戦姫絶唱シンフォギア~咲き乱れる少女たちを救え~   作:Mr.ツッキー

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シンフォギアのガチャ運がほとんどない自分であり、バトガのガチャ運はりょーさんある自分です。均等に欲しいです・・・。




では、八話をどうぞ!


第八話 現れた堕者(だしゃ)

 悪い予感は的中した。モニターに映し出されたのは、先生たちには見慣れた者であった。その正体は……

 

 『火向井ゆり(ひむかい ゆり)』

 

 『天野望(あまの のぞみ)』

 

 『常盤くるみ(ときわ くるみ)』

 

 の三人の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 一方、響たちはマリア達の支援に行くため現場を離れようとしたが、響が何かしらの違和感を覚えた。

 

「翼さん、クリスちゃん、何かが来ます…」

「どういうことだ、立花?」

クリス

「先輩、こんな時のバカ(響)の勘は当たるもんだぜ?なんか来るに違いねぇ」

 

 三人とも攻撃態勢をとる。そして、響の予想通り、奥の暗闇から影が現す。

 

クリス

「やっぱ、お出ましのようだな?」

弦十郎

『お前たち、聞こえるか?』

 

 見えたと同タイミングで弦十郎から通信が入る。

 

「師匠!今、三人の影が見えます!」

弦十郎

『そうか、だったら話が早い』

「指令、そのことを教えてください」

弦十郎

『あぁ、そこに現れた三人が<星守>と判明した。現によって救出作戦を命ずる!火向井ゆり、天野望、常磐くるみのそれぞれの救出を実行しろ!』

 

「「「はい!!!」」」

 

 三人の姿がはっきり見えた後、響たちは三人に向かって走り出す。それと対になるようにゆり、望、くるみも走り出し、戦闘を始める。

 対戦として、響対ゆり、望対翼、クリス対くるみという形で行われた。

 

「待ってて、今助けるから!」

 

 響は相手の体に傷を付けまいと武器を吹き飛ばすことに集中する。拳を何度も持っている剣に対して攻撃をする。だが、その攻撃はうまいこと受け流されている。思うような攻撃が通らずに時間と体力だけがどんどんと減っていく……。

 

ゆり

「なんだ?その弱々しい攻撃は?」

 

 ここで初めて、ゆりが口を開く。その声には苛立ちが混ざっていた。

 

ゆり

「さっきから武器にしか攻撃をしてこない、何故だ?」

「そんなの……傷ついてほしくないから……」

ゆり

「は?」

「君の仲間が待っているから、傷つけた状態でなんて絶対に嫌だ!だから、こんな戦いなんて……」

ゆり

「そんな中途半端な気持ち、この極悪(正義)が経ち切ってやる!」

 

 大きく振りかざした剣を響に向けて、振り下ろす。慌てて響は回避をするがその攻撃の雨が止むことは無い。

 

「やめてよ!ゆりちゃんだってこんなことは望んでないはず!」

ゆり

「私の極悪を侮辱する気かぁー!!!!」

 

 ゆりは重い攻撃を何度も振り下ろす。響にはなんとなくわかっていた。この攻撃を一度でも受ければ、確実にもう一度立ち上がることは困難であることを

 そしてもう一つわかったこと、立ち回りが翼と似ていること。剣の振り方、構え方、それぞれが鍛錬された動きであると、普通の状態なら回避は何とかできるであろう。だが、今は疲労が溜まっていると響は感じている。避けられる攻撃も危うくなる。

 

ゆり

「いつまで、逃げるつもりだ!」

 

 距離を置いて逃げていたつもりだったが、ゆりの回し蹴りによって自分の体が吹き飛ばされてしまう。

 

「がはっ…!」

 

 背後にあるコンクリートの壁に当たってしまい、倒れこんでしまう。気が付けば、自分の息はあがっていた。

 ふと響は不思議に思った。みきから聞いたことによると、ゆりは正義にあふれる勇敢な子だということを。なぜこうも、侮辱することしかしないのだろうかと……

 

(もしかして……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、クリスと翼も交戦中であり、それぞれ問いかけていた。

 

「貴様は仲間のこと、どう思っているのだ?」

「仲間?そんなの知らないよ。今はあんたを潰すことだけ考えてればいいもん」

「貴様の仲間は心配をしているのだぞ!そんな態度でいいのか!」

「あーも、うるさいな。邪魔するんだったらアタシの前から消えて!」

 

