パンチ力 25t
キック力 32t
ジャンプ力 80m
走力 1.2秒
技 オーブランサーシュート
ビッグバンスラスト
トライデントスラッシュ
武装 ガシャコンランス
仮面ライダーオーブ サンダーブレスター
パンチ力 60t
キック力 75t
ジャンプ力 45m
走力 8秒
技 ゼットシウム光線
ゼットシウム光輪
サンダークロスガード
睨み合うオーブとガイ。オーブが槍で突き刺そうとする。ガイはオーブリングでそれを受け止めた。
「これ以上好き勝手にはさせない!」
ガイは受け止めたまま、カードを読み込ませる。出現したオーブカリバーを天高く掲げた。ガイの身体が光に包まれ始める。
カクセイセヨ オーブオリジン!
「変身するのか?」
「新しい……仮面ライダー?」
スナイプとエグゼイドは、状況の整理がついていない。それも無理はない。なぜなら、元々ガイはこの世界の者ではないからだ。
「俺の名はオーブ。ウルトラマンオーブ! 銀河の光が我を呼ぶ!」
ガイの姿がオーブオリジンに変わる。とはいえ、普通の大きさになれば、人間大の敵と戦うことは難しい。
そのため、彼はすぐに背を縮めさせた。
「まだ条件が同じになっただけのこと!」
偽のオーブはまだ余裕の態度を崩さない。ガシャットをガシャコンランスを挿し込む。
キメワザ! ゼロ! クリティカルフィニッシュ!
「トライデントスラッシュ!」
偽オーブが素早く槍を振り回す。本物はそれらをすべて、紙一重で避けた。
自分がこれまで使ってきた武器と酷似するため、動きや使い方を読むことができるのだ。
「流石に強いや……こうなったら」
正面からでは敵わないと、偽オーブは悟った。彼はまるで蜃気楼のように姿を消す。
もちろん、実際に消えたわけではない。瞬間移動を使っているだけだ。
偽者はオーブの真上に移動していた。槍の切っ先を下に向けて急降下を始める。
「そこだ! オーブウィンドカリバー!」
ところが、偽オーブの奇襲は簡単に失敗した。
オーブはオーブカリバーのダイヤルを回す。属性を選択すると、グリップ付近のトリガーを引いた。
カリバーから放たれた緑色の竜巻。それを浴びた偽オーブは、地面に墜落する。
「うぐ……やるね! いいよ、本気を見せるよ」
まだ全力ではなかった。その事実はエグゼイド、スナイプ、明日那、黎斗を大いに驚かせる。
偽オーブはドライバーから、今までのガシャットを抜いた。そして代わりに、新たな2本のガシャットを入れる。
ウルトラマンベリアル! ゾフィー! ガシャット! レベルアップ!
白と黒の閃光が偽オーブから発せられた。光は一度膨張し、再び彼の体内に戻っていく。
そこには、新たな姿をした偽オーブが立っていた。
光と闇の力を秘める黒き姿・サンダーブレスター。彼は力一杯に、オーブを殴りかかる。
オーブもオーブカリバーを振り下ろした。カリバーはなんとか敵の拳を弾くが、威力は偽者の方が上だ。
「このままじゃオーブが負ける!」
キメワザ! シャカリキ! クリティカルストライク!
「ふん……」
キメワザ! ドラゴナイト! クリティカルストライク!
オーブの苦戦を知るとすぐに、二人はガシャットを左腰に挿した。キメワザのチャージに取りかかる。
エネルギーの詰まったタイヤを、エグゼイドが投げつける。
スナイプは飛び上がり、上空から一斉砲火を浴びせた。
二人の攻撃が偽オーブに襲いかかる。ところが、偽オーブが生成した光のバリアーによって、呆気なく防がれてしまった。
「オーブフレイムカリバー!」
オーブも続けて必殺技を放つ。カリバーの刃に、赤く輝く球状のエネルギーを生み出した。彼はそれを敵に繰り出す。
キメワザ! ベリアル! クリティカルストライク!
「ゼットシウム光線!」
偽者は腕を十字に組む。光と闇の力が込められた光線が放たれた。
二人の技がぶつかる。当初、技の威力は互角に近かった。
ゼットシウム光線は徐々に威力を増していく。オーブは、次第に追い詰められてしまう。
「どうやって攻略すれば……」
自分達の持てる力をすべて出しきっても敵わない。
エグゼイドはその事を痛感させられてしまった。そんな彼に、スナイプが再び発破をかける。
「なに弱気になってやがる。俺達は遊びでやってんじゃねぇんだよ。一つしかねえ命、賭けて戦ってんだ!」
「あぁ! やってやろうじゃねぇか!」
エグゼイドが闘志を取り戻す。彼はマイティブラザーズXXを取り出した。ドライバーにそれを挿し込み、レバーを操作する。
マイティブラザーズダブルエックス!
ガシャット! ダブルアップ! オレガオマエデオマエガオレデマイティマイティブラザーズダブルエックス!
パワーアップしたエグゼイド。
二人はガシャコンキースラッシャーと、ガシャコンブレイカーを召喚した。それを手に、偽オーブに立ち向かっていく。
偽オーブは電柱を引き抜くと、それを振り回した。命中したエグゼイドがぶっ飛ばされる。
「オーブグランドカリバー!」
オーブは剣を地面に突き刺す。円を描くように、光線が偽オーブに接近した。
地面は危険。偽オーブはそう考えた。電柱を捨て、空へ飛び立つ。
彼はこのまま逃げ延びるつもりだ。
それを防いだのはスナイプだった。彼はドラゴンガンを発砲する。エネルギー弾が当たり、偽オーブが落ちていく。
「オーブスプリームカリバー!」
重力に引っ張られて落ちていく偽オーブ。本物のオーブは、彼にカリバーの切っ先を向けた。放たれた光線は、偽オーブに綺麗に命中する。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
激しい爆発と共に彼は落下した。力なく横たわり、ダメージに苦しむ。
しかし、気力を振り絞って立ち上がった。それほどまでに彼は、ガシャットの欲望に枯渇しているのだろう。
「「今度こそ決める!」」
キメワザ! マイティ! ダブルクリティカルストライク!
