最強の美女神も異世界からやってくるそうですよ? 作:ロリっ子大好きっ子
本編に入りますが作者の勝手な認識があります。問題児を理解している方からすると読みにくい箇所が出てくると思いますが暖かい目で見守ってくださると幸いです。
次回から質問コーナーを後書きに設けます。理由は後書きの方がしっかりと返せて、読んでくださっている方の違和感に思っている所が早く解消すると思うからです。なので感想は返事を返しますが意見や質問は後書きにて返そうと思います。
※コミニティー▶コミュニティーに変更します。
上空2000mまで落ちたところで翼を拡げて少しずつ降りていく。見たところ落ちた三人は水柱を作っている事から三人と猫一匹は無事だと思いゆっくりと地に降り立つ。
「おい、空飛べんなら助けやがれ」
イヤホンを付けた少年が水で濡れた服を絞りながら言ってくるが我には関係のないこと。我が濡れていないのは我が飛べたから、少年が濡れたのは少年が飛べなかったから。己の力の無さを押し付けるとはまだまだ青いの。
「それで質問なのだけど貴女背中に翼が生えているけれど...天使とかなのかしら?」
「天使...?」
赤いリボンに白いYシャツにスカートを履いている娘が聞いてくる。本来なら我と言葉を交わすことさえ許されることではないのだがここは異世界。元の世界ではない以上は我も只の客人と言うことなのじゃろうな。あそこの影で隠れているウサギ娘のな。猫と話しておる娘は天使という言葉に興味があるようじゃが天使を見たことがないのかの?
「我は天使では無いの。残念ながらな。そうじゃな...まあ近い存在とだけ言っておくかの」
「へえ~近い存在..ね。ならあんたは強いのか?」
ふむ、どうやら少年は未だ遊びたがりの子供のようじゃな。我も戦闘を好むゆえ分からなくもないが。
「やめておけ。うぬでは勝てぬよ」
少年の中に眠る力。それは絶大な力なのは分かる。だが悲しきかな、生まれた世界が原因なのかその力の半分も使いこなせてはおらん。いや眠ったままと言えばよいのかの。
「ああ?」
「ふふ。納得いかんか?ま、そのうち拳を交えることもあるじゃろうて」
「....」
「ね、ねえ?今の状況は良く分からないけど自己紹介をすませてしまいましょ?私は久遠飛鳥よ。よろしく、それでそっちで猫を抱いている貴女は?」
「春日部耀...以下同文」
「そう、よろしくね春日部さん。...それでそこの乱暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で狂暴そうな逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので用法と要領を守った上で適切な対処で接してくれよ御嬢様」
「取り扱い説明書を用意してくれたら考えてあげるわ...」
「そうか、なら今度作っとくから覚悟しとけよ。それでお前は誰なんだ?」
名か...いつ以来じゃろうな我が名乗るなんて。真名を伏せてもいずればれるじゃろうしの。
「我はアテナじゃ。よろしくの」
「アテナ?....それってギリシャ神話に出てくるアテナの事か?」
イヤホンを付けた少年が聞いてくるが生憎と我の世界にギリシャ神話などという言葉は存在しておらん。
「十六夜君それは何のこと?」
「私も気になる...」
「なんだ御嬢様達は知らないのか?」
「名前くらいは聞いたことがあるけれど...詳しいことまでは興味が無かったから知らないわ」
猫を抱えた少女もコクと頭を縦にふっている事から知っているのはイヤホンをした少年だけのようじゃな。さてどれ程異なっているのか聞いてみるのも面白そうじゃの。
「アテナはギリシャ神話に伝わる、知恵と闘いの女神だ。ゼウスを父に持ち、母はメティスと言われている。まあ神話の類いだし本当にいるとは思わなかったが....それにアテナには幾つもの逸話がありって....この辺で良いだろ。本人がいるんだからな、どうなんだよ。知恵と闘いの女神様よ」
ふむ...困ったの。まるで違うのじゃが....我に親と言う存在はそもそもおらん。我の世界では神という存在は人間の信仰によって突如として生まれる。まぁ人を創造したのは神なのじゃがな。そこの矛盾なぞ良くあることじゃ、空間が捻れたりでもしたのじゃろう。さして興味もないが。そのお陰で世界の終焉を止めれなかった神は既に神ではない。我も永くは持つまいて。
「残念じゃが、我の世界と少年の世界とでは異なっているようじゃの」
そもそもパラレルワールドみたいな場所から来たのじゃあてはまる方が不思議というものじゃ。
「それならお前は一体なんなんだ?」
「ふむ...なんなんじゃ、か。その問いに返す前にそこの茂みに隠れておる兎を捕まえてからにしないかの?」
ビクッと体が震えて兎が少しずつ此方に顔を出してくる。
「や、やだなぁ~。捕まえるだなんて、黒うさぎは兎でも只の兎では無くてですね?」
「問答無用じゃ」「断る」「あんな大きなウサギなんて初めて見たわ!早く捕まえましょ!」「にゃ~」「うん、そうだね」
「あは、これは逃げた方が良いですかね?」
「逃げても構わぬが怪我をするかもしれぬぞ?」
「うう....大人しく捕まるので乱暴は辞めてください」
人間に耳が生えたようなミニスカガーターの変態が茂みから姿を現した時は人の業の深さも此処まで来たのかとため息を漏らしたが春日部と名乗った少女がウサギの耳を引っ張ると抜けず本当に生えている分かるや興味深そうに十六夜と名乗った少年も久遠と名乗った少女もウサギ耳を引っ張りにいった。
「はぁはぁ...あ、ありえないのですよ。いきなり出会った相手の素敵なうさぎ耳を引き抜きにかかるだなんて学級崩壊とはきっとこのような事を言うに違いないのです」
ぐったりと疲れきっているウサギ(変態)に十六夜は早く進めろと一喝して切り捨てられる。
ウサギ(変態)からこの世界の説明があり大体の事は理解した、が。何か隠しているようで気に食わぬ。
「ウサギ(変態)よ」
「あ、あの先程から黒ウサギと言っているのですが...そして何故かは分かりませんがウサギの後ろに何か付けてませんか?」
「気のせいじゃろ?それよりじゃ。ウサギ(変態)よ。何か隠しておるな?」
十六夜の目が鋭くなり我を見る。どうやら十六夜も気付いていたようじゃな。
「な、何の事でしょうか」
ふむ冷や汗をかき目線をそらすとはなんとも分かりやすいの...嘘をつくのが下手すぎて見ているこっちが哀れに思うわい。じゃが嘘をつくのが下手な奴に悪いやつはいないとは言うが...嘘をつかなければならない理由が気になるの。
「ここで正直に明かさぬのなら我はウサギ(変態)のコミニティーとやらには入らぬぞ」
「おいコミニティーじゃなくてコミュニティーな」
「.....」
「おっなんだ頬っぺた赤くして普通に見た目通りの反応も出来るじゃねーか」
やはは、と笑いながら頭を撫でてくる十六夜に少しムッとするが悪くないので睨むだけにしておくかの。....さて。
「どうなのじゃ、ウサギ(変態)」
「おい黒ウサギ。見た目は身長150㎝ちょっとくらいで子供っぽいが中身は子供じゃねーからな。たぶん本気だぞ」
「....分かりました。これから語ることに嘘偽りはありません...月のウサギの名にかけて保証します」