やはりぼっちとコミュ障のボーダーは間違っていない   作:癒しを求めるもの

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4話目です!


かくして比企谷隊の火力は上がったのであった

「………と、いう訳で出水殿達は処刑中なのである」

 

 

「……ーーーー」

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

………なるほど

 

 

「つまり出水たちが十和のDVDをダメにしてキレたってことでいいか?」

 

「うむ。最初から最後まで見ていた我だが十和のあのキレ具合は初めて見るぞ」

 

 

材木座が言うのも頷ける。何故なら十和の性格でキレることは少ないのだ。

コミュ障だから学校は論外にしろ、ボーダーでは接しやすくて頼りになると正隊員は勿論、上層部や訓練生であるC級隊員も承知の事実だ。

 

仏のような人格者の十和だがキレると材木座が言ったように【死神】だ。

現にキレた十和は米屋を笑顔で材木座命名の【ファルクス】で真っ二つにした。騙されて怒る小南よりも鮮やかに決まった。

 

にしてもあの三バカは学習しないのか?

過去に一度、ボーダー内でキレた十和を見たことあるはずだぞ?そして瀕死になったエリートを忘れたのか?おっと、殆ど答え言っちゃった。

 

 

「………あの3人。後でオハナシしなきゃね」

 

「優菜ちゃん、落ち着いて。ね?」

 

 

死亡けってー

十和の迫力がありすぎて有耶無耶になっているが十和のDVDをダメにしたのは優菜のおやつであるショートケーキだ。

優菜の事だから後で高いケーキ要求して帰らせるが精神的に死んだ3人は安易に想像できる。

 

 

学習しない三バカに呆れながらも俺はモニターを見た。

3人は恐怖でいつもの元気はなくなり、好調とは言えない状態であるが腐っても鯛。バカでもA級だ。

 

 

青ざめた出水のバイパーを1部切って道を作り、

 

謝りながらも槍でつく米屋の槍は胴体と一緒に切断され、

 

震えながらもグラスホッパーですきを伺う緑川をシールドごと破壊する。

 

 

「……材木座。あの大鎌って攻撃力高ぇのか?」

 

「けぷこんっ!ファルクスは元が孤月故に斬撃に関しては孤月と同様である。耐久性も同じであるが重さは大きさに比例してあるが確実に重くはなっている」

 

「じゃああの威力はーーー」

 

「十和の実力で間違いないだろう。大鎌は非常に扱いが困難である。重心の移動に柄の位置、そして刃の向きを合わせてやっと一撃を振れる。レイガスト以上に使い手はいないと十和と興味本位で作ったのだが十和にとって大鎌は天性の武器だったらしい。鬼に金棒というが死神に大鎌ということわざを作ってもいいのではないか?」

 

 

風間さんの弟子である十和だがスコーピオンが合わないと言った理由がよくわかった。それでもスコーピオンでマスタークラスになった十和の才能は恐ろしいが大鎌だとそれ以上を発揮できるらしい。

 

殺気立つ優菜を遥に任せて材木座と解説していたその時だった。

 

 

「確かに凄いな。私や慶も弾を切るが最低限度の数を切って避ける。ファルクスだったか?その特性を理解した上で連続技に発展させる志神の技術には驚かされるな」

 

「ーーー忍田本部長……」

 

 

材木座との会話に入ってきたのはボーダー本部長でありながらもノーマルトリガー最強の男、忍田本部長だった。

いつから?と思ったが確かC級隊員に指示だしてたな。場のカオスに頭がショートして忘れてた。

 

 

「すみません。ウチの隊員が迷惑かけて」

 

「別に迷惑ではないぞ。3対1で1人が3人を圧倒しているランク戦があっているだけだ」

 

 

ストッパーである三上を探す指示をさせてしまったのだが……この人、やっぱいい人だ。

 

忍田本部長は『市民の安全が一番!』の派閥の筆頭の人でA級1位太刀川隊隊長の太刀川さんの師匠だ。

 

ちなみに比企谷隊はどこにも属していない。俺たちの履歴上、『ネイバー絶対許さない』の木戸司令の派閥だと思われるが俺は妹の小町に金の面で苦労させないようにボーダーに入った。親父やお袋の死も気にしているが今は復讐より守ることが優先だ。

十和は家族がいなくなったが幼馴染の三上や仲がいい人達のためにボーダーに入った。だから復讐はそこまで考えてないらしい。

 

おかげで当時は三輪隊隊長の三輪に嫌われていたが十和が何か言ってからというもの落ち着いた。今は普通に飯くいに行くし、十和とは親友レベルだ。

 

おっと、長くなってしまったが結論。忍田本部長はいい人。以上。

 

 

「でも何で今日は此処に?仕事で忙しい筈っすよね?」

 

「ああ、それだが「俺が呼んだんだよ」」

 

 

