仮面ライダーエグゼイド ウルトラガシャット   作:ぽかんむ

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第11話 Shiningの出発点

「今のうちにとどめを刺すぞ」

 

 

 スナイプが呼び掛けると、四人は必殺技の準備を始めた。

 

 

マキシマムガシャット! キメワザ! マキシマムマイティ! クリティカルフィニッシュ!

 

       キメワザ! タドル! クリティカルフィニッシュ!

           

           バンバン! クリティカルファイア!

 

           クリティカルクルセイド!

 

 

 ガシャコンキースラッシャーから放たれる光線。

 逆手に持たれたガシャコンソードより、繰り出される氷の塊。

 すべての砲台から撃ち込まれるエネルギー弾。

 全身から出される数々の旋律。

 しかし光が消え失せることはなかった。やがて光は収縮を始める。中から現れたのは銀と金のゼロ─シャイニングウルトラマンゼロ─

 

 

「くたばれ!」

 

 

 スナイプが砲撃を仕掛ける。だが、シャイニングゼロは怯む様子を見せなかった。それどころか彼は、ガードせずにスナイプに近づく。

 

 

「はぁぁ!」

 

 

 ブレイブは両手でガシャコンソードを握り、ゼロ目掛けて縦に振る。だが、これもまったく通用しなかった。その斬撃は、敵を切り裂くことができない。

 ポッピーもガシャコンバグバイザーⅡからビームを放って攻撃するが、やはり現状を変えることはできない。

 

 

「シャイニングエメリウムスラッシュ!」

 

 

 ゼロの額から、極太のビームが放たれた。それを受けて、壁まで吹き飛ばされるブレイブ、スナイプ、ポッピー。さらに彼らは、変身も解かれてしまった。

 

 

「残るはお前だな。エグゼイド」

 

 

 エグゼイドが何度も剣を打ち付けるが、効果はない。ゼロのパンチが、エグゼイドの胸部に入る。エグゼイドに大ダメージを与えた。

 

 

「この力……まさかハイパームテキのか?」

 

「御名答。その通りだ。まあわかった所で、対処法など無いがな」

 

 

 作戦会議の際、黎斗神が発言したことを思い出すエグゼイド。加えて先程の攻撃で、リプログラミングが通用しないことも確認済みだ。

 ハイパームテキが敵に回ることなど、彼は少しも考えていなかった。味方としては頼れるが、対峙するとなるとこれほど厄介なことはない。

 

 

ハイパークリティカルスパーキング!

 

 

 エグゼイドは剣を構える。一瞬で間合いを詰め、それを横凪ぎに払った。

 さらに振り向き様、圧倒的な素早さで剣を上下左右斜めに振り回す。

 

 

「威力の問題じゃ無いんだよ」

 

 

 攻撃は依然として効かない。そればかりか、ゼロはエグゼイドの首を左手で掴んだ。そして腕を上げる。

 

 

「絶望にうちひしがれろ」

 

「研修医!」

 

……

 ゼロが徐々に力をかけていく。初めのうち、エグゼイドは足をじたばたと動かして、抵抗していた。けれども次第にその動きは小さくなっていく。

 遂には完全に動かなくなってしまった。

 

 

「エグゼイド……」

 

「永夢……そんな……嫌だよ……」

 

「息絶えたか。残るは雑魚のみ」

 

 

 ゼロはエグゼイドを投げ捨てた。

 

 

「誰か忘れてないか?」

 

 

 力を振り絞り、パラドが立ち上がる。彼はゼロを後ろから羽交い締めにした。

 それに呼応するように、エグゼイドはガシャットをキースラッシャーに挿し込む。

 

 

ダブルガシャット!

 

キメワザ! ドクターマイティ! クリティカルフィニッシュ!

 

 

 エグゼイドが回りながら、横に斬りつける。遠心力を味方につけた一撃は、ゼロに膝をつかさせた。

 

 

「あれはゲムデウスの抗体。つまりゲムデウス以外には効果がないはずだ。まさか、奴の力の源は……」

 

 

 大我の推測は的を射ていた。ゼロガシャットには、ハイパームテキとゲムデウスの強大な力が詰められている。

 ハイパームテキの使用にはバグスターの協力が不可欠。そこで彼は、密かに入手していたゲムデウスウイルスを利用し、その条件をクリアさせていたのだ。

 ゲムデウスの力が封じ込められたため、ゼロはムテキの力を使えなくなる。

 

 

「貴様ら……どうやって息を合わせた……」

 

「俺とパラドの心は繋がっている! もうお前の好きにはさせない!」

 

 

 勝機を見出だしたパラド、飛彩、大我、明日那が再び変身した。

 さらにレーザーとゲンムも、ようやくその場に辿り着く。ここにすべての仮面ライダーが集まった。

 

 

「だが、シャイニングウルトラマンゼロの力を完全に失った訳ではない!」

 

「だとしても俺達の超超超協力プレイで、クリアしてやるぜ!」

 

「くらえ……シャイニングスタードライヴ!」

 

 

 シャイニングゼロが、頭上に光の珠を生み出す。すると、空間が乱れ始めた。

 この技は時間を巻戻すことができる。それが成されてしまえば、ここまでの戦いがすべて無駄になってしまう。

 

 

「これでゲムデウスのウィルスも、破壊されたガシャットも元に戻る。ゲームは振り出しに戻る!」

 

 

 しかしそれは失敗した。

 元はクロノスのリセットに対抗するために、組み込まれたセーブ機能。それがゼロの技の発動を無効化したのだ。

 

 

「私は負けない。まだ策はある!」

 

 

 そう言うと、ゼロは青い直方体のスイッチを取り出した。

 それは改造バグスターウィルスを、活性化させる為の物。ヒカリの持っていたスイッチは偽物だったのだ。

 当初の計画では入り口での戦闘で、仮面ライダーを減らす予定だった。しかし、大きな損失を与えることはできなかった。

 そこで、ブレイブ達を再び暴れさせるため、わざと一度解除していたわけだ。

 

 

「ゲンム……なぜ君が暴走したのか、その理由はただ一つ……」

 

「以前に私のドライバーを勝手に使用したからだろ?」

 

「どうしてその事を!?」

 

「簡単なことだ。ゲーマドライバーを作れるのは私だけだからな!」

 

 

 思惑を見透かされ、ゼロは大いに焦った。彼は力に任せてボタンを押す。けれども、ゲンム達が暴れることはなかった。

 

 

「改造バグスターウイルスとやらは、自分が抑制したんで」

 

 

 レーザーが飛彩達から、一部のガシャットやドライバーを預かったのはこのためだった。

 かつてゲムデウスウィルスの抑制まで可能にしたレベル0の力は、今もなお健在だ。


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