やはりぼっちとコミュ障のボーダーは間違っていない   作:癒しを求めるもの

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八幡と綾辻シーンです!

由比ヶ浜にアンチかかりますので嫌な人は注意して下さい。


比企谷八幡は戸塚彩加と出会う

八幡side

 

昨日、米屋に誘われてランク戦をした俺だが、早めに帰って寝たため体調はいい方だ。

三バカに十和と10本勝負を総当たりでした結果、俺が1位で十和が2位、その後は出水、米屋、緑川といつもの順で終わった。

なんかその後、C級隊員からは「死神に勝った!?」とか言われて俺も注目されちまった。どれほど十和が怖かったんだよ……

 

以前の十和暴走事件では十和の野性が出てきたから、というかキレたから出水達もいつも通りできなくてあそこまでの戦果になったが昨日は違った。

全員がいつものようにしての真剣勝負だった。

 

しかし、十和の奴は孤月の大鎌ことファルクスでの戦いのバリエーションが増えて攻撃がメインになった。

前は平均で6対4で俺が勝っていたが5対5で引き分けとなった。

強くなったな、十和よ。

 

ーーーと、父親視点で十和を見ているが実際そうだ。

今回の部隊でのランク戦は戦術を変える必要があるな。

 

 

次の日の学校ではその事ばかり考えてた。休み時間も俺に話しかけてくる奴いないからじっくり考えられたぜ!いや、ぼっちだからだけどね………

 

しかし今日はいつもはない筈の視線を感じてチラッとその方向を見ると明るい茶髪のビッチっとぽい女、えーっと、由比ヶ浜?がいた。

目が会った瞬間、何か言いたげに立ち上がったがクラスの女王ことえーっと……あ、名前知らないか。まぁ縦巻金髪ロールのお声がかかり余儀なくされた。

奉仕部関係か?なら俺は関わらないぞ。昨日のアイツの依頼が何であれ、俺は奉仕部には必要最低限しか関わりたくない。面倒な予感しかしない。迅さんならなんか知ってるか?

 

 

そしていつも通りの昼食の時間となり、俺はベストプレイスに向かおうとしたその時だった。

 

 

「……あ。は、八幡。え、えーっと。お、お昼ご飯一緒にた、食べない?」

 

 

いつもの学校バージョンよりぎこちない声で十和が俺を飯に誘ってきた。

なんか後ろで鼻血が大量に放出された音と、それを止めようとする連中の騒ぎ声が聞こえたため、目立たないためにも一度、廊下に出た。

 

 

「で?なんで十和が飯に?」

 

「え、えーっと。ま、まぁアレだよアレ。ほ、ほら!昨日のランク戦のアドバイスーみ、みたいな?」

 

「………学校じゃ目立つじゃねぇか」

 

「!……そ、そうだね!だから八幡がいつもご飯食べてる場所に今すぐ行って!僕はパンを買って行くよ!」

 

 

そう言って十和は冷や汗をかきながらどこかへ言ってしまった。

たまに学校でも話すが、いくら学校ではコミュ障だからと言ってもあそこまで言葉はつまられせないはずなんだが……

 

まぁ、もとからベストプレイスには行く予定だったし問題ないと判断して俺はそこへ向かった。

 

 

昼飯持った

 

途中でマッ缶買った

 

着いた

 

遥がいた

 

 

……… what?

 

 

「あ!八幡君!こっちこっち」

 

「……何で遥がいるんだ?俺は十和と食べる予定だったんだが?」

 

「あはは……実は志神君にお願いして2人にさせてもらったんだ」

 

 

え?俺と2人っきりになりたかったの?

やめてくれよ。いくら幼馴染だからと言っても勘違いして告白してふられるだろ?………やっぱりふられるのが前提だよなぁ

 

 

「何で俺なんかと?三上とか優菜とか、宇佐美だっているだろ?」

 

「……………鈍感」

 

「何で鈍感?逆に俺は敏感だぞ?特に悪意のこもった視線には」

 

 

そう言うと遥はまたしてもため息をついて少し怒った顔でこっちを見てきた。

 

 

「歌歩ちゃんは志神君と一緒だし、優菜ちゃんと栞ちゃんは同じクラスの人と食べてるよ」

 

 

