やはりぼっちとコミュ障のボーダーは間違っていない   作:癒しを求めるもの

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比企谷隊の新たな門出である

 

八幡side

 

 

「うーし。最初に1体まで減らすぞー」

 

「了解だよ」

 

40体くらいの数のトリオン兵がゲートから溢れるように出てくる。

そんな光景を遠目に、俺は()()に指示をだした。

 

 

「司波も俺と近くまで接近して実験する。十和は遠距離からトリオン兵が逃げないように阻止してくれ。行くぞ司波」

 

「了解した」

 

「頑張ってね〜」

 

 

比企谷隊の隊服である黒の姿をした三人がそれぞれの役割を果たすべく行動に移る。

十和はライトニングを構え、俺達に弾丸が当たらないように、つーかわざとギリギリに横切る弾丸が前のトリオン兵を撃ち抜く姿を見ながら、俺は手にキューブを出現させ、新人の司波は両手に銃を構えてハーゲットに向けた。

 

 

「自転、バイバー」

 

「アステロイド」

 

 

俺は3×3×3に分割したキューブに回転をかけて俺は相手の構造をぶち抜く。

司波は建物の上から飛び降りて落下しながらも、ほんの少しの隙間から弱点を撃ち抜く。トリオン兵が最後の力を振り絞って撃ってきた砲撃も、空中で体を捻って受け流した。

 

人間技じゃねぇよ……

 

トリガー使って本物の怪物になりやがった。

 

 

「うえー。なんであの角度で打ち込めんだよ」

 

「サイドエフェクトで限界まで感覚を上げた。直感に近くなったがな」

 

「全く……十和、実験するから戻ってこい」

 

「戻ってるよー」

 

「うおっ!カメレオン使うなよ」

 

「あはは、ごめんごめん」

 

 

職権乱用して脅かすなよ。

入隊当時に風間さんからカメレオンでボコられたから軽くトラウマなんだよ……

だから俺は人間が突然脅かすタイプのお化け屋敷が苦手なんだ。

べ、別に人間が怖いってわけじゃないぞ!十和じゃあるまい!

 

 

「………なんか馬鹿にされた感じがする」

 

「気のせいだろ。それより司波、早くしろ。優菜は録画しとけよ」

 

『準備できてるよ』

 

「こちらも準備完了だ」

 

 

あらやだ。この隊員みんな優秀だから指示が必要ないなんて!

隊長としての役割は何だろうと一人思考を巡らせようとする俺は頭を振って視線をモールモッドと対峙する司波の方向に向けた。

 

 

「ふぅ………」

 

 

司波は目を瞑りながら銃を静かに前にだす。

トリオン兵は三人の人間の中で一番近くにいた司波が動かないことを確認すると急に司波に向かって走ってくる。生身では追いつかれる速度だ。トリオン体である司波なら逃げる事も避けることも出来るだろうが今は1ミリも動かない。

 

そんな様子の司波を助ける……こともなく、ただ見守っているだけの俺と十和は一瞬を見るべく目ばたきをしないよう注意だけしていた。

 

そしてーーー

 

 

「…………………解体(デモリッション)

 

 

目を開けると同時に呟いた一言

 

その一言が引き金となり銃から放出された見えない波がトリオン兵を包み込み、その目の前のトリオン兵は姿を消す、否、消滅した。

 

大きく溜息を吐いた司波は頭を抑えながらこちらに戻ってくる。

 

 

『おーすげー。必殺技じゃん』

 

「確かに凄いけど、何回使える?」

 

「今は5回が限界だな。トリオンは問題ないが()()()

 

 

十和はやっぱりって顔をしているが優菜は『ん?』と声をだす。

 

『”壊れる”って?』

 

「そのまんまの意味だろ。()()()()()。トリオン体が解除されるんじゃなくて肉体が耐えられない」

『マジ?』

 

「ああ。弾丸ならまだしもトリオン兵だと情報量が多すぎて処理するのに脳の負担が大きい」

 

『うへ〜何か怖い』

 

 

防衛任務前の実験で十和のアステロイドにこの技試した俺が本気で殴られたような痛みを受けたのにそれ以上の苦痛でまだ余裕がある司波の方がこえーよ。

 

