やはりぼっちとコミュ障のボーダーは間違っていない   作:癒しを求めるもの

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最初に一言

コーヒーにはミルク入れてください

ラブコメほんとムズい………


比企谷八幡は綾辻遥とデートする~その2~

 

八幡side

 

 

「ふふっ♪」

 

「…………はぁ」

 

 

現在、俺と遥はとある千葉のショッピングモールに来ている。

 

何か科学と魔術の世界のアレに似てしまったが今は深く語れる余裕がない。

何故ならーーー

 

 

「「「………チッ」」」

 

 

男数人で遊びに来ていた団体にすれ違うたびに舌打ちは勿論、陰口を叩かれているため落ち着かん。

まぁ、その理由は嬉しそうにしている遥を見て目で追うと近くにいる冴えない俺に視線が移るからだ。

 

 

「懐かしいね。八幡君と手を繋ぐなんて」

 

「当たり前だろ。俺が覚えてるので小1の最初と自然体験の時だぞ」

 

 

遥とは肩がぶつかり、手はしっかり握られた状態なのだ。

 

それに懐かしいと言っても昔すぎるだろ。

小1の時は無心で、ただ指示に従って何かのペアだった遥と手を繋いで、小5?くらいの時の自然体験としてキャンプをしたが夜のダンスで唯一手を繋いだのが遥だ。それ以外の女子とはエアダンス。

 

小5の俺、可哀想すぎるだろ。そうなると遥は救世主だった。

 

……これ以上は本気で涙でそうだから忘れよう。

 

 

で、今の状況をもう一度整理しよう。

そりゃあ、変装しているがボーダーのマドンナ遥がメガネつけて腐った目が隠れているが普通の男と手を繋いでいるのだ。嫉妬するのは仕方ない。

ってか俺もいつもそっち側だから気持ちはわかる。

 

だから、まぁその……落ち着かん。以上。

 

 

「はぁ………ん?遥、時間もアレだし昼飯にしないか?腹減ったし」

 

「そうだね。私もお腹すいたなぁ」

 

 

よし!

これで店を出たら手を繋がなくてすむ。

別に嫌じゃない。寧ろもっと繋いでいたいがこれ以上は恥ずい。

 

俺がリア充みたいなことをするのは間違っているのだ。

 

 

***

 

 

そこそこ大きいショッピングモールの中には飲食店があるため、俺たちはテキトーに選んで内装がカフェの店に入った。

 

本当はサイゼがよかったが………ここは千葉なのにサイゼがないとは思わなかった。八幡、一生の不覚っ!

 

 

「俺は……ハンバーグ定食とデザートにコーヒーゼリーだな。遥は決まったか?」

 

「うーん。ちょっと待っててね」

 

「お水です」

 

 

二人席に座った俺は早速メニューを決めたが遥はまだのようだ。

 

ん?何か聞いたことある声がしたが……気のせいか。

 

 

「……よし。私はグラタンとショートケーキにするよ。優菜ちゃん、よく食べてるし」

 

 

そして注文した俺たちは雑談を始めた。

 

 

「まぁ、優菜の好物だしな。俺も十和がよくコーヒーゼリー食ってるから頼んだし」

 

「八幡君達ってみんな甘党だよね。体は大丈夫?」

 

「特に病気らしい病院にはかかってないな」

 

「ならよかったよ。でも気をつけてね?」

 

 

比企谷隊のメンバーは全員化け物であり、変わり者

 

それが正隊員の比企谷隊に対する意見らしい。

俺は理性、十和は知性、優菜は智力の化け物らしい。

俺と十和は前に言ったが優菜の智力はアイツのオペレーターとしての実力だ。自称完璧の毒舌女と違って本当の完璧が篠崎優菜なのだ。

 

化け物扱いなのは癪に障るがまだマシだ。

変人じゃないだろ?