 望はカノン型の銃を構え、翼に向けて発砲をする。翼はその弾を回避する。いくら遠距離からの攻撃とはいえ、ハチの巣になる前に近づいてしまえば接近戦でも戦える。

 翼はクリスとの訓練で銃撃の弾幕には多少の慣れがある。望の放つ弾幕はクリスが放つ物と比べれば比ではない。

 

「貴様のその捻じ曲がった精神、成敗してくれる!」

 

 <千ノ落涙(せんのらくるい)>

 

 翼が上空へと飛び上がり、無数の粒子で形成した短剣を雨のように降らす。望はそれを走りながら回避し、自身に当たりそうなものは撃ち落としていく。

 

「ほんとッめんどくさいね!どうしてそんなにこだわるの?」

「貴様を待っている、貴様の仲間のためにだ!」

「へー……本当にそうなのかな?」

「何が言いたいのだ?」

「アタシね?もう、ここにいる二人以外信じないことにしたんだ。信じるだけ無駄だし、飽きちゃうし……」

「なんだと?」

 

 望は翼の懐に急接近し、銃を構える。多少の防御姿勢を作っていたものの、翼が気づいた時には銃口がもうゼロ距離の位置にあり遅かった。

 

「なっ!?」

「バイバーイ!」

 

 撃ち放たれた弾は翼の腹部に直撃し、上空へ吹き飛ばされる。

 

「がはっ!?」

 

 高く打ち上げられた体は重力のままに降下し、地面に叩きつけられる。それと同時にイグナイトモジュールが解除されてしまう。

 

「き、貴様……」

 

 翼は身体を動かそうとするがイグナイトモジュールの反動、そのうえ銃撃を真正面から受けたため、動くことができない。

 

「アハハ!どうしてこんなになっちゃったのかな~?おかしいね!」

 

 地面に這いつくばる翼を望は嘲笑う。

 

クリス

「テメーッ!よくも先輩を!」

 

 クリスがガトリングを望に向かって撃とうとしたとき、くるみのハンマーの攻撃によって逸らされてしまう。

 

クリス

「ちっ、お前もそっち側かよ」

くるみ

「……ゆりと望の邪魔はさせません」

クリス

「オメェも目を覚ませよ!どうして残酷なことを止めねぇんだよ!」

くるみ

「……それは、ゆりと望がやりたいことだから…だから止めない、邪魔をするなら容赦はしないです」

クリス

「聞いたぜ?お前さんの話を。周りを観れるいい奴って話じゃねぇか?」

くるみ

「……」

クリス

「なんで、そんな優しい心を捨てちまったんだよ!」

くるみ

「……あなたに、関係ありません!」

 

 くるみがクリスに接近する。ハンマーによる攻撃範囲は広く、衝撃だけでもダメージは受けかねない。だが、クリスの攻撃手段は遠距離型であり自分でもわかってた。

 

クリス

(近づかれる前に終わらせればいいんだろ!)

 

 クリスはアームドギアを変形させ、弓状のギアにし、くるみに狙いを定める。

 

クリス

「吹っ飛びやがれ!!!」

 

 <ARCHER STRIKE(アーチャー ストライク)>

 

 一斉に放たれた複数のビーム状の矢がくるみへと一直線に向かう。

 くるみはそのビームの矢を前進しながらハンマーで撃ち落としてく。

 

クリス

「あんな、重てぇ武器を持ちながらそんな軽々しい動きができんのかよ……」

 

 くるみが見せてる回避方法がハンマーを軸とした回避方向、そのためこちらからみると乱舞をした状態で回避をしてるように見える。だが、くるみにとって好都合でありその回避を繰り返すことで確実に相手に近づく。

 

くるみ

「……二人の邪魔は許しません!」

クリス

「こちとらぁも、譲れねぇことあんだよ!」

 

 クリスはギアをハンドガンに変形させ、自ら近距離戦に持ちもむ。他の武装に比べて威力は劣るが、扱いやすいのがハンドガンの特徴である。

 クリスが弾を放ち、それをくるみが回避をする。その繰り返し

 そしてようやく、クリスの放った弾がくるみの武装に当たりバランスを崩させる。

 

