蒼紅天使のマスカレード   作:GT(EW版)

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西の大陸へ・船上での再会

《現在のスキルポイント 1250P

 

 習得スキルリスト

 

 【テイム(100SP)】 使い魔を従える能力

 

 【初級回復魔法(300SP)】 回復魔法「ヒール」を習得する

 

 【救済者(300SP)】 対アンデッド系ダメージ増加・光属性強化

 

 【聖者(300SP)】 対アンデッド系被ダメージ軽減・光属性強化

 

 【薬剤調合(50SP)】 調合成功率増加 

 

 【動物の撫で方(ムツゴローアーム)(300SP)】 動物の撫で方が上手くなる

 

 【緩和領域(ポワポワフィールド)(500SP)】 穏やかな雰囲気で場を支配し他人が気を許しやすくなる

 

 【神巫女のお告げ(1000SP)】 創造神ルディアの神巫女ロナ・ルディアスからお告げを貰える》

 

 

 

 

 フィアは自らのウインドウ画面を開き、自身が習得できる新しいスキルの一覧と睨みあっていた。

 フィアとしては、リージアと意思疎通をする為の「異種対話」のスキルを習得して以来になるだろうか。

 今回フィフスによって一度に1000Pものスキルポイントを取得したフィアは、この機会に新しいスキルを身につけようと考えたのだ。

 そんなフィアのスキルリストを共に眺めながら、ペンちゃんが感想を口漏らした。

 

「うわ、回復魔法で300も掛かるのか……僧侶とかなら30もあれば習得できるのに、無職だと軒並みポイントが高いな」

「……そう?」

「ああ、同じスキルでも、クラスによって必要なポイントが変わっていくんだ。剣士なら剣技系のポイントが低く済んで、魔法使いなら魔法系が低く済む。まあ、得意分野によって習得が簡単になったり難しくなったりするわけだ」

「そうなんだ……ペンちゃんは物知り」

 

 スキルの習得については必要なスキルポイントの相場も知らないフィアだが、ペンちゃんが言うにはどのクラスにも就いていない今のフィアではスキル習得の面でも通常よりやや不利になっているようだ。

 本来何らかのクラスに就いていたのであれば、1000P以上のスキルポイントを持っているのなら、一つや二つ程度ではなく大量のスキルを習得することも容易だったのだ。

 それを証明するように、後方でフィアと同じく自らのスキルリストを眺めながらも、フィアとは対照的に高らかな笑い声を上げている魔法使い令嬢の姿があった。

 

「オーッホッホ! 素晴らしいですわ! これだけのSPがあれば取りたい放題です! 全部火力アップに注ぎ込みますわ!」

 

 レイカが楽しそうで何よりである。彼女の姿に対して心からそう思うフィアと、微妙なものを見る目で見つめるペンちゃん。

 そんな彼女のことはさておいて、ペンちゃんはフィアに対してスキルについての解説を行ってくれた。

 

「……と、まあ、これだけのスキルポイントがあればあんな感じに舞い上がるもんだ。レベルの概念がないこのゲームで重要になっていくのは、基本的にはスキル構成だからな」

「ペンちゃんは、何か取った?」

「私か? 私はこの着ぐるみ……ゴホンッ、つくった人形に表情をつけられるスキルを習得したぞ!」

「すごい……ペンちゃんの表情、わかりやすくなっている」

 

 この「HKO」において、スキルは細かなものから王道的なものまで、様々な分野からプレイヤーに恩恵を与えてくれる。

 これも新たなスキルを習得したことによって、より動物的な見た目に変わったコウテイペンギンの姿を見てフィアはその万能性に感動する。

 ペンちゃんが何を目指しているのかはともかくとして、スキルという存在が「HKO」での冒険に彩りを与えるのは確定的に明らかである。

 それ故に経験の浅い内に大量のスキルポイントを手に入れたフィアとしては、どれから手を付けていくべきか迷ってしまう贅沢な悩みを抱えていた。

 