二人はまず、飛び蹴りを放つ。彼らは空中で回りながら、敵に何度も足をぶつけていった。
疲労した偽オーブにはもう、為す術が無い。
エグゼイドはLVXに戻った。偽オーブを両手で突き上げる。
いつのまにか、エグゼイドは偽オーブよりも更に高い地点にいた。そこから放たれるライダーダブルキック。
偽オーブは地面に強く叩きつけられた。
少年は変身がとけて、横たわる。
「先輩方のカードを返すんだ」
ガイは怒った形相で詰めかける。少年が恐れをなした。彼は計八枚のカードをガイに渡した。
目的を果たしたガイは、すぐさま少年から離れる。
「さあ私のも返してもらおうか!」
続いて黎斗も、ガシャットの返還を要求した。しかし先程とはうって変わり、少年は震えながら首を横に振る。
少年はうずくまった。黎斗は足を高く振り上げ、勢いよく彼の背中にそれを落とした。かかと落としを受け、少年は嘔吐きそうになる。
周りの制止の声など、黎斗はもちろん聞かない。止めようとする明日那を、彼は軽く受け流す。
永夢と大我も動こうとするが、戦いの影響か身体が言うこということを聞かない。
黎斗は四本のガシャットと、八本の不正なそれらを無理矢理奪った。
バグルアップ! デンジャラスゾンビ!
黎斗は仮面ライダーゲンムレベルXに変身した。ドライバーの二つのボタンを押す。
「闇へ追放してやる」
クリティカルデッド!
「やめろゲンム!」
「黎斗さん……まさか!」
少年の身に危険が迫っていることは、火を見るよりも明らかだった。二人はガシャットを起動する。地を這いつくばって、ゲンムに近づこうとした。
マイティーアクションエックス! バンバンシューティング!
「これは私自身の問題だ。口を挟むな」
ゲンムを中心に、黒い塊が大量に出現した。それらはだんだんと少年に近づいていく。
少年を助けるため、エグゼイドとスナイプが走り寄る。
「あっ……あああ……ああああああ!!!」
しかし二人は間に合わなかった。少年の身体に多数の塊が触れた瞬間、それらは爆発を起こす。
爆風が晴れたとき、既に黎斗の姿はなかった。
「何なんだ……あいつは……」
事情を知らないガイは、目の前で起きたことを理解できずに呆然としていた
そんな彼に永夢が話しかける。
「協力ありがとうございました! ところであなたはなんですか?」
「俺はクレナイガイ。各地をさすらう風来坊だ。さっきの少年に盗まれたものを取り戻すため、この世界に来た」
「ガイ……さん。あなたも仮面ライダーなんですか?」
「俺はウルトラマンだ。やってることはお前達と変わらないけどな。この世界の人類は任せた。じゃあな」
「はい! またどこかで会いましょう!」
気がつくと、辺りは夕焼けに包まれていた。
彼は周りへ挨拶を済ますと、どこかへ去っていった。
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黎斗の潜んでいる隠れ家。部屋は暗く、様々な物が乱雑に積まれている。
黎斗がウルトラマンガシャットを何気無く眺めていると、そこにパラドがやって来た。
「しっかり回収していたのか。それにしても無様だったな」
「だが死のデータの蓄積には一役かった。というか、見ていたのか!」
「まあな。それで? そのガシャットはどうするつもりだ?」
「これにはウルトラマンと呼ばれる、未知の力が宿っているようだ。それを解析すれば仮面ライダークロニクルの完成も近づくだろう!」
机に置かれていた7つのガシャット。パラドがその内のひとつである、ティガのガシャットを掴んだ。
彼はガシャットのスイッチを押す。しかし音が鳴らない。
「どうやら壊れているな」
「なんだと!? 何が起きたんだ!?」
黎斗はガシャットをじっくりと観察した。すぐに彼は、原因を突き止める。
「なるほど……誰かの手によって、遠くから意図的に壊されたようだな」
「やけにあっさりとしてるな」
「どうせ私以外が作ったゲームなどクズみたいな出来だからな!!」
────────────────────
その日の夜。破壊された街に、少年の屍が残されていた。
その周りに男が二人。彼らはどちらも、同じ白いスーツを着用している。
「ガシャットを壊してよかったのか?」
「利用されるよりはましだ。それにデータは残ってある」
「どこに?」
「この中だ」
片方の男が、死体からゲーマドライバーを外した。死体を回収する気は無いようだ。
「これに少し細工を施した。ところで一つ、雑用を頼んでいいか?」
「なんだ?」
「私がドライバーからデータを抜き取ったら、これを元の場所に戻しておいてくれ」
「わかった」
このゲーマドライバーは後に、復活した黎斗がマイティーアクションXオリジンと共に、使用することになるものだ。
「奴等は間違いなく、今後邪魔になるな」
「だろうな。いつかは倒さなくてはならん」
「ウルトラマンガシャットが完成したら、性能実験も兼ねて、奴等を排除だ」
二人は死体を置き去りにして、夜の闇と共にどこかへ消えていった。
これらの不正なガシャットは実は単品で使うことも出来ます