え?遥ってぼっち………な訳ないか。

千葉県三門市に住んでいる人はボーダーの顔と言われる嵐山隊については全員知っている。その嵐山隊のオペレーターである遥がぼっちな訳ない。

総武高だけでも何100人ものファンクラブ会員がいるのに1人にさられるのはおかしい。

 

その前に十和よ。お前は呼び出しだけに使われたのか?俺が逃げることを予知して十和を使うなんてことをするのは優菜か宇佐美当たりだろう。

後で説教だな。

 

しかし、今は説教だの無視すべきレベルで不味い。

遥の顔がどんどん悲しげな表情になっていくのだ。

 

 

「……あのね、八幡君。私は八幡君とお昼を食べたかったから2人になったの。だから自分を低くしないでよ……」

 

 

そう言って遥は若干涙目になったため、俺は有名人とご飯食べてるよ目立つから逃げるという選択肢を排除して遥の頭の上に手を置いていた。

 

 

「あー、その。なんだ?悪かった。もう言わないから飯にしよ。な?」

 

「………うん」

 

 

顔が何故か赤いが、もっと撫でてと目で訴えてきたため目線をずらしてサラサラの遥の髪の感触を味わいながらゆっくり撫で続けた。

今更だが俺の幼馴染は可愛すぎる。

気持ち良さそうに目を細められたら直視出来ん。

 

 

 

「あ、ありがと。撫でてくれて」

 

「あ?別にいいぞ。ってか撫でて良かったのか?高校生で頭撫でられるのは嫌じゃねぇか?」

 

「うんうん。八幡君は上手だし、何だか落ち着くからもっと撫でて欲しいな」

 

 

万遍の笑顔で返してきた遥に「気が向いたら」とだけ答えて俺はマッ缶を開けて座った。

小学、中学と同じだった遥とは小学校の頃までは頭を撫でてとたのまれて撫でていたが俺のいじめが始まると遥も危険だと思った俺は中学では完全に他人のフリをしていた。

親の付き合いでたまに話したがほんの少しだけだ。

しかし、大規模侵攻が起こった後は、俺と小町は遥の両親にお世話になった。ボーダーに入隊し、高校に上がった時にボーダー内では前のような関係に戻すことが出来た。

だから遥の頭を触ったのは久しぶりになるが、もっとするのは俺の理性がもたない可能性があるため極力避けたい。

 

 

「遥の弁当は手製か?」

 

「うん。バランス悪い、かな?」

 

当たり前の如く隣に座ってきた遥に一言言おうとしたが楽しそうだったため聞けなかった。

逆に目に入ったのは野菜や肉が色鮮やかに飾られた弁当だった。

 

 

「いや、美味そうだなぁって思っただけだ。……専業主夫志望としては見習わなければ」

 

「その夢は諦めないの?」

 

「悪いが俺は社会にでて働くのはゴメンだ。ボーダーならいいがサラリーマンの俺って想像つかないだろ」

 

残業と明日の大量の書類の山をみて目が腐る俺なんて………アレ?似合って、る?

 

 

「遥は専業主夫志望の男を呆れるか?この前二宮さんにも聞かれたが睨みつけられて現実見ろって言われた」

 

「うーん。私はいいと思うよ。だって八幡君はほんとうに専業主夫になりたいんでしょ?だったら私は応援するよ!」

 

「……遥。お前、良い奴だな。絶対に将来はいいお嫁さんになるぞ」

 

 

遥の優しさに触れて本音を言った俺だが、遥はまたしても顔を真っ赤にして俯いてしまった。

なんか怒らせること言ったか?

 

 

「あー、なんか変なこと言ったな。すまん」

 

「ふぇっ!?あ、大丈夫大丈夫!………私が八幡君のお嫁さん……」

 

可愛らしい声が出ると大慌てで手を振り、大丈夫だと言ってるが最後は聞き取れなかった。やっぱり怒ってないか?