「フィアは何を取るんだ?」

「……悩む」

 

 ペンちゃんから訊ねられ、フィアが正直に答える。

 フィアのスキルリストに載っているスキルは汎用性の高そうなものから使いどころが難しそうなもの、どういうスキルなのか一文だけではわからないものまでバラエティー豊かに並んでいる。

 そのリストを共に眺めながら、ペンちゃんが親切心からフィアの考えにくちばしを挟んだ。

 

「うーん、一つ助言させてもらうと、この一見ネタっぽいけど地味に効果が強そうな「緩和領域(ポワポワフィールド)」ってのは要らないな」

「どうして?」

「フィアといると元からポワポワするし、コミュ力だって高いだろう? 最初から備わっている標準装備を、わざわざスキルで取る必要はないってことさ」

「フィアはコミュニケーション能力……高い?」

「言葉はちょっと足りなくても、伝えたいことはわかるからな。何よりフィアからは、一生懸命伝えようとしているなって思いが伝わってくるし。会話ってのはそういうのが一番大事だろう? ……反対に、気持ちを伝える気のない誰かさんみたいなのは一番駄目だ」

 

 まあ、男からすれば美少女なのかそうでないかってのが一番でかいような気もするが……溜め息を吐くようにそう言いながら、ペンちゃんは和らげた表情で助言を入れる。

 その上で彼女は、フィアのスキルリストの中で気になっているものを挙げた。

 

「そうだな……フィアの取れるスキルの中だと、汎用性が高くて強そうに見えるのはこの「聖者」とか「救済者」とかいう奴かな。それと、私には「神巫女のお告げ」って奴が気になるな。こんなスキル、初めて見た」

「ロナ様に、解放してもらった」

 

 やはりと言うべきか、彼女の目に留まったのは「神巫女のお告げ」という、リストの中で最も必要なスキルポイントが高いスキルの存在だった。

 そのスキルは、フィアがこのゲームを作った者――皇ソロに会いたいと思うきっかけとなった、ロナ・ルディアスとの出会いによって与えられたものだった。

 

『冒険者風に言えば、れあすきる?のようなものですね。それを今、貴方に習得できるようにしてあげました。必要な分の祝福を得るまではもう少し頑張らなければなりませんが、そのスキルはきっと、貴方の旅に役立つことでしょう』

 

 そう言っていた、彼女との会話を思い出す。

 よもやこんなにも早く習得のチャンスが巡ってくるとは思わなかったが、他でもないフィア自身が、そのスキルに対して興味を抱いていることもまた確かだった。

 

「決めた」

 

 故にそう言って、フィアはスキルリストから「神巫女のお告げ」の欄を選び、再度確認ボタンをタッチする。

 瞬間、フィアの身体が淡く輝き、ファンファーレの音色と共に「【神巫女のお告げ Lv1】を習得しました」というテキストがウインドウ画面に浮かび上がって来た。

 

「おお、迷いがないな。一気に1000ポイント使うとは」

「フィアも、一番気になっていたから」

 

 躊躇いなくボタンを押したフィアの決断に、ペンちゃんが感心の声を漏らす。

 確かにこのスキルを習得したことで現在持っているスキルポイントは250Pまで減ってしまったわけだが、フィアの心に後悔はなかった。

 残ったポイントは後の機会まで蓄えておくことにし、フィアはウインドウ画面を閉じて目蓋を下ろす。

 

「……使ってみる」

 

 そして、フィアは今習得したスキルを早速使用してみることにする。

 スキルの使い方は、習得したと同時に自然と頭の中に入っていた。この辺りのことは「モデル」となった異世界フォストルディアと比べれば格段に親切な設定がされているようであり、何気ない開発者の技術にフィアは驚いていた。

 

 お告げをください――フィアがそう念じることによって、このスキルは発動された。

 

 

『聞こえますか? 勇者フィアよ』

 

 

