対魔法国家建国記/生存園を確保する為に国を作ります/   作:SimoLy

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初めての方は出来れば最初から読んでいただけると、より楽しめるかと思います。
今回少し少なめです。
今回は彼女達側での話になります。

文体が迷走している気がしますが、暖かい目で見守っていただけると助かります...

ではどうぞ!


st.4 周辺調査

時は少し遡り、冬夜と志久が色々する前まで戻る。

 

昨晩...最早今晩と言うべき深夜に行われた会議による疲れと、4回目の襲撃から逃げてきた疲れが出たのか、彼女...空崎 詩織は、自分が召集した会議が終わった後、「明日の事について纏めようかな!」と宣言したのはいいものの、実際の所は寝床に導かれる様に向かい、そしてそのままお休みなさいしたのであった。そんな彼女は冬夜よりも先に目が覚め...たのかなぁ?正確には分からないが、とりあえず早くに起きて、今日の予定を纏めたのである。そんな背景が隠されているメモに記された内容を伝え終え、彼女は冬夜に背を向けて歩き始める。

(さて、とりあえずは周辺環境の調査用の班割り振りかな...)

班編成を考えながら、村民が集まっている中心部へ向かう。とりあえず考えなきゃいけないのは、人数と主な調査内容かな、と整理する。

(調査内容は...植生の調査かな。下見した時点で元いた場所と大体一緒なのは確認済みだけど...何がどこにあるのかくらいは把握しておきたいし...)

そんな風に考えながら、彼女が歩みを進めていると、丁度中心部に差し掛からんとした所で一人の少女の姿を見かける。その少女は何やら広場に集まった多くの大人達に指示を出している様だった。大人達に指示を出してるその気迫とは裏腹に、指示を出している四肢はまだあどけない少女を感じさせるものだった。暫く彼女が指示を出す姿を遠目で眺めていると、どうやら気付かれたらしい。まるで「少し待ってて」と言うような素振りを見せると、こちらに向かって歩いてくる。

 

「おはよう、詩織。暇してた人達を設営に回してたとこ。この後はどうするの?」

「うん、おはよー。絢ちゃんの指示が終わってからでいいよ、きっとすぐ終わるんでしょ?」

「分かった、早く終わらせる様伝えるね。」

 

詩織に「絢ちゃん」と呼ばれた彼女...星山 絢香は再度大人達の集団に戻り、指示を飛ばす。詩織はそんな彼女を見送りながら、設営に励む大人達を眺めていた。昨晩の設営は主にテントやちょっとした整地など、住居の確保が主だったが、今の設営を見ると、農業的...例えば、襲撃時に確保していた苗木の植え付けや、ちょっとした水源の確保など、農業的準備が主となっていた。

暫くして、どうやら一通りの設営が終わったのか、絢香の元に何人かの代表と思われる大人達が集まっている。その中でも一番若い、だが詩織よりは年上だと思われる青年が話しかけてくる。

 

「詩織さん、今日は調査に行くとの事でしたが、具体的にはどうするんですか?」

「私のが年下なんだから、「さん」は要らないって言ってますよね?それはさておき、今日は6人1チームで、8チーム作りたいんだけど...絢ちゃん、作れるかな?」

「48人....大丈夫。」

「そっか、ありがと。じゃあここに居る人たちを班長として、8方向に散って調査します!今回の調査では、周辺環境の確認を主に行って貰います、それを踏まえて、各自準備をして、そうですね...30分後に再度集まってください。では解散!」

 

詩織の指示に探索班の隊長となった、詩織と絢香を除いた6人はそれぞれ返事する。その後すぐに各自の持ち場へ戻っていった。詩織は詩織で、自分の班の班員を呼びに行ったり、調査用の道具を整理していたりしていた。...まぁ今回は資材収集とかでは無いので、主に筆記用具だが。

 

 

 

 

「さて..と、皆集まってくれたね。」

 

30分と言ったが、皆大体25分後くらいには集まってくれた。優秀で何より。全48人が広場に集まった事を確認すると、詩織は再度皆に呼びかける。

 

「手早く済ませます。今回の調査内容ですが、今までの一回目の調査と同じように、まずは周辺の地図の作成と、植生を調べてもらいます。1~8班に分かれ、8方向に分かれますが、山岳方面の調査は絢ちゃんの班を、一番接敵率が高いと思われる北方面には私の班が向かうのも同様です。これまた今までと同様ですが、どこに居るかは分からないので、万が一魔法使いを発見した場合は班長の指示に従い速やかに退避してください。」

 

一番危険な班の班長は詩織が、最も重要な所を調査する班の班長は絢香が、と言うのは前々から決まっていた事である。伊達に4回も襲撃に遭っていないって事。伝える事は伝えたので、出発の合図を出す。

 

「私達2班を除いた割り振りは、3班から時計周りに1班ずつです。12時には帰ってきてください。 ...今回も被害が出ない事を願っています。では順次出発します。」

 

そうして詩織の班が最初に設営地を出発した。

 

 

 

 

「うーん...やっぱり前居た所の植生と同じだよねぇ...」

 

詩織は持ってきた図鑑...というよりは、前回の環境調査で調べ上げた資料に目を通しながら、探索ポイントの丁度中心地に生えていた木を観察する。

ここに生えている木、及び付近の森林を構成している木は通称「火消しの木」と呼ばれている種類。この木は指に乗る程度の小さな実を付けるのだが、この実が文字通り「火を消せる」性質を持っている為、私達は勝手にそう呼んでいる。一方で物理的衝撃には弱く、少し力を加えると簡単に殻が割れ、お世辞にも美味しいとは言えない中身が露になる。数を集めて色々加工すれば食べれない事は無いけど、主に火事を防ぐ意味合いで使われる事が多い。

一方木材としての評価は、切り倒すまでは頑丈な強度を誇っているものの、一回切り倒すと、大変加工しやすくなる謎性質を有している。その為森林は強固な盾に、建築は簡単に出来るという大変都合の良い素材である。魔法に対しての強度は分からないけど。

調査用の資料に「同じ」と走り書きで記し、暫く近辺を調査してみるが特筆するべき事項は見つからなかった。規定の時間の調査を終えたので、最初の探索ポイントの中心に帰ると、他の班員も大した成果は得られていない様だった。

仕方無いので、それぞれが描いた断片的な地図を繋ぎ合わせ、一つの地図にすると、細心の注意を払いながら、設営地への帰路に着いた。

 

 

設営地に何事も無く辿り着き、同様に無事に帰ってきた各班の報告を聞き終えると、冬夜に報告する為、朝冬夜と話した外縁部に向かったのだったが、そこで目にした光景は---

外で寝てる二人の男の姿と、不自然に切り倒された火消しの木の森林だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は準備回の様なものになりますので、初見の方は前の話を、続けて読んでくださっている方は次も読んで頂けると、嬉しいです。

基本的には詩織Sideと、冬夜Sideで分かれて話が進んでいきます。
今回は詩織Sideで、今までは冬夜Sideという様な形です。

週一投稿を目標に頑張りたいと思います。
次回もお楽しみに!

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