最強の美女神も異世界からやってくるそうですよ? 作:ロリっ子大好きっ子
終焉と招待
光が堕ちて大地が崩れいく世界。この世界の下位種族(人間)は実に愚かであった。自分達で世界を破滅に追い込み最終的には神のせいにする。
「もう付き合いきれんわい...」
彼女は答える。
「人間よ。我は行く....果てしなく続く因果に我は飽きた。この崩れいく世界、精々楽しむがよい」
目を閉じる。人々から崇められていた我---------の姿は白色から今では黒に変わっている。恨み、妬みが集まっている。
「はぁ...」
体を蝕んでいく人の恨みや妬み。
「本当に厄介のものよな人間とは」
我の力は今や半分程度しか出せない程に弱くなってしまっている。自分でも実感してしまうほど弱い。
「ふっ...最強の象徴であった我がなんたるざまか...」
背中にはえている翼で宙に浮き眼前を眺める。赤く染まってしまった海。かつては綺麗な青色で我の憩いの景色だった。
「見ていても変わらんの....」
半分になってしまった力でも周囲一体を吹き飛ばす事なぞ造作も無いが我は殺戮を好まん。本当は救ってやりたかったのかもしれんが...。
「ん?これは...」
空から1冊の手紙が落ちてきた。
ありえない。この世界は滅亡の寸前。だが手紙は確かに落ちてきた。
「我が気付けなかった?」
そんな筈は無いと首を横にふる。いくら力が半分になっていると言っても今の我の好敵手になれる相手なぞ我の記憶にはおらん。
訝しげに手紙を見る。宛先も無く我の名前が宛名に書いてあるだけの手紙。封筒に入っているこの手紙を読んで良いものなのか悩む。正直あり得ないが我に気付かれずに上を取れるなら我は既に息耐えている筈だ。だが我は未だに生きておりこうして手紙を持っている。
どう言うことじゃ?
手紙は気になるが読んでしまっても良いものか...それに気になるのは我の真名で書かれていること。我の真名を知っているものなどいない筈。なのに...何故じゃ。
『星崩・アテナ様へ』
ふふ...しかし危険があるところにこそ楽しきこたとありかの。
さてどこの誰かは知らぬが我を楽しませてくれよ?退屈は罪になるからの。
『神より、悪魔より、天より授けられし人ならざる才を持つ者よ。全てを捨て、“箱庭”に来られたし』
手紙から光が溢れだし目を閉じると浮遊感に襲われる。目を開くとそこは上空4000mの空中だった。
「ふむ...どうやら元いた世界では無いようじゃな」
落下していく中で見たこともない景色にここが異世界だと理解する。周りを確認すると若い娘二人に猫一匹に...こやつ本当に人か?最後に見た少年。耳にイヤホンをしている少年だが明らかに異質の力を持っていた。
ふふ...久し振り血がたぎってきおったわい。こんな気持ちは600年ぶりじゃの。
美しい顔を歪ませ笑みを浮かべた。まるで御馳走を前にした猛獣のように....。