十和は……コミュ障

 

優菜は……暴力女

 

俺は……あ、ぼっちで確かに、一般的には全員変だった。

 

後は3人がマッ缶をよく飲む程の甘党だ。ボーダーでマッ缶を飲める人数は少ない。

千葉県民なのに何故だ?解せぬ。

 

その後もたわいもない会話が続きいつの間にか注文していたハンバーグ定食が運ばれてきていた。

腹が減っていたしすぐに一口頬張る。うん、普通に美味いな。

 

でもなぁー

 

出来立てなため俺には丁度いい温度だが猫舌気味の遥には少々熱いらしく目の前でーーー

 

「ふー、ふー………はむっ!……ん、美味しい」

 

と、声を出して熱そうに口元を押さえて食べいる。そう、なんかエロくなってしまっているのだ。

おかげで精神が少しずつ削られながら急いで食べる始末になった。

 

デザートは俺より遅く食べ終わった遥が完食してすぐに運ばれてきた。俺はコーヒーゼリーが入った器に手をつける。

うん、これも美味い。

十和がコーヒーゼリーを食べると必ずコーヒーゼリーにハズレはないって言うが俺も同感だ。

 

半分くらい食べ進んだ頃ぐらいだろうか?

遥が爆弾発言を落としたのは

 

 

「ねぇ八幡君」

 

「なんだ?」

 

「よかったらデザートシェアしない?私もケーキあげるから」

 

 

アレだ。女子がよく弁当の中身を交換しているようなやつだ。

いや、男同士でもあるな。三輪が米屋によく食いかけのパンを横から貰っていた。でもあれはシェアじゃなくて餌付けだな。

俺は「わかった」と言って別のスプーンと器を貰ってよそおうとした時だった。

 

 

「あ、あーん……//」

 

「…………………は?」

 

 

と、上半身を前にして目を瞑り、口を開けてきた。

そんな遥の行動に俺の頭はフリーズして固まってしまう。

 

 

「………八幡君?」

 

「……何で口を開ける。わけるからちょっと待ってろ。店員からスプーンと器をもら「ま、待って!」……なんだ?」

 

「そ、その……あーんって、して?//」

 

 

顔を真っ赤にしてチラチラと潤んだ瞳で俺を見てきて、遥はまた口を開けた。怒って………はないな。これは恥ずかしから顔が赤いのだろうーーー

 

って、恥ずかしいならするなよ!

俺も恥ずい。だから断ろうとした時だ

 

 

「は、八幡君……その、はやく…して?//」

 

頭が真っ白になった。

遥の恥じらいの顔は凄まじい破壊力だった。頭が真っ白った俺は自然と遥の口にコーヒーゼリーを入れた。俺の使っていたスプーンで。

 

 

「んっ………くちゅっ…美味しい。あ、ありがとう//」

 

「お、おう//」

 

関節キスになってしまい、謝ろうとしたが顔を見れない。

しばらくしてやっと落ち着いてきた。俺は遥が使ってしまったスプーンで食べるべきか迷っていた。そしてーーー

 

 

「八幡君。お礼に……はい、どうぞ」

 

 

その言葉と同時に遥は今度は逆に俺にあーんをしてきた。

やめろ!上目遣いで差し出してくるな!可愛すぎだろ全く」

 

 

「か、かわい!?//………と、とにかくはやくして//」

 

 

………また、声に出した。さらに顔を真っ赤にしてフォークを近づけてくる。

これは避けられない。満を持して覚悟を決め、素早く差し出されたケーキを食べた。

 

 

パシャリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?パシャ?

 

モグモグと味がわからないケーキを食べる俺は音がした方に目を向ける。

 

 

「あっ………音消してなかった………」

 

その方向にはウェイトレスの格好をした宇佐美曰く、もさもさしたイケメンこと烏丸がスマホをこっちに向けて変なことをほざいていた。

 

 

「…………バイトか?烏丸」

 

「はい」

「…………今、何してた」

 

「何も」

 

 

平然を装いながら無表情でスマホをポケットにしまい込む烏丸を見て俺は軽く殺気を放つ。

 

 

「…………写真、撮ったよな」

 

「………俺のフォルダーからは消します」

 

 

そしていくつかの操作を終えた烏丸は写真フォルダーをスライドさせてさっきの写真がないことを表して何事もなかったかのように近づいては挨拶をしてくる。

 

 

「こんにちは、比企谷先輩に綾辻先輩。お二人もデートですか?」

 

「デートじゃねぇよ……ん?”も”ってなんだ?」

 

「志神先輩と三上先輩がさっき来ましたので。これが証拠です」

 

 

そして烏丸は三上が真っ赤になってあーんされている写真を見せてきた。十和は手しか写っていない。

 

 

