やはりぼっちとコミュ障のボーダーは間違っていない 作:癒しを求めるもの
後、次のデート回はどうしよう
現在、個人ランク戦が行われる訓練場では隊員と総武高の生徒が大勢集まっていたが誰も口を開けない、いや開けられないのだ。
理由は二つ
先ずは葉山、三浦、雪ノ下の3人の言動だ。
殆どの総武高生徒は比企谷という名前を聞いても誰?っという反応とあの腐り目がA級(笑)だった。しかし、クラスカーストトップの二人に成績優秀な雪ノ下がA級の比企谷と今後の立場を揺るがしかねない勝負を行おうとしているのだ。
ボーダー隊員は比企谷八幡の実力を知っているため初心者三人に負けるような人ではないと思っているが、実力を知らない総武高生徒先程の訓練で1分をきった二人がいるからいくらA級でも一人だと勝てないだろう、そう思っていたがーーー
『0.4秒』
恐るべき記録を見て、改めてボーダーのA級隊員の実力を知ってしまった。これが二つ目の理由だった。
部屋から出てきた比企谷八幡はその記録に満足することなく、ただ当たり前の結果だとただ寄せる雰囲気で歩いて戻ってくる。
三浦はただ絶望し、葉山は策を考え、雪ノ下はイカサマがあると確信し見破ろうとしていた。
そんな三人に近づいてくる比企谷、いや、理性を保ちながらも内心ブチ切れていた《鬼》は
「さっさと選べ。時間の無駄だ」
そんな三人は眼中に無いように、溜息を吐きながら呟いた。
八幡side
「さっさと選べ。時間の無駄だ」
本当に無駄だ。武器を選ばせることをハンデにしたがそれだけで俺がネイバーや戦闘狂共と戦ってきた年月に叶うわけないだろう。
ましてやコイツらには黒江みたいに特化した才能はない。努力すればいずれ俺を超えられるかもしれんが無理だ。こんな奴らに負ける俺ではない。
………にしても、コイツら本気で勝つつもりなのか?
三浦は戦意喪失してるが残り二人は少しの希望を掴もうとしているようだが無意味なのにな。自分を主人公だと思ってんのか?
性格クズとか鬼畜……同じか。まぁ、そんな奴が主人公のラノベあるが劣化版と毒舌が主人公の物語を見てみたい。
……………え、ない、よね?
葉山グループは誰も助けようとはせず、由比ヶ浜もただあたふたしているだけ、そして何か「っべーわー。隼人くんべーわー」と訳分からん言語使っているやつは煩い。とにかく煩い。
つまるところ、まぐれで俺に勝ってもコイツらの華やかな高校生活はここで終わりだ。
「決まったよ」
「そうか。で?俺は何を使うんだ?」
「ヒキタ、…比企谷くんにはバイパーを使ってもらう」
また名前間違えかけたな。途中で戻したがあと一文字いってたら俺じゃあ抑えられない怪物が襲いかかる所だったぞ。
まぁ、いい。
しかしバイパーか。どうせ由比ヶ浜がバイパー使って失敗しまくってたし俺はさっき孤月でトリオン兵真っ二つにしたからアタッカーだと思ったんだろう。
「もう一度聞く。本当にバイパーでいいんだな?」
「そうよ。あなたがカッコつけてだしたハンデだから守りなさいよ卑怯がやくん」
勇気あるなー雪ノ下。
俺以外のボーダー隊員の殺気をわざわざ集めるなんて。本人はそれどころじゃないため気づいていない。
俺は嵐山隊の元へ行き場所の確保を求めた。
「すみません。迷惑かけます」
「何れにせよ俺たちが報告することになるんだがな。頑張ってくれ」
「頑張って下さい」
「見学に来た学生をボコボコにして下さい比企谷先輩!」
「佐鳥、言い方が悪い。後でランク戦な」
佐鳥は「俺スナイパー!」と喚くが無視だ無視。
純粋に応援してくれる時枝は人気なのはわかるが佐鳥の奴も人気な理由がマジでわからん。
そして俺は遥の前に来る。
「八幡君。大丈夫だと信じてるけど……気をつけてね」
