SCHOOL IDOL IS DEAD   作:joyful42

1 / 20
皆さま、宜しくお願い致します。
オマージュ大好き人間なので、プロットの時点で色々な物に対するオマージュを取り入れたのですが、その結果、オマージュの交通渋滞を起こしてる気がしないでもありません。

特に必要ないオマージュまで含めて、修正する事なくそのままにしましたので、気付いた人だけこっそりと笑って頂ければ幸いです。

今後、もしかしたらこれはクロスオーバーに当たるのではないか、という展開が出てくる可能性がありますので、そういった内容のタグを入れました。
実際にクロスオーバーが発生したらタグも編集しようと思います。
クロスオーバー先を知らなくてもまったく問題ない内容にはなるはずです。

ところでハーメルンは始めてなのですが、各話毎に前書きが書けるんですね。
必須ではないみたいですが、せっかくこんな機能があるので、毎回前書きはどうでもいい適当な事を書いて行きたいと思います。
本編が延々とシリアスなので、前書きで変な事を書いてバランスを取ります。
読みたくない人はスルーしてもまったく問題無いと思います。








序章『ハジマリの街で』
第1話 秋葉原


 日本の首都、東京。その玄関口である東京駅から山手線で二駅の所に秋葉原駅はある。電気街口という名の改札を出て右手に進むとそこは休日の夕方らしく、沢山の人々でごった返していた。

 

 特にこの街の活気は独特の物があり、私はどうも得意ではない。人混みを避けるように歩みを進めると、すぐに声をかけられた。見ると、懸命な笑顔を作った女性が、チラシを手渡そうと来ていた。女性は白のフリフリのスカートと、同じく白のニーソックスの制服、そしてばっちりと化粧を施している。つまりどこかのメイドカフェか何かの客引きだった。特に何か会話を交わす事もなく、目の前に差し出されたA5程のサイズのチラシをスルーして先を急ぐ。

 

 すると向こう側にまた別の制服が見えた。やれやれまた別の店の客引きかとうんざりしかけたが、どうも様子が違う。見ると同じ制服を着た2人の女の子が笑顔で手を振りあった後、互いに別の方向へと走って行く所だった。そうかと思い出し、立ち止まって右手を見上げる。そこにあるのは大きな複合施設のビル。その中の何フロアかには私立の高校が入居しており、先ほどの2人はそこの生徒だったのだ。休日なのに制服姿だったのは部活帰りか何かなのだろう。

 

「部活……か」

 

 独り言を呟き、ビルの前を後にした。

 

 しばらく歩くと大通りに出た。ここはこの街のメインストリートで、毎週この時間は歩行者天国として歩行者専用の道路になっている。何となく道路の真ん中を歩いてみたい気分になり、大通りの中央、ちょうど自動車用の中央分離線が書かれている辺りまで行き、歩みを右手、つまり北側に向けてまた歩き始めた。

 

 繁華街のメインストリートだけあって、道路沿いには様々なショップや飲食店、オフィスビル等が連なっている。特に目的地があるわけでもなく、右に左に視線を移しながら、ただ歩みを進めていく。数分も歩けば徐々に繁華街から逸れ、街は静かになっていく。そして。

 

 右手を見ると前後に延々と連なる建物が、ある1点で途切れている。そこは大きな公園の入り口であった。ビル街の真っ只中においてとても不自然なその公園に、私は足を踏み入れた。地面は石のタイルでしっかりと舗装されており、至る所に木が植えられていたり、花壇が置かれていたりしている。休日だが意外に人の姿はそれほどなく、何組かの親子が遊んでいたり、カップルと思われる男女がベンチに腰掛け、談笑したりしていた。

 

 それらを横目に見ながら公園の奥へと進む。途中、公園の真ん中に地下への入り口が見えた。ここを降りていくと、駅まで行く事ができる。地下鉄の駅ではなかったが、周辺の線路は地下区間となる為、辺りに線路等は見当たらない。そうか、こんな駅があったんだったとようやく私は思い出した。秋葉原駅で降りずにもう一駅分乗っていれば、あんな人混みの中を歩く必要は無かったのに。いつまでも古い路線地図がインプットされている自分の頭を、私はコツコツと軽く叩いて、また歩き始めた。

 

 私の背後、『新秋葉原〈ドーム前〉』と書かれた駅の看板が西陽によって照らされていた。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。