解体(デモリッション)

司波が開発したこのトリガーは簡単に説明すると、ターゲットの情報を読み取ってトリオン兵などのトリオンでできた物質を元のトリオンに戻すように解体する。また、その原理はーーーーだそうだが意味わからん。

長いし知らん単語が出てきて俺は司波の話を聞くことをリタイアした。天才は違うらしい。十和も???だった。

 

情報を読み取ると簡単にいうがバイパーを即席で引く以上に頭の中で処理するため俺が試すも無理だった。

 

マッ缶飲んで回復したが。マッ缶すげー

 

 

「慣れてないのもあるがトリオン量、重層などその他諸々を一瞬で把握して解体する周波をだすのは時間がかかるな。射程が短い。改良が必要だな」

 

「……実践で使うつもりかよ」

 

 

なんか将来、トリオンでできた物質じゃなくて本当の物質も解体、いや分解してそうだな。

 

ぼっち独特の独り言を呟く司波の肩に手を置いて帰ってにしろと忠告して、新生比企谷隊初の防衛任務を終えた。

 

 

 

***

 

 

 

「お疲れさん。はいMAXコーヒー」

 

 

作戦室に戻ってきた俺達三人は自然とマッ缶を受け取り一腹する。

司波も甘党という訳ではないが糖分補給に、と飲んでいる。

 

「ありがとう。俺は開発室で改良を「待て待て」」

 

 

どんだけ解体したいんだよ。

作戦室から出ていこうとする司波を抑えてソファーに座らせる。

 

 

「お前が改良バカだってのは後だ後。一応、お前も比企谷隊に入ったんなら他の隊員に紹介しておくぞ」

 

「………改良バカとは余計だがコミュニケーションが大切なのはわかる」

 

「じゃあ皆で歓迎会でもする?司波くん知ってる人って少ないし」

 

「つーか比企谷隊と開発室の人間ぐらいだろ。歓迎会はそうだな、カゲさんの所でいいか?」

 

「影浦隊隊長の名前か」

 

「ああ。家がお好み焼き屋だからな。それでいいか?」

 

「歓迎される側としてこちらは文句は言えない。寧ろありがたいくらいだ」

 

「わかった。メンバーは……」

 

「同じ年のメンバーがいいんじゃないかな?全員は多いし、先輩方はかげ、いや忙しいだろうし」

 

 

今、絶対過激って言おうとしたな。確かに太刀川さんとか過激だもんな。人数多いと止め役の皆が大変だから高二と

 

 

「深雪も一緒でいいだろうか」

 

「勿論だ。俺も小町を連れていくぞ」

 

「じゃあ隊長、連絡宜しくね」

 

「あいあい」

 

 

そして俺はスマホを取り出してLINEを開いた。

 

 

 

 

~ボーダー高二組~

 

比企谷:おーい。今大丈夫か?

 

出水:俺は大丈夫だぜ!

 

三輪:問題ないが比企谷が連絡するのは珍しいな

 

米屋:確かにな!

 

比企谷:うっせぇ

 

出水:w w

 

出水:で?要件はなんだ?

 

比企谷:あぁ、合わせたい奴がいるから今日の夕方空いていないか?

 

奈良坂:俺は大丈夫だ

 

三輪:三輪隊は防衛任務がない

 

三輪:俺もいいぞ

 

出水:太刀川隊もないぜ

 

宇佐美:男子会じゃないよね?

 

比企谷:ああ

 

宇佐美:じゃあ私も空いてるよ〜

 

宇佐美:桐絵ちゃんは出かけているからわからないけど

 

比企谷:わかった

 

那須:私たちは防衛任務があるから

 

熊谷:あたし達は却下で

 

米屋:にしてもハッチが合わせたい人か〜

 

米屋:女か?

 

出水:マジか!?

 

宇佐美:何だと!

 

─比企谷が米屋を退室させました─

 

比企谷:何だって?

 

出水:じ、冗談です

 

宇佐美:私もー

 

比企谷:全く……

 

志神:でも女の子も紹介するよね?

