対魔法国家建国記/生存園を確保する為に国を作ります/   作:SimoLy

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初投稿...では無いですが実質初投稿です。
個人的に書いている別の作品の番外編みたいな感じとなっています。(これ単体で読めます)
拙い文章力かとは思いますが、是非読んでいただければなと思います。



プロローグ

これは、彼らの物語よりもずっとずっと前の話...

 

彼らの時代では「剣の国リリエラ」と呼ばれるその地。

今はまだ名前のないその地にて、ボロボロになりながら空に叫ぶ子供の姿があった。

「まだ...まだ足りないって、そう言いたいのかァァァァァァッ‼︎⁉︎」

誰に向けてでもない、唯々何かを紛らわせるかの様に叫ぶ彼を、周りに立ち尽くしている大人達はただ見守る事しかできない。

それは、大人が故の思慮の深さからである。

かける言葉が見つからないわけではない、だがそれを口にする事は出来ない。

なぜならその言葉を口にする事が出来るのは、

『何も考えず、ただ希望だけを語るクソ野郎』か、

『出来ない事なんてない、と信じ切っている底なしのバカ』や、

『まだ我々の歴史を知らない子供』

くらいしか居なかったからだ。

この場には、どこにも属しない『正しい意味で』大人な大人しか居なかった。

彼の悲痛に満ちた声を聞き続けてどれくらい経っただろうか。

10秒くらいだろうか、それとも10分くらい経ったのだろうか。

ふと彼の声以外に新しい音が聞こえた。

カツン、カツン、とまるで人の足音の様なペースで鳴り響く甲高い音。

だが歩いて音が鳴るような靴を履いている様な奴なんて1人しか知らない。

唯一と言っていいだろう、『敵』と戦える我らの仲間。

音がしている方向に振り返ると、身体の半分以上が返り血に染まった少年が、しっかりとした足取りでこちらに向かってきていた。

「ごめん、通してもらえる?」

短く、用件だけを伝えた少年に対し、無力な大人達は道を開ける。

その様子に一言「ありがと」と言い、声を上げていた少年の元へ向かう。

座り込んでいる少年に合わせるかの様に、膝をついて血塗れの少年は一言。

「もう、やめよっか」

叫んでいた方の少年は意味が分からなかったのか、「?」が浮かびそうな顔を見せる。

その反応に満足そうに、笑みを浮かべながら血塗れの少年は続ける。

「逃げるの。ここにさ、国、作っちゃおうか」

その一言は、さっき多くの大人達が飲み込んだ一言で。

唯一彼を慰める事が出来る言葉で。

でもそれが出来る可能性を考えると、とても口に出来るものではなくて。

だがそれを平然と言ってのけた少年の声色は、そんな事を考えてる風には感じられなくて。

そう、まるで、

「出来ない事なんて何もない」

と我々大人にさえ感じさせる声色だった。

 

 

 

 

 

「とりあえずその顔拭いたら?ぐちゃぐちゃじゃん」

「そっちも大概だと思うけど....」

「これは言うなれば勲章だから....」

「汚いし臭い」

「彼女らが帰ってきたら一回全員集めて」

「勿論そのつもり」

「そ、良かった。じゃあ僕はこれを落としてくるね.。

はぁー...簡単に落ちてくれると良いんだけどなぁ....」




ここまでお読み頂きありがとうございます。
続きは書く予定なので、もし見かけたら読んでください。
凄い喜びます。


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