もう一度謝るべきと思った時だった。

 

 

「あれ……ヒッキー?」

 

 

と、後ろから由比ヶ浜の声が聞こえてきたので、振り返るとジュースを二つ持った由比ヶ浜がそこにはいた。

渾名はそのままか………

 

 

「由比ヶ浜か。何でここにいるんだ?」

 

「ジャンケンで負けたら買いに行くをって勝負をゆきのんとしたんだ。最初は、ゆきのん乗り気じゃなかったんだけど『負けるのが怖いの?』って言ったら乗ってきて、ジャンケンに勝ったとき、小さくガッツポーズして喜んでた。ちょっと可愛かったよ」

 

「ふーん」

 

 

なんか雪ノ下のことを渾名で呼び始めたから余程仲良くなったのだろう。

その前に雪ノ下だが簡単過ぎじゃねぇのか?そんだけで勝負にのるとかすぐに騙される小南レベルで社会に出たら失敗するぞ。

 

 

「ヒッキーは何でここに………って!綾辻さん!?」

 

「こんにちは。由比ヶ浜結衣さんだよね?」

 

 

なんだ?

コイツ、遥より影が薄い俺の方しか認知出来ていなかったのか?

 

 

「ヒッキー!?なんで綾辻さんと2人なの!?何したし!」

 

「……別に。私と八幡君は幼馴染なの。だから一緒に食べてるだけだよ」

 

 

俺がdisられて遥は機嫌を悪くしていつもより強い口調で由比ヶ浜に反論した。

反論してくれるのはありがたいが近づきすぎませんかね?

 

今、俺と遥は肩がギリギリ当たっているほど近い。

女子特有の匂いが鼻を刺激してきてヤバいんですが……!

 

 

「うっ……だ、だからって近すぎだよ!」

 

「八幡君は嫌がってないから良いでしょ?ね?」

 

「あ?ま、まあそうだな」

 

 

ほんとは離れてくれないとまた理性の壁が崩壊しそうだから離れてくれると助かるが流れに乗ってうんと答えてしまった。確かに嫌じゃない。むしろ嬉しいが恥ずかしいし、遥に気持ち悪がられたくないから言わない。

そうすると由比ヶ浜は黙って俺と遥を睨みつけてきた。

結局コイツは何がしたいんだ?

 

いい加減、飯の邪魔だから雪ノ下の所に帰れと言いたかったがその前に間が入った。さっきから多くね?

 

 

「あれ?由比ヶ浜さん……?」

 

 

と見覚えのある女子生徒が話しかけてきた。

 

 

「あ、さいちゃん。やっはろー」

 

 

と由比ヶ浜が訳のわからん挨拶で返した。

その挨拶はかなりバカっぽい。

 

 

「あ、比企谷君も綾辻さん、こんにちわ。」

 

 

と俺に話しかけてきたが、女子の知り合いにはいなかった気がする。

そもそも学校で知り合った女子は誠に遺憾であるが雪ノ下と由比ヶ浜だけだ。

 

 

「えっと……どちら様ですか?」

 

 

「はぁー!!ヒッキー、さいちゃんのこと知らないなんて、キモい」

 

 

と俺の言葉に由比ヶ浜がいきなり罵倒して来た。

雪ノ下とは違って直接的だな、おい。

 

流石にイライラしてきたので文句を言おうとしたその時だった

 

 

「由比ヶ浜さん。知らなかっただけでキモいって言うのはどうかと思うよ?」

 

「でも!さいちゃんを知らなかったヒッキーが悪いじゃん!キモいのはしょうがないよ!」

 

「もう一度言います。由比ヶ浜さん。人を罵倒するのはやめて下さい」

 

 

強く返された由比ヶ浜は黙って俯いてしまった。

なんか由比ヶ浜は雪ノ下に似てるな。つまり俺が嫌ってる部類に入る。

 

本来は俺が文句をいう立場だが、遥が代わりに怒ってくれたため、話をジャージを着た女子に戻す。

 

 

「すまんな。何分、女子の知り合いは少なくて知らなかった。で、誰だ?」

 

「「…………」」

 

「あ、あはは………」

 

 

と二人の沈黙と女子の乾いた笑いが返ってきた。

 

「………八幡君。彼は戸塚彩加君って言って八幡君と同じクラスの男子テニス部部長だよ」

 

「…………………は?」

 

と遥がとんでもない事を言ってきた。

 

何?!この容姿で男子だと?この見た目なら男子より女子と言った方が納得出来ると思う。

少なくとも俺は女だと思っていた。

 

 

「うん。僕、男子生徒なんだ……」

 

「……すまん。ジャージで判別つかなかったといえ、間違ってすまん」

 

 