 

篠崎:うんうん

 

出水:やっぱり───

 

比企谷:あん?

 

出水:何もないです

 

比企谷:ならいい

 

比企谷:お前達は言葉に気をつけろよ

 

志神:あはは、ごめんね

 

篠崎:確かに、ハチには遥ちゃんいるもんね〜

 

宇佐美:確かにw

 

那須:そうだね

 

比企谷:おい、何で遥になんだよ

 

比企谷:遥が可哀想だろ

 

出水:俺は何も言えないから誰かツッコんでくれ

 

三輪:俺も遠慮しておく

 

宇佐美:私も〜

 

比企谷:何なんだよお前ら……

 

比企谷:それより、今既読してないのは誰だ?

 

志神:うーん、歌歩さんと綾辻さんと小南さんだね

 

小町:後、小町もですよー!

 

比企谷:……おい、なんでお前が入ってんだ?

 

小町:誘われたんで

 

綾辻:ごめんね、私が誘ったの

 

比企谷:ならいいが……

 

小南:そんなことより比企谷!

 

小南:紹介したいのって深雪のお兄さんでしょ!

 

比企谷:そうだ。よく分かったな

 

三上:私たち、今、深雪ちゃんと一緒なんだ

 

志神:綾辻さんと小町ちゃんもだね

 

小町:はい!

 

比企谷:よかった。じゃあ夕方6時にカゲさんの店に来てくれ

 

出水:それはいいんだけどよ

 

出水:深雪ちゃんって誰だ?その兄も

 

綾辻:ボーダーの女子は知ってるけどボーダーの開発室にいるお兄さんの妹さんだよ

 

三輪:兄は誰だ

 

志神:うーん。東京に住んでる臨時開発者かな?

 

篠崎:そしてハチと同類

 

出水:シスコンか

 

小町:お兄ちゃん……

 

比企谷:おい、確かにアイツはシスコンだが俺は違うぞ

 

小南:あんたはシスコンでしょ!

 

奈良坂:落ち着け

 

奈良坂:比企谷、それだけか?

 

比企谷:無視か……

 

比企谷:そいつは司波達也つって比企谷隊の臨時メンバーだ

 

出水:!?

 

熊谷:それって本当?

 

比企谷:ああ

 

篠崎:臨時だけどね

 

比企谷:詳しい事は後で会って話す

 

比企谷:他に何かないか?

 

出水:米屋は?

 

比企谷:あ、忘れてた

 

出水:www

 

宇佐美:戻してあげたら?

 

比企谷:そうだな

 

─比企谷が米屋を招待しました─

 

米屋:酷いぜハッチ!

 

比企谷:自業自得だ

 

三輪:すまんな、ウチの馬鹿が

 

米屋:秀次!?

 

比企谷:問題ない

 

比企谷:とにかく、来れる奴は6時にカゲさんの店な

 

志神:了解

 

篠崎:あーい

 

三輪:わかった

 

奈良坂:了解だ

 

宇佐美:はいよー

 

小南:私も行くわ!

 

小町:小町も深雪さんと一緒に行くね!

 

綾辻:私もお願いね

 

三上:私も

 

米屋:ハッチと十和の助はイチャつくなよ?

 

出水:写真欲しい!

 

綾辻:米屋くん!?出水くん!?

 

三上:何言ってるの!?

 

出水:おー自覚あるのか!

 

米屋:次はビラにして配r

 

─比企谷が米屋を退室させました─

 

─志神が出水を退室させました─

 

比企谷:三輪、米屋借りるぞ

 

志神:出水くんもね?

 

三輪:馬鹿が迷惑かけて本当にすまん

 

宇佐美:成長しないねあの二人は……

 

小南:全くね!

 

比企谷:そうだな

 

比企谷:じゃあ、6時に集合な

 

小町:お二人は放置!?

 

 

 

 

LINEを画面から消した俺は顔を上げると十和と目が合った。

 

 

「十和」

 

「わかってるよ」

 

「「殺るぞ(よ)」」

 

 

呆れる比企谷隊残り二人を横目に俺と十和は処刑方法を考えるのであった。




短くなりましたがすみません

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