クリス

「ようやくだ、観念しろ!」

 

 クリスは上空に飛び上がり、アームドギアを変形させ銃口を向ける

 

 <RED HOT RAIN(レッド ホット レイン)>

 

 ライフルの形へ変えたギアをくるみに向けて狙撃をしようと試みる。だが、それは甘かった。背後に何かしらの物体があたり、バランスを崩したクリスは、標的からそれて撃ちはなってしまう。

 

クリス

「なッ!?チクショウ!やりやがったな!?」

 

 バランスを崩した状態で降下しながら見えたのは、銃を構えている望の姿であった。標的がずれたのは望が放った銃弾が原因であった。

 着地をしたと同時にくるみがクリスに急接近する。クリスはバランスを崩した体制のままであったため、そのまま後ずさりすることしかできず、振り回されたハンマーの攻撃によって、自身の持っているアームドギアが吹き飛ばされてしまう。

 

クリス

「マジかよ!?」

くるみ

「…これで終わりです!」

クリス

「ちッ、プロテクト…ッ」

 

 クリスは瞬間的にバリアを張ろうとしたが間に合わず、ハンマーの重い一撃をまともにくらい、後ろに転がり飛ばされ建物へと衝突する。

 バタリと倒れこんだと同時にイグナイトモジュールの制限時間が来てしまいモードが解除されてしまう。

 

クリス

「ゲホッ…じょ、冗談きちぃぜ……」

くるみ

「……それがあなたの罪です。私たちの邪魔をしたという」

クリス

「罪だぁ…?なんだよ、それ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翼さん…、クリスちゃん…」

ゆり

「他人の心配をしている余裕があるのか?」

 

 本来、余裕などない。だが響の場合は人の事を誰よりも大切にする。

 

「余裕は無いかもしれない…、それでも私は、自分の拳で誰かと握り合いたい……」

 

 響は力を振り絞って立ち上がる。体力は激しく消耗している中、彼女は握り合うことをあきらめない。

 

「だから、私はゆりちゃんたちとも握り合いたい!なんとしても!」

 

 ゆりに語り掛ける。だが、その声は届いているようで届かない。

 

ゆり

「腹立たしい!お前に審判を下す!」

 

 ゆりは剣を翳し、その刀身に巨大なビームのエネルギー刃を纏わせる。

 

「待って!」

ゆり

「待つものか!消え失せろ!」

 

 <ディストーション・ジャッジメント>

 

 ビームを纏った剣をそのまま振り下ろし、響に仕掛ける

 響はすぐに回避行動をとり攻撃をかわすが、ビームの刃が地面にめり込んでも残ったまま

 

ゆり

「これで終わると思うな!」

 

 そういうと、めり込んだ状態から横にスライドをするように横殴りの攻撃を仕掛けてくる。響が気づいたときには、もう目の前に迫っていたため普通の防御姿勢しかとる事しかできずにあっけなく吹き飛ばされる。

 吹き飛ばされイグナイトモジュールが解けた響は力尽き、仰向けに倒れこんでしまった。しばらく視界がぼやけて、そのぼやけが晴れたときにはゆりの顔が見えていた。

 

ゆり

「今回は、これで終わりにしてやる。だが、次に会ったときはお前の正義を砕き、その身をも砕いてやる。望、くるみ、帰るぞ」

「はいはーい」

くるみ

「……うん」

 

 そう言い残すとゆりを含む三人は立ち去っていく。響は追いかけようと起き上がろうとするが体に力が入らない。瞼が重くなり、意識がもうろうとする中、誰かの声が聞こえる。

 

(……み、く?)

 

 だがその正体を確認することなく、響たち三人の意識は深い闇に落ちていった……。

 




<アクションスキル・技 紹介コーナー>

 ARCHER STRIKE (今作オリジナルアクション)

 自身のアームドギアを弓状に変形したときに使用できる、クリスのカットイン技であり、ビーム状の矢を複数本を弓にセットすることができ、同時に発射することが可能。

 RED HOT RAIN (シンフォギアXDを推奨)

 ディストーション・ジャッジメント(今作オリジナルアクション)

 今回ゆりが使用したスキル。
 見た目の感じは、本来ゆりが使用しているスキル『ジャッジメントソード』と類似しており、ビーム刃が紫色である。

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