モカちゃんだけでなくafterglowの他のキャラとも絡ませていこうと思います。
モカちゃんをなるべく可愛く書けたらと思います
突然だが俺、青葉ラテには妹がいる。名前は青葉モカ。のんびりとした口調が特徴で基本マイペース。興味のないものにはとことん無関心だが、好きな人のためには一生懸命になれる。そんな女の子。
俺は思う。俺の妹、青葉モカは世界中のどんなアイドルよりも。いや、世界中のどんな女の子よりも可愛いと、兄貴である俺はそう断言する。
「ねぇねぇー、お兄ちゃん。起きて〜」
「んー………あと10分」
朝。布団にくるまって寝ている俺を誰かがのんびりとした口調に合わせて、揺すって起こそうとしてくる。
「む〜、お兄ちゃん。起きろ〜」
「嫌だ。あと5分」
「早く起きないと、お兄ちゃんの机の3つ目の引き出しの1番奥にある本と本の間にあるDVD、燃やしちゃうよ〜」
「はいごめんなさい起きます!今すぐ起きますから!!」
「ふへへ〜、やっと起きた〜」
何やら不吉な言葉が聞こえ、俺はベットから飛び起きた。全く誰だ。こんな朝早くから俺を起こそうとしてくるのは…………って言うまでもないか。
「おはよーお兄ちゃん」
俺の体を揺すって起こしにきたのはモカ。俺の妹だ。
「おはようモカ。で、何の用だ?今日は土曜日。学校は休みだからこんなに早く起こされる事はないんだが?」
ただいまの時刻は朝の9時。休みの日ならいつももう2時間は寝ているところだ。
「んーとね〜、お兄ちゃんお願いがあってね〜」
「お願い?」
「今からパン買いに行こー。お腹すいた〜」
「お腹すいたって。朝ごはんはどうしたんだ?」
「まだ〜。お兄ちゃん起きるの待ってたんだけど、なかなか起きないから起こしに来たの〜」
つまり俺が起きないからモカはご飯をたべれなかったと。なんか悪いことしちまったな。
「けど、俺はもう少し寝ていたい。だからパンは1人で買ってくればいいぞ」
「それじゃあダメなんだよ〜」
「というと?」
「あたしは、お兄ちゃんと一緒にご飯が食べたいんだよね〜」
「よし!5分……いや、3分待ってろ!すぐ着替えて準備する!!」
妹に……いや、モカにそんなこと言われて飛び起きない兄貴がどこにいる!眠気とだるさも全部吹っ飛ばしたぞ!
「わ〜い、じゃああたし外で待ってるね〜」
モカが部屋を出て行ったのと同時に寝間着を一瞬で脱ぎ捨て服を着る。その時間、10秒。すぐさま部屋を出て洗面所に行き、顔を洗い歯を磨く。その時間20秒。部屋に戻り、必要最低限なものを持って部屋を出て玄関で靴を履く。その時間、30秒。合計1分!!
「しゃあ!準備完了!待たせたなモカ!」
「3分どころか1分で準備するなんて、流石はあたしのお兄ちゃん〜」
「ふっふっふー。凄いだろー?て事でパン屋さんにー?」
「レッツゴー」
モカの掛け声とともに、家を出て商店街のパン屋に向かった。
「とうちゃーく」
商店街に入り、しばらく歩くとモカが毎日のように通うパン屋、『山吹ベーカリー』に着いた。
「モカ。今日は俺の奢りだ。好きなパンを何個でも買っていいからな」
「ほんとー?お兄ちゃん太っ腹だね〜」
「愛しの妹を待たせた俺の罪だ。その罪は重い。何でも買ってやる」
何時から起きていたのかは知らないが、モカを待たせた罪は万死に値する。その罪を償わなければならない。
「おはよーございまーす」
「ちわーっす」
「いらっしゃいませー……あ、モカ。それにラテさんも」
「おはよーさーや〜」
「うーっす。今日は沙綾が店番なのか?」
「そうなんです。今日は学校休みなんで1日中手伝うことにしまして」
店番をしている彼女の名前は山吹沙綾。この『山吹ベーカリー』を経営している山吹家の長女である。母親の代わりによくこのパン屋の手伝いをする親孝行な女の子だ。
「えらいな沙綾は。可愛いし、気もきくし、きっと学校でモテモテなんだろ?」
「あはは、可愛いなんてそんな。それにうちは女子校なんでモテるとかそういうのはないですよ」
「あー、それもそっか」
「ねぇねぇ、お兄ちゃん〜?」
「ん?」
トレイとトングを取りながらもモカは俺の服の袖をくいくいと引っ張る。
「あたしは可愛い〜?」
「もちろん!世界一可愛い!!」
「わ〜い」
「即答………相変わらずのシスコンぷりですね、ラテさん」
「事実だからな。モカが世界一可愛いのは」
マイペースでのんびりとした口調。短めに切った髪型にいつも好んで着るパーカー姿。どれを取っても可愛いとしか言えない。
「そんな調子だと、将来モカに彼氏が出来たらどうするんですか?」
「彼氏………モカに……彼氏?」
モカに彼氏。俺の事をずっとお兄ちゃんと呼び慕ってくれるモカに?幼い頃からずっと、楽しい時も辛い時も一緒に暮らしてきたモカに?今日だって、お腹空いてるのにもかかわらず俺とご飯を食べるために待っていてくれた優しいモカに?彼氏?
「んなもん、許すと思ってんのか?」
「あ、ごめんなさい。そうですよね」
「万が一、モカに男が出来た場合。その時は俺という壁を祓ってくれるまで彼氏なんて許さねえ」
「はい。わかりました。ごめんなさい。聞いたあたしが悪かったです」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
「なにがだ?」
「モカちゃんはお兄ちゃんがいてくれるなら〜、彼氏なんていらないから〜」
「モカ…………」
俺はなんて幸せなんだ。妹に……モカにこんな事言ってもらえるなんて……俺は。
「モカ、ずっと一緒に暮らそうな!!」
「は〜い」
「…………そういうのは他所でやってくれませんか?」
こんな調子でずっといるのも店側に悪いので俺とモカのパン。計合わせて20個を買って俺たちはお店を出ていった。沙綾は物凄く疲れ切った表情をしていたが何故だろうか。
第1話目なんで軽くいきます。
感想と訂正があればお待ちしております