った直後に人間たちに捕まり、牢屋に入れられた。
牢屋に入れられて神奈は神の力を吸収されていった。
孤独だったため誰も助けには来ない。
(こんなところで私は終わるのかな・・・)
しかし、神奈はあきらめるわけにはいかなかった。何故ならここで死ぬわけにはいかないのだ。ここで死んだら本当に他の神たちに見下されてしまうからである。
神奈は残った神の力を使って牢と枷の鎖を壊した。そしてでこの場所から出ようとしたとき、少年に出会った。
「あなたは誰?」
神奈は興味を持って少年が誰なのかを聞く。しかし、少年は答えようとはしない。それどころか少年は口を開けた。
口を開けると舌がなかった。
少女「あなた舌がないの?」
少年はうなずく。神奈はなぜかこの少年をほっとけなかった。
(この子を一緒に連れて行こう。)
「私は
そう言って神奈は牢と左手首についていた手錠の鎖を破壊した。
そして少年の手を引き、此処から出ていった。
少年side
少年と神奈は牢から出て草原に来ていた。
神奈「あなた名前がないのよね?」
少年はうなずく。
神奈「じゃあ私がつけてあげる。あなたから龍の力を感じる人だから
少年は喜んだ。
神奈「気に入ってくれてよかった。」
二人は自由に暮らしていた。
そして半月ほど過ぎたとき、それは起こった。
その日も龍人と神奈は楽しく過ごしていた。
しかし、夕日のころになると見知らぬ大人たちがやってきた。いや見知らぬといったら語弊がある。そこには牢に入れられていた時の看守の人間もいた。
神奈はすぐに捕まった。まだ神力が回復してないため抵抗できず捕まった。
龍人は神奈を助けようとしたが捕まえた大人たちが銃で撃ってそれが命中してしい、倒れてしまった。
大人1「おい撃っちまったんだけど大丈夫だよな?」
大人2「まあ大丈夫だろ。ボスは生死は問わないといっていたからな。」
龍人は倒れる瞬間、手を伸ばし、大人たちには見えないように神奈に何かを飛ばした。
神奈side
龍人が撃たれた時、神奈は呆然としていた。しかし、龍人が何かを飛ばしそれが神奈の前に来た瞬間、まるで神奈以外のものは止まったようになった。
龍人「神奈、今まで一緒にいてくれてありがとう。」
「龍人っ!しゃべれるの!?」
龍人「力を使って喋れるようにしたんだ。」
龍人の姿が足から徐々に消えていく。
「龍人!あなた!」
龍人「もう自分の命も終わりが近いからね。僕はもう死ぬからお礼に僕の力をあげる。本当に今までありがとう。僕は幸せだったよ。」
龍人は消えていった。その瞬間神奈の中に何かが入り込んだ。
入り込んだ瞬間神奈の頭に角が生え、青だった翼が白銀に輝き始めた。
龍人の龍の力が神奈の神の力になじんだのだ。
神奈は大人たちの拘束を振りほどき、龍人を殺された悲しみで涙しながら龍人を殺した人間たちを真っ先に消した。
神奈の消すは殺すとは違い、文字通りの消すである。
その後、この場にいた人間たちも消した。
「こんな世界消そう。」
そういう神奈の周りに白い殻ができ、それがはじけ飛んだ瞬間、
ありとあらゆるものが消し飛んだ。
神も人も星もすべてが消し飛んだ。
神奈は消した世界を作り直すため龍神として生き、世界を作った。しかし、そこに龍人を作ることはできなかった。
~それから数億年後~
ある一人の少年が事故にあって死にかけているところを神奈は見ていた。
神奈は見ているだけではなく、泣いていた。
(やっと見つけた。)
姿かたちは違っても魂は龍人と同じ魂の少年だった。
神奈は涙を拭い、
「ふむ。いい人がいましたね。」
そうして少年を転生させた。
どうでしたか?なんか久しぶりに2000文字を超えて書きました。
実はこれ「六兆年と一夜物語」という曲をもとに作ったのです。
通学の時に思いついてテストが終わったので書いてみました。