やはりぼっちとコミュ障のボーダーは間違っていない 作:癒しを求めるもの
もう一度………
原作好きな人は注意して下さい!!
八幡side
そして翌日の昼休み。戸塚の依頼を達成するために俺はテニスコートを借りる許可を得るために生徒会室に来ていた。
「失礼します」
「はーい………八幡君?」
デスクの上にはパソコンやら書類が積まれた生徒会室には1人、遥がいた。
俺が扉を開けると驚いた顔でこっちを見てきた。
「珍しいね。八幡君がここに来るなんて。何か用?」
「ん?あ、そうだ。ちょっとテニスコートの使用許可くれないか?三人分」
「誰かとテニスするの?」
「ああ。戸塚の練習に手伝おうと思ってな」
「………ふーん。戸塚君のためか」
一瞬、悲しい顔をした遥だが「わかった」といって1枚の紙を取ってきて使用許可書を書き始めた。
「……はい。これで大丈夫?」
「ありがとな。時間割いて悪かった。今度なんか奢る」
「いいよ、別に。私は生徒会としての仕事をしただけだから」
遥はそう言うがさっきの悲しい顔をされたらなぁ………
「じゃあ何かして欲しい事があったら何でもいえ。俺に可能なことならしてやるぞ」
「えっ!ほんとに!?じ、じゃあ……今度の休みに何処か出かけない?久しぶりに……」
荷物持ちか?
別に構わないがアレは十和の暴走に巻き込まれて俺も遥に付き添うとボーダー隊員の前で決定したからなぁ。
「買い物は前に約束したからそこでなんか奢る。それならいいか?」
「じゃあそれでお願いね?」
先程とは打って変わって満面の笑みで遥が返してきた。
やっぱりコイツは笑顔の方がいいな。うん。
その後も軽く雑談して、遥も時間が空いたら見に来るとの事なのでまた後で、と挨拶してから生徒会室を後にした。
***
ジャージに着替え終わりテニスコートに入ると早速雪ノ下の指導が始まった。俺に反論されて真面目にメニューを考えてきた雪ノ下だが、もし俺が何も言わなかったらほんとに死ぬまで走らせる気だったのか?
毒舌女にため息をついて、雪ノ下の指示に従ってやった。
始めに基礎能力を高めると言う事で腕立て伏せや腹筋、軽いマラソンを中心に戸塚を鍛える。何故か由比ヶ浜は自分から参加している。しかし俺もやらされている。
まあ生身を鍛えるとトリオン体の動きも高まりやすくなるから修行と思えばそこまで面倒とは思わない。
前に十和のパーフェクトオールラウンダーの先輩であるレイジさんから聞いたメニューを今でも繰り返しているしな。
ただ、最初からあの内容はヤバい。翌日、全身筋肉痛で小町に呆れられたからな。
ちなみに雪ノ下にお前はやらないのかと聞いたら、さりげなく目を逸らしながら、指導役が必要だとか言って戸塚の元へ向かった。
お前絶対体力ないだろ………
昨日散々逃げるのが情けないとか言ってた癖に自分は体力のない事実から逃げてるだろうが。ほんとに頭が痛い。
とまぁ、雪ノ下の愚痴は置いといて
戸塚の様子を見る限り、本気でテニスに取り組もうとしているのが見て取れる。先は長いかもしれないがこれからしっかりと鍛えれば強くなれるだろう。
素振りにしろ何にしろ、一つ一つを丁寧にこなしていっている。
基礎練を多少終えて、次はラケットを使って実践練習が始まる。
基本は壁打ちを中心に行い、偶に俺がボールは決められた所に打ち戸塚がそれを打ち返すというメニューだ。実戦的でかなり良いメニューだ。
始め俺はそこそこ雪ノ下の指示通りのコースに打ち込む。
雪ノ下の指示したコースは嫌らしいが対処が不可能ではないコースだ。これならきついが実戦的で試合の役に立つ。
……………何度も見たが本当に戸塚は男なのか?
汗を拭く仕草にしろ、ガッツポーズの仕方にしろ可愛すぎだろ。
これで戸塚が男だったら真っ先に告白してふられてるぞ。まぁ、戸塚が女だったら誰かと付き合ってる可能性の方がでかいからな。
あー、戸塚と結婚したいなぁーーー
ゾクッ!