「志神先輩はサイドエフェクトで俺に気づいていたらしくてメールで自分は写さずに恥ずかしがる三上先輩だけを写真で撮ってくれと言われまして。比企谷先輩も来たので同じことをしようとしたんですが……俺に気づいてませんでしたか?」

 

 

………俺、気配察知で会ったことあるやつの気配わかるんだったわ

 

ヤベぇ。意識が遥に移っていたから完全に気づかなかった。

 

 

「志神先輩は平然とあーんしたりされていましたが比企谷先輩は真っ赤ですね。小南先輩たちの反応が楽しみです」

 

 

十和の奴、なんで平然に出来るんだ?俺はもうしないぞ、こんな恥ずかしいことはリア充だけすればいいんだよ。

 

 

「あはは……それにしても歌歩ちゃん、顔真っ赤だね」

 

「そうだな。俺のヤツは小南に見られたらぜってーからかわれ……ん?おい、烏丸。写真消したよな?」

 

「………消しました。送りはしましたけど」

 

 

おい、最後は小声で言ったが俺は聞き取ったぞ。

会話の内容的に送ったのは小南か?

 

…………拡散されるな

 

 

「烏丸。今度100本しようぜ。ガイスト使っていいから」

 

「………俺、一時本部にはいきま「玉狛に今度行くから」……分かりました。本当にすみません」

 

 

今の俺ならガイストで強化された烏丸にかなりの差で勝ち越せる自信がある。

 

こうして烏丸の死刑は決定したのだった。

 

 

***

 

 

烏丸がバイトしている店から出たが………

 

 

「結局、手は繋ぐんですね……」

 

「ダメ、かな?」

 

 

当初の目的だった手を離すのは失敗し、遥に手を握られた俺は何も言わずにそのまま歩く。

あーんで耐久性が大幅にアップし、余裕ができている。

つまり慣れだ。慣れって怖いよなぁ……

 

 

「で?昼から何する。買い物は終わったんだろ?」

 

「そうだね………あっ!じゃあゲームセンター行こ」

 

「意外だな。国近先輩ならわかるが遥がゲーセン選ぶなんて」

 

「それこそ柚宇先輩と行くよ?」

 

 

つまり巻き込まれた、と。

 

あの人、3食よりゲームを優先する人だからな。

俺も前、太刀川隊の作戦室で国近先輩に掴まり徹夜でス○ブラをさせられた。途中から眠気でほとんど負けたがあの人はいつも徹夜なのに寝不足にならないよな。

 

そして俺たちはゲーセンに着いたのだが

 

 

「シューティングゲームはなしで。前に十和と三輪にボコられてトラウマがある」

 

「三輪君は流石ガンナーだね。志神君はシューターだけどガンナーとしても使えるんだっけ?」

 

 

シューターとガンナーは使うトリガーは同じだが感覚が全然違う。ガンナーの三輪は的確に敵を駆除し、十和はパーフェクトオールラウンダーのシューターだがガンナーとしても他には劣らない。同じく敵を駆除する。

対する俺はシューターのため普段とは全然感覚が違う銃の扱いに困らせていた。

ガンナーとパーフェクトオールラウンダーの二人の激戦に巻き込まれた俺は邪魔者扱いされて睨まれた。故に軽いトラウマなのだ。

 

 

「でも意外。三輪君ってゲームするんだ」

 

「米屋当たりに連れていかれているが正解だな」

 

そして米屋がバカ騒ぎをして三輪に絞められるのがいつものパターンだ。大変だな。アイツも。

 

 

「何かいいのは…………お、太鼓の○人しようぜ」

 

「いいよ。曲は?」

 

「………う○るちゃん、って言ってもわからないよな」

 

「あ、それは知ってるよ。前に志神君が八幡君が好きそうだから見ておいた方がいいって言っていたからマンガも歌歩ちゃんから借りて見たよ」

 

 

…………妹でるからな。まぁ、基本的に妹キャラは好きだ。

 

でも、俺が妹もののアニメチェックしてるんじゃないぞ?勝手に十和が妹ものを教えてくるから見ているだけだ。うん。二期も現在楽しんでいるが………でも三上もマンガで買っているんだな。

 

 

その後も音ゲーを中心に回っていた。ふと思って時計を見ると3時を越えていた。

用事でボーダーに6時に集合予定なため後1プレイだけだろう。

 

 

「時間だし次で最後にするか。何する?」

 

「あ……じ、じゃあアレ、しない?」

 

 

そう言って遥が指を指す方向を見ると大きな箱、プリクラを指していた。

プリクラかぁ………

 

 

「八幡君が写真苦手だって知ってるけど……お願い!1回だけ!」

 

「……わかった」

 

 

俺の幼馴染のお願いは毎回、上目遣いだから断れん。小町や年下にも甘い俺はちょろいのか?