 フィアの脳内に、直接声が響く。

 聴く者を安心させるような、穏やかで優しい女性の声。

 それはこのゲームで出会ったロナ・ルディアスの声であり――あの世界でユウシ達が守れなかった大切な人、神巫女ロラ・ルディアスの声だった。

 

「……フィアは、勇者違う」

『冗談です。一度言ってみたかっただけですよ』

 

 フィアが彼女の声を再び聴けた感慨に浸りながらも冷静に返すと、くすりと笑むような声で彼女が言う。

 

『私とリンクできたということは、あのスキルを習得したのですね。もう習得するとは、流石に予想外でしたが……フィア様は頑張り屋さんなんですね』

 

 脳内に響く彼女の声には、驚きと喜びの両方が込められているように思えた。

 その声で、彼女は自らが授けた「神巫女のお告げ」というスキルの効果を簡潔に説明する。

 

『スキルの効果ですが、この通り貴方が必要と思った時、いつどこにいても私とお話することができます』

「そうなんだ……フィアは、貴方と話せて嬉しい」

『私もです。ただし、使っている間は魔力を消費するので長時間の使用には気をつけてくださいね』

 

 話によると、要はロナ・ルディアス相手にのみ扱える、機器の要らない交信能力のような効果だった。

 それは1000Pという莫大な習得ポイントの割には些か地味な効果であったが、フィアがそれを「ハズレ」だと思うことはなかった。

 それどころかフィアは、このスキルを習得して良かったと――自らの判断が正しかったという裏付けを得た気分だった。

 

 ロラ――ではなく、この世界ではロナというキャラクターだが、フィアの中では彼女とまた話せることが嬉しくてたまらない自分がいた。

 

 そんなフィアの気持ちを察しているのかはわからないが、脳内に響くロナの声は早速フィアに対し、「お告げ」の言葉を与えた。

 

『フィア様、後ろを向いてください』

「後ろ……?」

 

 言われた通り、フィアは後ろへ向かって振り返る。

 その瞬間、数センチもない密着した距離――フィアの視界一杯に、少女の顔が広がった。

 

「わっ!」

「ッ!?」

 

 その姿が映ると同時に大声を上げた彼女に、驚いたフィアがびくりと肩を震わせリージアが跳び上がる。

 そんなフィア達の反応を見て、少女はいたずらが成功した子供のようにくすくすと笑う。

 

「ていっ」

「おわっ!?」

「ふふふ……心地よい手触りですね……あっすみません、モフモフしてそうだったのでつい抱き締めちゃいました」

「……いや、構わんが。パワフルな子だなあんた」

 

 少女はフィアの隣にいたペンちゃんの身体を見た目に反した豪快な動きで抱きつくと、コウテイペンギンの頭部へ頬ずりしながら朗らかに笑む。

 輝くような黄金の髪に、紅の鳥の紋章が刻まれた髪飾りを付けた少女の姿は、今まさにフィアの脳内で会話していた少女のものだった。

 驚きの思いを胸に、フィアが彼女の名前を呼ぶ。

 

「……っ、ロ、ロナ様?」

「奇遇ですね、フィア様。こんなところでまたお会いできるなんて」

「びっくり……」

 

 本当に、驚いたものである。

 現実世界であれば、心臓がバクバクと鼓動を早めていたことだろう。それほどまでに、彼女の登場は思いがけないことだった。

 

 

 それも、洋上で――西の大陸「フィクス大陸」へ向かっている最中である客船の上で神巫女ロナ・ルディアスと再会するのは、予想だにしない出来事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フィフスからの試練としてレイカがフィクス大陸の調査クエストを受注した後、フィア達が向かったのは始まりの町であるハーメラスだった。

 一度行った場所には「転送屋」を通して簡単に移動することができる為、フィア達はそれを利用してかの町に戻ったのだ。

 

 始まりの町は東の大陸「ルアリス大陸」における港町の一つであり、この時は丁度目的地である西のフィクス大陸に向けて出発する船があったのだ。

 