瞬間、物凄い殺気が校舎の方から感じられた。
振り返るも誰もいない。戸塚と由比ヶ浜は普通に練習してるし俺だけ狙われたのか?
一体、誰が………
1人頭を悩ますせていると問題が起こった。
「うわっ、さいちゃん、大丈夫?!」
見ると戸塚は膝を擦りむき血が出ていた。
何て事だ!天使、戸塚の脚に傷が付いただと!?
「うん、僕は大丈夫だから、続けて」
俺が内心焦っている中、戸塚がそう返した。
「無理はするな。俺が保健室に行って救急セットを借りてくるからその間休んでろ」
俺はそう言って戸塚の返事を聞かずに保健室へ向かった。戸塚の努力は凄いと思う。が、努力しすぎるといつか身を滅ぼす。俺と同じで。
休憩として戸塚には休んでもらい、俺は急いで走った。
***
保健室で救急セットを借りた俺はテニスコートへ走っている。
本来ならとっくに治療を終えて練習を再開している筈だったが、養護教諭が席を外していて10分ちょい待ってしまった。
戸塚の脚、怪我が残らないよな?
内心、戸塚のことが心配過ぎて、鍛えた体力をフルに使って戸塚の元に戻った。俺、戸塚好きすぎじゃ………やめよう。これ以上考えるのは。
また殺気が襲ってきそうで怖い
何故か流れる冷や汗を拭ってテニスコートへ走っていると、テニスコートから騒ぎ声が聞こえてきた。
不審に思い急いで近づくとテニスコートの周辺には大量の生徒会が何やら誰かの名前を叫んでいた。
集まった生徒を押しのけテニスコートに入ると俺は目を疑った。
テニスコートの中で雪ノ下が疲労困憊になっていて由比ヶ浜がその横で悔しそうな顔をしているからだ。
反対のコートには同じクラスのスクールカースト上位グループの縦巻金髪ロールと嵐山さんの劣化版に見えるイケメンが涼しい顔をして立っていた。
……何だこの状況?
とりあえず事情を聞く為に審判をしている戸塚の元へ歩き出す。すると戸塚は悲しそうな顔をして見てくる。
「戸塚、何だこの状況は?」
「あ、比企谷君。実は……」
「なるほどな……」
先程擦りむいた箇所の手当をしながら戸塚に聞いた所、
戸塚休憩中
↓
クラスのリア充グループが来てコート使わせろと要求
↓
雪ノ下の毒舌発動
↓
縦巻金髪ロールキレる
↓
劣化嵐山さんがコートを賭けて勝負と意味不明なことを提案
↓
雪ノ下拒否
↓
縦巻金髪ロールが仕返しの挑発を発動
↓
雪ノ下、挑発に乗る
↓
ダブルスの試合開始
↓
雪ノ下、強い
↓
縦巻金髪ロール、下手な由比ヶ浜を狙う
↓
互角の試合
↓
雪ノ下体力切れ
↓
由比ヶ浜、論外
↓
大ピンチ!
という状況らしい。
俺は呆れて雪ノ下達を見た。
昨日の由比ヶ浜からの挑発に乗った時点で分かっていたことだがコイツは社会を見れていない。
自分は優秀、誰にも劣っていないと間違った自覚をしているようならばそれを上手く使われるだけだ。
由比ヶ浜は何故、雪ノ下を止めなかった?戸塚の迷惑になると分からなかったのか?
「比企谷君、どうにか出来ないかな?」
不安そうな顔の戸塚が申し訳なさそうに言ってきた。
本来はアイツらのせいだ。しかしそれで戸塚に迷惑だ。俺のエンジェルの邪魔はさせん!