一先ず、金を入れて箱の中に入った。

 

 

『いくよ〜!ハイっチー………』

 

 

ムカつく音声と共にフラッシュが放たれるため俺は目を瞑らないよう意識したその時だ。

 

不意に遥が腕に抱きついてきた。

 

 

『………ズ!』

 

 

すぐにフラッシュと同時に写真が撮られ、そのままの状態で保存された。

 

 

「いきなりなんだ?」

 

「ごめんね、勝手にして。でも、このままでいい?」

 

 

少し前の俺へ。

やっぱり俺はちょろい奴です。幼馴染には逆らえません。

 

何度聞いてもムカつく音声に従いながら遥が近い状態での写真撮影が続いていった。

 

 

***

 

 

理性の化け物で本当によかった。

撮影が終わり、ラクガキ?かなんかは遥に任せた俺はそう思った。

 

いくら慣れていると言っても相手は美少女だ。

狭い空間で柔らかい肌の感触と女の子独特の匂い危険な状態だったがなんとか持ちこたえた。

 

遥から貰った写真は一言、目がでかい。

メガネなくても俺の目がキレイになるかならないか悲しいことを考えながらも、この一日で完全に慣れたことで手を自然に繋いで帰っている。

 

 

行きとは違い、人が少ない電車内でトラブルはなく到着した。

 

俺はボーダー本部に、遥は任務がないため家に帰るらしい。つまり進行方向は逆になるからこれで解散だ。

 

 

「今日はありがとう。楽しかったよ」

 

「まぁ、俺も楽しかったぞ」

 

「珍しいね。八幡君が素直だなんて」

 

「ばっかお前、俺は基本的に素直だぞ?」

 

 

何故そこで笑う。え?俺って素直じゃないの?

策士の十和や優菜と違っていつも素直にランク戦では動いているのだが……

 

「じゃあ、私は帰る「ちょっと待て」どうしたの?」

 

 

遥が帰るタイミングで、俺はトイレと言って買いに行ったものを遥に渡した。

 

 

「!?これって……」

 

「お前、これ見てたろ?お礼だよお礼」

 

 

遥が手に持っているのは遥が見ていたブレスレットだ。

そこそこの値段だったがために遥は躊躇っていたらしいがA級隊員の俺が払えない金額じゃないため、日頃の感謝として買ったのだ。

 

 

「ほんとにいいの?」

 

「お前が気に入ってくれるならな」

 

「勿論っ。ありがとう八幡君!」

 

 

真っ直ぐな笑みで遥は礼を言ってくる。

本当に礼を言いたいのはこっちだ。十和や優菜もだがボーダーのみんなには感謝しているのだ。今の俺がいるのはボーダーのおかげだ。

特に遥は親父とお袋が死んだ時も小町の面倒を見てくれ、そしてボーダー入隊のチラシを持ってきてくれた。

幼馴染だからじゃない。

単純に俺は綾辻遥に救われ、返しきれない恩があるのだ。

 

 

互いに「また明日」とだけ言うと背を向けて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

遥や小町、大切な人のためにも俺はもっと強くなる

 

 

そのための一つである弟子の育成のために俺はボーダー本部に向かって行った。

 

 

 




難しかった………

デート回はこれで終わり、次は弟子との訓練です。
投稿が遅れるかも知れませんがよろしくお願いします!



そして、以前からお尋ねしていたパロキャラの件ですが以下の二つのどちらかが候補です。

落第騎士の英雄譚…東京に住む一輝が八幡の剣の指導者に。
ステラの家がボーダーのスポンサー

魔法科高校の劣等生…東京に住む達也が八幡の格闘術の指導者にして
臨時エンジニア。
四葉家がボーダーのスポンサー


それぞれの主人公の設定はこんな感じです。
意見があるなら是非お願いします!


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