「『今月開催する学年別トーナメントでは、より実践的な模擬戦闘を行うため2人組での参加を必須とする』」
一夏が渡されたプリントを読み上げる。
「『尚ペアができなかった物は抽選で選ばれた生徒同士で組むものとする』」
「私と組も!織斑君!」
「一緒にやろデュノア君!」
「いいや!私と組んで!」
「良いけど、俺と組んで後悔しない?」
「…えっ——?」
「俺は君達をゴミ屑にする事も可能なのだよ」
静かな医務室に、一夏の高笑いが響く。
「…私と組も!デュノア君!」
「…一緒にやろデュノア君!」
「いいや!私と組んで!」
「是非私と!デュノア君!」
「織斑君!私はそれでも構わないわ!」ハァハァ
「デュノア君は私と組むの!」
一斉にシャルルの方へ行く女子生徒。
それを見てムスッとなる一夏だった。
「何故俺を避ける…」
(((自分が脅したくせに…)))
「ええと…」
ここでシャルルが言い詰められて困っていると…
「悪いな、シャルルは俺と組むんダルタニアン」
「!?」
シャルルにとって初耳である。
慌てて一夏を見た。
「何だ〜織斑君と組むんだ〜」
「がっかり〜」
「お願い織斑様!どうか私を〜!」
「織斑×デュノア!これはありね!」
そうしてトボトボと帰る女子生徒達。騒動が治まった。
「あ、あの一夏…」
「一夏!私と組みなさいよ!幼馴染みなんだから!」
「いえ!クラスメートとして私が!」
ボロボロの2人が一斉に一夏に言い寄るが…
「駄目ですよ」
「「「!」」」
真耶が部屋に入ってくる。
「お二人のIS、ダメージレベルがDとCの間ぐらいなんです。トーナメント参加は許可できません!」
「十分戦えます!」
「私も納得できません!」
「駄目と言ったら駄目です!これから修復に集中しないと後々重大な欠陥が生じますよ」
「「うっ…」」
真耶に言い負かされる二人。どうやら諦めるしかない。
「良いあんた達、絶対あいつに勝ってよ!」
「私達の弔い合戦をお願いしますわ!」
「まだ死んでないわよ!」
「おう、任せておけんだマジック痺れステッキ!」
「二人の気持ちは無駄にしないよ!」
こうして意気揚々となる二人。
すると一夏が部屋を出ようとする。
「一夏?どこに行くの?」
「いや火薬の準備をだな」
「「「「……………えっ?」」」」
「次の話俺の部屋でやるから箒爆発させないと駄目じゃん?だから」
こうして一夏が走り去る。そしてシャルルが二人に話しかけた。
「………二人とも」
「「…何(ですか)?」」
「今日泊めて」
二人はしばらく黙るが…
「「いや、男と同じ部屋は…」」
「…………………だよね」
いっそこの場で正体明かして泊めて貰おうかな、マジでそう考えたシャルルであった。
次回、誰かが爆発します。