と俺は戸塚に対して謝罪した。

すると彼じ…いや、彼は光のような笑顔で言ってきた。

 

 

「ううん。でも次は間違えないでね」

 

 

と。

なんて心が広いんだ。どこかの毒舌部長とビッチとは、ちがうな。

 

その後、戸塚は練習があるからとテニスコートに戻った。それに由比ヶ浜も納得のいかない表情だがパシリの最中なので教室に帰っていった。

 

 

「……飯、食べるか」

 

「うん!」

 

 

そう言って幼馴染との久しぶりの飯は最高でいつもより美味しく感じられた。

 

 

 

昼休みが終わり、午後の授業が終わると、昨日の条件のために奉仕部に向かった。

やっと学習したのか、雪ノ下は黙って睨みつけるだけですんだ。

俺は無言で奉仕部の部室でラノベを読んでいる時だった。部屋の扉が勢いよく開いて、由比ヶ浜が入ってきた。

 

 

「やっはろー。依頼人を連れてきたよ」

 

 

 

と言うが由比ヶ浜、拉致してきたんじゃないよな?などと考えていると雪ノ下が、由比ヶ浜に呆れながらも由比ヶ浜の立場を言った。

 

 

「由比ヶ浜さん……「あ、お礼とかいいから。私も奉仕部の一員だしね」……残念だけど、あなたは奉仕部の部員ではないわ。入部届けを貰ってないもの」

 

「え?そうなの。だったら書くよ、何枚でも」

 

 

と由比ヶ浜はカバンからルーズリーフを取り出し書き始めた。てか由比ヶ浜、入部届くらい漢字で書けよ。それでよく総武に入学できたな。まさかの裏口入学か?と考えていると由比ヶ浜が部屋の外にいる人物に中へ入るように促していた。

 

 

「あ、そうだ。さいちゃん、さあ、入って入って」

 

 

と入ってきたのは、戸塚だった。戸塚は入るなり周りを見渡し俺と目が合ってほっとしていた。

ヤバい、可愛いなおい

 

 

「あ、比企谷君って、奉仕部の部員だったんだね。知らなかったよ」

 

「まぁ、仮入部みたいなものだけどな。で、戸塚の依頼って何なんだ?」

 

「うん。実は僕がいるテニス部、他の人があまり練習に来ないんだ。だから、部長の僕が強くならない他の人も積極的に参加してくれないと思うんだ。それで、僕を強くしてほしいんだ」

 

 

と戸塚が言うと雪ノ下が由比ヶ浜に少し怒った口調で言った。

 

 

「由比ヶ浜さん。奉仕部の理念は、釣った魚を与えるのではなく釣り方を教えて自立を促すというものなのよ。貴女がしっかりと説明しないから、戸塚さんをがっかりさせるのよ」

 

「うっ……で、でもゆきのんなら出来ると思って、やっぱり出来ないよね……」

 

 

とテンションを下げてまるで雪ノ下を挑発しているかのようだった。

 

ってか雪ノ下よ。最初は俺の矯正とか言ってたくせに罵倒してきたじゃねぇか。そんな奴が釣りの仕方を教える訳がないだろ。

 

 

「あなたもそんなことを言うのね。……いいわ。その依頼を受けましょう」

 

 

とそれに対して雪ノ下は依頼を受けた。

馬鹿なのか?この自称救世主は。

 

完全に由比ヶ浜に乗せられたな。……由比ヶ浜は実は策士なのか?……いや、ないな。

 

 

「で、トレーニングメニューとか、どうすんだ?やっぱり初めは身体強化だよな?」

 

「とにかく、死ぬまで走って、死ぬまで素振りね。これに限るわ」

 

 

と俺の質問に雪ノ下は、おキレを通り越したことを言ってきた。流石に由比ヶ浜と戸塚も唖然としていた。

 

 

「……メニューは俺が考えておく。雪ノ下のでやったら戸塚や他の部員が練習できなくなる。もう少し、堅実的なメニューを考えろよ。それでほんとうに学年4位か?」

 

 

と雪ノ下は納得してない顔を俺に向けて睨みつけてきた。

そんな顔を向けるくらいなら、もっと真面目な練習メニュー考えろよ。スポーツしたことないのか?コイツ

 

 

 

こうして、奉仕部は戸塚のテニス強化依頼をやっていくことになった。

 

 

 

 

 


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