「ちょっとよろしくて?」
金髪の少女が俯いている一夏に話しかける。
「ちょっと…?」
一向に返事が来ない。顔も合わせてこない。
「ちょっと!聞いていますの!?」
「…ス?」
「ス?」
「スイカァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ひぃい!?」
顔を上げた一夏はいつの間にかカボチャの仮面をしており、奇声を上げながら金髪少女に問い詰める。
「トリックオアトリート?」
「へ?」
「トリックオアトリート!」
「な、何ですの!?」
「ひいいいいい!!!」
一夏の奇行に彼女は恐怖で染まる。
「お菓子なんて持っていませんわ!」
「お菓子なんていらねぇ!ピラミッド寄越せ!」
「ピラミッド!?」
「そう!中にみのもんた眠ってるピラミッド!寄越せえええええええええ!!!!」
「お、お助けええええ!!!」
一夏は右手だけで立ち、少女の周囲を虫のように回る。
「あ!自分で持ってきてたんだ!」
そう言うと自分のバッグの中を漁る。中から出てきたのは…
「六法全書ぉおおおおおお!!!」ペロペロ
「ひぃい!?」
「甘くて美味しいいいいいいいいいいいいい!!!!」ガブガブ
「何ですの一体!?」
そんな一夏と目が合う。小さな悲鳴を漏らした。
「何だお前?」
「わ、私を知らない!?このセシリア・オルコットを!?」
驚きを隠し、普段の自分を演じるが…
「『オシリガ・ピラミッド』?」
「誰のお尻がピラミットですの!!というよりいい加減ピラミッドから離れて下さい!」
「六法全書辛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」アー!!!
「六法全書からもですわ!!」
勝手に自分で苦しむ一夏に怒りを覚えるセシリア。
「分かった。ピラミッドから離れよう。それで『バナナ・ツタンカーメン』が何のようだ?」
「全然離れていませんわ!!というよりバナナって何ですの!」
すると一夏はセシリアの髪を優しく摘まみ、
「どうしたんですか?髪にまるごとバナナが付いていますよ?」
「誰の髪がバナナですか!」
「そのバナナを分けてバナナパンマン!」
「『はーい私のお髪をお食べ!』って何やらせるんですの!?」
「ほーら餌ですよ〜!」
すると一夏はズボンの中からタコを取りだしセシリアの髪に近づけた。
「ひいいいいいい!!何故ズボンの中からタコが!!」
「可愛いだろう?名前は『大阪の非常食』っていうんだぜ!」
「やめてください!それを!それを近づけないで下さい!」
「次いでにカブト虫の『J・レノン』も…」
「いやあああああああああああああああ!!!!」
あまりの恐怖にセシリアは教室を飛び込んで逃げ出した。
「あ!鬼ごっこ!?俺オークやるからセシリア女騎士ね!!」
そう言って全力でセシリアを追う一夏だった。
オルコッ党の皆様申し訳ございません。