「ああ。ありがとな」
「八幡君………」
「遥………」
「………何してるんですか先輩方」
木虎に指摘されて遥から目を離した。
いけん、前に遥と手を繋いでから周りの視線気にしなくなっていたが今は総武高の生徒もいるため殺気が襲ってくる。何人か「ジャッチメントですの!」とか言いたげな格好をして集まって話しかけていたがハチマンナニモミテイナイ。
すまない、と遥の頭に手を乗せて俺は先導して部屋に入った。
しかしまぁ、佐鳥が言ったようにボコボコにするのは賛成だ。
ウチの隊員馬鹿にした罪と偽の正義感をもつ罪を償ってもらう。
これはゲームであって遊びではない。
さあ、
………妹キャラ、出てくるなこの二作品
***
「場所は……妥当に市街地A、普通の住宅街だ。天候も晴れにして置く。位置設定はランダムでいいか?」
『それでいいよ』
「もう一度確認だ。俺に勝ったら学校側に今回の件を知らせない。上層部にも言っておこう。で、俺は指定されたバイパーのみ。先に倒された方が負けでいいな」
『勿論だ。俺たちが三人でかかってきてもいいんだね?』
それで勝てると思ってんのか?
口にしないが呆れる俺をよそに、葉山は通信をきった。準備は大丈夫なようだ。
俺はトリガーにバイパーのみになるよう優菜に頼んで改造してもらったトリガーを再起動させて場所が市街地に移る。
『対戦開始』
機械音と共に俺は目を瞑って三人の居場所を確認する。
一番近いのは……三浦だ。
近いっていうか肉眼で見える位置だった。俺に気づいた三浦はスコーピオンを発動させて睨みつけていた。
「あーしをコケにして隼人まで!ヒキオ潰す!」
「威勢はいいが喋る余裕があるとは驚きだ。当たってないから黙れば?」
「うっさい!ぼっちの分際でこのあーしに楯突くなし!」
うわあぉ。
更に挑発するのもいいが既に話は聞かないと思うため俺は二宮さんスタイルでポケットに手を突っ込んで遅い斬撃を避ける。
考えなしにただ俺を斬ろうとするだけじゃ当てられるわけないだろ。
「何で当たらないし!動くなし!」
「それで止まると思ってんのか?………はぁ、もういい。飽きた」
前に突っ込んで腹を貫こうとする三浦の攻撃とも言えない動作を横にズレることで回避し、足をかけると盛大に転んだ。
そして俺が後ろを向くタイミングを探っていたであろう葉山が素早く腕を振るうも
「なっ!?」
「奇襲はいいが俺にはきかん」
上からの斜め切りをバク転をして避けた俺に葉山は唖然とする。
………これくらいで驚くなよ。
トリオン体だから出来るだろう。まぁ、生身でもできるけど。
すると一番遠くにいた雪ノ下も屋根の上から降りてきて葉山の横に立つ。
三浦が立ち上がる姿をみて疑問に思っている。
「これで全員揃ったな」
「何のつもりかしら?」
「あ?お前たちは三人で襲ってくるんだろ?だったらそうしろよ。その状態で勝ってやるから」
「……随分余裕ね」
「そりゃ、実際余裕だからな」
俺の言葉が合図となり雪ノ下が襲いかかる。
確かに速いがそれだけだ。反応出来ない速度ではない、つーか遅い。
ポケットからだした右手で両手で孤月を持つ雪ノ下の両手首を捻って宙に舞った雪ノ下を蹴って三浦とぶつける。
痛みはないが蹴られた屈辱を味わってる雪ノ下を横目で見ながら、二人を助けようとする葉山に、正確には葉山の周りをギリギリに囲って通過するようにバイパーを瞬時に引いた。
「よかった。君はバイパーがにが「言っておくが葉山。今のはお前に当たらないようにわざと合わせたものだ」な、何を冗談をっ!」
勘違い野郎の葉山の手首を通過した筈のバイパーが撃ち抜く。
雪ノ下たちを無視して先にこっちの始末だ。
「あと一言。お前らは俺を剣しか使えないアタッカーだと思っているようだが本当は違うぞ」
