コスモスとパラドクスの戦闘が、そろそろ二十分を経とうとしていた。
パラドクスはAボタンを押し、武器を斧に変えた。さらに、エナジーアイテム・高速化を出現させる。
彼はそれを自分に使おうとした。ところが、エナジーアイテムは何故かコスモスの能力を上げた。
「俺は対パラドクス用の人員。パズルは通用しない」
コスモスが自慢気に話す。パラドクスはエナジーアイテム・縮小化を虚空より取り出した。それに触れようとする。
先程同様、コスモスは効果を横取った。その結果コスモスの身長は極端に縮む。
「一定の範囲内で使われたエナジーアイテムの効果をすべて得られるチート……ってところか」
パラドクスはギアデュアルを、ガシャコンパラブレイガンのスロットに挿し込んだ。
キメワザ! パーフェクト! クリティカルフィニッシュ!
パラドクスが引き金を引いた。そのとき、彼の背中に光線が当たる。彼がよろけたことにより、弾道は大きく逸れた。
「だらしないぞ、コスモス」
パラドクスが振り返る。そこにいたのはゾフィー。彼は絶えず隠れていて、攻撃の機会をうかがっていたのだ。
ゾフィーが巨大化のエナジーアイテムに触れる。コスモスは能力のお陰で、元の身長を取り戻すことができた。
パラドクスを中心として見たとき、コスモスは右、ゾフィーは左に位置している。その二人が同時に、パラドクスに向かって走り出した。
勝ちを確信するゾフィーとコスモス。一方でパラドクスも、余裕を崩してはいなかった。
「とっておきを見せてやるぜ」
パラドクスはマイティブラザーズXXを、ガシャコンパラブレイガンに挿し込む。
武器を変形させると、彼はパズルゲーマーとファイターゲーマーに分裂した。
パズルゲーマーはコスモスの、ファイターゲーマーはゾフィーの相手を行う。
パズルをする暇はないため、青いパラドクスは足止めに専念。まずはゾフィーから仕留める作戦だ。
ゾフィーは左腕を横に曲げ、右腕を正面に突き出した。そこから放たれたのはM87光線。ウルトラマンでも随一の威力を誇る技だ。
赤いパラドクスはそれの下を掻い潜りながら、距離を狭める。
両者の拳が激突した。次いで、二人は乱打を繰り出す。しかし拳と拳がぶつかるばかりで、次に繋げることは出来ない。
「だぁぁぁ!」
ゾフィーのハイキック。顎に当たったファイターゲーマーは、吹き飛ばされた。
「これで終わりだ。くらえ! M87光線!」
キメッワザ! ノックアウト! クリティカルスマッシュ!
コスモスがパズルゲーマーに蹴り飛ばされる。彼が飛んだ先には、ゾフィーの光線が待ち受けていた。
既に放たれた光線をキャンセルさせることは、使用者であっても出来ない。
光線はコスモスを貫いた。コスモスのガシャットは壊される。
「しまった……」
「次はお前だ」
その隙に、ファイターゲーマーは接近した。ゾフィーを連続で、左右に殴りまくる。
グロッキーのゾフィー。赤いパラドクスは、それを拳で突き上げる。
キメッワザ! パーフェクト! クリティカルコンボ!
「「敗者らしいエンディングを迎えろ」」
重力により落ちてくるゾフィー。パズルゲーマーは右足を高く上げたキック、ファイターゲーマーはアッパーパンチを放つ。ゾフィーはそれらの必殺技を受けた。
彼は再び打ち上げられ、重力によって落ちる。その衝撃でガシャットは破壊された。
パラドクスはその事を確かめると、一人のパーフェクトノックアウトゲーマーに戻った。
──────────
「こんなのどうやって倒すんだよ……」
一方、レーザーとゲンムはタロウに苦戦を強いられていた。
マキシマムゲーマーやレガシーゲーマーとの戦闘を通じて、タロウはさらなる強さを手に入れていたのだ。
二人のあらゆる攻撃は効かず、もはや勝機はないと思われていた。そのとき
「……神の才能が必要になったか」
そう呟くと、黎斗神は空のガシャットを出した。色が黒くなってはいるが、外側はマキシマムマイティXに似ている。
「永夢に出来て、私に出来ないものなどない!」
彼が叫び出す。途端に、新たなガシャットが生み出された。
タイトルには"ゴッドマキシマムマイティX"の文字が写し出されている。
「グレードビリオン、変身!」
ゴッドマキシマムマイティエックス!
ガシャット! ガッチャーン! フーメーツ! サイジョウキュウノカミノサイノウ クロトダーン! クロトダーン! サイジョウキュウノカミノサイノウ クロトダーン! クロトダーン!
ゴッドマキシマム エックス!
仮面ライダーゲンム ゴッドマキシマムゲーマーレベルビリオン。
シルエットはエグゼイドマキシマムゲーマーと同じだが、細部の色が異なる。暗闇の中なので、詳しい姿はわからない。
「で……でかい……」
ゲーマドライバーのレバーが閉められる。
ゲットオン キメワザ!
ガッチャーン! ゴッドマキシマム! クリティカルブレッシング!
巨体が飛び上がる。ゲンムは空中で一回転すると、キックの体勢に移行した。
「ストリウム光線!」
タロウの身体が虹色に一瞬輝く。彼は腕をT字に組む。ゲンムを撃ち落とすために、構えた腕から光線を放った。
「神の恵みを受けとれぇ!」
光線をものともせずに進むゲンム。彼の足が、タロウの胸にぶつかる。
タロウは勢いよく倒れた。そのまま、彼は後頭部を地面に強く叩きつけられて気絶する。ガシャットも壊された。
「神……どうしてこんなものを隠していたんだ」
「はぁ……はぁ……未知のガシャットは危険すぎるか……」
黎斗神が元の姿に戻る。ドライバーの中の黒いガシャットは粉々に破壊されていた。
「自分でも予想外だったということか」
レーザーは黎斗神を肩に担ぐと、落ちた穴から飛び立った。
ギンガ× マックス× ヒカリ× コスモス×
タロウ× ゾフィー× ???○ ??○
今回出てきたゴッドマキシマムマイティXはVシネのネタですが、細かい設定はオリジナルです。ご注意ください