「なっ…!?」
「んー?」
ラウラの急変ぶりにその場に居合わせた全員が驚く。
シュヴァルツェア・レーゲンの装甲はドロドロになり、大きな人影へと姿を形成する。
「ありゃ雪片か…?」
巨大な姿となったラウラがアリーナに現れた。
しかし、一向に動く気配がしない。
「な、何あれ…!?」
ここでシャルルが近づく。今のラウラに怯えているようだ。
「分からん…だが、ちょっと試してみたいことがあるな」
「試してみたいこと?」
「
ここで一夏はブルー・ティアーズの姿となり、ピットで射撃してみる。
それを難なく受け流したラウラは、一夏に向かって剣を振る。
「ぬおっ!?」
弾き飛ばされた一夏は、アリーナの壁に激突する。
「いつつ…このっ!」
起き上がった後、右腕をラウラに向けて伸ばすが、対象に変化は無い。
(ハッキングも効かんか…)
対するラウラは、微動だにしない。一夏に追撃もしなかった。
「一夏!大丈夫!?」
「怪我は無いか!?一夏!」
シャルルに加え、箒も来る。
一夏に大した傷は無い。しかし重い一撃を食らってしまった。
「あいつ…武器と攻撃に反応するだけで自分から攻撃はしない自動プラグラムか…」
「ハッキングは?試したの?」
「それが全く効かなくて…困ったもんです」
「ここは先生方に頼んで私達は逃げるぞ!」
「いや…俺は残るぞ」
「「!?」」
その言葉に2人は驚く。
「馬鹿を言うな!お前がやることなんて何も無いぞ!」
「そうだよ!ここは危険だ。だから…」
「俺も『あれ』の正体は分からない…だからラウラの状態が分からないんだ!」
「…状態?」
「…もしも『あれ』が人体にとって危険だったら?命に関わる物だったらどうする?」
「そっか、ボーデヴィッヒさんの安否も…」
「だが!あの女はお前のことを…」
「関係無い!例え俺を嫌っていても助ける!」
一夏は考える。今持っている物でどうやったらラウラを救える?
自分はどうすればいい?
「…そうだ!」
ここで名案を思いつく。一夏はとある人物と連絡をする。
「もしもし…束さん?」
「なっ!?」
その名を聞いて箒は驚く。それはIS開発者でもあり実の姉でもある篠ノ之束の名だからだ。
『何〜いっくん!』
「確か、国は俺のために専用機を用意したらしいですね」
『そうらしいね〜』
「…そのISのデータを盗んで、ディスクにしてくれません?」
『それならお安いご用だよ!少し待ってね〜!』
「なら…俺は時間を稼ぎます!」
次回、白い悪魔現る。