「………!……まさか君は!?」
「俺はオールラウンダー……それも、嵐山さんとは違ってアタッカーとシューターを主流にしたタイプだからバイパー、得意中の得意なんだわ」
それも出水の座右の銘である百発百中が妥当比企谷に変わるほどに。
「そんなの卑怯だし!」
「俺は何度も確認したぞ?バイパーでいいのかって。潔く俺の使うトリガーを嵐山さんとかに聞いてればいいものをお前達はしなかった。自分たちのミスだ」
三浦に答えた俺は膝をついている葉山に目をやってバイパーの軌道を設定する。
「先ずはお前だ葉山。偽の正義を語るなら正義なんて捨てろ」
全方向からのバイパーによる鳥籠をつかって為す術もない葉山は大量の風穴を開けてベイルアウトした。
「先ずは一人。呆気なかったな。言葉と違って」
「よくも隼人をっ!!」
「くっ……!」
同時に攻めてくる三浦と雪ノ下だが連携のレの時もない。
コイツら相手にすると俺が鈍りそうだから顔面にパンチと蹴りをかまして一箇所に集める。
女子を蹴るのは普段の俺は絶対にないがこの縦巻金髪ロールと毒舌には同情の欠けらも無い。どうせ痛くないし、これは訓練だから思いっきりぶつけた。
「これがお前らが馬鹿にした紛れもない俺の実力だ」
「嘘よ!私があなたなんかに劣ってるわけないじゃない!」
「……呆れた。少なくとも勉強、運動でお前は負けてんだろ」
米屋ですら自分がバカだとわかっているが毒舌はわかっていない。明らかに後者の方が馬鹿だ。
冷たい目で雪ノ下を見た、いや見下した俺は、頭上に大きめのキューブをだして細かく分けていく。ざっと10×10×10のため1000に分かれたキューブを待機させ二人の方を見るも動かない。
「最後は俺の新技でも見てもらうぞ。卑怯なことなど一切ない。逃げたきゃ逃げろ」
逃げろ、とは言ったもののキューブは二人をドーム状に囲いながらゆっくり動いているため出られない。
タイミングを見計らって俺は
「じゃあな。”暴龍”」
この技の完成を手伝ってくれた十和が銘々したその技は、先程の鳥籠とは違い全方位だけではなく、上や斜め下からもキューブが一斉に襲っていく。
大きな爆発と共に二つの光りが飛び出る瞬間を見た俺は溜息を吐いて自分の勝利を告げる機械音を聞いていた。
***
準備運動にもならない戦いを終えた俺はボーダー組からお疲れ様と労われ、そして監視として付いてきていた先生にめっちゃ謝られた。
そう言えば三人の教師がついていってたな。
とうやら上層部と話していたらしいが、C級隊員が上層部にここまでの出来事を報告したためダッシュで向かって来たらしい。
どっちにしろ逃げ場がなかった三人は残り二人の教師から事情を尋ねられている。
謝ってくる教師は何も悪くないためあとの判断は学校側に任せますとだけ言って十和たちの方に向かった。
「………お、お疲れ、様。八幡」
「……マスク、付けたのか」
十和はトリガーを解除して総武高の制服状態にマスクを付けて声をかける。
「あ、あはは……学校の生徒、が多い、と…無理」
「情けないなー全く」
「でも最初はちゃんと頑張ってたよ?」
「まぁそうだね」
優菜はジト目で十和を見るも三上が十和をフォローして優菜が元の目に戻す。
絵面が完璧に旦那を慕う嫁だと思ったのは俺だけではないはずだ。
「あーあ。結局バレちまったし目立ち過ぎたな」
「八幡、注目され、て僕は忘れられる。……完璧だ、ね」
「言っておくけどC級が何人かの生徒にトワのボーダーのこと話してたから注目されるよ」
「それにマスク外したし、ファンクラブでも出来るんじゃねぇか?」
俺の冗談に十和は大事なものを失くしたような顔をしたが、いくら十和がメガネイケメンだとしてもファンクラブは流石に……出来ないよな?