ノーマルトリガー最強の男であるが役職は本部長。本来ならいるはずもない人がいるというボーダー隊員なら誰もが思う疑問に答えたのは後ろからの声だった。

 

 

「迅さんですか」

 

「おう、今日ランク戦見に来ると面白いものが見られるって俺のサイドエフェクトが言ったんで教えたんだ。しかし案の定、ボコボコにやられてんな、あの3人」

 

迅悠一

玉狛支部所属のS級隊員だ。

サイドエフェクトは未来予知というチートを持っているが豚箱行きにならないようにボーダー女子組にセクハラをしているセクハラエリートだ。

 

 

「こうなることがわかってたなら三バカとめといて下さいよ……」

 

「いや、俺のトラウマを共有する連中が現れる絶好の機会だったもんでな………」

 

「じゃあ三上にセクハラはしないで下さいよ……後、遥と優菜も。特に優菜!」

 

 

先程、十和が過去にキレたと言ったが元凶はこの人だ。

何でも未来があまり見ない日、サイドエフェクトが働かなかった日に偶然通りかかった三上の尻を触ったのだ。ここで三上は軽く悲鳴をあげて迅さんは説教されるだけですむと思った瞬間、突然未来が見えたらしい。

 

 

 

自分が多くの隊員の前で倒れている姿が

 

 

 

 

焦った迅さんは後ろを振り向くと紙袋のなかから割れたアニソンCDを落として笑顔でトリガーを起動させた十和がいたらしい。

幼馴染がセクハラされている現場にあい、その幼馴染の悲鳴にビクって大量のCDを落としてしまった十和は迅さんをランク戦まで連れて行ってボコボコにしたのだ。

 

結果は100戦で十和が87勝3引き分けだ。

最後の10戦は迅さんがブラックトリガーの【風刃】を使ったらしいが十和が6勝3敗1引き分けだったらしい。

コレがC級隊員も見ていたらしく、尊敬の眼差しで十和を敬う理由になったのだ。

俺が高校入学の日に馬鹿な飼い主が犬のリードを手放して車に轢かれ、入院していた時期で詳しくは知らんが後で見舞いに来てくれた玉狛メンバーにきいた。

ん?なんでボーダーの俺が車に轢かれたかって?犬に噛まれて避けられなかったからだよ。

 

 

「まぁ、仲間が欲しかったのともう一つ重要なことがあるんだがな」

 

「そっちを言ってくださいよ……」

 

「まあまあーーーで、重要な事についてだな。志神、いや比企谷隊は目指すべき隊であるが怒らせるとヤバイことをC級隊員に改めて知覚してもらうためだ」

 

 

え?何で?

 

 

「まあ、疑問に思うだろうが俺も詳しくは分からない。だがC級隊員が最低でも志神を怒らせてはならないという意識を持ってもらうだけで大きく変わるんだよ。今ので確実に安定した未来になった」

 

「それだけですか?」

 

「実は、出水たちが志神を怒らせなかった時の未来の一つに何人かの正隊員ーーー三輪や小南、影浦、黒江、木虎そして風間さんに二宮さんあたりが上層部からポイントを没収されている未来でな」

 

「はぁ!?」

 

 

迅さんの言葉を聞いた瞬間、俺だけではなく材木座や忍田本部長、殺気が若干薄まった優菜に遥までも驚いていた。

 

三輪と小南と影さんは危なっかしいから有り得なくもないが黒江や木虎は真面目な後輩だし、風間さんと二宮さんは絶対に規定違反などしないはずだ。

 

 

「理由は俺にもわからないが流石にそれは不味いから今回は見逃した。あ、でも三上はもうすぐ来るから安心しろ」

 

「あ、比企谷君!」

 

 

迅さんの予知通りに三上がやってきた。

他の隊員もぞろぞろと戻って来たが表情から察するに必死だったのだろう。

 

 

「よう、三上。悪いが十和を落ち着かせて貰えないか?」

 

「それは勿論だよ。それで?今は何を、して……」

 

「ん?どうし………」

 

 

三上の様子と他の隊員がモニターを凝視していたため俺もそっちを見るとそこには『志神十和 98勝1敗』という文字が書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出水side

 

 

よう、俺は出水公平。太刀川隊所属のシューターだ。

 

呑気に自己紹介したいところだが現実はそう甘くない。理由は簡単だ。

現在、迅さんの時と同様にキレた比企谷隊の十和が目の前で新しいトリガーなのか知らんが大鎌を構えているからだ。

既に何十とベイルアウトした俺と槍バカ、迅バカだが1回も勝ていない。

説教が含まれた試合であるが流石に全敗は避けたい。一応、やらかして十和を怒らせた自覚はあるがA級としては勝ちに行きたい。

 

 

「おい槍バカ、迅バカ、聞こえてるか?」

 

『槍バカじゃねぇよ!』

 

『よねやん先輩。そういうのは後にして!』

 

後輩の意見の方が正しいぞ、槍バカ。

え?俺は弾バカだって?