「わかった。俺が出る。但し一つだけ約束しろ」
「何?」
「あの2人は顧問や生徒会から許可を貰ってない筈だ。まずは許可証があるか聞いてあったら勝負なんてせずに貸して、無かったら今後ははっきりと断れ。でないと向こうもつけあがるぞ」
あの類の連中は上からの権力を使わないと黙らせられないからな。確かあの劣化嵐山さんはサッカー部部長だったな。
無断でテニス部の所持品使ったと知られれば確実に不利になる。その事も分からない奴が部長なのもどうかと思うがな。
「う、うん。わかった」
「ならいい。ところで試合のルールは?」
「あ、先に11ポイント決めた方の勝ちだよ」
「なら卓球と同じになるのか。それで、今のポイント差は?」
「7ー5で雪ノ下さん達が負けてるよ。始めはリードしてたんだけど雪ノ下さんが体力切れしてから……」
一気に詰められた訳だな。つーか約20分で体力切れとかどんだけ体力ないんだよ?
体力から逃げただけで次に生かそうとしなかったからこのザマなんだ。そこら辺をちゃんと自覚しろ、クズ女が
「わかった。とりあえず俺が出るから安心しろ」
テニスコート中央に行くと全員の視線が襲いかかる。大方、あの目が腐ったやつ誰?だろうが今はどうだっていい。戸塚の練習がかかっているんだからな。
様々な視線を無視して雪ノ下と由比ヶ浜に話しかける。
「事情は聞いた。後は俺がやるからお前らはさっさとどけ」
「あなたが勝てる筈ないじゃない。本気で言ってるの?」
随分偉そうだな。この女は。
もしかして自分のせいだと分かってないのか?
「少なくともお前よりマシだ。大体お前何で試合を受けたんだ?生徒会の許可を貰っている俺達にあるんだぞ。わざわざ試合するとか戸塚の練習を害してるだけだろ」
そう返すと雪ノ下は苦い顔をして俯く。
「話は戸塚から聞いた。お前が挑発に乗るのは自由だが今回は戸塚のテニスコートがかかってんだぞ?お前のプライドなんかの為に他人に迷惑をかけるな。奉仕部の理念じゃ魚を取る方法を教えると言ったがお前の行動は釣竿の糸を切っているのと同じだ。それが分かったらコートから出ろ。邪魔だ」
「ちょっと、ヒッキー!ゆきのんが可哀想だよ!」
「じゃあ可哀想になる前にお前が止めろよ。それが出来ないならお前も雪ノ下と同じで迷惑だ」
そう言って雪ノ下と由比ヶ浜は俺を睨みつけるが無視だ無視。
「選手交代だ。それでいいか?」
「別にいいけど………あんた、ユイになんてこといったし?」
「正論を言っただけだが?」
「なっ!?よくもユイを……っ!」
「何言ってんだ?俺が由比ヶ浜をコケにするのはダメだがお前らはいいのか?雪ノ下が強いってわかった瞬間、雑魚の由比ヶ浜を標的にした癖に。友達ごっこなら他所でやれ。反吐が出る」
そう言うと縦巻金髪ロールは睨みつける。なんだ?頭が悪い奴はすぐに睨んでくるのか?
いくら何でも沸点低すぎんだろ………
「確かサーブは毎回交代だったな。次は俺か?」
「そうだし。だから早くするし!中学に県大会に出場したことがあるあーしが叩き潰してやる!」
頭痛い
さっきの説明でもまだ理解していないのはおかしいだろ。
しかも挑発のつもりで自分の過去を言ったが過去は過去だ。今、放課後に教室やらファミレスやらでワイワイ騒いでいるやつが今も以前と同じように動ける訳ないだろ。
縦巻金髪ロール俺にボールを投げてきたので受け取り後ろに下がる。
俺も少しキレたから全力でさせて貰うぞ
「おい。そろそろ始めていいか?」
「あ、ああ、すまないえーっと、ヒキタニ君」
流石劣化版。わかりやすい間違いをしてきやがった。
まぁ俺も劣化嵐山さんの名前知らないし文句言える立場じゃねぇ。
そのまま無視して俺はサーブラインに移動した。
完全に油断しているリア充共をみてボールを上げて
「フッ!!」
力の限りラケットに当てた。打ったボールは対応しようとして間に合わなかった劣化嵐山さんの足元で跳ねてそのままフェンスに引っかかる。
すると観客の周りに沈黙が漂う。大方目の腐った奴がリア充にサーブを決めれて驚いているのだろう。とりあえずこれで7-6だ。
前を見ると2人がポカンとしている。
「おい。次はお前らのサーブだろ?」