十和のイケメン性より先に、コミュ障の十和のファンが十和をみてキャーキャーいうのを十和は気持ち悪がられてると勘違いして心に傷を負う姿が明確に想像出来てしまった。
え、俺って未来予知のサイドエフェクトに目覚めたの?セクハラエリート要らなくね?と思うが冗談だ冗談。
十和のこれからが心配になるが休憩の時間になったため俺は一人で自販機に向かった。
途中、怖がられて道からどいてくれる生徒に感謝しながら向かっていたが、戸塚だけは堕ちた俺の目を輝かせるような笑で俺がA級だということを凄いと褒めてくれた。
流石はマイエンジェル。動画にとって毎晩耳元で堪能したい声だったが無理なため、俺の脳内にその記憶を忘れないようインプットした。
自販機にいってマッ缶を選ぶ。
以前に鬼怒田さんにお願いしたら許可をくれたためボーダーの自販機には全てマッ缶が売られている。その頃から鬼怒田そんが糖尿病になったと愚痴っていたがあれはマッ缶が悪いんじゃない。鬼怒田さんの体調管理が出来ていないからだ。
マッ缶を開けようとプルタブを人差し指をかけた瞬間、誰か、いや、知っている人物が近づいてきているとわかったためマッ缶は開けずにそっちの方角をみた。
「ヒッキー。話があるの」
そこには如何にも自分、怒っているとアピールしている由比ヶ浜がいた。
「何のようだ」
「どうしてゆきのんや優美子と隼人くんを悪者にしちゃうの!三人ともヒッキーのせいでみんなから避けられちゃってるよ!」
………何言ってんだコイツ?
「俺が何をして悪者にしたんだ?」
「だって戦ったからゆきのんたちが先生に怒られてーーー」
「それは俺は悪くないぞ。しかも俺はあいつらにチャンスをやった結果があの勝負だ。それに悪者にした?俺と俺の仲間を卑怯者扱いしたあいつらの方が悪者にしようとしてたじゃねぇか。お前は近くで見てたからわかってんだろ?」
「そ、そうだけど……でも!」
「でもってなんだ?自分の友達を止めることすら出来ない奴が言いたいことでもあるのか?」
結局は由比ヶ浜も葉山と同じだ。
自分勝手、自己中、理不尽
周りよければすべて良し!の自分大好き人間なのだ。
勝手に善と悪を決めつける最悪なリア充共の手本そのものだ。
「あとその渾名はやめろ。俺に親しくしようとしているのは犬を助けた恩返しかもしれんがそんな同情はいらん」
「し、知ってたんだ……」
いや、正確には小町が思い出して聞いたのだ。
大志とあった時に由比ヶ浜とあったが、それから数日後の朝飯の時に突如カミングアウトしてきたのだ。可愛かったから許したけど。
「俺はお前たちみたいな偽物の関係が大っ嫌いなんだ。上辺っつらだけの関係なんて欲しくない。ましてや同情なんてもっといらん。雪ノ下を止められなかったお前と雪ノ下の関係も結局はそんな脆いものだ。理由は自分のせい。わかったんならさっさと戻れ」
「………ばか」
そう呟いて由比ヶ浜は走って去っていった。
誰がバカだ。勝手に自分を押し付けようとするお前が言うな。
これで奉仕部との関係性がなくなった俺は軽くなった気分を実感しつつマッ缶を味わうのであった。
今更ですがチェーンメールの話はなしにしました。
葉山グループは解散したので意味がないと思っていたんですが報告するの忘れていました。すみません。
次は千葉村ですがいくつかの話を間に入れるので楽しみにしていて下さい!頑張ります!