槍バカより学力上だよ。つーか同学年で槍バカ以下はいないだろ。

 

 

「十和には後で謝る。だから残り二試合は勝つぞ」

 

『『了解!!』』

 

目の前には先程までの畏怖の対象がいるが色々と後回しだ!試合に集中しろ!

 

 

「槍バカは十和と相手してくれて!スキができたら逃げて俺と交代。迅バカは自分でタイミングを見つけてくれ!後、大鎌には注意しろ!」

 

 

内部通信を閉じると早速槍バカが動き出した。

 

 

「いくぞ十和の助!幻踊弧月!」

 

「…………」

 

 

槍バカの槍を十和は無言で捌いていく。しかし全ては無理らしく所々に傷がついた。

そして俺も合成弾を作り出し、4×4×4の64にわかれた弾を作り出す。それが完成したと同時に槍バカが大鎌の軌道をズラして大振りな攻撃をした後の体勢にさせた。

 

 

「ギムレット!」

 

「…………っ!」

 

 

俺の声とともに槍バカは十和を真っ直ぐな射程に位置づけるために横へ大きくズレた。

十和はサイドエフェクトの空間把握ですぐさま弾に気づき、無理な体勢から地面を蹴って後ろへと飛んだ。

 

十和がいた場所で爆発が起こるがこれで十和は動けない!

 

 

「ハウンド!」

 

 

同じく64の弾が片方ずつ、計128のハウンドの嵐が十和に待っていたが空中にいるため十和は逃げれない。

トリオン器官と手足にはなるべく重症を負わないように捌いている。

 

おいおい、この状況で捌けるのかよ?

太刀川さんにも切られるがA級1位のメンバーとしては泣けてくる。比企谷の奴も化物だしハッキリ言って強すぎだ!!

 

しかし、3対1で0勝はマジで勘弁!

 

結局、ハウンドはほぼ切られたがまだ問題ない!

 

 

「グラスホッパー!」

 

「………………」

 

 

居場所はわかっていたと思うがトリオンが漏れている状態では迅バカの攻撃を避けれずに、グラスホッパーで加速した迅バカはスコーピオンで上半身と下半身を分離させた。

 

 

「やったな!」

 

「とったぞーっ!」

 

 

バカ二人は喜んでいるが今回、十和はあの新トリガーしか使ってない。

パーフェクトオールラウンダーの十和はシューターとしても戦えるため本来だったら上手くいかなかった作戦に俺は頬を叩いて残りの1戦に向けて意識を高めた。

 

十和はすぐに戻ってきて同じ笑を浮かべていたが構えの大勢に入る。

 

 

「次は二人で攻めてくれ。俺は囮として撃つからスキを狙えっ!」

 

「「了解!」」

 

 

そう言って二人は勢いよく飛び出した。がーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………絶空孤月」

 

 

ボソリと十和が呟いた瞬間、先程まで以上の速さで振られた大鎌はすぐさま反応して二人と、二人の二重のシールドを切り裂き、光へと変えさせた。

 

 

「チッ……アステロイド!」

 

 

二人がベイルアウトするもすぐに攻撃を始める。

しかし、弾を切りながら突っ込んでくる十和を止められずに俺は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

 

「もう……いくら怒ったからだって言ってもやり過ぎだよ」

 

「ごめんなさい。自重します」

 

 

現在、十和は三上に説教されている。正座で。

結果99勝1敗で十和が勝利したランク戦だが十和がまだ殺ろうとしていたため三上が抱きついてそれを阻止し、落ち着いたところで説教し始めた。

正気を取り戻した十和と三上を見ると、飲み会に行って帰ってきた夫を叱る妻の印象が強くて周りは暖かい目で見ていた。

普通だったら殺気を出す奴がいるはずだがボーダーでは十和と三上の仲の良さは知れ渡っているため、誰も憎んではいない。嫉妬している奴はいるかもしれんが。

 

ん?三バカ?奴らは死んだ。優菜の手によって。

 

 

お騒がせした十和の罰は迅さんの提案で三上に一日中、荷物持ちとして出かけることに決まった。迅さんナイスと思いながらも、隊長である俺も遥の荷物持ちを押し付けられた。

 

断ろうとしたら周りからの断らないよね?っと言う視線に、優菜の握りこぶし。そして潤んだ瞳で上目遣いで頼んでくる遥に負けて出かけることになった。

まぁ遥の買い物に付き合うのは昔からだったため今更気にしないが優菜にも罰はないかときいたら連帯責任は俺だけだと言われた。

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして比企谷隊に新しい火力が加わったのであった。

 

 

 




一応、毎日更新していますがそれは無理だと思うので時間がかかるかも知れませんが極力頑張ります!

皆さんもどうか評価していって下さい!お願いします!

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