放心状態の2人に何事も無かったかのようにさらっと言うと劣化嵐山さんがボールを手に取りサーブをしてくる。
だが見切れる速さだな。
俺は全力で前に走り、バウンドしたボールを打ち返す。狙いは2人の中間地点だ。すると2人が同時に走り打とうとするがどっちが打つか悩んだのか両者とも止まり、慌ててうち返そうとした縦巻金髪ロールの横をボールが通り抜ける。これで7ー7で同点だ。
次は俺がサーブの番だ。
本来、俺は最初の方はわざと点を取らせた後に全力を見せる。そこに挑発を含めてキレた相手を簡単に潰していくという、初めて緑川とランク戦した時にやった方法を使おうとしたが途中からなのでそれは出来ない。
俺は再び全力で金髪の足元を狙う。しかし劣化嵐山さんも一度失敗したことを学習したした、後ろに跳んで打ち返そうとする。
返されたボールに俺は劣化嵐山さんが打ち返す前にネットに張り付くために走り出す。それと同時に劣化嵐山さんが打ち返す。ナイスショットだ。俺の真正面に来たし。
俺はそれをドロップショットで打ち返す。軽く跳ねたボールはネットを軽く越えて相手コートに入る。
気づいた2人はボールを取ろうとするがラケットは空振りで、2人は盛大に転んだ。7-8で勝ち越しだ。
周りを見るとザワザワしている。
まぁ、俺は普段からトレーニングしてるし、体育の授業では体育教師の厚木に「今日は体調が良くないのでみんなの邪魔にならないよう、向こうで壁あてしてます」と言って壁相手に相当、色んなショットをしたため、ドロップショットなどを決められたのだ。
するとポーンポーンと音がしたので音源の方向を向くと縦ロールがボールを地面についている。
気を引き締めて構えると縦ロールはボールを上げて
「今なら謝るだけで許してやるし!!」
そう言ってサーブを打ってきた。その速さには俺も驚いた。
しかし、結局は運動していない奴のサーブだ。
俺のサイドエフェクトは気配察知。これは人だけでなく物でも場所を特定することが出来る。その方向に、風間さんのスコーピオンや、二宮さんのバイパーによって鍛えられた俺の身体能力がボールについて行き、余裕で打ち返す。
まさか自分のサーブが返されることはないだろうとドヤ顔していた縦巻金髪ロールの顔は俺が打ち返した途端、苦い顔をしたがボールを取ろうとした。実際に触れたが体勢が悪く、観客席の方にボールが飛んでいった。
「どうした?今なら逃げられるぞ。お前には不名誉な称号がつくが」
「………ふざけるなしっ!!」
どこぞのゆるキャラと被るぞ?と冗談を考えて後ろを向いた途端、
俺は驚いた声を出した
「………お前ら、何でここに居るんだ?」
「比企谷がテニスしてるって聞いてな」
「ハチくん、頑張るのだぞー」
「何でテニスしてんの?」
「おい菊地原!」
「……………八幡、後で話は聞くけど今は頑張って」
「あはは………頑張ってね、比企谷君」
「………………(ゴゴゴッ)」
上から順に奈良坂、宇佐美、菊地原、歌川、十和、三上、優菜が観戦していたのだ。
菊地原は無視して十和と優菜以外は頑張れと声をかけてくれるが2人は何故、俺が雪ノ下と一緒にいるのか聞きたいのだろう。
俺が奉仕部に入部したって言ってなかったからな。優菜とか後ろで般若が見える。
「いやー、本当は遥っちも見たかったろうけど生徒会行ってるしね〜」
「何で遥がテニス見たいん…………あ」
そう言えば遥は………
「ナイスだ宇佐美。十和と優菜は後で事情を説明するからまた後ででいいか?」
「……………僕たちはそれでいいよ」
お怒りの優菜の代わりに十和が答える。ボーダー組が揃っているからマシだが、学校だとまだ会話に間があるな。
ともかく、俺は視線を2人に向けた。
縦巻金髪ロールは相変わらずのがんを飛ばす表情だったが、劣化嵐山さんも軽く睨んでいた。
「……ヒキタニくん。流石に言い過ぎじゃないかな?」
「じゃあ先にそっちの奴を止めろよ………」
「確かにそうだ……でも、優美子は悪気があって言ったんじゃないんだ。だから謝ってくれ」
「隼人………」
コイツも由比ヶ浜と一緒で自己中だ。
縦巻金髪ロールは確実に悪意あったろうし、縦巻金髪ロールはいいのに何で俺だけ謝らせるんだ?