 その船を利用することで一気にフィクス大陸へ渡ることが、クエストの受注者であるレイカが下した判断だった。

 

 

 ゲームの中とは言え、船に乗っての旅は現世の人生では初めてになる。

 現実世界と同じく広大な海を間近に見てみたかったこともあり、フィアとレイカ、ペンちゃんの二人と一羽は甲板上のスペースへと上がり、そこでこれまでのやり取りを行っていた次第である。

 へリアルもまた同じ船に乗り込んでいるのだが、彼女だけは「船の中に用事がある」と言い残し、この場にはいなかった。

 

 

 現実と同じ香りのする潮風を心地よく受けながら、輝くような金髪を靡かせたロナが再会の挨拶をした後、少し気まずそうな顔で口を開く。

 

「せっかくのスキルも、本人が近くにいたのでは意味がありませんね。空気を読めなくて申し訳ありません」

「……ううん。そんなこと、ない」

 

 ロナ・ルディアスからお告げを貰う為のスキルを習得した手前で、当のロナ・ルディアス本人が同じ場所に居合わせていたのだ。

 何とも奇妙な偶然であり、絶妙なタイミングである。そういう意味では確かに今は「神巫女のお告げ」というスキルの習得が無駄になっている状況かもしれないが、フィアはそんな彼女の言葉に対し首を横にした。

 

「フィアは、また会えて嬉しい、です……ロナ様とは、もう会えないと思っていたから」

「あら?」

 

 神巫女ロラ・ルディアスと同じ姿をした彼女を今一度目にして、フィアはユウシとして背負っていた自らの業を思い起こし、泣き出しそうな顔で彼女にありのままの思いを伝える。

 彼女がロナ・ルディアスという別人であっても、真実を知った後で再会できたことが嬉しかったのだ。

 そういった意味も含めて、フィアはこのゲームの真実を知ることができて本当に良かったと思っていた。

 言われたロナは、ペンちゃんの身体をぬいぐるみのように抱き抱えながら、白い指で自らの頬を掻くと、澄んだ瞳でフィアの顔を見据え、真面目な声で言い放った。

 

「ねえマキリス、ちょっとフィア様をお持ち帰りしてもよろしいでしょうか? エンシェントウミガラスに似たこの子も、一緒に連れて帰りたいのですが」

「……何を言っているのです、姫。それと、フードを被り直してください。公共の場なのですから」

「そうでしたね。フィア様がいたことが嬉しくてつい……それと、この手触りがたまりません」

「おおう、いい撫で方だぁ……」

 

 彼女の声に呆れながら返したのは、いつの間にか騎士然とした佇まいで後方待機していた紫色の髪の青年――マキリスであった。

 彼女の付き人をしているらしい彼もまた、奇しくもこの船に居合わせていたようだ。

 

「マキリスも、一緒?」

「ええ、私は姫様の護衛なので。しかしどうやら私と君には、奇妙な縁があるようだね」

 

 マキリスもまたこの船での再会に驚きながらも、再会したこと自体は素直に喜ぶように笑みを浮かべる。

 一度に二人もの人物が介入してきた場に、さらに割り込んできたのはスキルの習得を終えたフィアの親友だった。

 

「よろしい! これで超フルパワーレイカが完成ですわ! って、誰かいますね。何者ですか?」

 

 自身のスキル構成について真剣に考え込んでいたらしいレイカは、没頭のあまり二人の存在に今初めて気づいた様子である。

 新しいスキルを身につけたことでほくほく顔で合流してきた彼女に対して、フィアは未だペンちゃんの身をふもふもと抱き抱えているロナと、彼女の後ろに立つマキリスのことを紹介しようとする。

 しかし、それには及ばないと言うばかりに、一歩前に出てきたマキリスと続いてロナが自らの名を名乗った。

 

「マキリスと言います、お嬢さん」

「……ハーベストと申します」

「どうも、レイカです。あら? その、明らかに正体を隠しているような姿は……」

 

