「さぁ…行くぜ!」
一夏が右腕を上げると、打鉄でできた巨大な右腕も連動する。
「
拳を握り、巨大右腕がセシリア目掛けて振り下ろされた。
「きゃっ!?」
巨大な鉄塊が落ちてきたので、セシリアは吹っ飛び、地面にはクレーターができる。
右腕は手を広げ、セシリアを蛇のように追い回す。
「そんなに大きければ、動きも遅いはず!このブルー・ティアーズには追いつけませんわ!」
「それは…どうかな!?」
一夏は指揮をするように、指を振る。
「
すると右腕の形に集結していた打鉄達が一斉に分離した。
「なっ…!?」
数十の機体が一斉に襲いかかってくる。
(このISを操作する能力…恐らく私のブルー・ティアーズとは違って自動操作が可能…!そうでもなければ一斉にこんな数を操れませんわ!)
そう考えるのも無理はない。しかし…
「きゃっ!?」
大量の打鉄はまるで人の意思があるかのようにそれぞれと連携してセシリアを追い詰めている。
(まさか、全部あの男が動かしていますの!?)
本来人間は2本の腕を同時に動かすのがやっと、しかし一夏は数十の腕を一斉に操った!
打鉄達はまた腕の形となり、セシリアを握って捕らえた。
「ま、まさかこの私が…!」
「もっと楽しませてくれよ、英国女」
一夏はハンマーを構える。
「行くぜピッチャー!!」
すると右腕は一夏目掛けてセシリアを投げる。
そしてそれをハンマーで打ち返したのだ。
「ナイスホームラン…!」ニヤッ
セシリアはバリアに当たり、地面に墜落する。
「さてと…そろそろ終演だ!」
「なっ!?ブルー・ティアーズが勝手に…」
まさか、戦闘中のISまで操れるのか?
「…最初からこの手を使えば良かったのに…私を舐めていましたの!?」
「舐めてなんかいないさ。だがお前は言った。『日本は文化的にも後進的』だと…」
ここで一夏の顔が「してやったり」という顔になる。
「それこそ、日本を舐めるな。日本は世界で最も…」
ブルー・ティアーズのビットが自分自身を狙う。
「——ノリが良い国だ!!」
操られての自滅。セシリアは自分のビームで敗北した。
「ま…まさかこの私が…!」
「日本を学ぶんだな…今度面白い映画を見せてやるよ!『火垂るの墓』なんてどうだ?」
その後、打鉄達は元の使用者に戻っていく。
「悪かったな、折角のステージだったから2人じゃ寂しいと思ってな…」
「かっこいい!」「きゃっーーー!!!」
観客席から歓声と拍手が鳴り響く。
「じゃ、どうも見て頂き…」
頭を下げ、お礼を…
「ありがとうございマスカレードブドウ!!」
普通にしなかった。
こうしてセシリアとの勝負も終わりです。