しかし、これで2人の未来は決定した。
今回は雪ノ下が絡んだから試合する始末になったため、リア充とはいえ軽い罰で済むようにしようとしたが無しだ。
サーブ権は俺なのでまだごちゃごちゃ言っている奴らを無視して準備した。
縦巻金髪ロールと劣化嵐山さんは睨みつけて警戒するがその警戒心は仇となるぞ?
「そらよっと」
今までのサーブとは違う、やる気のまったくないサーブを俺は打った。
さっきまで睨んでいた2人も呆気に取られて上を通ろうとするボールを目で追っていた。
大方アウトになると思ったんだろう。だがな
俺がそんな無駄なことはしないぞ。
サイドエフェクトの気配察知でコートの面積を正確に調べ、どのくらいの強さ、角度で打てばラインギリギリにバウンドさせられるか考えられて放たれたボールは予想通りに相手コートの角に落ちた。
「な!?い、今のはまぐれだし!」
「じゃあもう一回してやろうか?俺はテニスの腕の差で負けるお前達を配慮してまぐれで勝ったようにセッティングしようとしたんだがな」
「………ぼっちのクセにっ!!」
完全にキレた縦巻金髪ロールは持っているラケットを強く握る。
やっぱり挑発に弱すぎだ。このまま生徒会副会長の遥が来るまで粘ろうとして、後ろを向いたその時だった。ーーー
ガンっ!
縦巻金髪ロールはおれに向かってラケットを投げたのだ。
本当はサイドエフェクトで簡単に避けられたがわざと当たった。縦巻金髪ロールにはしっかり罰を受けてもらうために
頭に直撃した途端、息を呑む声と俺の名前を呼ぶ声が聞こえたが問題ない。急所は外した。
それでも頭から血が流れている。
「八幡!頭から血が出てるよ!大丈夫!?」
「戸塚か。大丈夫だ。ちょっと血を押えるもんあるか?」
「わかったから待っていて!」
ん?頭打ったからか分からんが戸塚が俺を名前で言ったよな?
幻聴では……ないな。ヤバい、嬉しすぎてニヤけそう。
と、幸せな事を考えながらも俺は最大限の殺気を込めて縦巻金髪ロールを睨みつける。
「おい、人に物を投げつけるなよ。どういう神経してんだ?」
「…………すまなかった!謝るから優美子を許してくれ!」
流石劣化嵐山さんだ。全然、誠意が感じられない。
「俺はお前には言ってないぞ。なのに縦巻金髪ロールの方は謝りもしない………もう一度言う。どんな神経してんだ?」
そう言うと劣化嵐山さんまで黙った。周りの生徒も縦巻金髪ロールを罵っている。
そんな中、必死で俺を心配する声が聞こえた。
「八幡君!大丈夫なの!?」
やってきたのは生徒会副会長の遥である。遥の登場で縦巻金髪ロールと劣化嵐山さんは顔を青くする。
「問題ない。ちょっと切れただけだ」
「よかった………ほんとよかったよぅ……」
そう言って遥は今にも泣き出しそうだった。
あー、いくらわざと当たったとしても心配かけたな。ボーダー組も心配してるし。
「………三浦さんと葉山君。生徒会室で事情を聞きますからついてきて下さい」
戸塚と遥に手当された後、最大限の怒りを込めて遥は周りの生徒を解散させて、名前が三浦と葉山というらしい2人を連れて生徒会室へ向かった。
雪ノ下たち?アイツらは知らん。
誰か知らんが教師を呼んだらしく、念の為に休めとのことで俺は保健室に向かった。
文字数が多くなってしまいました……