 マキリスはフィアにした時と同じように名乗ったが、ロナが名乗った名前はロナでもルディアスでもない名前だった。

 ハーベスト――そう名乗った彼女を見て、首を傾げながらフィアが呟く。

 

「ハーベストは、ロナ様の本名……?」

「む……知っているのか。その名を知る者はほとんどいないと思っていたのだが……真実の名をあえて偽名として使うのも難しかったか」

 

 彼女の元となった人物である「ロラ・ルディアス」は、本名を「ロラ・ハーベスト」といった。その知識を思い出し、フィアはマキリスから確認を取る。

 それは前世、ユウシがソロから聞いた話である。ルディアスという名は彼女の本名ではなく、神巫女に与えられる称号だったのだ。

 しかし公的に広まっていたのはルディアスの名であり――今の彼女の名乗りには、本名を名乗るという意味ではなく、寧ろ偽名的な意味合いが込められていたようにフィアは感じた。

 

 それは、青いフードを深々く被り直した姿を見るに、このゲームにおいても彼女は特別な立場にあるのであることが察せられる。

 

 中途半端なくせして、無駄に凝った原作再現だと――フィアの心の中にいるユウシが、開発者に対して悪態をついているように感じた。

 

 そんなフィアの心情を他所に、ロナの瞳をまじまじと見つめていたレイカがポンッと手を叩くと、早々に彼女の正体を看破してみせた。

 

「思い出しました! ロナ・ルディアスです! PVに出ていたメインヒロインですわ……」

「何故そこで小声になる」

 

 そうしてレイカが即座に看破できたのにも、理由がある。

 界隈の情報に詳しくないフィアは知らなかったことだが、ロナの姿――メタ的に言えばキャラクターデザインになるが、彼女の姿はこのゲームが開始される以前から情報として表に出ていたのだ。

 

 運営側の扱いとしては、彼女は専らこの「HKO」における「メインヒロイン」である。

 

 ゲーム内ではタイトルの名を冠するヘブンズナイツと同様か、それ以上に押し出されていたNPCだった。

 そういった扱い一つをとっても、彼女が――彼女の元となった人物が、開発者にとって特別な存在であったことが窺えてしまう。

 

 メタ的な情報から一発で彼女の正体を看破してみせた麗花に、ロナ・ルディアスはしーっと人差し指を立てながら小声で忠告した。

 

「すみませんね。一応お忍びなので、その名前は伏せてください」

「なんと!?」

「何故そこで嬉しそうな顔をする……」

 

 ローブで素顔を隠していたことから窺えるように、彼女はこの世界において、大々的に姿を露出させることが出来ない立場にいることが察せられる。

 しかしその事実をロナの口から語られると、レイカが何故か嬉しそうな顔で声を上げた。

 ロナに抱き抱えられたペンちゃんに耳打ちするように、彼女はその理由を語る。

 

「だってお忍びのお姫様とか、明らかに意味ありげなイベントではありませんか」

「あー、確かにな。古来から続く由緒正しいイベントだろう」

「ええ、これは何か起こりますよ……寄り道をしてでも、この方とは関わっていくべきです」

 

 そのようなしょうもない耳打ちをフィアの前で行った後、顔を上げたレイカが優雅に背筋を伸ばし、ロナに問い掛ける。

 

「ええっと……ハーベストさん方は、どうしてここに?」

 

 それは、フィアも知りたかったことだった。

 自分達と同じように、先ほどまで東の大陸を旅していた彼女らが、何を目的に西へ行こうとしているのか。

 その問いに対しては隠すようなことでもないと言うように、二人は答えた。

 

「私達もフィクス大陸に用があってね」

「ええ、人と会う用事があるのです」

 

 レイカの試練の為、フィフスからのクエストの為に始まったフィクス大陸への旅立ちは――初っ端から思わぬ道連れを得る形となった。

 




今回の章では、メインパーティは四人ですがこれまで以上にキャラの数が増えると思います。

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